2013年02月01日(金)
天狼新星:花田智 ☆(SF, 小説, 本)
天狼新星 SIRIUS: Hypernova (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)
珍しく後輩Dのきむぴよ氏が「SF読んだった。スゲー面白ス」とか書いていたので興味を持って、マジハードカバーで1680円とかいつ以来だよ!?(<多分、ブレインヴァレー以来) と思いながらも書店店頭で取り寄せをしてまで買ってみました。
近未来のとあるネットワークインフラ会社が世界中で使用されている”ソリトン光通信”なるものに謎のノイズが含まれるのだがそれの原因及び取り除く方法が分からない、という場面から話が始まる。
これが太陽系から最も近い恒星のシリウスが超新星爆発を起こして、その影響を受けて地球があっという間に壊滅してしまうという未来とのリンクになるのではないか、というとんでもなく壮大な話に繋がっていく様が圧巻。
正に圧巻としか言いようが無い。
途中から「そういう話だったのか!」という部分に繋がった辺りから、一気に読ませてしまう勢いがとにかく凄かった。
ハーミットの部分が若干冗長かなあという感じはしたけれど、まあこれは演劇の一場面という事を考えるとアリな部分かと。
最初はこれの一部分が演劇で上演された(この劇団で)のかな、と思っていたんだが、まさかこの1冊分が2時間の演劇に詰まってるだなんて…。
再演があったら是非観たいもんです。
(DVDも販売はしているようですが)
これが10年以上も前に初演されていた(09年頃?に再演されたらしい)というのは相当に凄い。
その後この話にしろ作者の花田さんにしろそんなには有名にはなっていないのが、惜しいというか世の中って別に本当に面白いものが売れる訳じゃないんだよなあというのが改めて理解できたり。
(まあ面白いと思えるのにかなりの努力が必要なものではありますが。そもそもSFだし)
ただ再演の後にハヤカワからこうやってハードカバーでSF小説として刊行されたのは、なかなかハヤカワの編集の方も良い仕事をしているなと。
演劇の方も七つの大罪シリーズが終わったらSF演劇に戻ると書かれているので期待したいですね。
コメント
にうら ( 2013/02/ 2 16:17)
そいや先輩、機龍警察、読みました?
おもしろいですよ。
パトレイバーとボトムズと何かを足したようなパワードスーツな警察モノです。
ちゃんとSFやってます。
近未来(というか数年後)の日本です。
パピコン ( 2013/02/ 3 01:02)
>にうら
ハヤカワ文庫JAですか。
知らなかったですわ。
パッと見面白そうな感じはするね。
ふわふわの泉を買うときに一緒に買って積んでおきまふ。
きむ ( 2013/02/ 5 17:43)
クライマックスすごいですよね。
なんて詩的な情景なんだと。
理系ならではのロマン。
花田さんの専門は細菌らしいんで、
いつかそっちでも一本作ってもらいたいなぁ。
パピコン ( 2013/02/ 6 00:53)
>きむ兄
詩的か。確かに絵をイメージするとそうなるねえ。
でも理系&SF好きは、人の全情報や意識がデジタル(光の信号)に
変換されてっていうのもスペクタクルでシビれたね。
細菌か。
それこそ瀬名秀明のパラサイト・イヴを超えるヤツを是非期待してしまいますな~~