2013年01月25日(金)

南極点のピアピア動画 ☆(SF, 小説, 本)


野尻 抱介:南極点のピアピア動画 (ハヤカワ文庫JA)


タイトルと絵で本当に損をしている気がするんだよね。
野尻先生の新作だから本屋で見つけてノータイムで買ったけれど、そうでなかったら買って読んだかどうかは割と微妙。

ピアピア動画=ニコニコ動画。
小隅レイ=初音ミク。
としてファンの人には是非読んで欲しい。ニコ動やミクが持つパワーがこんな事になったら、という想像を掻き立ててくれる事は間違いないだろう。
ちなみに小隅 レイ(黎)っていうのは数年前にお亡くなりになったSF翻訳家さんの大御所の方です。

自分の場合はどちらも特にファンという訳では無かったのだが(翻訳家の小隅 黎はファンですが)、野尻SFファンとして十分に楽しませてもらいました。

1章の印象があんまり良くなかった。
短編集「沈黙のフライバイ」にあった”大風呂敷と蜘蛛の糸”の焼き直しじゃないか? という感じで、ちょっと面白味にかけるなあと。
今の世の中の延長で様々な事がトントン拍子に進んでいき、それが宇宙旅行にまで繋がっていくテンポの良さは素晴らしい。

2章を読み終わった辺りで(若干ご都合主義的ではあるものの)これは何だか凄い事になってきそうだぞ、と思い始めて一気に3章、そして書き下ろしの最終4章へ。
この展開は圧巻そのもの。

やっぱり野尻先生が描くファーストコンタクトものは一味違うと再認識させられた。
最初の印象とは全く違って、今までの野尻作品中のベスト3ぐらいに入るかと。


読んだSF小説の感想が溜まりまくっていたもので、年末から頑張って書き溜めていた。
他に適当なネタも無いので、週一ぐらいで更新して行きます。

SF , 小説 ,

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