2010年11月23日(火)

イノベーションのジレンマ(ゲーム開発)

ゲーム大手がソーシャルゲーム市場で後手に回るジレンマ
日経新聞:ゲーム読解 新清士

イノベーションのジレンマというのはどんな産業であっても技術革新があれば必ず起こり得るというものらしい。まあ自由に企業を作って物を売って、という事が可能な今の世の中でであれば当然なのかもしれないが。

(コンシューマ・アーケード)ゲーム業界は今までいい意味でイノベーションに支えられてきたと思う。
例えばPCの進化がここまで顕著でなければ3DCGのゲームがこんな大量に簡単に作れるような時代にはなっていなかった。

そもそもゲームハード自体がコンピュータの進化に伴って高性能化され、表現力が上がってより面白い(というよりも”目新しい”というべきか)ゲームが出てきて成長してこれた訳だ。


が、そのPCのハード成長が行くところまで行って尚且つ世の中に行き渡った結果、PCのブラウザレベル、あるいは携帯電話上でネットワークも利用したひまつぶしには十分なゲームが遊べる、という世の中になってしまった。

wikiのイノベーションのジレンマの説明にあるけれど、成功した企業ほど、今までうまく行ってきた実績の延長でサービスで続けようとするが、世の中のニーズ、特に潜在的なニーズはその様な形では掘り起こす事ができない。

このゲーム業界での場合だと、

 ・ゲームの事をちょっとした暇つぶし程度と考えている人は、ブラウザ/携帯電話のゲーム程度で十分である(ネットが無いPS1時代はこれらの人達がゲームを買ってくれていた)

 ・そもそも綺麗なグラフィックというものは開発者は目指したがるが、別にユーザーはそれを求めていない(ゲームは基本的に自分が操作した結果がゲーム内に反映されればゲームとして成立する)

という辺りが潜在的なニーズの部分だったんじゃないかと。

今ある据え置き機が次世代機と呼ばれていた頃、某友人が「これ(次世代機、及びその開発)って業界を巻き込んだ壮大な内輪受けに陥ってるんじゃないか」と言っていたが、これは的確すぎるほどに言い当てていたと思う。


まあ小説、マンガ、映画といった分野が今でも無くなっている訳ではないので、据え置き(は微妙かもだが)、携帯機を含めたコンシューマゲーム機が無くなるという事はまず無いと思っていいけれど、規模としては同程度まで落ち込むのは避けられないんではないだろうかね。

あとこの記事で新さんがソーシャル/携帯電話ゲームもすぐにスペックが上がる、と書いていたけれど、今のゲーム性で十分だからこれだけ遊ばれてるので、スペックが上がっても今のゲーム機のようなゲームが出るような事にはならないんじゃないかという気がする。

ゲーム開発

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