1. クロマチックフレーズの遠近関係
まず、クロマチックスケールを用いたフレーズのインサイド / アウトサイドを考えます。前回考察したように、リディアントニックが C のときにクロマチックスケールの4音を取り出したとき、遠近関係は、次の図のようになります。
このことから、クロマチックスケールには構成音による遠近関係の違いがほとんどないことがわかります。したがって、クロマチックスケールでは、他の素材に比べてインサイド/アウトサイドはあいまいなものとなり、強拍の音などフレーズ中の目立つ音によってインサイド/アウトサイドが左右されることになります。この、フレーズ中の目立つ音をガイドノートと呼ぶこととします。