(2) 装飾音
コードに協和するメロディー音の周辺で、メロディーに起伏を与える音を装飾音といいます。装飾音は、メロディーの瞬間的な流れによって発生するもので、コードとの協和/不協和と関係なく用いることができます。装飾音には、次のものがあります。
・経過音 (Passing Tone)
コードに協和する音同士の間を順次進行で結ぶものです。
・補助音、刺繍音 (Auxiliary)、隣接音 (Neighboring Note))
コードに協和する音を中心に隣に揺らいで戻るものです。
・先行音 (Anticipation)
次のコード上の音が手前にずれ込んでいるものです。
・掛留音 (Suspension)
コードが変化しても持続している音を掛留音といいます。
・倚音(Appoggiatura)
予備的な音を伴わず、次の音に落ち着く音で、予備のない掛留音とも考えられます。
・挿入転換音、逸音(Escape Tone,Cambiata)
順次進行する2音の間に、本来の進行方向を裏切る形で挿入された音です。本来の進行方向とは逆に順次進行したのち3度跳躍して解決するものをエスケープトーン、本来の進行方向に跳躍した後、逆方向に順次進行して解決するものをカンビアータと言います。