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理論 第1回




1. 音楽理論の必要性について

 音楽理論とは、音楽を分析して有用なものを整理したものです。当然、理論が先にあったわけではなく、音楽が先にあってそこから理論ができたものです。音楽に様々なジャンルがあるように、音楽理論にも様々な体系があります。また、人によって有用と考えるものは異なるため、理論の解釈にも違いがあります。

 音楽理論が全く必要ないと考える人を含めて、音楽理論のどの部分に重要性があると考えるかは、その人の音楽に対する興味や向上心に由来するものです。音楽理論のある部分にあまり重要性が感じられないときは、自分が聴いたり演奏することがない音楽で使われている考え方である場合が多いものです。音楽そのものを知らないと、そこから発生した理論の必要性を理解することは難しいでしょう。一部に理論軽視の風潮があるのは、そのことが原因となっていることが多いと思います。

 ただ他の人の音楽をコピーをして、ものまねをするだけでよいのであれば、理論の必要性はありません。一生懸命覚えて練習をすれば、音を再現することはできます。しかし、自分自身の音楽を創造しようとする人にとっては、それでは十分ではありません。また、ジャズの場合、アドリブが基本であることから、コピーをしてそのまま同じ音を弾いても、同じことをしたことにはなりません。お手本のミュージシャンは、最初から用意したフレーズをなぞっているわけではないのですから。

 オリジナリティのある音楽を創作するときには、オリジナリティのある理論を構築することが近道です。そのためには、既存の音楽理論を理解しておいた上に、独自の考え方を加えることが有効です。それがすばらしい音楽という結果となって現れれば、新しい音楽理論として付け加えられることになるかも知れません。

 ここでは、古典的なジャズ理論だけにとどまらず、現代のジャズを理解するために必要となる音楽理論を説明していきます。

 第1回では、 記譜や読譜に関する基本的な知識、音程、コード、スケールなどを説明します。
 第2回と第3回では、ポピュラー音楽のハーモニーの基本であるコード進行を説明します。第2回で転調を含まないコード進行を、第3回で転調を含むコード進行を取り上げ、曲の分析をします。
 第4回では、コード進行から導かれるスケールとして利用範囲の大きいアベイラブルノートスケールを説明します。
 第5回から第7回では、コードを具体的な音の配置とする、ボイシングの方法を説明します。
 第8回からは、ジャズでは比較的新しい考え方であるモードと、それ以降の現代的なジャズに関して説明します。現在進行形の内容で取り上げ難い面もありますが、すでに理論として確立している部分について、なるべく実用的な形で説明するよう心がけました。

 今回は、 記譜や読譜に関する基本的な知識や、音程、コード、スケールといった最も基礎的な事柄を説明します。

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