2. 読譜のための基礎知識
ここでは、テキストの第11回までに必要とされる記譜法を説明します。第12回では、実際の曲に近い楽譜を読むために、さらに説明を加えます。
・五線
音の高さを表すための5本の横線が五線で、下から番号が付けられています。
間
線と線のあいだの部分が間で、これも下から番号が付けられています。
加線
五線内におさまらない高さの音を記すために五線の上下に加えられる線が加線で、五線に近い方から番号が付けられています。加線のあいだの部分も間と呼ばれて、五線に近い方から番号が付けられています。
・小節
五線を縦の線で区切った部分を小節といい、区切りとなる縦の線を小節線といいます。小節線には通常の縦線、複縦線(ダブルバー)、終止線があります。
・音部記号
楽譜の最初に記される音部記号で、五線と音の高さの関係が決められます。ギターでは、ト音記号が用いられ、実音より1オクターブ高く記譜されます。
・調号
各調の基盤となる音階のどの音に変化記号(#, b)が付くかを示したものです。各調の調号は次のようになります。
・臨時記号
一時的に特定の高さの音を、半音上(シャープ,#)または半音下(フラット, b)に変化させるものです。臨時記号が適用されるのは、同じ小節内のそれ以降の音となります。オクターブ離れた音に対して効力はありません。
調号や臨時記号による変化を取り消す記号がナチュラル ( n ) で、それまでに付けられていた#や b を無効にします。ナチュラルが有効なのも、小節内のそれ以降の音で、 オクターブ離れた音に対して効力はありません。
また、正式には臨時記号を付ける必要がないときに、ミスを防ぐためにカッコ付きで臨時記号やナチュラルが書かれることがあります。
・拍子と拍子記号
連続的なリズムを一定の周期で区切ったときの基本となる単位が拍子です。1拍に相当する音符の種類と、1小節内に置かれるその音符の数を、分数の形で示したものが、拍子記号です。
単純拍子
単純な形の拍子で、2拍子、3拍子、4拍子があります。4/4拍子の拍子記号は略号のCで、2/2拍子は略号の C で示されることもあります。
複合拍子
同じ種類の単純拍子を組み合わせてできる拍子です。
混合拍子
異なる種類の単純拍子を組み合わせてできる拍子です。
・音符
音符は、音の長さや高さを示すものです。音の長さは、音符の種類によって、高さは五線上の位置によって示されます。
単純音符
付点音符
複付点音符
連音符
音符の一部を、符頭(タマ)符尾(ハタ)符幹(ボウ)と呼ぶことがあります。 符頭は色によって白タマや黒タマと呼ばれます。 符尾と符幹をまとめて符尾(ハタ)と呼ぶこともあります。
・休符
音符と同様に、以下の休符があります。ただし、全休符は拍子にかかわらず小節全体の休止を意味しますので、例えば3拍子のように、全休符が全音符と同じ長さではないこともあります。
単純休符
付点休符
複付点休符
・タイ
同じ高さの2つの音に付けられて、連続したひとつの音であることを示す記号です。タイを使うことによって、 拍との関係を明確化することができ、小節をまたがる音も表記することができます。
・コードネーム
コード(和音)は、通常コードネームで示されます。その表記の原則は、以下のとおりです。
大文字英語:ルートの音名
右下:3rd … Major3rd は M または Maj または無表記、Minor3rd は m またはー
右下:7th,6th,7thコードのときの9thと13th, m7コードのときの9thと11th
右上:b5, #5, テンションノート
b5, #5, #またはbのついたテンションノートは、ルートの音名と混同しないよう、()で囲まれます。複数の音が()で囲まれるときは縦に並べます。
・コードの表記方法
どの部分までを楽譜で指示するかによって、いくつかの表記方法があります。
譜割りを指定しないスラッシュ
スラッシュのみでハタが書かれていない場合は、譜割り、ボイシングともにプレイヤーに任せられます。
譜割りを指定したスラッシュ
示されたとおりの譜割りで演奏します。ボイシングはプレイヤーに任せられます。
トップノートを指定
コードのトップノートだけを指定される場合もあります。その他の音のボイシングはプレイヤーに任せられます。
すべての音符を記載する場合
すべての音が書かれている場合は、示されたとおり演奏します。コードネームが書かれない場合もあります。