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スタンダード 第1回




 今回は、スタンダード曲を演奏するときに一般的に用いられる曲の構成や、ギターの役割について説明し、スタンダード曲を覚えるときのポイントを考えて行きます。また、その中からフォームについて説明します。


1. 曲の構成

 スタンダード曲は、次のような曲の構成で演奏する場合が最も一般的です。

・イントロ (Introduction)
・テーマ (Theme)
・ソロ (Solo)
・テーマ (Theme)
・エンディング (Ending)

 テーマやソロの間に間奏 (Interlude)が入ることもあります。

 イントロは、通常、4小節から8小節程度のテーマへの導入部分で、テーマのメロディーやコード進行の一部を用いるなど、テーマのイメージに沿ったものが用いられます。
 テーマの部分では、曲のメロディーが演奏されますが、一部をアドリブで演奏する曲もあります。
 ソロの部分では、テーマの部分と同じコード進行でアドリブソロが演奏されることが一般的です。しかし、テーマの一部分のみを使用したり、コード進行をアドリブに適した形に一部変更することもあります。
 テーマやソロは、1コーラスを単位として繰り返されます。ブルースや1コーラスが16小節の曲は、テーマを2回繰り返します。スローテンポの曲の場合、後のテーマでは、1コーラスの後半からテーマのメロディーを演奏することもあります。
 エンディングにおいては、テーマのメロディーやコード進行の一部を用いたり、循環コードを用いた繰り返しや転調を用いる方法があります。

 場合によっては、次のような部分が使われることもあります。

ヴァース (Verse) … ボーカル曲で、コーラスに入る前に付加される序奏部分で、ボーカルの入らない編成の場合は、通常、省略されます。

ヴァンプ (Vamp) … 短いフレーズ(リフ)の繰り返しによって構成された部分で、イントロや間奏などに使われることがあります。曲によっては、定番になっているヴァンプが存在するものもあります。

チェイス (Chase) … アドリブソロの最後に、数小節でソロを交換するもので、4小節の場合は、4 Bars Chase と呼ばれます。ドラムとソロ楽器との間で掛け合いをする場合が多く、その場合はドラムソロの後テーマに戻ります。

 スタンダード曲の場合、演奏の際に、曲の構成は簡単な譜面(リードシート)で示されるか、その場のヘッドアレンジで決められることが多く、いつも決まった構成で演奏されるというものではありません。そのため、一般的な方法にすぐ対応できるようにしておけば十分です。

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