今回は、すべての音が音符で示されたコードの楽譜を読む練習をします。
音符で書かれたコードの読譜では、単音のときと比べて読み取る情報量が多く、ひとつひとつの音を個別に認識しようとしても追い付きません。そのため、コードフォームをしっかり覚えておいて、見当をつけておくことが重要です。現実問題として、トップノートとコードネームが正しければ、多少の間違いがあったとしても大きな問題にはなりません。練習曲を始める前に、前回と前々回で紹介したコードフォームを再確認しておいて下さい。
さらに、一部の音を使った2音や3音構成のコードもフォームとして覚えておきます。
・2音(複音)
2音の音程から、フィンガーボード上の形をすぐ連想できるようにしておきます。練習曲では、3度または4度の2音が使われています。
2音でスケールを弾く練習をします。
3度
4度
・3音構成のコード
練習曲では、3音構成のコードとしてトライアドが使用されています。これらのフォームを覚えておきます。
トライアド
メジャートライアド
マイナートライアド
オーギュメントトライアド
ディミニッシュトライアド
スケールからトライアドを作ります。
トライアドの5thがトップノート
トライアドのRootがトップノート
トライアドの3rdがトップノート
楽譜は、各キーごとに、次の原則で書かれた14の練習曲で構成されています。
| 拍子 | 想定 | 基本的なコード進行 | 音数 |
No. 1 | 4/4拍子 | 4Beatのバッキング | 転調なし | 4音 |
No. 2 | 4/4拍子 | 4Beatのバッキング | 転調あり | 4音 |
No. 3 | 4/4拍子 | メロディー | 転調なし | 2音 |
No. 4 | 4/4拍子 | メロディー | 転調あり | 2音 |
No. 5 | 4/4拍子 | メロディー | 転調なし | 3音 |
No. 6 | 4/4拍子 | メロディー | 転調あり | 3音 |
No. 7 | 4/4拍子 | メロディー | 転調なし | 4音 |
No. 8 | 4/4拍子 | メロディー | 転調あり | 4音 |
No. 9 | 4/4拍子 | メロディー | 転調なし | 混在 |
No.10 | 4/4拍子 | メロディー | 転調あり | 混在 |
No.11 | 2/2拍子 | メロディー | 転調なし | 4音 |
No.12 | 3/4拍子 | メロディー | 転調なし | 4音 |
No.13 | 6/8拍子 | メロディー | 転調なし | 4音 |
No.14 | 4/4拍子 | 16Beatのバッキング | 転調なし | 4音 |
今回も、読譜の練習としての効果を最も上げるため、以下の点に注意してください。
・初見で演奏可能な速度にメトロノームのテンポを合わせ、間違えてもなるべく止まることなく、一つの練習曲を終わらせてください。難しい場合は、テンポを極端に下げてもかまいません。
・練習曲を覚えてしまうほど練習してはいけません。初見で、どんどん先の譜面を読むようにして下さい。
・読譜のときは、フィンガーボードをあまり見ないで、なるべく譜面を見て演奏するようにして下さい。
なお、今回の楽譜では、音符にテンションノートが含まれている場合でも、基本的なコードのみでテンションノートは記載していませんので、コードネームは参考程度に見て、楽譜の音符を正確に弾くことを心掛けて下さい。
次回は、コードと単音が混在した楽譜を読む練習をします。