今回は、ポジション移動をおこなって、転調のある楽譜を用いた読譜の練習をします。
まず最初に、転調の度に調号を記載している楽譜で、次に、練習曲の途中に調号がない楽譜で練習します。基本となるキーが1小節、その後2小節転調して元のキーに戻る形で、12のキーに転調するようになっています。
今回は、ポジション移動をおこなって広い音域をカバーします。転調の際は、そのときのポジションの近くでスケールのフォームを変えていきます。下の図は、キー:C - 2nd Position の近くの12のキーのスケールフォームを示したものです。このように、転調したときのポジションは、基本となるキーのスケールと同じ、または、すぐ近くのポジションを選びます。このようなフォームの変更を、どのポジションにいるときでもできるようにして下さい。
フィンガーボード上の数字は、左手の運指を示し、○付きの数字は、各メジャースケールのトニックを示しています。
楽譜は、1行ごとにポジションを移動するようになっています。最も下のポジションから7つのポジションを順に上がっていき、そのあと順にポジションを下がります。たとえば、キーがCの場合は、次のようになります。
2nd Pos → 4th Pos → 5th Pos → 7th Pos → 9th Pos → 10th Pos → 12th Pos → 10th Pos → 9th Pos → 7th Pos → 5th Pos
ポジション移動は、基本のキーの間に、なるべく次の原則を守っておこないます。
・同じ弦で、同じ指で押さえる2音の間で移動する。
・となりのポジションへの移動とし、急激なポジション移動はおこなわない。
ただし、これが困難な場合は、違う指で押さえる音の間でポジション移動します。
今回も、読譜の練習としての効果を最も上げるため、以下の点に注意してください。
・初見で演奏可能な速度にメトロノームのテンポを合わせ、間違えてもなるべく止まることなく、一つの練習曲を終わらせてください。難しい場合は、テンポを極端に下げてもかまいません。
・練習曲を覚えてしまうほど練習してはいけません。初見で、どんどん先の譜面を読むようにして下さい。
・読譜のときは、フィンガーボードを見ないで、常に譜面を見るようにして下さい。ポジション移動のときも指先の感覚と音の聴き取りで位置を判断して下さい。
次回は、リズムのバリエーションを加えて、実際のメロディーに近い楽譜で練習をします。