Jazz Guitar 通信講座 ジャズギター通信講座 ホームアドリブ基礎コードワーク理論スタンダードビバップモードイヤートレーニング読譜メカニカルトレーニング
概要 第1回 第2回 第3回 第4回 第5回 第6回 第7回 第8回 第9回 第10回 第11回 第12回

(3) トレーニング方法

 以上の初見演奏の特徴やギターにおける難しさを考慮して、本テキストでは、次の順序でトレーニングを進めていきます。

・第1回〜 第7回:単音

【第1回】 固定ポジション - 臨時記号なし

 まず最初に、メジャースケールの7つのフォームを覚えます。メジャースケールは臨時記号(#やb)がない音符に対応するため、メジャースケールのフォームを覚えておいて、臨時記号がないときはその中から音を選ぶ、という発想で労力を減らすことができます。
 メジャースケールの7つのポジションで臨時記号がない楽譜を読むことによって、音名とフレット上の位置の対応を、フレット全体でしっかり把握します。
 一番初期の段階から、メトロノームに合わせて止まらず弾いていきます。

【第2回】 固定ポジション - 臨時記号あり

 そのあと、臨時記号(#やb)がついた楽譜を読む練習をします。メジャースケールの7つのフォームを基本に考え、臨時記号が付いている音は、臨時記号がついていないときと同じ弦を使うようにします。

【第3回】 ポジション移動 - 臨時記号なし

 次に、ポジション移動を加えてフレット全体を使った読譜の練習をします。ポジション移動を伴うときは、低音域のフレーズでは低音弦を中心に、高音域のフレーズでは高音弦を中心に使用することになるため、フィンガーボードを斜めに移動するイメージになります。
 左手を見ると譜面から目が離れてしまいますので、左手を見ないでポジション移動をすることが必要になります。次の原則を守ると、フィンガーボードを見ないで確実にポジション移動をすることができます。
・同じ弦で、同じ指で押さえる2音の間で移動する。
・となりのポジションへの移動とし、急激なポジション移動はおこなわない。
したがって、ポジションを上げるときには、メロディーが2度で上昇しているときに、ポジションを下げるときには、メロディーが2度で下降しているときにおこなうことになります。原則どおりのポジション移動をすることができない場合もあるため、ある程度先を読んで、早めにポジション移動をすることが必要です。

【第4回】 ポジション移動 - 臨時記号あり

 臨時記号(#やb)がついた楽譜で、ポジション移動を伴った練習をします。ここでも、メジャースケールの7つのフォームを基本に考え、臨時記号が付いている音は、臨時記号がついていないときと同じ弦を使うようにします。

【第5回】 転調 - ポジション移動少ない

 まず、音域が比較的狭く、少ないポジション移動で対応できる楽譜で、転調の練習をします。転調の時は、基本となるキーのスケールと同じまたはすぐ近くのポジションのフォームに変えることにより、転調をします。

【第6回】 転調 - ポジション移動多い

 音域が広く、フレット全体を使ったポジション移動が必要な楽譜で、転調の練習をします。

【第7回】 リズムのバリエーション

 8分音符だけではなく他の譜割りの音符も使った楽譜で、リズムのバリエーションを加えていきます。細かい譜割りでは、個々の音だけではなく、前後の音程から先回りして予想するようにします。


・第8回〜 第11回 :コード

【第8回】 コードネーム

 ここでは、譜割りを指定していないスラッシュ表記や、譜割りを指定しているリズム表記のコードネームで示された楽譜を用いて練習します。
 コードを押さえること自体が問題になるようなことでは読譜の練習になりませんので、コードネームを見てすぐにフォームが連想できるように、楽譜の練習の前にコードフォームの確認をしておきます。
 複雑なテンションが付加されていて、必要なテンポで演奏できないときは、とりあえずテンションノートを省略して付いていくことが必要になることもあります。このようなケースでも落ち着いて対処できるよう、あらかじめ訓練しておきます。

【第9回】 コードネーム + トップノート

 トップノートを指定したコードで示された楽譜を読む練習でも、コードを押さえること自体が問題にならないよう、コードネームとトップノートを見てすぐにコードフォームが連想できるように、楽譜の練習の前にコードフォームの確認をしておきます。

【第10回】 すべての音が音符で示されたコード

音符で書かれたコードの読譜では、単音のときと比べて読み取る情報量が多く、ひとつひとつの音を個別に認識しようとしても追い付きません。そのため、コードフォームをしっかり覚えておいて、見当をつけておくことが重要です。現実問題としては、トップノートとコードネームが正しければ、多少の間違いがあったとしても大きな問題にはなりません。完全な4音構成のコードだけではなく、一部の音を使った2音や3音構成のコードもフォームとして覚えておきます。

【第11回】 コード + 単音

 コードと単音が混在した楽譜を読む練習をします。これまでの成果を総合的に生かします。


・ 第12回 :総合練習

【第12回】 実際の曲に近い譜面

 最後に、実際に渡されるような譜面を初見演奏する訓練をおこないます。この段階で、反復記号や速度記号など、今回説明しなかった記譜法を詳しく説明します。これらについては、注意を怠らなければ問題は起こらず、特にトレーニングの必要はありません。

次へ