1. 3音コードの分類
今回と次回では、3音のコードを取り上げます。4音のコードが、コードサウンドを完全に表現できるのに対し、3音のコードでは、完全なコードサウンドを表現できない場合がほとんどですが、そのことが逆に他の演奏者に自由を与えることになり、バッキングに幅を持たせることとなります。また、音を減らすことは、よりソロに近づくことであり、逆にソロの中にコードを織り込むときにも役立ちます。
ここでは、3音のコードのうち、ギターで隣りあった3本の弦を用いたコードを取り上げます。3音のコードの場合は、音数が少ないため、2音の音程の響きが前面に出たものとなります。
そこで、まず最初に、2音の音程がどのような響きになるかを見ていきます。
短2度
長2度
短3度
長3度
完全4度
増4度(減5度)
完全5度
短6度(増5度)
長6度
短7度
長7度
これらの音程から得られるサウンドをおおまかに3つに分類すると、次のようになります。
・長短3度、長短6度 … ソフトな協和、オーソドックスなサウンド
・完全4度、完全5度 … 開放的、モーダルなサウンド
・長短2度、長短7度 … 不協和、窮屈なサウンド
3音のコードの場合は、3つの音程が組み合わさったものとなります。ギターの隣りあった弦では、2度から6度の音程を押さえることが可能で、1つ間を空けた弦の間では3度(特殊な場合のみ可能、通常は4度)から9度の音程が可能ですので、3音コードの可能性は以下のとおりとなります。なお、簡単にするため、長短、増減の音程は区別せずに書いています。また、最低音と最高音の間がオクターブになるものは省略します。
2度 - 2度
2度 - 3度
2度 - 4度
2度 - 5度
2度 - 6度
3度 - 2度
3度 - 3度
3度 - 4度
3度 - 5度
4度 - 2度
4度 - 3度
4度 - 4度
4度 - 6度
5度 - 2度
5度 - 3度
5度 - 5度
6度 - 2度
6度 - 4度
以上の3音のコードを、次のように大きく分類します。3音のコードのサウンドは、2音の音程から得られる響きを複合したものとなるため、2音の音程と同じ傾向のサウンドとなります。
・3度構成のコードおよびその転回形 … ソフトな協和、オーソドックスなサウンド
・4度構成のコードおよびその転回形 … 開放的、モーダルなサウンド
・2度構成のコードおよびその転回形 … 不協和、窮屈なサウンド
ギターの隣り合った弦で可能な3音コードが、それぞれ上記の3種類のうちのどれに当たるかを見ていきます。次のように、3音のコードは4音のコードから1音を省略したものをもとに作ることができます。
・3度構成のコードおよびその転回形
・4度構成のコードおよびその転回形
・2度構成のコードおよびその転回形
以上から、ギターの隣り合った弦で可能な3音コードを、次のように分類することができます。
・3度構成のコードおよびその転回形
2度 - 3度
2度 - 5度
3度 - 2度
3度 - 3度
3度 - 4度
3度 - 5度
4度 - 3度
4度 - 6度
5度 - 2度
5度 - 3度
6度 - 4度
・4度構成のコードおよびその転回形
2度 - 4度
4度 - 2度
4度 - 4度
5度 - 5度
・2度構成のコードおよびその転回形
2度 - 2度
2度 - 6度
6度 - 2度
今回は、上記の中で3度構成のコードとその転回形について考えていきます。