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コードワーク 第9回




1. 3音コードの分類

 今回と次回では、3音のコードを取り上げます。4音のコードが、コードサウンドを完全に表現できるのに対し、3音のコードでは、完全なコードサウンドを表現できない場合がほとんどですが、そのことが逆に他の演奏者に自由を与えることになり、バッキングに幅を持たせることとなります。また、音を減らすことは、よりソロに近づくことであり、逆にソロの中にコードを織り込むときにも役立ちます。
 ここでは、3音のコードのうち、ギターで隣りあった3本の弦を用いたコードを取り上げます。3音のコードの場合は、音数が少ないため、2音の音程の響きが前面に出たものとなります。
 そこで、まず最初に、2音の音程がどのような響きになるかを見ていきます。

 短2度




 長2度




 短3度




 長3度




 完全4度




 増4度(減5度)




 完全5度




 短6度(増5度)




 長6度




 短7度




 長7度




これらの音程から得られるサウンドをおおまかに3つに分類すると、次のようになります。

・長短3度、長短6度  … ソフトな協和、オーソドックスなサウンド
・完全4度、完全5度  … 開放的、モーダルなサウンド
・長短2度、長短7度  … 不協和、窮屈なサウンド

 3音のコードの場合は、3つの音程が組み合わさったものとなります。ギターの隣りあった弦では、2度から6度の音程を押さえることが可能で、1つ間を空けた弦の間では3度(特殊な場合のみ可能、通常は4度)から9度の音程が可能ですので、3音コードの可能性は以下のとおりとなります。なお、簡単にするため、長短、増減の音程は区別せずに書いています。また、最低音と最高音の間がオクターブになるものは省略します。

 2度 - 2度
 2度 - 3度
 2度 - 4度
 2度 - 5度
 2度 - 6度
 3度 - 2度
 3度 - 3度
 3度 - 4度
 3度 - 5度
 4度 - 2度
 4度 - 3度
 4度 - 4度
 4度 - 6度
 5度 - 2度
 5度 - 3度
 5度 - 5度
 6度 - 2度
 6度 - 4度

 以上の3音のコードを、次のように大きく分類します。3音のコードのサウンドは、2音の音程から得られる響きを複合したものとなるため、2音の音程と同じ傾向のサウンドとなります。

・3度構成のコードおよびその転回形  … ソフトな協和、オーソドックスなサウンド
・4度構成のコードおよびその転回形  … 開放的、モーダルなサウンド
・2度構成のコードおよびその転回形  … 不協和、窮屈なサウンド

 ギターの隣り合った弦で可能な3音コードが、それぞれ上記の3種類のうちのどれに当たるかを見ていきます。次のように、3音のコードは4音のコードから1音を省略したものをもとに作ることができます。


・3度構成のコードおよびその転回形




・4度構成のコードおよびその転回形




・2度構成のコードおよびその転回形




以上から、ギターの隣り合った弦で可能な3音コードを、次のように分類することができます。

・3度構成のコードおよびその転回形

 2度 - 3度
 2度 - 5度
 3度 - 2度
 3度 - 3度
 3度 - 4度
 3度 - 5度
 4度 - 3度
 4度 - 6度
 5度 - 2度
 5度 - 3度
 6度 - 4度

・4度構成のコードおよびその転回形

 2度 - 4度
 4度 - 2度
 4度 - 4度
 5度 - 5度

・2度構成のコードおよびその転回形

 2度 - 2度
 2度 - 6度
 6度 - 2度


今回は、上記の中で3度構成のコードとその転回形について考えていきます。

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