今回は、コードトーンから始まる4音音型について考えていきます。
1. コードトーンから始まる4音音型
8分音符が連続するフレーズを2拍単位のフレーズに分解すると、4音でできた音型になります。その中で、コードトーンから始まるものは、コード進行に沿ったビバップフレーズを作るときに、その中心となります。
コードトーンから始まる4音音型の4つの音をそれぞれ見ていくと、その位置によって、目立つところと目立たないところがあり、使用される音に違いがあることがわかります。
・3番目の音は、コードトーンまたはテンションノートで、コードサウンドに沿ったものになります。
・2番目の音は、アプローチノート、前後の音とともにアルペジオになるスケールノート、コードトーンが用いられます。
・4番目の音は、アプローチノートまたはコードトーンが使用されます。4番目の音がコードトーンの場合は、次に続く音に左右されず使用でき、アプローチノートの場合は、全音または半音で次の音につながります。
つまり、"強"の音は、目立って聴こえるためコードサウンドに沿った音に、"弱"の音は、次の音にスムーズにつながるようになっている、ということです。スムーズにつながるのは、"弱"の音がアプローチノートの場合か、アルペジオのフレーズのいずれかの場合です。アプローチノートは、クロマチックまたはスケールノートで次の音につながる音です。アルペジオはアベイラブルノートスケールからできるブロークンコードです。
"弱"の音から"強"の音に跳躍するときは、跳躍の前の"弱"の音が目立って聴こえますので、コードトーンが多く用いられます。
以上をまとめると、次のようになります。
なお、次の音型の最初が休符の場合や、アンティシペーション(先行音)となる場合は、音型の最後の音が目立って聴こえますので、次のコードのコードトーンまたはテンションノートとなります。
コードとスケールが CMaj7 - C Ionian Scale のケースで、Root から始まる4音の音型を考えてみます。
全ての音がコードトーン
3番目の音をテンションノートに変えます。最初の音型では、5th を 13th に変えて以下のようになります。
2番目の音を、変化させます。全ての音がコードトーンの最初の音型をもとに変化させると、次のようになります
クロマチックアプローチ
下の譜例で2つめの音型は、以下のどれにも該当しないので、除外します。
・ダブルクロマチックアプローチ
・上下から挟み込む形で解決するもの
・半音下の刺繍音となるもの
スケールワイズアプローチ
アルペジオ
下の譜例のようなものは、全ての音がコードトーンの音型に含まれるので、除外します。
3番目の音をテンションノートに変えた音型の最初のものをもとに変化させると、次のようになります。
クロマチックアプローチ
2つめの音型は以下のどれにも該当しないので、除外します。
・ダブルクロマチックアプローチ
・上下から挟み込む形で解決するもの
・半音下の刺繍音となるもの
スケールワイズアプローチ
最初の音型は、元と同じですので、省略します。
アルペジオ
2つめの音型は、F音がコードトーン、テンションのどちらでもないので、除外します。
以上の音型の4番目の音を、変化させます。次の音が E音の場合は、以下の様になります。
クロマチックアプローチ
上からのクロマチックアプローチは、以下のどれにも該当しないので、除外します。
・ダブルクロマチックアプローチ
・上下から挟み込む形で解決するもの
・半音下の刺繍音となるもの
スケールワイズアプローチ
このようにして、各コードタイプについて、コードトーンから始まる4音音型を作っていきます。なお、4番目の音は、コードトーンまたは、次の音につながるアプローチノートで、次の音に左右されるため、音符を書いていません。