ビバップ 第1回
ここでは、ビバップの特徴を整理し、ビバップらしいアドリブをとるための訓練をします。
アドリブをとるときに、最初は、コードからアベイラブルノートスケールを割り出して、それをもとにフレーズを組み立てていくことが多いと思います。それで一応コードからはずれていないものになるのですが、そのようにしても、なかなかビバップ風のアドリブがとれないということを経験している人は多いと思います。つまり、ビバップらしさを出すためには、それ以外の何かが必要だということです。
これまでは、それを明快に説明したものがあまりなく、とにかくフレーズを覚えていくことが上達への近道であるように言われてきました。しかし、初心者の場合、何から覚えたらよいのかわからない場合が多く、レコードからフレーズをコピーして覚えても、実際のアドリブでそのまま使うわけにもいかないため、なかなか役には立ちません。フレーズをもう少し細かく分解し、臨機応変に使えるようにして覚えておくことが必要です。
今回から、ビバップフレーズの特徴を整理し、アドリブで使えるようにするための練習します。それを応用することにより、どんどん自分でフレーズを作っていくことができます。
ただし、これですべてのフレーズを説明するという意味合いのものではなく、どうすればビバップらしいフレーズになるかを説明したものです。言い換えれば、過去の多くのビバッププレイヤーが、経験上身に付けていた職人芸的なコツやクセを分析し、効率的に身に付けるための近道を考えたものです。これで、アドリブに枠をはめるのではなく、ひとつの考えとして参考にしてください。