スタンダード曲のコード進行で、各種アドリブ素材を使ってアドリブをとるための訓練をします。今回は、"All The Things You Are" を取り上げます。"All The Things You Are" は Jerome Kern の作曲で、多くのジャズプレイヤーに演奏されています。
1. コード進行の分析
・コード進行
次のような、1コーラス36小節のコード進行で演奏されます。オリジナルのコード進行が転調を多く含む洗練されたものであるため、リハモナイズはほとんどおこなわれません。
・コード進行の分析
一時的な転調が5回あり、キーがAb→C→Eb→G→E→Abと変化します。4小節ごとにコード進行を見ていきます。
◆1〜4小節目
キーがAbメジャーのダイアトニックコードを用いたコード進行(VIm7 - IIm7 - V7 - IMaj7)になっています。
◆5〜8小節目
キーがCメジャーのサブドミナントマイナー - ドミナント - トニックのコード進行で、ドミナントが IIm7-V7 に分解されています。5小節目は、それまでのキーAbの IVMaj7 と見ることもでき、ピボットコードを用いた転調になっています。
◆9〜12小節目
キーがEbメジャーのダイアトニックコードを用いたコード進行(VIm7 - IIm7 - V7 - IMaj7)になっています。これは、1〜4小節目を移調したものとなっています。
◆13〜16小節目
キーがGメジャーのサブドミナントマイナー - ドミナント - トニックのコード進行で、ドミナントが IIm7-V7 に分解されています。13小節目は、それまでのキーEbの IVMaj7 と見ることもでき、ピボットコードを用いた転調です。13〜16小節目は、5〜8小節目を移調したものとなっています。
◆17〜20小節目
17〜20小節目は、キーがGメジャーの IIm7-V7-I のコード進行になっています。
◆21〜24小節目
21〜23小節目は、キーがEメジャーの IIm7-V7-I のコード進行になっています。24小節目は、次に続くコード(Fm7)に対するドミナントコードです。
◆25〜28小節目
25小節目以降は、キーがAbメジャーのコード進行になっています。25〜28小節目は1〜4小節目と同じコード進行です。
◆29〜32小節目
29〜31小節目はサブドミナント - サブドミナントマイナー - トニックのコード進行、32小節目のBdim7はパッシングディミニッシュです。
◆33〜36小節目
33〜35小節目は、キーがAbメジャーの IIm7-V7-I のコード進行、36小節目は冒頭のコード(Fm7)に対するIIm7-V7進行です。
以上のコード進行をまとめると、次のようになります。