1. アプローチノート
(1) 解説
メロディーを構成する音の中で、比較的短い音符で、コードトーンやテンションノートに半音または全音で続く音をアプローチノートと呼びます。アプローチノートの種類としては、次のものがあります。
・クロマチックアプローチ
・ドミナントアプローチ
・スケールワイズアプローチ(ダイアトニックアプローチ)
クロマチックアプローチは、各音が半音でつながるようにコード付けをします。コードネームで表記すると、同タイプの半音上または半音下のコードとなります。
ドミナントアプローチは、次に続くコードに対してのドミナント7thコードでコード付けをします。ドミナント7thコードがオルタードテンション(b9,#9,b5,#5)を持つ場合は、オルタードドミナントアプローチと呼びます。また、ドミナント7thのルートをb9thに変化させることによりディミニッシュコードとしたものをディミニッシュアプローチと呼びます。
スケールワイズアプローチは、アベイラルノートスケールの音を使ってコード付けをします。アベイラルノートスケールがダイアトニックスケールである場合は、ダイアトニックアプローチと呼びます。
これらは、アプローチノートをハーモナイズするときの方法による分類ですが、単音で考えると次のように分類することができます。
・クロマチックアプローチ
半音上から
半音下から
・ドミナントアプローチ
上隣りのコードトーンまたはテンションノート(ドミナント7thコード)から、つまり
半音上から
全音上から
下隣りのコードトーンまたはテンションノート(ドミナント7thコード)から、つまり
半音下から
全音下から
・スケールワイズアプローチ(ダイアトニックアプローチ)
上隣りのスケール音から
半音上から
全音上から
下隣りのスケール音から
半音下から
全音下から
つまり、単音で考えると、半音または全音で目的の音に解決することになり、次の4通りがあると言えます。
全音上から
半音上から
全音下から
半音下から
・ダブルクロマチックアプローチ
解決が遅れて、同じ方向に連続して用いられるクロマチックアプローチをダブルクロマチックアプローチといいます。
ダブルクロマチックアプローチを単音で考えると、次の2通りの組み合わせで目的の音に解決する、と言うことができます。
全音上 - 半音上
全音下 - 半音下
・ディレイドリゾルブ
ふたつのアプローチノートが上下から同じ音へ解決することをディレイドリゾルブといいます。アプローチノートには、クロマチックアプローチ、スケールワイズアプローチ(ダイアトニックアプローチ)、ドミナントアプローチのいずれを使うこともできます。
ディレイドリゾルブを単音で考えると、次の8通りの組み合わせで目的の音に解決する、と言うことができます。
全音上 - 全音下
全音上 - 半音下
半音上 - 全音下
半音上 - 半音下
全音下 - 全音上
全音下 - 半音上
半音下 - 全音上
半音下 - 半音上
これらの運指を、フィンガーボード上で示すと次のようになります。2ndポジションで、アプローチノートを ➡ または ⬅ で、目的の音を●で示し、フィンガーボードの左の数字で押さえる指を示しています。