(5) アプローチノート
メロディーを構成する音の中で、比較的短い音符でコードトーンやテンションノートに続く音を、アプローチノートと呼びます。アプローチノートは、半音でつながる場合とスケール音でつながる場合があり、音程としては、次の4通りのケースがあります。
全音上
半音上
全音下
半音下
・ダブルクロマチックアプローチ
解決が遅れて、同じ方向に連続して半音でつながるものをダブルクロマチックアプローチといいます。ダブルクロマチックアプローチは、次の2通りがあります。
全音上 - 半音上
全音下 - 半音下
・ディレイドリゾルブ
ふたつのアプローチノートが上下から同じ音へ解決することを、ディレイドリゾルブといいます。半音とスケール音のいずれを使うこともできます。
ディレイドリゾルブは、次の8通りの組み合わせで目的の音に解決する、と言うことができます。
全音上 - 全音下
全音上 - 半音下
半音上 - 全音下
半音上 - 半音下
全音下 - 全音上
全音下 - 半音上
半音下 - 全音上
半音下 - 半音上
アプローチノートを使ったフレーズを示します。
アプローチノートを使う場合、拍の頭をコードサウンドに合うものとし、裏拍の音をアプローチノートにすると、スムーズなメロディーとなります。これらを、4音から8音程度の短いフレーズ(リック)として記憶しておくと、アドリブで使いやすくなります。
以上のような様々なアドリブ素材を練習することによって、思い浮かんだ音を弾くという直感的な能力と、先のプランを立てておくための論理的な能力が、両方鍛えられます。