2011/12/06(火)エスプレッソマシンにおけるPID制御
んーと、エスプレッソマシンは水を熱湯に温めてコーヒーを抽出させるのだが、その温度調整はヒーターの単純なon/off制御で行われる。そのon/off契機ははサーミスタで検出して決めるため、かなり大雑把な温度変化になる。例えば温度上昇側で言うと
SW-ON→(温度上昇)→サーミスタ閾値超える→SW-OFF→(温度自然下降)
という具合。逆に下降の場合は
(温度自然下降)→サーミスタ閾値より下がる→SW-ON→(温度上昇)
となる。
問題は、このような動作になるため、温度上昇からSW-OFF~温度下降するまでのタイムラグ中にヒーターの余熱で本来の目標温度を超えてしまうタイミングがある。また逆に温度が下降してからSW-ONで温められる間にもタイムラグがあるため、目標温度よりも低い温度になる時間が少なからず存在する。
このような問題を解決するために、サーミスタによる制御を、PID制御と呼ばれる制御に交換してしまえ、というもの。PID制御の詳細は各自調べて貰うとして、簡単に言えば短い間隔で温度をサンプリングし、ヒーターのon/offを細かく制御することで、目標温度を保つようにする仕掛け。制御自体は細かい計算があるようだが割愛する。
そういうPID制御が出来るようにする改造キットが作られ、売られている。今欲しいと思っている、ランチリオのシルビアって機種にもキットが存在し、ある通販サイトではそのキットを最初から取り付けて売るオプションもあったりする。
改造自体は簡単らしく、自分でも出来るレベル。キットも複数種類存在するが、説明した通りサーミスタの信号を置き換えるだけなので、どれも似たようなもの。違いは制御の計算や、操作性、表示部の見た目など。
んで、どうせエスプレッソマシンを買うなら、PID制御を付けた方が良いのは明らか。付けないなら安い機種が少し豪華になったくらいのレベルにしかならないからな。ちなみに業務用やそれに近い高価な機種の場合は、ボイラーが大きく水量も多いので温度変化が少なく、PID制御をしなくても温度を保てるってワケだな。
温度の変化は抽出したコーヒーの味に関わってくるらしく、理想温度が95度、それより上だと苦く、下だと酸味が出るようだ。当然豆の種類や湿度、タンピング、抽出時の気圧なんかも影響する。確かに、いつも同じ豆を使って同じ機械を使っているのに味が違うことがあり不思議には思っていた。タンピングが安定しないせいかと思っていたが、温度の違いもあったのかもしれない。
そんなわけで、もしマシンを買うとしたら、PIDも付けたいな、と。そうするとグラインダーもセットで10万くらいになるので、だいぶ思い切った買い物になるな。どうしようかな…。