さらに行き帰りの電車で戦う民間船―知られざる勇気と忍耐の記録(大内健二著 光人社NF文庫)読了。『海上護衛戦』に続いて、第二次世界大戦における民間船舶の話に重点を置いてかかれた本。とにかく日本帝国の海上護衛に関する稚拙さを改めて思い知る。船団護衛についてもそうだが、物資を積んだ船を目的地に送り込めばそれで事足りると思っていたところがまずおかしい。輸送船に5000トンの物資を積んで目的地に到着したとしても、その5000トンを揚陸しなければ使えないわけで、たとえゴールに到着してもその作業が完了しなければ意味がない。万難を越えて目的地に到着しながら揚陸すべき物資をむざむざ失うという有様ではどうしようもない。
一方、海上護衛戦で取り扱われなかった特設監視艇など、民間漁船を徴用しての活動や、強運(とそれを補う当事者たちの努力)で太平洋戦争を生き抜いた船舶のその後、また連合国側のリバティ型戦時輸送船やクイーン・メリー、エリザベス姉妹による兵員輸送の話など、いろいろと中身の濃い本で非常に面白かった。
基盤のチップ上にプリントされた内容を見なければいけないのでがんばってヒートシンクを引っぺがす。うおおおなかなか外れないよぉグリスが固まってるよう。壊れないかとひやひやものだった。