Quicktime4付属のDVCodecは、DV→Macの場合はデジタルビデオのデータ割付けである
黒:10(hex) 白:EB(hex)を、Macの環境にあわせて黒:00(hex) 白:FF(hex)に、
Mac→DVの場合は、逆に黒:00(hex) 白:FF(hex)から黒:10(hex) 白:EB(hex)に
レベル変換するようです。
そのため、10(hex)以下、 EB(hex)以上はDV→Macにクリップが掛かってしまいます。
一方、Decodeの結果であるキャプチャー画は、黒/白のレベルが、Macの画像データとして
正しい黒/白レベルとなります。
また、レベル変換が入ったことが影響していると思われますが、Decode/Encode時に
同じレベルの信号でも異なったレベルとなってしまう画質劣化が出てしまいます。
その結果、画像としては筋が入って見えたり、ソラリゼーションぽくなったり、
SN比の低下となって 見える場合があります。また、階調再現性の直線性が悪い結果
もでています。
Quicktime3.0で見られた演算誤差が残ったまま、レベル変換を追加してしまったためではないかと
推測します。
(1)下に示すような中央部に1画素毎に00からFF(hex)まで連続的に変化するDV信号をキャプチャーして
その時の画質変化を見た。
*図や画像はクリックすると拡大してみられます。
・SourceのDV信号 | |||
画面的には です。 |
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水平方向1列をテキスト化したもの
→ こちら
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・これをQuicktime4付属のDVCodecでキャプチャした結果 は、 | |||
画面的には です。 |
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水平方向1列をテキスト化したもの
→ こちら
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いくつかの変化があることが分かりますが、主なところでは、
・DVをDecodeする際に、白−黒のレベル差に応じたレベル変換が行われるので、
その結果として、DVフォーマット側の白100%以上、黒0%以下はクリップされる。
・階調再現性が悪い…QT3同様に、微少な階調変化率がレベルごとに異なるとともに
大きな輝度レベル変化で黒側が白側に比べてややゲインが少なくなって
直線性が悪い。
・SNが悪くなる…soruceとキャプチャ後のデータをテキスト化したもので比較すると分かりやすいかと
思いますが、SNが悪くなったり、筋が出たりやソラリゼーションぽくなったり見えます。
例えば、画面右側の平たん部で詳細に値で比較しますと、
DVsource:EB,
EB,EB,EB,EB,EB,EB,EB,EB,EB,EB,EB,EB,EB,EB,EB,EB,EB,
と均一であるのに対して
QT4decode:FD,
FE,FF,FE,FD,FE,FD,FF,FD,FE,FD,FE,FD,FF,FD,FF,FE,FD,
となってしまいますし、また、データが変化しているところで見ても
DVsource:30,31,32,33,34,35,36,37,38,39,3A,3B,3C,3D,3E,3F,40
に対して
QT4decode:19,1A,1A,1B,1D,1C,1E,1E,20,21,20,23,23,23,24,23,27
となってしまうように。
・上記をQuicktime4付属のDVCodecでDVフォーマットにエンコードしたものは → こちら
(2)上記の画像と同様な中央部に1画素毎に00からFF(hex)まで連続的に変化するBMP信号を
Quicktime4付属のcodecでDVformatに変換して、そのDV信号をQuicktime4付属のcodecで
BMP信号に戻した時の画質変化を見た。
*図や画像はクリックすると拡大してみられます。
・encode/decodeした結果 | |||
画面的には です。 |
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水平方向1列をテキスト化したもの
→ こちら
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こちらは、DVフォーマット時に白100%−黒0%内のデータであるために、白/黒クリップは生じません。
しかし、その他の階調再現性の悪さやSNの劣化、筋っぽく見えるなどはでています。
やはり、 画面右側の平たん部で詳細に値で比較しますと、
DVsource:
EB,EB,EB,EB,EB,EB,EB,EB,EB,EB,EB,EB,EB,EB,EB,EB,EB,EB,
と均一であるのに対して
QT4decode:E9,EB,EC,EB,E9,EB,E9,EC,E9,EB,E9,EB,E9,EC,E9,EC,EB,E9
となってしまいますし、また、データが変化しているところで見ても
DVsource:30,31,32,33,34,35,36,37,38,39,3A,3B,3C,3D,3E,3F,40
に対して
QT4decode:2E,30,2F,31,34,33,36,35,37,38,37,3A,3A,3A,3D,3B,3F
となってしまうように、データ増減の逆転まで生じてしまっています。