If You Believed In Me



THE CASCADES
The Very Best Of

(TARAGON/TARCD-1046)

1. There's A Reason
2. Second Chance
3. Rhythm Of The Rain
4. Let Me Be
5. Shy Girl
6. The last Leaf
7. Cinderella
8. A Little Like Lovin'
9. Awake
10. Jeannie
11. Vicki (My Love)
12. Just How Much Do I Love You
13. Is There A Chance
14. Those were The Good Old Days
15. Somewhere A Bird Is Singing
16. Little Betty Falling Star
17. First love Never Dies
18. For Your Sweet Love
19. I dare You To Try

July 31, 2000

梅雨明けだから、カスケイズ

 カスケイズといえば「悲しき雨音」。「悲しき雨音」といえば、梅雨時のお決まりソングであります。もちろんカスケイズは日本の時候を踏まえて作ったわけではないのですが、日本人の琴線に触れるメロディの魅力も相まって、6月の歌として国民的合意に達しているのでした。(そういえば、同じく合意に達していたジリオラ・チンクェッティの「雨」はいつの間にか上がっちゃたみたいですね)
 そんなこんなで、この「悲しき雨音」をですね、夏場にレコードをかけるとですね、なんかこう季節外れというか、少し恥ずかしい思いをしてしまうのは、ぼく一人でしょうか。梅雨時にかけるともっと恥ずかしいですけど(^^;。ちょっと待ってください!これでは、カスケイズを聴くこと自体が恥ずかしいということになりかねないではないですか。これはいけません。というわけで、本日、不肖大嶽がカスケイズをソフト・ロック・グループ並びにハーモニー・ポップ・グループとして認定いたしました。これで、世間様にはばかることなく、1年中カスケイズを楽しんでいただけることと存じます。

 そこで紹介したいのが、アメリカTARAGONレコードが1998年にリリースしたベスト盤です。この直輸入盤に日本語解説を付けたものをVIVIDサウンドが販売していますので、比較的入手しやすいと思います。が、しかし。店で見かけても素通りした経験のある方が多いのではないか、実はそこんところを危惧しております。やはり、「梅雨時のカスケイズ」という中途半端な知名度がレジまでの道を遠くしてしまっているのでしょう。ぼく自身もたどり着くまで、およそ1年かかりました(^^;。ここは勇気を持って、もちろんCDも持ってレジに向かっていただきたいのであります。
 さて、このベスト盤ですが、大きな特徴は何といってもRCA時代の曲(7曲目以降)がメインであるということです。日本では、ヴァリアント時代の曲はすでにCD化されていますが、RCA時代の曲が単独で発売されたという話は聞いたことがありません。ただ、91年に発売された「RCAゴールデン・グッディーズ〜レア・マスターズ」というオムニバス盤に「ちょっぴり愛して A Little Like Lovin'」と「恋の雨音 For Your Sweet Love」の2曲が収められたことくらいだと思います。というわけで、ワーナー・ジャパンのCDをお持ちの方も6曲ダブりますが、リマスタリングで音質が向上していると割りればいいでしょう。
 
 カスケイズを改めて語るというのもなんですが、彼らのコーラスは上品であり、決してこれみよがしのギミックでもって魅了させるタイプではないので、少々物足りなさを感じるかもしれません。しかし、とにかく彼らの楽曲と、そしてペリー・ボトキン・ジュニアによる無駄の無いアレンジのすばらしさをもう一度確認していただきたいのです。ろくに聴かずに、単なるオールディズと隅に追いやってしまうなんて、もったいないグループでございます。とくに、バカラック=デイヴィッドの「Little Betty Falling Star」は一聴の価値があります。
 また、メンバーのジョン・ガモーの寄稿によるライナーノートは、とても興味深い記述があります。それは、これらの作品がゴールドスター・スタジオで録音された、ということです。エンジニアはスタン・ロス。こうなれば、現れるべき人物が期待どおり現れます。フィル・スペクターです。「悲しき雨音」のボーカルを録音している時、スペクターがたまたまスタジオにやって来て、録り終えたばかりの彼らのテープを何度も聞き返していたそうです。そして、こいう訊ねたそうな。「リッキー・ネルソン用のデモかい?」
 ま、それはともかく、「ゴールドスター・スタジオで録音」というのが、新発見でした。バックはレッキング・クルーという可能性も高いでしょう。ドラムは、アール・パーマーでしょうか。そんなことをあれこれ考える1枚でもあります。
 いや、ちょっと待てよ。ということは、ロネッツの「恋の雨音」のイントロの雷とカスケイズの「悲しき雨音」イントロの雷は、同じ雷かェ?




残念なことに、音源はオリジナル・マスターからではないので、音質に難があります。また、盤はCDR製でジャケットも手作りです。でも、本人たちの手作りとあれば、それはそれで価値があるというもんです(^.^)。それが証拠に、ほれメンバーの直筆のサインが!




ちなみに、ぼくが日本からのオーダーの2人目だそうです。yoshiみたいに、わたしもサイン入りで、とお願いすれば、きっとサインを入れてくれるでしょう、たぶん。(ぼくもお願いしたわけじゃなかったんですけど。日本からというのが、きっと嬉しかったのでしょうね)

詳しくは、オフィシャル・サイトへどうぞ。


Orphan Boy / Love
Walked In

(Mercury 72331)

これを最後に私は挫折しました。

August 22, 2000

グレンウッド・アヴェニューでパーティーを

 名古屋グランパスにピクシーが3人いたら、いまごろ首位だろうなぁ、というわけで知る人ぞ知るガール・グループ、ザ・ピクシーズ・スリーです。ピクシーズ・スリーは、1963年から65年にかけて活躍した女子高生グループで、6枚のシングルと1枚のアルバムを残して高校卒業とともに解散してしまいました。が、なんと1991年に再結成して、今も各地でコンサートを開いているそうで、先週はボストンでショウがあったみたいです。妖精も35年も経つと…、何もいいません(^^;。
 さて、メンバーはハイスクールのお友達、Midge Bollinger、Debby SwisherとKaye McCoolの3人。プロデューサー・チームのジョン・マダラ&デイヴ・ホワイトに見いだされ、マーキュリー・レコードから「BIRTHDAY PARTY / OUR LOVE」でデビュー、トップ40に入るヒットとなりました。余談ですが、彼女たちがスタジオでリハーサルに入った時、16歳のレオン・ハフがリハーサル・ピアニストとしてピアノの前に座っていたそうです。2枚目のシングルを出した後に、Midgeが家庭の事情で脱退、新たにBonnie Longが加わりました。で、現在活動中のピクシーズ・スリーですが、Midge (Bollinger) Neel、Kaye (McCool) Krebs、Bonnie (Long) Walkerの3人です。

Cold Cold Winter / 442 Glenwood Avenue
2枚目のシングルは失恋のクリスマス・ソング。ミョーに明るいのが、アメリカン・ポップス。
「君は天然色」にどことなく似ているねぇ。B面はパーティー・ソングの佳作。住所をお間違いなく。Beachwoodじゃないからね。ミッジ最後のお勤めです。

 ピクシーズ・スリーは、アメリカでヒットを出していたにもかかわらず、当時日本では紹介されなかったようですね。で、初めて彼女たちが紹介されたのは、1988年にリリースされたオムニバスCD「ガール・ガール・ガール」でした。その時の収録曲は「Gee」、「Birthday Party」、「442 Glennwood Avenue」のわずか3曲だけでございます。個人的に大好きなグループでしたので、オリジナル・シングルとアルバムを必死で探し求めました。しかし残念ながら、最後のシングルだけがゲットできませんでした。
 ところが嬉しいじゃござんせんか。20曲入りのCD(送料込みで20ドル)が彼女達のオフィシャル・サイトを通じて手に入れることが出来ます。これで彼女達のすべての曲が聴けるようになったわけですね。そして、初めて耳にする最後のシングル曲「Your Way / Love Me, Love Me」はとんでもなくいい曲なのでした。オリジナル・シングルがほしーい、という欲望に駆られてしまいそうです(^^;。
 ところで、Kayeさんからのメールには、最後のシングルは大変レアで、自分も1枚しか持っていないとのことでした。手に入らないわけだねーと、諦めて10年経った今納得しております。それよりも、ファー・イーストの国で、ほぼコンプリートしているぼくのようなファンがいることに驚いているみたいでした。でもね、キュートな彼女達の歌声を聴いたら、誰だってファンになってしまいますよ。
ということで、ぜひピクシーズ・スリーのオフィシャル・サイトへ訪れてみてください。

preview page

next page


9 8 7 6 5 4 3 2 1 0

enter

THE WALL OF HOUND
このサイト名の由来は、もちろんフィル・スペクターが創造したWALL OF SOUNDの語呂合わせです。 HOUNDには、マニアという意味もあるようですが、特に深い意図はありません。また、ぼくは吠えたりもしません。このサイトでは、そのフィル・スペクターの再認識と知名度の向上を第2の目的としたものです。(文責: 大嶽好徳)
yoxnox art gallery
で、第1の目的はといいますと、ぼくの本業であるイラストを紹介することです。
プロフィール代わりに、どうぞご覧になってください。
message wall
掲示板です。ご意見、情報交換の場としてご利用ください。
Links  2/27/2001 更新
Mailご意見、ご感想、叱咤激励などなんでもお待ちしています。ご返事は必ずいたします。
e-mail の宛先は、yoxnox@big.or.jp