If You Believed In Me

Nino Tempo and
April Stevens

ALL STRUNG OUT
(キングTOP-1099)


CHAD EVERETT
ALL STRUNG OUT
(MARINA MRA-2501)

ライチャスのヒット曲「You're Soul And My Inspiration」も取り上げています。ジャケット裏には、71年のクレジットがあるので、おそらくリリースも同じ年だと思います。



Nino Tempo and
April Stevens

LOVE STORY
(A&M-1394-s)

ソフトロック・ファンには少し黒すぎるかもしれませんが、ニノ&エイプリル節は楽しめます。

March 20, 2000

All Strung Out

 カルチュア・パブリシャーズという会社からバレーズ・サラバンド・レコードの「All Strung Out 」、「Sweet and Lovely The Best Of Nino Tempo & April Stevens」の直輸入盤に日本語解説を付けて発売されているのを見かけました。そのCD自体は、ずいぶん前に輸入レコード店で並べられていたので、とっくに買ってしまったよ、なんて方も多いかと思います。ぼくも、とっくに買ってしまった一人ですが、スクラッチノイズが所どころ聞こえることから、結構レアな音源なんだなぁ、と感じた一枚でした。そんなこんなで、ニノ・テンポ&エイプリル・スティーヴンスを取り上げてみます。

 かつて二人は夫婦と思われていたことがあったそうですが、さすがに今は「きょうだい」としてよく知られています。なぜ「きょうだい」と平仮名で書いたかと申しますと、どちらが年上なのかという問題が立ちはだかっているからです。カルチュア・パブリシャーズの帯には「兄妹デュオ」と印刷されています。音楽之友社刊「SOFT ROCK A to Z」のNINO & APRILの項にも「兄妹」として紹介されています。おそらく、他の雑誌などでも「兄妹デュオ」と紹介しているのではないでしょうか。当然、人はニノ・テンポがお兄さんで、エイプリル・スティーヴンスが妹さんと思うはずですね。英語ではbrotherとsisterで済ますことがほとんどのため、どっちが年上で、どっちが年下か分かりません。日本語では必ず「兄」、「弟」、「姉」、「妹」のどれかを当てなければならないので、翻訳者は頭を抱えることになります。確率2分の1ですからコインで決めることもあるかもしれません。さて、ニノ・テンポとエイプリル・スティーヴンスですが、「LoTempio家の息子と娘」という表現も無くはないですけれど、ちょいといただけませんね。ジャケット写真を見るとフィル・スペクターがニノをボディー・ガード代わりに連れて歩いただけあって、彼のガッチリした体に目がいきます。多くの音楽評論家は頼もしい彼の体つきを見て、何となく「兄」と決めたのでしょうね。ハズレ!!
 エイプリル・スティーヴンスは、本名キャロル・ロテンピオといい、1932年にニューヨーク州ナイアガラ・フォールズに生まれました。ニノ・テンポの本名はアントニオで、1935年(1937年という記述もある)にエイプリルと同じナイアガラ・フォールズに生まれています。一度VANDAの掲示板でも指摘したんですけどねぇ。どうでもいい話題なのでしょうか、あまり反応はなかったですし、カルチュア・パブリシャーズの関係者も読んでいただけなかったようです。人気のないここよりは、VANDAのサイトなら読んでくれる人が多いと思ったんですけどねー。ま、兄であろうが、弟であろうが、姉であろうが、妹であろうが作品の評価を左右させるものではありません。

 さて、1966年にホワイト・ホエールからリリースされた「All Strung Out」ですが、もともとこの曲はライチャス・ブラザーズの「フラレた気持ち」のフォローアップ用の曲としてニノ・テンポとジェリー・リオペルが書いたものだそうです。残念ながら、B. ウィルソンの「ドント・ウォーリー・ベイビー」同様、スペクターに取り上げてもらえず、ライチャス・ブラザーズも興味を示さなかったみたいですね。しかし、オクラ入りさせるにはもったいないということで、姉のエイプリル・スティーヴンスとのデュエットでレコードを出すことにしたわけです。テンポとリオペルの共同プロデュースによるシングルは、幸いにも全米26位を記録しました。共同プロデュースといっても、ここまで完璧なスペクター・サウンドのコピーに仕上げていることは、リオペルがスタジオ・ワークのほとんどはやったのではないか、という気がします。いまもってライチャス・ブラザーズは録音していないようですけど、曲の構成は、「フラレた気持ち」、「ジャスト・ワンス・イン・マイ・ライフ」の流れを汲んだ正にライチャス向きの楽曲です。

 ところで、TVスターのチャド・エヴァレットもテンポのプロデュースのもとでカヴァーしていていますが、やはりスペクター・サウンド仕上げでございます。しかも、モノラルというこだわりがうれしいですねー。チャド・エヴァレットは、日本でも放映された「外科医ギャノン」の主人公を演じた役者ですので、40代以上の方なら「あ、あの人ね」なんて思い出された方もいらっしゃるんじゃないでしょうか。このアルバムでは他に、「I Can't Go On Livin' Baby Without You」、「Can't Kick The Habit Of Lovin' You」も取り上げていますが、こちらはステレオです。チャドのカヴァーはニノとエイプリル版に比べてかなり黒っぽい仕上がりで、個人的には好きです。バックのクレジットはありませんが、レッキングクルーの仕事とみて間違いありません。

 最後にA&Mより72年にリリースされたシングルを紹介しましょう。「ある愛の詩」のカヴァーです。ロマンチックに唄うアンディー・ウィリアムズのカヴァーが日本でもヒットしましたし、日本の歌手も日本語で唄っていました。ニノ・テンポ&エイプリル・スティーヴンスのカヴァーは一味違う雰囲気で楽しませてくれます。彼らのナンバーワン・ヒットになった「ディープ・パープル」の流れを汲むスタイルで、R&Bナンバーとしても楽しめる黒っぽい仕上がりです。アレンジとプロデュースはニノ・テンポとジェフ・バリーです。もちろん、ニノのサックスもフィーチャーされています。また、このA&M時代には、Nino Tempo & 5th Ave. Sax名義でもファンキーなシングルをジェフ・バリーとの共同プロデュースで数枚リリースしていました。このA&M時代だけは、まだCD化されてないようなので、ぜひお願いしたいものです。



名古屋人の趣味に合わせた金ぴかのパッケージもオシャレです。

February 29, 2000

A Limited Edition

 名古屋といえば、名古屋万博でミソをつけ、グランパスは開幕2連敗で優勝の期待にミソをつけました。そういうミソ好きの名古屋人のために、グリコは考えてくれました。愛知県限定の八丁味噌プリッツです。ミスマッチかと思いきや、結構ミソマッチで、イケてます。ま、味噌せんべいなんてのがありますからね、ありそうでなかったプリッツでした。
 愛知県で生まれ育ったぼくにとって、山本屋総本家の味噌煮込みうどんは基本です。トンカツにも味噌。串カツだって味噌ダレ。おでんも味噌。スパゲティだってミーソソースです、食べたことないけど(^^;。そんな土地柄ですから、ビールのあてにプリッツを味噌に浸けながら食べてた人がいたとしても不思議ではありません。名古屋に営業に来ていたグリコの人が、そういった光景を目にして開発されたのが八丁味噌プリッツです。ウソです(^o^)。

 八丁味噌プリッツの封を切るとほのかに味噌の香りがします。味噌汁好きにはたまりません。ワカメ、豆腐、お揚げ、絹さや、大根と、つい具を思い浮べてしまいます。しかし、プリッツです。豆腐といっしょに召し上がってもおいしくないです、たぶん。
 で、味噌味噌としつこく書いているので、八丁味噌プリッツも相当しつこい味かと思われるかもしれませんが、以外にあっさりしていのます。二口三口食べ進むと、味噌の味はあまり感じなくなってしまうのが寂しいくらいです。ただ、ちょっと塩気が強いかな、とういうが気になりました。その分、ビールが進みます(^^;。宮内庁御用達の八丁味噌メーカーの味噌を使用というのも、何かうれしいじゃないですか。しかし、素直に喜べません。今は東京に住む身の上。八丁味噌プリッツは2日に1袋限定という日々ですが、もう残りわずかです。そういうわけで、愛知県限定と云わず全国で発売してもらいたいものです。

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このサイト名の由来は、もちろんフィル・スペクターが創造したWALL OF SOUNDの語呂合わせです。 HOUNDには、マニアという意味もあるようですが、特に深い意図はありません。また、ぼくは吠えたりもしません。このサイトでは、そのフィル・スペクターの再認識と知名度の向上を第2の目的としたものです。(文責: 大嶽好徳)
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Links  2/27/2001 更新
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