If You Believed In Me

January 24, 2000




ELIOT KENDALL
(EM7002EP)

 シリアル・ ナンバー付きで、コレクター心を刺激します。

見よ!中身は ともかく、なんとなく縁起が良いではないか。











LISA
Lost Winter's Dream
(Unknown)

残念ながら、 オリジナルのジャケットではなく、ファックスで送られてきたものです。タダですから文句はいえません。クリックすると全面の画像をご覧いただけます。













YUI
RING RING RING
(meldac MEDR11109D)

和製ウォー ル・オブ・サウンドとしては、なかなかの出来でございます。しかし、第2弾の「不器用な天使」は、今どきのポップスになってしまい、がっかりさせられまし たねー。
彼女のホームページは、こちら。

 VANDAの掲示板の書き込まれた 次のような宣伝文句に、そそられた人も少なくはないでしょう。
「エム・レコードは12/20にエリオット・ケンダールの日本のみのシングル「Everybody's World EP」をリリースします。「Donna」と新曲「Everybody's World」の2曲プラスαの4曲入りで、限定1,000枚、豪華紙ジャケ仕様、シリアル・ナンバー入りの7"シングルです。今回は海外へも輸出しますの で、前回のキャスタウェイズの時よりも更に入手が難しくなるかと予想されます。制作費実に9,000ドルというレコーディングは「ノー・サンプリング、 ノー・シンセサイザー」で、まさにスペクターかBWか、はたまた大滝詠一か、というエリオット流のウォール・オブ・サウンド。」
 追い撃ちをかけるように、VANDAのホームページではホメホメモードです。このレビューを読んでとどめを刺された人もいるはずです。ぼくがそうです。 しかし、レコードを聴いて、これは浮世の義理であると思いました。で、まだ買おうかどうか、お迷いの方、あるいは買う気のない方は、ここでのレビューが、 御参考になれば幸いです。ところで、ボブ・クルー等の絶賛のコメントが寄せられているそうですが、これもまた浮世の義理ではないでしょうかねぇ。絶賛する だけじゃなく、リリースに手を貸してあげなさいよ、と思うのは、ぼくだけでしょうか。
 さらに、書き込みの最後にこう結んでいました。
「ちなみに完売しても大赤字・・・。アメリカの'50年代のEPで使われていたカードボードの紙ジャケを再現しようとしたのがそもそもの間違いでし た・・・。」
 たしかに間違いでした。ジャケットからレコードを出すのもひと苦労ですが、収めるのはもっと大変です。次に出すことを考えて、収めることは諦めましょ う。ちなみに、アメリカの'50年代のEPの紙ジャケットは、カードボードのノリシロの折り返しがないのが主流ですが、今回の復元は折り返しがあるので、 さらに窮屈になってしまっています。もっとも、'50年代のEPの紙ジャケットでもレコードを収めるのは一苦労ですが。忠実に再現というのも考えもので、 不便さまで再現してしまったという一例ですね。

 で、エリオット・ケンドールと聞いて思い出したのが、7年ほど前に、エリオットと親交のあった友人から貰ったカセット・テープです。「LISA / Lost Winter's Dream」というクリスマスにちなんだ12曲入りのカセット・テープで、エリオットがプロデュースし、ロスで自主販売していたと聞いています。その友人 は、日本でCD化しようと企んでいましたが、実現はしませんでした。じつは、手元のテープは、ボーナス・トラック入りで、タイトル曲のカラオケとコニー・ スティーヴンスの「シックスティーン・リーズンズ」のカヴァーとそのカラオケが収められた特別仕様です。といっても、普通のテープにダビングしたものです けど。
 たしかにCD化したくなるような魅力的なカセット・アルバム(?)です。タイトル曲の「Lost Winter's Dream」は、フォーシーズンズの「Ronnie」を彷彿させるチャーミングなメロディーがたまりません。おお、ロニー!!しかも、リサのボーカルや バックの女性コーラスも、しっかり60年代モードでございます。しかも、スペクターを意識した音作りもなかなかのものです。ここで聴くことができるティン パニは、今回の「Everybody's World」でも活かされていますね。また、アルバム全部がオールディーズ調というわけでもなく、ニューウェーヴあり、エンヤもどきありと、楽しんで作っ ています。

 さて、それに比べてこのEPですが、サウンドも新しくもなく、古くもないし、アレンジも取り立てて面白いものではありません。たしかに、オリジナル曲の 「Everybody's World」は、なかなか軽快な曲で素敵です。フルオーケストラといっていますが、ヴァイオリン、ビオラ、チェロ、そしてフレンチホーンの1管編成。せい ぜい14〜5人といったところ。それに、ティンパニがオーヴァーダブされていますが、期待したほどの音の厚みはありません。ホーン・セクションが充実して いれば、もっとよくなったと思います。それはともかく、ストリングスのアレンジがうるさくメロディーを邪魔しています。
 こだわりというよりは、自己満足で終わってしまっている感があります。参加したミュージシャンの力量というのもあるのでしょう。ハル・ブレインなみのド ラマーがいたら、印象はかわっていたかもしれません。決して悪い作品はないのですが、赤字覚悟までしてアナログ盤で出すほどのものではないのも確かです。 ボブ・クルーが褒めるだけにとどまったのも納得がいきますね。
 「Donna」は、御存知リッチー・ヴァレンスの名曲です。いわゆるコテコテのオールディーズでございますね。この手の曲に対して手厳しいVANDAが 褒めてます。どうしちゃったんでしょう。ぼく自身は、コテコテ大好きなものですから、この手の曲をもっと取り上げていただきたいのですが。で、カヴァーの 出来ですが、イマイチです。切なさが感じられないのですよねー。名曲のカヴァーは、よほど趣向を凝らさないと本家にかなうわけありません。とはいえ、オリ ジナルを知らないとするならば、リッチなアレンジでよく出来た作品だといえるでしょう。
 それにしても、『「Donna」は99年に現れた60年代のフィル・スペクター、ブライアン・ウィルソン、いや70/80年代の大滝詠一か』という VANDAのレビューは大袈裟です。ハッキリいって、スペクターとは大きく外れています。たしかにエリオットは、スペクターを敬愛していたのは事実でしょ う。リサのカセットを聴けばわかります。でも、ここで聴かれるサウンドは、ウォール・オブ・サウンド的ではありません。YUIの「RING RING RING」ほうが、よっぽどいい出来です。ま、「いまどき時代遅れのレコーディング」という意味ならあっていますね。スペクターのウォール・オブ・サウン ドが画期的だったのは、時代遅れのレコーディングで造られたからです。
 しかし、9,000ドルでウォール・オブ・サウンドができれば、それこそ画期的です。日本円で、およそ100万円でしょう?あ、なるほど。1,280円 x1,000で1,280,000円。これじゃ、大赤字だ。みなさん、いますぐ買いに行って、エム・レコードを救いましょう!

February 11, 2000


Del-Fi Tribute - Delphonic Sounds Today!
(Del-Fi 2114)

アルバム・タ イトルがスペクターしてますねぇ。これも、エリオットのしわざでしょうか?

詳しくは、Del-Fiのサイトへ

 前回(この記事の下)、エリオット・ケンドールのEP盤を取り上げましたが、それに絡ん だコネタでお茶を濁させていただきます。こんなCDを見つけました。
 デル・ファイが持つ往年のヒット曲を最近のアーティストがカヴァーしたトリビュート・アルバムで、なんでもデル・ファイ・レコード創立40周年を記念し たものらしいんです。らしいんです、とはあいまいですが、実は持っておりません。にもかかわらず紹介するのは、20曲目にエリオット・ケンドールの「ド ナ」が収められているからです。もっとも、彼はデル・ファイ・レコードの広報兼プロデューサーを務めているそうですから、ふしぎではないですけど。それに しても、なんか釈然としないなぁ。
 それはそうと、往年のヒット曲と書きましたが、デル・ファイ・クラシックといったほうが正確でしょう。得体のしれないYO YO HASHIのオリエンタル・ムード丸出しのロック・インスト「Yo Yo's Pad」なんてトンデモ曲のカヴァーまでありますから。YO YO HASHIのオリジナル・ヴァージョンでピアノを弾いているのはアル・デ・ローリーですが、それよりブレイクに挟まれる「いっしょに銀座を歩かない?」、 「わたしはタカです。あなたは?」、「いーえ、キッスはいやよ」など、外国訛りの女の子による日本語がシュールです。これも忠実にカヴァーしてるのでしょ うか?「では、さよなら」

February 24, 2000





文字はキンピカの箔押印刷ですの で、スキャナーで読み取ると真っ黒になってしまいます。拡大しても読みにくさは変わりませんけど、見てみます?
ジョ ン・レノン「イマジン」
(東芝EMI CP43-5773) \4,300

 ジョン・レノン没後20年の区切りとして「イマジン」のリミックス版が小野ヨーコ立ち会いの元で行われリリースされました。すでにお買いになった方も多 いことかと思います。じつは、ぼくはまだ買っていませんが気になるCDです。しかし、なぜスペクターがリミックスを行なわなかったのか、というのも気にな ります。彼が係わると終わるものも終わらないから無理もないかもしれません。ひょっとして25周年を見越して、スペクター版リミックスの作業のためスタジ オ入りしているのかもしれませんねー。

 ところで、10年ほど前に「イマジン」の限定盤純金蒸着CDが売られていました。高い割には、ブックレットの印刷がジャケットの複写という手の抜いたも ので、持っていても喜びが半減してしまいます。音のほうは、それなりにイイのじゃないかなー、なんて思っているんですけど、再生装置がたいしたものじゃな いですから分かりません(^^;。まあ、クラシックじゃないですからね、やはりコレクター・アイテムにすぎないでしょう。

 そんなこんなで、今回のリミックス版は、特別仕様のパッケージが初回限定として売られていますが、せっかくの機会ですからねぇ、純金蒸着CDを作っても よかったんじゃないでしょうか。

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THE WALL OF HOUND
このサイト名の由来は、もちろんフィル・スペクターが創造したWALL OF SOUNDの語呂合わせです。 HOUNDには、マニアという意味もあるようですが、特に深い意図はありません。また、ぼくは吠えたりもしません。このサイトでは、そのフィル・スペク ターの再認識と知名度の向上を第2の目的としたものです。(文責: 大嶽好徳)
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で、第1の目的はといいますと、ぼくの本業であるイラストを紹介することです。
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Links  2/27/2001 更新
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