myth of children

神話を作りし者
プロローグ.2








最後の使徒を倒したにも関わらず、ネルフはいまだに機能し続けている。

しかしあの戦い以来僕はエヴァに乗ることはなかった。許すことができなかったから・・・
カヲル君を殺させたネルフを、エヴァをそして父さんを・・・そしてなにより
許せなかったのは僕自身だった。ただ命令を聞くことしかできなかった自分だった。
人形・・・そんな言葉が頭に浮かぶ。そしてその言葉を同じエヴァパイロットに言われた
女の子の姿も・・・

綾波レイ・・・


作られた生命。道具としての存在、人から道具としか見てもらえない存在・・・
彼女が生き続けることは、利用され続けることだった。
『私には何もない・・・』『私のかわりはいる・・・』

僕には口に出すことのできない言葉・・、悲しみしか持たない言葉・・・
僕にとっての彼女の存在・・・意味、それは何だったのだろう?





お母さん

僕はそう思った。いやそう感じたんだ・・・。










意味・・・そこにいてくれることによる意味・・・。











安らぎ




彼女の側では安らぎを得ることができた。
彼女の微笑みを見た時、初めて笑っている顔を見た時、僕は彼女の美しさを知った。

なんの汚れもない顔に、

彼女の初めての表情に、

自分の心が溶かされているような気がした・・・・













しかしそれは僕もまた彼女を利用していることにならないだろうか?
自分で気がつかないうちに、彼女を利用しているのではないだろうか?


僕は彼女にもっと人間らしさを持って欲しかった・・・
周りに居る人ともっと触れ合って欲しかった。
それが彼女にとって良い事だと信じて疑わなかった。





けれどそれは、自己満足に過ぎなかったのではなかっただろうか?
もっと自分を見て欲しかっただけでなかったのではないだろうか?



結局僕は自分が逃げ込める場所を作りたかっただけだったんだ・・・




嫌いだ





















嫌いだ!

















父さんが嫌いだ!!













ネルフが嫌いだ!!!








周りが嫌いだ!!!!




でも・・・



でも・・・







自分が一番嫌いなんだ!!!!!















もう・・・いやだ・・・・・・・












誰か・・・助けてよ・・・












ダ レ カ ・ ・ ・












タ ス ケ テ ヨ ・ ・ ・












ボ ク ヲ ・ ・ ・






























何故僕は生きているんだ?



僕にはもうしなければならない事は無いなのに・・・



使徒は全部倒したのに・・・

最後の使徒を・・・カヲル君をこの手で・・・・



リツコさんが言ってた・・・

まだやる事がある人は心の奥底でを否定しているって・・・

何をしたいんだろう僕は・・・

何をしなければならないのだろう・・・

わからない・・・
いや、本当はわかっている。


カヲル君を殺した時から・・・


だけど・・・

だけど認めたくない・・・・



それは今までの、正確に言えばミサトさんと、アスカ綾波と出会ってからのを・・・

自信を否定する事だから・・・






認めたくない・・・



カヲル君を殺した時から頭に響く声を・・・

の中のもう一人の自分−−−と違う自分−−−を認めたくない

最近押さえる事ができなくなった自分、夢遊病の形で現れだした制御のきかない自分






恐い・・・





碇シンジという存在が恐い・・・

の方が偽者だったら・・・

もう一人の自分こそ本物だったら・・・

恐い・・・






が消える事が恐い・・・・





















夢の中で鏡に映った自分が・・・恐い・・・・





















鏡の中で微笑んでいる自分が・・・





















綾波の綺麗な



カヲル君の妖艶な

その光を持たない鏡の中の自分が持つ




を覚える



より紅く



より暗い





黒炎の瞳が・・・・









armchair detective(a・d)「いやー話がくらいですねー」
(a・d)「本当にこんな重たい話を書いていけるのでしょうか?」



パン

(a・d)「なっ何するんですか?アスカさん」
アスカ「あんた、何で叩かれたか本当に分らないわけ?」
(a・d)「分るわけないじゃないですか!」
アスカ「本当ーーに、分らないの?」
(a・d)「はい・・・」
プルプルプルプル
アスカ「な・ん・で、あたしが出てないのヨ!」
(a・d)「いや・・・別に書くつもりがないから・・・」
パン




アスカ「何か言った?」
(a・d)「い、いえ・・・」
アスカ「変な事言ったら、張り倒すわよ!」
(a・d)「もう、張り倒してるじゃないですか・・・」
アスカ「何か言った?」
(a・d)「い、いえ・・・」



レイ 「あなたに出番が無いのは当然の事よ」
アスカ「ちょっと!それどういう意味よファースト!!」
レイ 「このプロローグは碇君の心の中・・・」
レイ 「碇君の心の中にあなたは居るわけないもの・・・」
レイ 「いるのは私だけ・・・」
アスカ「・・・・」
(a・d)「・・・・」
レイ 「こんなに碇君に思われているのね・・・」
アスカ「・・・・・」
(a・d)「・・・・・」
レイ 「私嬉しい」
アスカ「・・・・・・」
(a・d)「・・・・・・」
レイ 「嬉しい?初めての言葉・・・だけどいやじゃない・・・ブツブツブツブツ
アスカ「・・・・・ちょっちょっと待ちなさい、ファースト」
レイ 「何?」
アスカ「いるのは私だけ?ハンッ!笑わせるわね」
レイ 「どうして?」
アスカ「"カヲル君"とかいう奴の事が、いっぱい出てるじゃないの!(*・・アスカは渚カヲルを知りません)
レイ 「死んだ人には何もする事はできないわ・・・ ニヤッ
アスカ「うっ!」
アスカ「だ、だけどシンジはあんたのことお母さんって言ってるのよ!」
レイ 「思われていない人にも何も言われたくないわ!」
アスカ「うっ!」
アスカ「ア、アタシは次回に出てくるのよ」
(a・d)「えっ!プロローグはこれで終わりですけど・・・・」
ギラッ
(a・d)「そ、そう言えば続いたような・・・」
アスカ「当然よ!」
ジーーーーー
(a・d)「次回から本編だったような気も・・・」
ドカッ!バキッ!グシャッ!ガンッ!
ボカッ!ゴンッ!バンッ!



(a・d)「次、次回もよろしくお、お願いしま・・グフッ」
アスカ「チッくたばったか」
レイ 「乱暴な人・・・だから碇君に思われないのね・・・ニヤッ


armchair detectiveさんへのメールはdetective@ro.bekkoame.or.jpまで♪   


管理人(その他)のコメント

アスカ「ふっかああああつ!! ってちょっとまちなさいよ、なんでこのアタシが出てないの!!」

カヲル「だから言ったじゃないか。このお話は僕が主人公なんだって。死んでいるけどね(涙)

アスカ「そんなことは聞いてない!! すぐに探偵事務所行って本人クビに縄つけてでも引きずってきなさい! このへっぽこ管理人!!

カヲル「やれやれ。プロローグ1で黙り込んだと思ったらこのありさまか。これがほんとの「死と新生」なんちゃって」

 どかばきっ!!

アスカ「くだらないこと言ってんじゃないわ!!」

カヲル「あうっ。たまにはいいじゃないか・・・・」

アスカ「時と場所を考えなさい!! この話はシリアスなのよ!!」

カヲル「ふんふん。僕の死んだあとの世界なんて興味ないね。いくらシンジ君が僕のことを考えてくれていても、それが僕に伝わることはないのだから。主人公と言っても、むなしいものさ。ふっ」

アスカ「考えていること自体、アタシにとってはむかつくのよ!!」

カヲル「いやだね、ひがみは」

 げしげしげし!!

アスカ「だれがひがみよ!!!!!」

カヲル「うあ・・・・やっぱりひがんでいるじゃないか・・・・がくっ」

アスカ「さーて。こんどはこの腐れ使徒が沈黙している間に、次の話にいきましょうか」


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