ハイキング



涙の向こうの空




一一一明日の関東地方は一日通して、快晴となるでしょう一一一






 「うわぁ……これは…雨かなぁ……?アスカー、明日のハイキングどうする?」
僕は空をベランダから見上げると、部屋の居間でゴロンとラジオの文字放送を見ているアスカに言った。

「なに言ってんのよ!今、明日は晴れる、ってラジオで言っていたところなのよ!」
「だって、ほら、こんなにどんよりと曇ってるし……」

僕は今だベランダに出たまま、外の見える筈のないアスカに言った。
すると、家の奥から、細かく言うとアスカがゴロゴロしていた場所からドタドタと重い足音がして来る。

「まーったく、どんなもんなのよ!?」
そう言うと僕のすぐ隣に立って柵から身を乗り出す様に、空を見上げた。

「ああ、危ないよ!アスカ!!」
とっさにアスカの身体を抱いてしまう。
「ちょ、ちょっと離しなさいよっ!この!何の為にこーやって柵が付いてると思ってんのよっ!バカシンジ!」

そう言うと僕の身体を振り払う。
その反動で本当に落ちそうになる!
「アスカ!」
かなりの力を込めてアスカの腰に抱きつき、柵の手前、ベランダの中に引き戻す。
『ふぅ…』
二人同時に安堵のため息を漏らす。
「あんたが変な所さわるから悪いのよぉっ!」「危ないじゃないか!あんなことして!」

『…………』
またもや同時に怒鳴る。多少気まずい気分がその場に満ちる。
先に沈黙を破ったのはアスカだった。

「…あの、シンジ……そろそろ離してくれない?」
「へ?」
そう言われてやっと現状を理解した、僕はアスカを引きずり戻すとそのまま後ろから抱きかかえたまま、
自分の膝に座らせていたのだ。
「わ、わぁっ!ゴ、ゴメン!!」
さっ、とアスカから飛び退く、その際にベランダにおいてある白い椅子に引っかかって後ろへと転んでしまう。
「い、痛たた……」
「アンタ本気でバカぁっ!?ほら」

座り込んで頭をかかえている僕に、アスカはこころもち顔を赤くしながら、僕に手を差し出してくれた。
「うん、ありがと…」
その手を取って立ち上がる、ふ、と顔を前に向けると、アスカの顔がまさしく目前にあった。
『………』

二人の動きが止まる、自分の鼓動の音がアスカにも聞こえてるんじゃないか、って程に高鳴る。
潤んだ瞳、口紅も無しにきらめく唇、白い肌、きめ細かいその皮膚に朱がさす。
ドクン、ドクン、ドクン……。
身体が勝手に動く、恐る、恐る、アスカの肩をまったく力を入れれずに、それでも掴む。
ビクっ!とアスカの身体が瞬間跳ねる。
だが、僕の身体はそれでは止まってはくれず、そのまま、唇へと近づいて行く。

『なにやってるんだ!僕は!』『なにやってるんだ!僕は!』
だが、どれほど念じても身体は言う事を聞いてはくれない。
段々と、苛立たしい程にゆっくりと近づく僕達、アスカの眼が閉じられた。
僕の最後の抵抗する力も何処かへ吹き飛んでしまった。
「アスカ……っ」

「シンちゃーん!アスカーっ!ただいまーーっ!!お姉さんがいない間に悪い事してないかなぁ?」

ドキーン!とまさしく心臓が飛び出すかの様な衝撃が身体にほとばしる。
アスカは僕を突き飛ばすと、何事も無かった様にミサトさんを出迎えにいった。

ベランダには、僕とひっくり返った椅子が、曇り空にあざ笑われているかの様に転がっていた。

「ミサトさん…………はぁ、でも良かったのかな?」
グッ、と膝に力をいれて立ち上がる、アスカとミサトさんの口論が聞こえてくる、内容は……。
『大阪まで出張にいって(何のだろ?)お土産が無い、という事だ』
………僕はもう一度空を見上げる、そこには以前として不機嫌そうな曇り空があった。



 夕食。例によって僕が作った料理をミサトさんは絶賛を、アスカは無言で食べている。
しかし、無言といっても何回もおかわりをしてくれるし、それは僕には嬉しい事である。

「んで、貴方達、明日のハイキングどーするの?昼に見たときは曇っていたけど…」
ミサトさんが、食後酒を呑みながら、(勿論、食前酒も食中酒も呑むのだが)尋ねてきた。
僕もそれには少なからず、不安をもっていたので曖昧な返事を返す。
「ええ、明日の朝、早めに起きて天気を見て見ますけど…」
「中止は駄目よ、シンジ」
「え〜、アスカどうしてさ?」
「ダメったら、ダ〜メっ!!このアタシが駄目ってんだからダメなの!」
「だって。…シンちゃん、どーするの?」
ミサトさんはやたらとニコニコと、まるでこの僕の状況を楽しんでいるかの様に笑って言う。
「はぁ……じゃあさ、アスカ、せめて理由を聞かせてよ、そしたら雨でも行くかもしれないし…」
「聞きたい?」
ニッコリと満面の笑みを浮かべて聞くアスカ。その笑顔に何となくうなずく。
「う、うん」
背筋に寒いモノを感じながら。
「教えてあげないわよ!このバカシンジっ!」
パシーン!と勢いよく僕の頬が叩かれる。
ど、どうして……?

ミサトさんはそれでもニコニコと笑っているのだった。

その後のアスカは不機嫌そのもので、
御茶碗の中味を味噌汁に浸すと(ああ、もうマナーが)一気にかきこんで、食卓から離れていった。

「ごちそーさまっ!!」
「アスカぁもっとゆっくり食べなよ……」
「ふん!」
一一とそっぽを向くとさっさと自分の部屋へ引き篭るのだった。
「一体、何なんでしょうね?ミサトさん」
「シンジ君……自分の胸に聞いてみなさい」
「え?」
「ごちそうさま」

パチンと箸を揃えて食卓に置くと、おもむろに冷蔵庫の方へ歩みより、
新しいビール缶を10〜2本程出した。
ちょっと飲みすぎだよな……。
「ミサトさん、今日はあと3本までにしておいてくださいよ」
するとミサトさんは冷蔵庫を閉めたままのポーズで固まると、首だけをこちらに、
今だ食卓に座って箸を握り、御茶碗を持っている僕、へと向けた。
「シ〜ィンちゃぁぁん、大阪くんだりまで出張って疲れている人にそんな事言うぅぅ?」
「あ、す、すみません。でも……」
「判ってるって、心配してくれてありがとね、シンジ君」

「…はい」
自然に笑顔を浮かべながらそう言えた。
ミサトさんも微笑んでくれている。
「ん、それじゃ、おやすみぃぃぃ……ああ、もぉ駄目ぇ……」
言うときっちり3本ビール缶を持って部屋に入るミサトさんであった。

「………さて、片付けるか…」
ガタ、と椅子が床と擦れて音を立てた。
家の中はとても、とても静かで、僕の鼓動の音や、
呼吸するときに生まれる音のみが世界を支配している様だ。
一一一寂しいよな、こういうのって一一一




明日の関東地方の天気は雨時々晴れ、となるでしょう。





一一一何よ………それ、いい加減なもんね!天気予報なんてっ!!!一一一
顔を埋めた枕の感触が、より私を眠りへと誘う。
なにげにつけたラジオの天気予報は数時間前とはまったく違う内容を私に伝えた。

一一一ああっ!もうどうしてこう何もかもがアタシの邪魔をする訳ぇっ!?一一一
苛立たしさが募る、それもこれもみんなあのバカシンジの所為だ。
せっかく約束したのに……………忘れてる…。
こんな風にエヴァに乗っていると、一日一日が大切だ、って言うのに…!

                    (ゼルエル)
一一一あれは、バカシンジが、あの忌々しい第14使徒を倒した時だったかしら一一一
あのバカ、周りの皆を心配させれるだけ心配させておいて、
ちゃっかり還って来るんだから堪らないわね。
そう…………本当に心配したんだから…。

一一一シンジ、おとつい退院してきたばかりなのに、それでも文句一つ言わずに働いて一一一
だから、誘ったのよね……?
ハイキングに行きましょう!って、アタシらしく命令形で。
そしたらシンジの奴、『なんで?』って鳩が豆鉄砲食らった様な顔してたっけ……。
ホント……バカっ!

一一一『どうしてまた、ハイキングなんて……?』一一一
そう聞いてきたアタシは最初からその問に答えるつもりは無く、
誤魔化す様に笑顔を作ってシンジの気を引いた。
案の定、シンジは『どうして、どうして?』って子供みたいに尋ねて来てくれた。

一一一明日、晴れると良いな一一一



 なんだって言うんだよ、なんで僕が叩かれなきゃいけないんだろ?
それは、アスカが何を考えて僕をハイキングに誘ってくれたか、を察しない僕も悪いんだろうけれども、
冷たい言い方をすれば、そんな事はムリに決まっているじゃないか。

僕は元々人付き合いの出来る人間ではないし、ミサトさんやアスカと一緒にいる事で少しずつ、
他人との付き合いが出来る様になったとはいえ、
まだまだ一般的中学生の範疇からは大きく離れているとも思う。

それに、だ。
やはり人と人は平行線で通常交わる事の無いモノだと思う。
                             (ココロ)
こうやってアスカとミサトさんと一緒にいる間でも、結局僕自身の精神は独立したものであり、
決してアスカに成れる訳ではないのだから………。

僕はそこまで考えてから、なんとなく座りが悪くなって、うつ伏せに寝転がっていた所を
ゴロンと仰向けにする。

天井が見えた、月明りからか、青白く僕の眼に届く。

「………月明り?」

僕は思い至るモノがあり、ベットから抜け出して窓を開けて見る。

一一一一その夜空は一一


 「じゃ、いってきます、ミサトさん」「いってくるわよ!」
朝8時。
空は薄ぼんやりとは曇っているものの、昨日の夜は星が見れるくらいだった。
きっと午後には晴れる、と信じて僕達二人は思い出のある、浅間山にまで遠出する事にした。
アスカを見るとやけに大きいリュックを背負っている。
お弁当一式で、ここまで大きくなる筈は無いのだけど……。
ふ、とアスカと目線があった。
その瞬間、僕は訳も判らない気恥ずかしさを覚えて、パッと目を逸らしてしまった。

首を捻った瞬間に僕は悟ってもいた。
きっとまた怒り出すんだろうな、と。
そして、予想通りに。

「ちょっとシンジ!!アタシの顔見て顔を逸らすってどういう事よっ!!?」
「わぁっ!ゴメン、つい……」
「つい、なによ!?」
「つい………」

恥ずかしかった?
いや本当は違う気がする。
その答えがすぐに出そうもないから、僕はアスカの追撃から逃げる様に早足で駅へと向かった。

「ちょっと!待ちなさいよっ!!………バカシンジぃっ!!」


 痛い………。
結局あの後、アスカに捕まって頬を叩かれてしまった。
まぁ、それでさっきの返事を無期延期に出来たから、そこは善しとしよう。
………なんだか、自分が情けない気もするが。

一番線に電車が到着します。危険ですので、白線の内側までお下がり下さい。

プルルルル、とベルが鳴り、リニアが到着する。
それに乗り込む僕とアスカ。
乗客は僕達二人だけだった。

……当り前か……。

僕が自分の思考のループに入り込みそうになった時に、丁度アスカが話を持ちかけてきた。

「ねぇ、シンジ、向こうの席、眺め良さそうだから、そこにしましょう」
「…あ、ああ、うん。そうだね」

僕の返事を待たずにさっさとアスカは席に向かって歩いていたのだが、返事を一応返しておく。
それも、自分の言った事に反応しないと怒るアスカの癖にあわせてだ。

なんだか、気まずい。
誰もいない電車。
二人だけの空間。
向かい合って座っているこの状態。

朝の出かける時と同じ様に、訳の判らない気恥ずかしさで一杯だ。
……どうしよう、どうしよう、どうしよう?
話題が見つからない、何も言えない。
でも、黙りこくっている分だけ、この場の空気が張り詰めて行く。
そう感じているのは僕だけかもしれないけれど。

「あ、あ、あのさ…」




「……何よ?」

たっぷりと間をおいて返事が返ってきた。
「…け、景色………綺麗だね…」





「………そうね…」

駄目だ。
これ以上は無駄になる、そう感じて僕は会話を打ち切った。
だけど。

「あんたさぁ……まだ今回の旅行の理由、判ってない訳?」

アスカから話しかけて来た。
そして、その内容も出来るなら聞いて欲しくない事だった。
昨日の夜、ベッドに転がりつつも、真剣に思った事なのだが、その答えは今だ出ていない。
いや、出る訳がない、何故なら僕に答えは用意されていないのだから。
やはり、結局はアスカの胸の内でしか、その答えは無いんだろう。

「…………」

「ハッ!あんたに聞いたアタシが悪かったですよ!」

…………。
まったく言い返せない。
でも、やっぱり思う。
他人の心や考えている事が判る訳がない、と。

「あ、あのさ、アスカ」
「だから何よ、理由、判った訳?」
「そ、そうじゃ無くてさ、そのリュックの中味、何なの?」
「そんな事は別にあんたが心配するような事じゃないの、あんたは黙って景色でも楽しんでなさい」

ピシャリ、とはねつけられては、もう僕にどうしようもなく、言われた通りに景色でも楽しむ事にした。
常夏の国になったとはいえ、電車の窓から見る山岳の風景はやはり涼しげで、
なんとは無しに、僕の心も高揚する。
ふと、アスカを見れば。

リニアの窓の外を片肘を突いて眺めている。
横顔がとても………。

「きれいだな………」

え?

しまった!
声に出してたっ!

「ねぇ、今何か言ったでしょう。何?」
「あ、ああ、あ、いや、そ、その、な、なんでもないよ」
「はぁ、つくんなら、もっとマシな嘘をつきなさいよね!ほら!なんて言ったのっ!?」

駄目だ。
ああ、また僕は余計な事を口走って!
また崖っ淵だよ…。

「ほら!早く言いなさいよ!ほらっ!」

どうする?
………。
………。
そうだ。

「きれいだな、って」
「え?そ、それって…」
「景色が」

うん、これなら何処も角は立たないだろう。
僕にしてはうまく話題を逸らせれたと思う。
………と、思ったのに…。
アスカの顔は例えようもないくらいに怒の表情だった。

「シンジ………」
「ハイッ!」

低く、ドスの効いた声、とでもいうのか、恐ろしく恐怖感を煽る声でアスカは言った。
それに対して、僕は直立不動の体制で椅子から立ち上がっていた。

「…座りなさいってば」
「う、うん」
「あんたさぁ……さっきのはジョークか何か?」
「え、ええ、っと…」
「さあ!どういうつもりで言ったセリフだった訳!?」
「……えっと、僕は…僕はただきれいだと思っただけだよ……景色が」
「……」

アスカは今日一番の不機嫌な顔をしている。
その表情が怖くって、つい、うつむいてしまう。
何が悪いんだろう?
何がアスカを怒らせているんだろう?
助けてよ……。
どうしようも無いよ。
やっぱり僕には人の心中を察して、行動するなんて、出来っこ無いんだ…。
考えていると、どんどん自分がイヤになってきた。
せっかくの高揚感もとっくの昔に遠く失せてしまった様だ。

「……」

アスカは黙っている。
何か喋ってよ、もうこんなの辛いだけじゃないか…。
恐々と顔を上げる。
…………アスカも顔を伏せていた。
どうしてだろう?
怒られているのは僕なのに…。

ガクッとリニアが揺れる。
到着したんだ。

そして、僕達は険悪な雰囲気のままに降車したのだった。



 常夏の日本。
四季の風情とかは全部消えてしまった、と大人達は嘆いているらしい。
でも、僕にとってはそれが当り前で、山は一年中、緑が生い茂っている、というのが
まず、僕の頭にはあった。

駅から暫く歩くと、それだけで木々の量が増して、ちょっとした山道になる。
そして、目前には二股に分かれた道の真ん中に、
『ココより右、河原へ』『ココより左、ハイキングコースへ』と書かれた立て札が立ててあった。

そこで、僕達は少しの間、立ち止まっていた。
沈黙。
もう今日だけで何回こんなに気まずい思いをしたんだろう。
だけれど、逃げちゃダメだ。
アスカから、現実から、なにより自分の恐怖心から。

「あ、アスカはさぁ…、どっちへ行きたいの?」

今だ、立て札をジッと睨んで、直立不動のアスカに、僕は話かけた。
すると、アスカは面倒臭そうに、こちらを振り向くと一言だけ答えた。

「登るわよ」
その言葉はぶっきらぼうで、突き放す様で、そしていつもの通りの命令口調だった。
「うん、判った。 左の道だね?」
「…そうよ、さぁ、さっさと登らないと、日が暮れるわよ!」

言うと、リュックの背負い紐に手をかけると、颯爽と歩いて行くアスカ。
そんなアスカを僕は穏やかな気持ちで見つめていた。
何故こんなに心が落ち着くんだろう。
アスカと話す、ただそれだけで……。


 歩く事、一時間。
僕は日頃から運動を好んでするような人間では無いから、案の定疲れが出てきた。
だけど、僕なんかより、アスカの方が更に辛そうに見える。
原因は考えるまでもなく、あのアスカが背負っている大きなリュックだろう。
比べると、僕のはお弁当と、タオル、万が一の時の着替えを一枚程度。
当然、リュックと言うより背負い鞄の様な物なのだが、
アスカはまるで高山に挑戦する登山家の様な、リュックをその華奢な身体一杯に抱えている。

「アスカぁ、もう少しで休憩所だよぉ、頑張れるかい?」
結構離れてしまったアスカにも聞こえる様にと、一旦、立ち止まって振り返り、
声を大きめにして言った。
そして、そこが休憩所直前の比較的道の開けた谷間だった所為か、
山彦が返ってきた。

『頑張れるかぃぃぃ、頑張れるかぃぃぃ……』

「うるさいわねぇ!今すぐにそこに行くから待ってなさい!」

『待ってなさぃぃぃぃ、待ってなさいぃぃぃぃ』

どう見ても疲れているアスカだが、声にはいつもの張りがあって少し安心した。
でも。

「ちょっ!ちょっと何するのよ!いいってば!離しなさいってば!」
「いいから、僕の荷物とアスカのそれ、交換しよう、そうした方が良いでしょ?」
「よ、余計なお世話よ!いいからあんたは先に行ってなさい」
「駄目だよ。 いくらアスカが僕より運動が出来ても、やっぱり女の子なんだし、ね?」

僕は意を決すると、アスカの所へと駆け戻り、アスカの荷物を代わりに持ってあげようとした。
当然、拒否されるとは思っていたけれども、
これ以上アスカにこの荷物を持たせておくのはマズい気がしたから、
少し、無理をしてでも持たして貰うことにした。
少しズルい方法かもしれないけれども。

「アスカ、加持さんもね、女の子に重い物を持たせとくのは良くない、って言ってたんだ、
だから、さ。 僕もアスカにそれを持たせておくのは心配だし」

そこまで言うと、アスカの抵抗は弱くなって、背中からリュックを下ろした。
その時のアスカの顔は良く見えなかった、何故ならうつむいて僕の方を見ない様にしていたからだ。
……。こんな風に避けられても構わない、アスカの負担が減る事の方が重要だから。
その時の僕は極自然にそう思っていた。
だけど。

「ねぇ、何時になったら手、離してくれるの?」
「え? わ、わぁっ!ゴ、ゴメン!!」

慌てて離れる、どうやらさっきアスカがうつむいていたのは、
ただ恥ずかしかっただけなのかもしれない。
改めて、自分のしたことに気恥ずかしさを覚えた。
きっと、耳まで赤くなっているだろう。
だけどアスカがリュックを渡してくれたので、まぁ良いかな。

「ほら!」
「え?何?」

僕が重いリュックを背負っていると、片手をこっちに突き出したアスカがいた。
瞬間、意味が分かりかねて呆然としていた僕に、
アスカは強引に僕のリュックを奪い取る事で答えた。

「あ、そっかリュックを交換するんだったね」
「忘れてたのぉっ!? はぁ、救いようの無いバカねぇ! 自分の筋力考えた事あるの?」
「あはは、言われて見れば二つとも持てそうに無いね、ゴメン、ありがとう」
「もぅ! 何よそのゴメン、ありがとうってのは! 謝ってるのか、礼を言ってるのかハッキリしなさいよ」
「ゴメン」
「だぁっ! その誠意半分、辞令半分みたいな言い方はやめなさいよ! 分かった?」
「う、うん」
「じゃ、約束よ。この旅行中は自分に否が無い限り、謝るのはやめなさい! 良いわね!?」
「うん、分かったよアスカ」
「よし!」

言うと僕のリュックを背負って、
さっきまでの疲れを感じさせないくらいに元気な足取りで歩いて行く。
僕も重いリュックをなんとか背負って後を追った。

と、思えばいきなりアスカは足をとめてこちらに振り返った。

「考えてみれば、あたしあんたの事許してなかったっけ」
「へ?」
「リニアの中の事!あたしは許した覚えなんてこれっぽっちも無いからね!」
「そ、そんな事言われたって………」
一一僕にどうしろ、って言うのさ…?
「さぁっ!何とか言いなさいよっ!」

えーっと、何を言えば良いんだ?
こんなときには…。
リニアの中、僕はアスカの言及から逃げた。
それは、やはり良くない事だったんだろう。

「ごめん、アスカ…」

アスカの目から逃げない様に、まっすぐ。
相手の目を見て話す、苦手な事だった。
僕がいままで逃げて来た事がここで改めて僕に襲いかかる。
それらはきっと、もう一度試すつもりなのだろう、僕を。

「……ま、いいわ。今の言葉なら受け取ってあげる。でもね、次は無いわよ…」

アスカの返答に安堵しながらも、最後の方でしっかりと釘を刺されて、苦笑するしかなかった。
でも、僕が逃げなければ、きっとアスカは答えてくれるのだろう。

「…甘えなのかもしれないけど」

「何か言った?シンジ」
「あ、別に。さぁ行こう、休憩所までもうすぐだ!」
少し勢いをつけて走る。
あっと言うまにアスカの背中が近づいて、
なんだ、僕達はこれくらいしか距離がないじゃないか、
と思える様になれた。
空はまだすこし曇っている。



関東地方の午後の天気は、曇り所により晴れ、となるでしょう。



 曇り空。
灰色の。
でも、それでも、山の頂、とは行かないものの、
そこそこに高い山の休憩所。
僕とアスカはそこから望める一望に、
心を奪われていた。

僕達が今立っている場所からは曇り空の所為か、霧がかった谷があった。
薄ぼんやりとしたこの景色が、今なら不思議な高揚感すら僕に与える。

「うわぁ……」
「すごぉい」
「うん、凄いよ、ここからだと谷底とかが一望できて、それに雲が近いや」
「うん……」

僕は視線を広大なこの山あいの風景から、隣のアスカへと向けた。
アスカはもう他の何も見てはいず、ただ呆然と眼前に広がった景色を見ているだけだった。
そして、僕もアスカにならいもう一度この辺り全てを見回した。

「風……」
「え?」
「凄く気持ちいい風が吹いてる……」

目をつむって山頂から吹き降ろしてくる風を堪能するかの様に、身を風に委ねるアスカ。
風がアスカの髪を優しく撫でて、そして去って行った。
ゆっくりと、余韻を味わっているのだろうか、アスカは目を開けた。
その表情は僕の知るどのアスカよりも自然で、力が抜けていて、そして。

綺麗だった。

「ね?なんだか風が話しかけてくれてるみたいでしょ?」
「………うん、きっと」
「…あーあ、せめてもう少し晴れてたらなぁ…」
「うん、でも風が吹いてるしきっともうすぐしたら晴れるよ、ね?」
「だと、うれしいな」

顔が自然と赤くなる。
まだ僕が一度も見たことがなかったアスカがここにいた。
今のアスカはただの女の子だ、そう思えた。

「あ、あのさ!そ、そろそろお弁当にしようか」

その言葉に漸くアスカは僕の方へと振り返った。
表情はいつもの自分を最上のものとして自負する、
そう、いつもアスカだった。

なんだか、とても勿体ない気がした。
何に対してかは良くわからないけれども。

「もう!人が折角この景色に浸ってるってぇのに!どーしてはあんたはこう!…」
「いらないの?」
「デリカシーの………………………いるわよ…」

僕にしては珍しく、アスカの言葉を途中で遮っただけでなく、
アスカの反論を許さなかった。
今日は本当に珍しい事ばかりある様な気がした。
素直なアスカ。
何時もとはまったく違う。
綺麗なアスカ。
いつもより、何故か輝いている。
そして。

「ほら!食べるんなら早くしましょう」
「わかった、ほら。」

言って僕はアスカが座り込んだ近くの適当な草の上にビニールシートを敷いて、
アスカが背負っていたリュックからお弁当を出した。

「あぁ、やっぱりハイキングの楽しみの一つね!これは!」
「そう?ありがとう」
「誰でも良い訳じゃ無いのよ、やっぱりシンジでなきゃ」
「うん、ありがとう」

……僕の料理を褒めてくれた、ってことかな?
アスカは何故か僕の返事に驚いた素振りを見せた。
また、答え方を間違えたのだろうか?
顔を紅潮させて怒って………………。

バカ……なに素直に肯定してるのよ、それじゃまるで…。
声が小さくて最後の方は聞き取れなかったけれど、確かにアスカはこう言った。
どうやら、怒ってはいない様だ。
ほっと息を漏らしてしまう。

「いただきまーす!!」

そんな僕の心のモヤモヤを吹き飛ばすかの様な大声で食事の開始を告げる。
僕も勢い良く食べ始めたアスカに引きずられる様に、食事を始めた。

「相変わらず…んむ、この卵焼きは…ん、おいしいわねぇ」
「食べながら喋るのはよそうね、アスカ」
自分の片頬が引きつり上がっているのが、良く判る。
「なぁーに言ってんのよ!公の場じゃ出来ないからこーして誰も居て無いところでやってるんでしょ」
「…僕がいるんだけど…?」
「あんたは他人の内に…あむっ…………………ん、入って無いわよ」
「それってどういう意味だよ………」
余りにも身勝手な屁理屈にジト目に成らざるを得ない。
だけれど、そんなアスカすらこの状況では微笑ましいとも思えた。

「どういう意味!?あんたあたしにそれを聞くのっ!?」
「あ、ゴ…」
死神すら抱えた死を持って自殺しかねない眼力で、僕を睨むアスカ。
そういえば、さっき約束した事をさっそく忘れかけていた。
確か、自分に否の無い限り。だったっけ?
危うく二度と明日の日の目を見れ無い所だった。

ゴクリ、と唾を一度飲み込んでから言葉を慎重に選んで話す。
「じゃ、じゃあどういう意味だったの?」
「ふん、答えてあげない、自分で考えなさい!」
「何で顔赤くしてるのさ?」
「う、うるさいわねぇっ!どうでも…! ううん。あんたの所為でしょ!」
「ぼ、僕ぅっ!?」
「そうよ!全部あんたの所為!」

アスカはそこで一拍休むと、何を言ったのか辛うじて、いや殆ど判らない位の早口でまくしたてた。

「あたしが今不機嫌なのも! 事あるごとにいちいち大声を出すのも! ぜんっぶ!!
そして、今どうしようもなくシンジが好きなのも、みぃんな! あんたの所為よぉっ!!」

はぁはぁ、と息を荒立てつつ立ち上がって僕を見下ろしているアスカ。
その目は固く閉じられている。
僕には現状を把握せずに把握しようとしていた。

今、彼女が何を言ったのか。




それはスキ。

「あ、ああああれ?今何を?き、きききききっと聞き間違いだよね?」
確認を。
僕は訳の判らない焦燥感に囚われて、何度もどもってしまった。
だが、アスカは何も言わない。
目を固く閉じたまま、表情を消して立ち尽くしている。
聞き間違いでも、言い間違いでもない。
そう、アスカの全身が答えていた。

「ア、アスカ……僕は…僕も…」

逃げちゃ、ダメだ。

君が好きだ、と言おうと思った、決意した瞬間に。
アスカは僕の視界から消えた。
何処へ?
僕はアスカを見つけた。
アスカは僕に背中を向けて。
逃げていた。

「アスカっ!!」
僕は遠くへ行ってしまったアスカへと手を延ばす。
それは、届くはずが無いのに。
そして、アスカは僕の目の前から消えてしまった。
まるで、童話で森の精と戯れて、いつのまにかその精霊が消えていた。
そんな世界を生きていたかの様な錯覚。
だが、アスカは精霊か?
僕は心が清らかな木こりか?

「アスカぁっっ!!!!!」

ふざけるな!
僕は何を考えていたんだ!
逃げなければアスカは答えてくれる?
バカだ、本当に僕はバカだ。
そうだよ!
アスカから好き、と言われでもしなければ僕はずっとアスカを恋愛感情を持って見ることは無かっただろう。
ひと
他人の気持ちを分かるはずが無い、と逃げていた。
それがずっとアスカを傷つけていたんだ!!

ここに来て漸く僕は、アスカの心を感じれたんだ。
今更……。

「今更僕はぁぁぁぁぁぁっっっ!」

アスカを追う、それしか僕には出来ない。
だから、やるんだ。
僕はもう、逃げ出す事を……しない!



『しあわせになりたい』



 「アスカぁっ!アスカぁぁ!」
返って来るのは木霊ばかり、アスカの声は無い。
焦燥だけが今の僕の気分だった。
そして、焦りの他には自己嫌悪が渦巻いている。
アスカが逃げた訳一一一。
それはきっと言いたく無かったのだろう、勢いに任せて。
朝からの行動、昨日の言動。
アスカが僕に好意を持っていてくれた、とするならば。
アスカは僕にリードして欲しかったのだろう。
僕と同じなのかもしれない、強く、強烈に引っぱって欲しかった。
それがアスカの願望。

だとしたら、僕はなんて脆弱な基盤しかないのだろう。
アスカを支えれられるだけの、礎が無かったんだ。
僕にイニシアチブを持たせる事で、アスカは何者かから逃れようとしたのだろうか?
いや、多分違うんだ。
アスカとは一一一?

絶対的な自己への自信。

虚勢

天才パイロットの証明である実行力。

認めない努力

自分と異なるモノ、他者を見下す。

自己の確立

そうだよ、アスカは何者からも逃げていない。
ただ、怯えて、縮こまって、そして助けを求めているだけの……。
抱き上げてくれる人を待っている一一一。



『つれってってここじゃない何処かに』



だから!
今、見つけてあげるよ。
本当のアスカ。
風にそよいでいたあの瞬間のアスカ。
虚勢も、傲慢も、逃避も! 拒絶も!! 全部アスカの嘘だ!
本当のアスカはまだほんの小さな子供みたいだ。
だから、見つけてあげる、見つけてみせる!
そして、僕も強くなってみせる。

強くならなくちゃいけない。

僕もアスカが好きだから。



『あなたとしあわせになりたい』



 「アスカぁぁっっっ!!!!!!」
「こないで! バカシンジ!!」
「今、そっちに行くから、絶対に動いちゃだめだよ!」
「うるさい! 近寄ったら飛び降りてやる!!」
金切り声でも怒声でもなく、涙声だった。
「アスカ…………」

切り立った崖の上、一人で立ち尽くしているアスカ。
その姿は余りにもはかなげで、寂しそうだった。
今にも風が吹き巻く、この曇り空がアスカを飲み込みそうだ。
そんなアスカをほぼ真下から見上げる僕に水滴が触れた。
ついに雨が降り出したのだろうか、と注意深く空を見る。

それは、雨では無かった。

「どうして……どうして追いかけて来るのよぉ…。一人にして……シンジ」

アスカの涙だった。
アスカが僕の前で泣いた事はかつて無かった。
でも、今アスカは泣いている。
その白い頬を赤く染め、何かに耐える様な表情で、
泣いていた。

「駄目だよ、アスカを一人には出来ない。心配なんだ」
「…ふん、あんたごときに心配や同情なんてされたく無いわよ!」
「違う!! 気が付いたんだ…」

そう、気が付いたんだよ………。
「うるさいっ!! シンジのバカぁっ! 何が分かったって言うのよ! どうせなにも…!」
「自分の気持ちに! 気が付いたんだっ!! だからアスカ! 聞いてよ!」
「シンジの気持ち…?」
「そう、ずっとモヤモヤしてた気持ち……。理解できなかった思い」
「………それは?」

アスカが、アスカだけが僕をこの気持ちにさせる。
昨日のベランダ、リニアの中でのモヤモヤ。
そして、今。
僕はアスカが。




「好きだ」




ゴウッ!

風が吹いた。

一陣の、

風。


「シンジぃ……」

がくり、と膝を折って崖の上に座り込むアスカ。
ぽろぽろと、涙がまたこぼれる。
だけどその涙がさっきまでの悲哀のものでは無いことは、
分かる。

「どうして……泣くのさ?」
「バカ……笑ってないでさっさとこっちにきなさいよぉ…!」
「うん………。ありがとう」
急な坂を四つん這いになって這い上がる。
アスカの顔が見えなくなるけど、登り切ったとき。
泣いている様な、怒っている様な、それでいて笑顔のアスカがいた。

「もう一度………」

「好きだよ、心から。アスカ…………」

「この鈍感、やっと気が付いたの?僕はアスカ様の虜です、って」

「ふふっ、そうかもしれないね」「くすっ、バカの癖に一丁前の告白じゃない」

お互い笑い合う。
それが心から楽しく、自然で心休まるものであったのはこれがはじめてだった。
肩がふれあう程に近く座る。
アスカをじっと見て見る。
やはり泣きはらしていたのだろうか、目が赤い。
僕は思わず顔をしかめてしまった。
そして、まったく意識せずに、
まるで、それが昔からの二人の決まり事であったかの様に。
僕はそっとアスカの頬に口付け、涙の痕を拭っていた。

「…シンジ」

「…気に触った?」

「ううん、ありがと涙の痕なんてあたしには有ってはならないものだもんね?」
「うん、アスカが泣く姿なんてもう見たくないよ」
「そ?あたしに泣かれたら困る?」
「そりゃ勿論」
「じゃ決定! これからシンジに物ねだる時は嘘泣きね!?」

「アスカ……それ言っちゃったら何にもならないと思うけど」
「ふっふ〜ん! あんた人前であたしが泣き出しても平気な訳?」
「うっ!」

「まぁ、あたしも鬼じゃないことだし?それなりの扱いをしてあげるわよ!」
「それなり?」
とてもイヤな予感がするけれど、とりあえず先を促す。
「そ! 下僕にして『犬』! のシンジにふさわしい扱いよ!」
「はぁぁぁぁ、アスカって自分有利だと凄いね?」

それが、アスカの自分の中の『子供』を隠す方法なのだろう。
傷つきたくないから、傷つける。
他者に温もりを与えて欲しいのに、他者を拒絶する。
自分の中の『子供』を見せるのが、傷つけられるのが、怖いから。
だから、僕は『僕の中の子供』を成長させる。
支えになれる様に。
アスカが自分の『子供』を虚勢なんかで隠さなくても、
嘘なんかで自分を守らなくてもいい様に…!

強くならなくちゃいけない。



その意味でなら、僕はもうアスカから逃げれない。
絶対に。

「シンジー!ほら!ほら!夕日!!」
「え?」 アスカが指差した西の方角を向けば、そこには紅い、紅い太陽が。
まるで今のアスカの様に。
優しく全てを照らしている。
そして、その太陽の光に包まれて、僕達は恋人同士としての時のはじまりを、
誓った。

空は時により姿を変える、まるで人の心の様に。





菊地さんへの感想はこちらへ



お姉さん「まあまあ、アスカちゃんたらかわいい♪」

アスカ 「・・・・・(真っ赤)

管理人 「いつもこうだといいんですけどねぇ・・・ぐふっ」

ばきいっ!

お姉さん「まあまあ、アスカちゃんたら強いわ♪」

アスカ 「あんたはそれしかいえんのか!」

お姉さん「でも、よかったじゃないのシンジ君の気持ちを聞くことができて」

アスカ 「ああでもしないとアイツはいつまでたっても・・・ぶちぶち」

お姉さん「いいわね〜恋する者同士山頂で夕焼けを・・・・」

アスカ 「でもねぇ・・・・ここの管理人はあいも変わらずあたしをいじめていじめて・・・・ぎろり」

管理人 「うぐ・・・・そ、それはですね・・・・こそこそ

アスカ 「別に逃げなくてもいいわよ。それが話だったら仕方ないんだから」

管理人 「あれ? 今日はずいぶんと殊勝ですね」

アスカ 「たまにはいいじゃないの」

管理人 「はあ、まあそうですけど・・・・いまいち気分がそがれると言うか・・・・調子が狂うというか・・・・」

ばきいっ!

アスカ 「じゃあ、こうすればいいわけ?」

管理人 「むぎゅっ・・・・やっぱり殊勝なんかじゃないやい」

アスカ 「むう〜」

お姉さん「あら?」

アスカ 「ん? どしたの?」

お姉さん「いえ、なんかもう一つ、話の続きがあるみたいなんですけど・・・・」

おまけ

アスカ 「・・・・どれどれ、ちょっと向こうに行って来るわ。少ししたら戻るから」

お姉さん「お手柔らかにね〜」

数分経過

「ええ加減にさらせぇぇっ!!!バカシンジぃっ!!」

お姉さん「あ、向こうでアスカちゃんが爆発してる〜」

管理人 「むう。やはりこうでなくちゃな」

お姉さん「菊地さん、成仏してね♪」

管理人 「ちがうちがう、言うべきことは「菊地さん、50万ヒット記念投稿ありがとうございます、だろう?」

お姉さん「あ、そうだった てへっ」




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