新機動新世紀 EVANGELION W




第4話:EVA5機確認。

病院からの脱出に成功したシンジは自分の乗ってきたエヴァンゲリオンWの海中からのサルベージを見ていた。
「どうや、シンジ。そないに傷はないやろ。幸い急所は外れとったから2、3日で動作試験できるやろ。」
「・・・・・またこれに乗らなきゃならないのか・・・・・・」
「何、しけたこと言っとんじゃい。そうじゃ、お前に会いたがっとる人がおるんじゃ。」
「そういえばそんなことを言っていたな・・・・・会おう。」

無言で大型貨物船に偽装したMS運搬船の中を歩く二人。
そのうち船長室のプレートが架かった部屋に着く。
「ここにおるはずや。リョウさん、頼まれとった奴をつれてきたで。」
「入ってもらってくれ。ご苦労さん鈴原君。後は自由にしてもらっていいよ。彼とふたりっきりで話したい。」
それを聞くとトウジは自分のエヴァのサルベージの方へ出かけてしまった。
ドアの前でシンジは少し躊躇したがノブをひねり部屋へ入った。
「シンジ君、やっぱり君か。トウジから話を聞いたときは半信半疑だったがあのエヴァを見たときはっきりしたよ。」
「か、加持さん。どうしてここに?」
そこには元NERVのエースパイロットであり、シンジにMSパイロットとしての教育を施した加持リョウジの姿があった。
「ひさしぶりだなシンジ君。君を鍛えたのはもう三年も前になるのか・・・・」
「はい、まさかこんな所で加持さんに会えるとは思っても見ませんでした。」
「まあ、そうだろうな。今はさっきの彼、鈴原トウジと彼のエヴァ『エヴァンゲリオン・シャドウナイト』を預かっている。」
「そうだったんですか・・・・・」
「しかし、さすがは俺の教え子だ。見事にやったそうじゃないか。」
「???」
「さっそく地球の女の子を虜にしたそうじゃないか。しかもすこぶる美人だと聞いたぞ。」
「・・・・・・・・・・・・加持さん、三年前と変わってませんね。ぜんぜん。」
「そうかあ?しかし、まじめな話いくら大気圏内での実戦は初めてとはいえシンジ君ほどのパイロットを乗機からの脱出を余儀なくさせるほどの腕を持つパイロットがまだNERVにいたとは・・・・・・」
「ええ、MSはサキエルでかなりカスタム化されていました。腕も相当のモノでした。パーソナルマークはたぶんイワトビペンギンでしたね、しかもビールを持った。」
「!!、そのマークは・・・・・・・まさか・・・」
「知ってるんですか、加持さん。」
「俺の知っている奴だとすれば『葛城ミサト』に間違いない。」
「あれが加持さんの恋人だった葛城ミサトさん・・・・・」
「おいおい、過去形で言うのはやめてくれよシンジ君。」
「でも加持さんは公式にはMSのテスト中にテロで死亡。ってことになってるんでしょう?」
「まあな、俺が六分儀ゲンドウの動きを不審に思って調べていた矢先に味方に襲われるとは思っても見なかったさ。君のお母さんがいなければ助からなかった。」
「気にしなくてもいいですよ。たまたま大破した加持さんのMSの近くを通りかかただけですから。それに共通の敵を持っていたわけですし。」
「まあな、しかし俺も驚いたよ。コロニー側の爆弾テロで死んだはずの碇ユイ博士、葛城博士、鈴原博士、惣流博士、そして冬月コウゾウ博士が生きていてゼーレに対するコロニー側のレジスタンス活動をしていたなんて。しかも、彼ら5人の命を狙ったのが実はNERVだった事も聞かされて、あの時は正直驚いたよ。」
「その頃でしたねエヴァの開発が始まったのは。」
「ああ、5人の博士は各コロニーに分散して六分儀ゲンドウに対抗するためのエヴァをそれぞれ作り出した。俺はその頃シンジ君の教育係りをやってたな。シンジ君は俺が見た中では最高の素質を持っていたと今でも言えるよ。そして三年前からは各コロニーのレジスタンスをまとめるために動き回ってたわけさ。」
「そうだったんですか。」
「そのおかげで、いろんな所にコネが出来てな、補給には事欠かないわけだ。しかし、優秀なMSパイロットはそうはいかない。君の腕がどうしても必要だと思って鈴原君には危ない橋をわたってもらった。どうだろうここは俺の顔を立ててこの船に合流してくれないか?もちろん我々の目的はゼーレの打倒だからお互いの利益になると思うんだが・・・・」
「・・・・・解りました。僕としてもMSの整備、補給は大変ですし加持さんの事も信じてますし、何よりあの鈴原トウジと言うパイロット信じるに足る奴だと思いますから。」
「そうか、エヴァが2機有ればこちらも安心できる、助かるよ。」
「いえ、かまいません。それより葛城ミサトさんでしたよね彼女には何も言わなくてもいいんですか?」
「ああ、今はまだ何も話せない。下手に動くと俺の二の舞になっちまうからな。まあ、あいつはだらしないところもあるが間違ったことに手を貸すことはないだろう。」
「そうですか・・・・・それじゃ、僕はエヴァの整備の方に戻ります。」
「ああ、そうしてくれ。」
シンジが立ち去った後の船長室。
加持は机の引き出しを開けると中から小さな古ぼけた箱を取り出した。
中には鈍く光る古ぼけた指輪が一つ・・・・・・
「渡し損ねてからもう6年になるのか。」

シンジは自分のエヴァの元に戻ろうとしたところでトウジに呼び止められた。
「よう、シンジ。加持さんの話ってなんやったんか?」
「ここに、残って協力してほしいって事だったよ。」
「それで?」
「断る理由もないしね。それにここにいることが任務の達成にマイナスに働くことはないからね。」
「そうかあ、こちらとしても助かるわ。加持さんがべた褒めするほどの腕や。期待させてもらうで。」
「ああ、好きにしてくれ。でも自分の命ぐらいは何とかしろよ。」
「言われんでもわかっとるわい。改めて自己紹介や、ワシは鈴原トウジ。エヴァンゲリオン・シャドウナイトの専属パイロットや。」
「・・・・・・了解した。僕は碇シンジ、エヴァンゲリオン・ウイング・オブ・エンジェルの専属パイロットだ。」
「・・・・・舌噛みそうなけったいな名前やな。」
「ああ、エヴァンゲリオン・ウイングとメカニックからは略称をもらったよ。」
「そりゃええわ。ワシも今度からそう呼ぶわ。」
「シャドウナイト・・・・・ステルスシステムが積まれているのか。」
「そや、対レーダーはもちろん音響センサー、レーザーセンサー、熱センサー等あらゆるセンサーを無効に出来るのが自慢や。まあ、男のやることとしては少々せこい事なのが気にいらへんがな。」
「・・・・・・気にするかそんなこと?」
「当たり前や。男がこそこそやるんはせこい事やないか。」
「ま、人それぞれだからね。」
そこに加持が顔色を変えてやってきた。
「二人ともえらい情報が入ったぞ。アデレードで国連総会が招集された。おそらくゼーレが合法的に権力の奪取に踏み切るつもりで召集させたんだろう。しかも、ゼーレ幹部はもちろん、あのNERV指令、六分儀ゲンドウも会場に現れるらしい。」
「加持さん、その情報は本物ですか?奴が、六分儀が現れるって。」
「ああ、シンジ君。間違いない。」
「そうかあ、いっちょ暴れたるでえー、あてに出来そうな相棒もできたことやし、ゼーレの連中に派手にばちきかましたる。」
「気を付けろよ、トウジ君。相手の防衛隊の数も並じゃない。いくらATフィールドがあっても苦戦するぞ。」
「それで、その時期は?」
「ああ、3週間後だ。エヴァの方は?」
「一週間もあれば元どうりですね。」
「そうか、これはチャンスだが気を付けてかかれよ二人とも。」
「「はい。」」

同刻、中東
「レイ、情報が入ったよ。ゼーレが動く。」
「・・・・・そう。場所は?」
「アデレード。3週間後だよ。」
「そう、準備に入るわ。・・・・・・それじゃ。」
「やれやれ、はじめの頃に比べるとましだけど相変わらずだね。」
そう言って手元のモニターに目を向けるカヲル。
モニターにはカヲルがオペレーション・スターダストに参加して以来、ゼーレ配下の実戦部隊NERVに対して行われた襲撃事件のデータが呼び出されていた。
側におかれた紅茶を手にとってそれを一口飲んだ。
「・・・・・レイと僕以外にもNERVに対して攻撃を仕掛けているMSがいる。しかもエヴァンゲリオンタイプのMS・・・・・・どんな人たちだろう。好意に値するといいね。」

大西洋では、
「ち、結構距離があるわね。まあ、天才パイロットであるこのあたしにかかれば完璧な計画を立ててみせるわ。」

NERV南米支部
「どうマヤちゃん?」
「ダメですね。左腕は完全に取り替え。右腕も大半のパーツを交換ですね。」
「葛城さんの事だから派手に壊すだろうと思って部品を多く用意しときましたが、相手が悪すぎましたね。」
「そう・・・・・3週間後のアデレードの会議までには何とか出来る?」
「修理だけなら。でもS2機関の連続運転実験はまだ済んでません。」
「予備のパーツの組み立てと平行して機関連続運転試験をやってくれない?それなら問題ないはずよ。」
「葛城さん、何をあせってるんですか?」
「解らないの?間違いなく奴らはこの会議に出席する政府高官を狙うわ。あのエヴァに対抗できるのはこのアダムだけよ。」
「しかし、上層部からは何も言ってきていませんが・・・・・・・」
「上の命令待ってたら、まず間違いなくやられるわ。」
「わかりました。協力します。」
「さっすが、日向君。話が早い。マヤちゃんは?」
「私は余り気乗りしませんが葛城さんのおっしゃることももっともだと思います。」
「きまり、日向君はアデレードまでの輸送機の確保、マヤちゃんはアダムの修理。全力でやって頂戴。時間が無いわよ。」
「「はい。」」

日本
「霧島外務官。アデレードでの会議の話し、お聞きになりましたか?」
「ああ、おそらく国連総長は辞任ということになるな。問題はその後だ。」
はい、キールさん達が押し進めてらっしゃるコロニー弾圧政策、それに外務官の和平協調路線辺りが最大の難関ですわ。」
秘書「雪風ナギサ」と霧島セイジが話しているところに、ぱたぱたと足音が近ずいてきてそしていきなり書斎のドアが開かれた。
「お父さま、お帰りなさい。」
「ああ、マナただいま。学校は終わったのかい?」
「ええ、お父さまがお帰りになっていると聞いて慌てて帰ってきたんですよ。」
「そうか。私が留守の間に何かいいことあったのかい?」
「ええ、お父さまがいない間についに理想の男性に出会いましたの。」
「ほう、あれほど男どもに肘鉄を食らわせてきた「鋼鉄」マナに恋人か・・・・・」
「いやですわ、お父さま。今まで彼のように精悍さの中に秘めた包み込むような優しさを持った本当の紳士に今までお会いできなかっただけですわ。」
「ほう、マナがそこまでいれこんだ男ださぞいい人なんだろうなあ。」
「ええ、一目見たときから私の運命の人だと思いましたもの。ミステリアスな雰囲気の人ですの。」
「そうか、また今度帰ってきたときにでも会わせてもらうよ。」
「せっかく帰ってきたのにもうどこかに出張なの?」
「すまんなマナ。アデレードでの会議に出席しなきゃいけないんでその準備だよ。」
「アデレード・・・・・・私も行ってみたい!!ねえ連れてってえーーーー」
「遊びに行くんじゃないんだよ。それに学校はどうするんだい。」
「すぐ夏休みだから問題ないわ。それに一度でいいから国連の会議って見てみたかったの。」
「わかったよマナ。3週間後にアデレードに行けるように手配しておくよ。」
「やったあ、ちょうど夏休みになったばっかりだ。ありがとうお父さま。さあ、準備しなくっちゃ。」
そう言い残すと嬉しそうに自分の部屋へ向かっていった。
「外務官。よろしいのですか?」
「かまわんよ。次の世代はあの子達が担うんだ、経験は多い方がいい。」
「・・はい、おっしゃる通りです外務官・・では早速、チケットの手配をしておきますわね」
「すまんなナギサ君。私はあの子の為にもここでキール達のいいようにさせるわけにはいかない。リリーナ・ドーリアンの残した意志を継いで平和を目指さなければならない。」
「リリーナさん・・もう遥か昔の伝説上の人物となってしまわれたお方。・・若くして地球とコロニーの平和を確立したあのお方がこの状況を見たらさぞかし嘆かれることでしょう・・。」
「まったくだ。人の愚かな歴史は繰り返されると言うが私はそうは思いたくない。かならず新しいスタートに立って新たな歴史を、少しはましな歴史を築いていると思いたい。人の歴史は常にゼロからのスタートだ。けっしてウロボロスの龍ごとく無限に繰り返すわけではないと私は信じている。その為にもゼーレの連中に好きかってにされるわけにはいかない。」
「はい、マナさんのような次の世代の人達のためにも・・ファイト、ですわ」
「ナギサ君は元気だな」
「はい、まだまだ若い人達には負けられませんわ」


「くくく、もうすぐ我ら選ばれしゼーレの時代がやってくる。真に優れたモノが劣った者を支配する。歴史の必然だよ。」
「長かったな。」
「ああ、地球圏での再軍備を果たした今こそ歴史を正しい方向に戻すのだ。」
「この二千年以上の歴史においての技術進歩、特に兵器に関してはAC197以来ほとんど進歩していない。」
「まったくだ、人は戦うことでよりすぐれた者となるのに。」
「人類の停滞の歴史はここで終止符を打たれるのだ。」

「老人達は自らのシナリオに酔いしれていますわ。」
「ふん、すでに老人達の時代は終わった。くだらない宗教感を持った指導者は必要ない。」
「そういうあなたはどうなんですか?」
「・・・・・・・・・ナオコ君、好奇心は寿命を縮めるぞ。」

とある海岸で
「いかりくーーーん。はやく愛するわたしのもとにかえってきてえーーーー!!」
「あのう、お嬢様。何回叫ばれたらお気が済むのでしょう?」
「シゲル、あんたは黙って待てばいいの。」
「はい(涙)」

歴史はついに動き出した。
世界という名の舞台で悲劇、喜劇が入り乱れる時代が近づいていた。

3週間後、アデレード国連議会会場
「うわあ、おーきい。みてみてナギサさん。」
「はい、マナさん・・本当に大きいですわね。・・くす」
「お、お嬢様。に、荷物がおも・・・・・・・・・」
「・・・・シゲル、何か言いたいことがあるの?」
「いえ何もございません(涙)」
マナは夏休みを利用してアデレートへ来ていた。
「うーん、これでシンジ君がいてくれたらなあ。」
「あら、例の恋人のこと?」
「えへへ、すっごくかっこいいの。冷たい感じがして近寄りがたいんだけど本当はとっても優しいの。」
「ふふ、マナさんはよろしいですわね。・・はぁ、わたくしもそんな恋がしたいですわ・・」
「ナギサさん、こんな俺で良かったら・・・・・・・」
「でも近くにはいい人はいらっしゃいませんし・・・・・・」
「ここにいるじゃないですか、ここに。」
「何処かにいい人いらっしゃらないでしょうか・・」
「うううう、眼中にすら無いって事ですか(号泣)」
「何やってんのよシゲル。とっとと荷物を運びなさい。」
「俺っていったい・・・・・・・(大号泣)」

そのころ、霧島セイジは、
「キールに組みする議員は約四割、私の味方になってくれそうな議員は三割、残りがどう出るかが問題だな。」
「ええ、ここ最近のテロのせいで風向きが悪いですねえ。」
「しかし、ここでキールが選出されれば間違いなくコロニーとの戦争だ。負けるわけにはいかない。」

一方、ゼーレは
「我々の、味方はすでに四割を越えた。」
「これで間違いなくキール総長の誕生だ。」
「これで、思い上がったコロニー住人に教えてやれるというものだ、誰が主人か。」

NERV本部
「六分儀司令。オペレーション、バベルの発動準備が整いました。」
「・・・・そうかご苦労。葛城特佐はおとなしくしてるかね。」
「いえ、EVA02との交戦で損傷した箇所をかなり急いで修理してこちらに向かうつもりでしょう。」
「・・・・・・そうか。計画の障害になるようなら排除したまえ。」
「司令!!」
「わかったら下がりたまえ、赤城リツコ上級特佐。」
「わかりました。」

NERV南米支部では
「日向君、輸送機の手配は?」
「この基地で最速の機体を確保できました。」
「マヤちゃん修理状況は?」
「はい、ほぼ問題なし。細部の微調整を残すだけです。」
「よし、みんなご苦労様。何とか間に合ったわ。私が押さえてる酒保のエビチュをおごらせてもらうわ。」
歓声をあげる整備員たちを横目に見ながらミサトは再びあのEVAと戦って勝てるかどうかを思案していた。

そして運命の会議が始まった。

「現総長はテロの増加を未然に防げなかったことから辞職するそうです。よってここで次期総長を選出したいと思います。候補者は霧島外務官とキール保安局長のお二人です。」
バイザーをつけたキール保安局長が壇上で演説を始める。
「コロニーの住民は我々の決定に対しても不満を表明し、あまつさえテロ行為を行う、そんな者に対し我々は断固たる態度を取るべきだ。」
その演説に対し賛成の態度を取る者の多い中、霧島セイジは堂々と反論を述べた。
「キール保安局長、それは我々がコロニー側が今まで当然の権利としてきた自治権の凍結などを押しつけたからではありませんか?特にコロニーは我々が外宇宙からの攻撃に備えるという理由で軍備を再び持つことに対して非常な警戒心を持っていた。そして実際、軍は力でコロニー側を屈服させた。その反動が出て当然だ。」
「では霧島外務官、テロを容認しろと言うのかね。」
「私が言いたいのは一方が力を背景にして話し合いをしようと言っても誰も信じないということだ。我々が過ちを認め積極的に会話による平和的な解決を目指すべきだ。」

その時だった、会議場に警報が鳴り響いた。

「な、何事だ。」
「た、大変です。え、エヴァンゲリオンです。」
「ふん、これのどこが会話による平和的な解決の意志だというのだ。」
「これは不幸な事故なのだ!!すべては我々が力で押さえつけたから反発を招いたに過ぎない。」
「言いたいことはそれだけか。現実にコロニー側のMSがこの会場を襲撃している。話し合いをする意志が有るとは思えん。六分儀司令、至急敵MSを迎撃したまえ。」
「わかりましたそのためのNERVです。(ニヤリ)」
「なんてことだ、私の努力は無駄だったというのか・・・・・」
脱力し椅子に座り込む霧島セイジ。そんな父親を見守るマナ。
「ではキール局長、霧島外務官、その他の議員のかたがたも急いでシャトルに乗ってください。」
「まってくれ娘をおいては行けない。」
「霧島外務官、大丈夫ですよ後のシャトルで送ります。」
「お父さん!!」
「マナ、心配するな。」
そう言い残すとマナの視界から父親の姿は消えていた。

その頃、外では
「やれんのう、警戒が厳しいとはわかっとったがここまでとはのう。」
トウジの乗るEVA03:エヴァンゲリオン・シャドウナイトとシンジの乗るEVA01:エヴァンゲリオン・エンジェル・オブ・ウイングはNERVのMS部隊を突破できずにいた。
「どうするシンジ。ここは一気につっきるか?」
「いや、狙い打ちにされるのがオチだ。うん?背後に反応有り!!新手か?」
次の瞬間、シンジ達の頭上でクラスター弾が炸裂した。
周りにいたNERV側のMSはクラスター爆弾によって装甲を引き裂かれ打ち倒された。
シンジとトウジはATフィールドを展開することで逃れた。
そこにクラスター弾を打ち込んだのは背後に現れたレイの乗るEVA04:エヴァンゲリオン・エクスキュージョンだった。
「レイ、あの2機のMS。間違いなくATフィールドを展開していた。僕らのエヴァと同じだ。もしかしたら・・・・・」
「関係無いわ。邪魔する気なら誰であろうと敵よ。」

一方シンジ達も、
「トウジ、あのMS僕らのエヴァにそっくりじゃないか。」
「でもなあシンジ。あんまし友好的じゃなさそうやで。」

そんなエヴァ同士のにらみ合いを避難しようとしていたマナは見た。
「あのMSはいつかシンジ君が・・・・・・まさかシンジ君がいるの?」
「マナさん・・お待ち下さいまし!!危険ですわ!!」
ナギサの制止を振り切り外に飛び出すマナ。
そんなマナを追う雪風ナギサ。

そして議会の上層部とキールそして霧島セイジを乗せたシャトルが飛び立とうとしていた。

四機のエヴァはにらみ合っていたが最初に滑走を始めようとしたシャトルに気がついたのはEVA05:エヴァンゲリオン・デザートストームに乗るカヲルだった。
「あのシャトルは・・・・・データ照合、間違いないあれはNERVのシャトル!!」
カヲルはホバーシステムを作動させてシャトルを追おうとする。
その動きを攻撃と間違えたトウジとレイはお互いにビームサーベルとアームブレイドで白兵戦を始めてしまう。
そしてカヲルの動きを見てシンジもシャトルの存在に気がついた。
「NERVのシャトル!!六分儀、逃がさない!!」
シンジは迷わずポジトロンライフルをシャトルに向けロックした。

マナの目は一機のMSが動き出したと同時に白兵戦を開始した2機のMSと手に持つライフルを父親の乗るシャトルに向けるMSを捕らえていた。
マナは無我夢中でシンジが乗っていると信じて、そのMSに向かって叫んでいた。

「やめてシンジ君!!あれにはお父さんが乗ってるの!!」



ポジトロンライフルの引き金を引こうとしたとき誰かに呼ばれたような気がしたシンジは思わずモニターで確認した。
そこにはなぜか霧島マナがいた。
「ど、どうしてこんなところに。」
そしてマナの叫びを聞いた。
「!!、霧島外務官や他の関係のない人たちも乗っているのか・・・・・」
しばし躊躇したがシンジはライフルの銃口を下ろした。
「まだチャンスはある。罪のない人を巻き込むわけにはいかない。」

マナはライフルを構えていたMSが銃口を下に向ける様子を見てほっとした。
「・・・・・・・・・・ありがとう、シンジ君。」

カヲルもその様子から何か起きたことがわかりシャトルに攻撃を仕掛けるのをやめる。
しかし、シャトルがまさに飛び立とうとしたとき不意にシャトルがぐらついた。
次の瞬間シャトルは地上にたたきつけられていた。
そのまま、シャトルは炎上した。

「い、いや、お父さん・・・いやああーーーーー!!!」
そんなマナの絶叫に弾かれるようにシンジはエヴァをシャトルに向かわせた。
マナは追いかけてきたナギサに抱き止められていた。

シャトルはほとんど原型を止めていなかった。
そしてその側にはビームグレイブが刺さっていた。
その先にはそのビームグレイブを投げつけシャトルを打ち落としたEVA02:バンガード・ティーゲルがいた、そしてそのパイロットも。
「あんた達、バカあ。なにやってんのよ。もう少しでゼーレの連中を一網打尽に出来るチャンスを台無しにするところだったのよ。この天才アスカ様がいたからいいようなものを、あんた達だけだったら大失態よ。」

そんなアスカの声を無視してシンジはエヴァから飛び降りてシャトルに駆け寄った。
霧島セイジを必死に探すシンジ。
しかし、シンジが見つけたときにはもう手遅れだった。
「だ、だれだかしれないが、で、伝言を頼む。グフッ、ハアハア、娘に、マナにすまないと・・・そして、し・あ・わ・・せ・・・に・・・・・・・」
それだけを必死の思いで言い残すとシンジの腕の中で霧島セイジは息を引き取った。
「な、なんで、なんで攻撃した!!罪もない人を巻き添えにして!!」
コロニーのため、そして罪もない人を守るためにエヴァに乗っていたシンジにとってコロニーとの平和共存を目指していた霧島セイジを死なせてしまったことは想像を絶するショックだった。

肩を震わせ自分の無力さに憤りを感じるシンジ。
そんなシンジを呆然と見るトウジ。
悲しみをたたえた瞳で見守るカヲル。
すくなくとも表面上は何の感情も浮かべていないレイ。
そして、軽蔑しきった視線を送るアスカ。

沈黙が5機のEVAを包んでいた時、2機目のシャトルが飛びたった。
その中にはNERV司令、六分儀ゲンドウの姿があった。
「ふっ、オペレーション、バベル。神々の像は地に伏した、第2段階だ。」

沈黙している五機のEVAが国連の声明を受信したのはそのすぐ後だった。
それに真っ先に気がついたのはまたしてもカヲルだった
「こ、これは。」
そこにはNERV司令六分儀ゲンドウが写っていた。
「我々はコロニー側の非道なテロ行為によって平和的な解決を目指していた霧島外務官、その他、多くの国連議員を失いました。ここでNERVは非常事態宣言を発令し、暫定総長として六分儀ゲンドウNERV司令がこの事態を収拾することになりました。我々は断固この非道なテロを許さず武力による解決も辞さない・・・・・・・・・」
あとはNERVによるコロニー側に対する避難が続いた。


ミサトはその声明をアデレートへむかう輸送機の中で聞いた。
「・・・・・おかしい、余りに手際が良すぎるわ。」
「ええ、まるでシャトルを打ち落としてくれと言わんばかりの警戒体制でした。本気で護衛する気なら我々を呼んだでしょうがそれも無し。おかしな点ばかりですね。」
「マヤちゃん一番近い基地に下ろして。何かがおかしいわ。」


「これで、平和的な解決の道は閉ざされた。」
「そ、そんなあほな。これじゃあ何のために今まで戦ってきたんや、わいら」
「・・・・・・・・・・・・・」
「ふん、一匹やりそこねたようね。私は奴を追うわ。あんた達はどうする?」
「わるいね、どうも君の考えには同調できないよ。」
「わいもや、それにシンジをほっとけん。」
「ふん、軟弱な男どもね。私は一人でもいくわ。」
「・・・・・・・・私はあの男を殺すわ。」
「レイ!!」
「カヲル、ここでお別れね。彼のことよろしくね。」
そういってシンジの方に視線を向ける。
「はじめてじゃないかい。君が人の心配を、しかも初めてあった人間のことを気にかけるなんて。」
「・・・・・・・」
「わかったよレイ。君からの初めてのお願いだ。快く引き受けさせてもらうよ。」
「さて、あそこのバカは聞くまでもないっと。そこでうじうじやってなさい、それがあんたにはお似合いよ。」
そうシンジに向かって吐き捨てるとアスカは自分のEVAを輸送機のある格納庫に向けた。
シンジの方に視線を一瞬だけ向けるとレイもそれに続く。
そして、すぐに2機の輸送機が飛び立っていった。

それを見送る2機のEVAとそのパイロット。
そして、生身をさらして涙を流しているシンジとそれを見守るかのように側にひかえる、その愛機エンジェル オブ ウイング。

夢遊病者のようにおぼつかない足どりでマナは父親の遺骸を抱え涙を流すシンジの元に歩み寄る。しかし、がれきに足を取られシンジに向かって倒れ込む。
それに気がついたシンジは慌てて立ち上がり受けとめる。
マナはシンジの胸で嗚咽混じりに泣いていた。
シンジは今までのマナのイメージとの違いに戸惑いながらも優しく抱きしめていた。
そんな二人を見守っていたカヲルとトウジだったが敵の増援を確認するとそうは言ってられなくなった。
「君の優しさは好意に値するけど、今はそれどころじゃないよ。」
「そや、シンジ。はよう脱出せんと袋叩きにされるぞ。」
「・・・・ああ、わかった。霧島さん、お父さんからの伝言は後で伝えるからシェルターに避難して」
「うん、シンジ君も自分を攻めないで。シンジ君は精いっぱいやってくれたじゃない。だから私、嬉しかった。だから無事に帰ってきて。」
そう言うとマナは秘書の雪風ナギサと共にシェルターに向かった。
それを見送るとシンジは自らのEVAに乗り込んだ。
シンジは自分の無力さは許せなかったが今はそんなことを言っているときではない。
生き残ってから苦しめばいい。
それに、もっと苦しい筈のマナが逆に励ましてくれたことがシンジを立ち直らせていた。
「今はただ生き残るしかないか・・・・・」

そのころミサトはもっとも近い基地に降り立っていた。
しかし、おかしな事にまるでもぬけの殻だった。
いぶかしむミサトは一番奥の部屋へ入るととんでもないものに出くわした。
そこにはこの基地の司令官だろうがコンピュウータにパスワードを入れていた。
そしてそのコンピュウータがつながっているのは隕石等の迎撃用という理由で密かに生産されていたN2弾頭ミサイルの発射管制システムだった。
最後のキーをひねろうとしたときミサトは銃を構えて飛び出していた。
「やめなさい!なにする気なの?」
「ふっ、決まっているでしょう。この基地のミサイルでアデレードにいるEVAを一網打尽にするんですよ。」
「あ、あんた何いってんのか解ってんの?そんなことをすればあそこにいる味方はもちろん付近の住民も犠牲になるのよ!」
「大事の前の小事ですよ。戦争での犠牲はつき物じゃないですか。」
そう言うなり男はキーをひねった。
ミサトは男を止めようと銃を撃ったが間に合わなかった。
次の瞬間地面が震えN2弾頭ミサイルは発射された。
男は肩を押さえて笑った。
「着弾までの時間で何とか出来るかね『ナイフエッジ』」
ミサトは無言で銃のグリップを振り下ろして男を黙らした。
「マヤちゃん、ハッキングしてみて、日向君はアデレードへの通信回線を確保して。」
「か、葛城さん。確保して誰に連絡を取るんです?」
「それは・・・・・・・・アデレードにいるEVAのパイロットによ。」

「「なんですって!!」」


「葛城さん正気ですか。」
「そうですよ、あいつらは敵だっていつも言ってたじゃないですか。」
「弾道ミサイルを打ち落とせるパイロットとMSがアデレードにいるとしたらそれはEVAのパイロット以外にはいないわ。それにこんな非道な作戦成功させるわけにはいかないわ。」
「・・・・・解りました。そこまでおっしゃるのなら協力します。」
「・・・・・・・私もこんな事許せません。」
「それじゃ急いじゃって。時間はほとんど無いわよ。」
「だ、ダメです。アクセスを受け付けません、これじゃあハッキングできません。」
「葛城さん、回線確保しました。話してください。」
日向の声を聴くなりミサトはマイクを掴んでいた。
「EVAのパイロット聞こえるか!こちらはNERVの葛城ミサト。今そちらにN2弾頭の弾道ミサイルが発射されたわ。これが命中すればアデレードは・・・・・・勝手なお願いだけど、それを打ち落として。あなた達はもしかした逃げられるかもしれないけど何の罪のない人たちが・・・・・・・」

それを聴くなりカヲルは確認に入った。
「間違いないね。着弾まであと2分を切っている。もし命中すれば半径60km圏内は完全に廃虚になってしまう。・・・・・・了解した葛城特佐。僕としても関係のない人間を巻き込むのは不本意だからね。君達はどうだい?」
「きまっとるわ、今更逃げても間にあわん、ここは一つ乗るしかないやろ。」
「シンジ君だったかな、君はどうだい?」
シンジの脳裏に先ほどのシャトルの様子がフラッシュバックする。
自分のミスによって父親を失ったマナの事が思い出される。
シンジは迷わずスロットルを全開にたたき込んでいた。
EVA01は重力に逆らいすさまじいスピードで空にかけ上る。
「し、シンジの奴逃げよった・・・・・・」
「いや違うよ。」
シンジは二度と同じ過ちを繰り返さないためにも自らの手で阻止しようとしたのだった。
「任務了解。これよりミサイルの迎撃に移る。」

グオオオーーーーーー!!



シンジの意志に従うかのようにうなりをあげるEVA。
シンジとの高シンクロによってそのスピードはMS形態での最高速度に達していた。
シンジの目の前に大気圏に再突入してきたN2弾頭の弾道ミサイルが確認できた。
「ターゲット確認。これより迎撃する!!」

シンジのEVAがビームサーベルを握りミサイルに切りかかる。
すさまじいまでのビームの高熱によって切り裂かれるミサイル。
すさまじい閃光、そして爆発。

シンジはそれを確認すると通信機に向かってただ一言告げた。
「任務完了。」
通信機を切るとシンジは思わず呟いていた。
「惨めな仕事だ、こんなことじゃ僕のミスは補えないのはわかっていたのに・・・・・・」

ミサト達はミサイルがモニター上から消滅したことにほっとした。
「た、たすかった。」
「はあー、寿命が縮まるかと思いましたよ。」
「・・・・・・・・」
「葛城さん、どうしたんですか浮かない顔をして?」
「そうですよ、形はどうであれ一部の兵士の独断先行による一般市民に対する悲劇を未然に防いだんですよ?」
「・・・・・・・本当にそう思う?」
「「???」」
「あまりにもおかしいわ。いくらこの男が軍部至上主義を取っていたとしてもここまでするかしら?私は『誰か』が指示をしたんじゃないかしら?」
「考え過ぎですよ。そうだ、司令部に連絡を取りますね。」
そう言うと日向は嬉しそうに通信機に向かった。
「かんがえすぎか・・・・・・しかし、マヤちゃんEVAのパイロットの声を聴いて何か感じた?」
「?、そういえばいやに子供みたいな声をしてましたよね。」
「・・・・・子供か。そうかもね。彼らにも彼らの正義があるから戦ってるのかな。あんがい彼らと私は似た者なのかもね。」
「彼らも一般市民を傷つけることを望んでいませんでしたね。話しに聞いていた無差別テロを行う非人道的な工作員といった印象じゃありませんでしたね。少なくともこんな大人よりは遥かにましですよ。」
そういってマヤは縛り上げられたこの事件の張本人を軽蔑の視線で見た。
「なにかがおかしいわ。何がおかしいのかはわからないけどNERVには裏があるような気がするわ。」

そんな思いにミサトが浸っているときマコトが司令部との回線を確保し報告を済ませた。
モニターには赤木リツコ上級特佐が現れていた。
「へろーリツコ。」
「・・・・葛城特佐。そこで何をしているのですか。」
旧友に軽く話しかけたミサトに対するリツコの返答は事務的というモノを通り越して凍り付くかのようだった。
「・・・・何よりリツコその言い方。私は、」
「そこまでよ葛城特佐。貴官の行動はすべて把握しました。直ちにNERV本部に出頭しなさい、むろん日向特尉、伊吹技術尉も同罪です。」
「同罪って・・・・どういうことよ!!」
「命令違反、隊員同士の武器を用いての私闘、これだけで十分軍法会議モノです。いいですね。」
「そ、それは、」

ブツッ

リツコの一方的な話を伝え回線は切られた。
憮然とした表情のミサトに慰めの言葉をかけるマヤ。
「先輩はきっと今回の事件の処理に追われていらついてるだけですよ。」
「・・・・・・・そうかしら。(やはり今回の件には何か裏がありそうね。)」

一方、アデレードではミサイルを打ち落としたシンジのEVAが降り立っていた。
それはまさに【天使降臨】の姿だったとこの場に居合わせたアイダ軍曹は後に語っている。
しかし、コクピットに座るシンジの顔は晴れることはなかった。
「結局、霧島さんのお父さんを死なせてしまったことに変わりはない。この罪は一生離れないだろうな。」
「なにいっとんじゃ、おまえはこのアデレードの住民を救ったんやで。」
「シンジ君、過ぎたことを後悔しても何もならない。今傷ついている人を支えてあげるべきだよ。」

その言葉でシンジの脳裏には一瞬マナの笑顔が浮かんだ。
しかし、それを振り払うとシンジは呟いていた。
「僕にはそんな権利はないし力もない。・・・・・父さん、いや六分儀ゲンドウ。お前を必ず殺す。でないとこんな悲劇を何度でも繰り返すだろうから・・・・・」

「ふっ、オペレーションバベル第2段階は失敗か。まあ、ゼーレの老人どもも霧島外務官も片づいた。まあ、EVAは生き残ったが葛城君にまた利用価値がでたようだ。それに霧島の娘・・・・・(ニヤリ)」

そんなゲンドウのシャトルは海上の航空母艦へと向かっていた。
しかし、それを追う2機の輸送機の存在には気がついていなかった。

次回予告
ゲンドウを追ったレイとアスカ。
そこで衝撃の存在に遭遇する。
一方シンジはマナにこれ以上関わらないため去ることを決意する。
そしてマナはパーティーでシンジと踊る。
パーティーの幸せな一時を引き裂く出来事。
そして、マナは自らの運命を知る。
次回「輪舞の夜:ロンドの夜」

次回もシリアス?
サービスできるかな?
修正Ver1.02
監修:踊りマンボウさま

雪風ナギサ(c)踊りマンボウ
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{作者の部屋}
作者「今回はむちゃくちゃシリアスだ。」
カヲル「まったく今回はどうしたんだい、いままでのおちゃらけとはまったく別物の暗い話じゃないか。まあ、相変わらずアスカちゃんはいいとこ無しだけどね。」

どげっしぃぃぃぃ



カヲル「こ、今回は早かった。・・・・・くっ、また作者は僕を放り出して逃げ出してる(涙)」

カヲル「逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ、戻ってこい作者!!」



アスカ「ふっ、あんたは逃げなかったようね。」
カヲル「いきなりまさかりを撃ち下ろしておいてよく言うよ。好意に値しないよ。」
アスカ「・・・・・・・・・・ふっ(ぴくぴく)」
カヲル「(ま、まずい)お、お願いですから八つ当たりだけは・・・・」
アスカ「あのバカシンジとマナ『ごとき』がいちゃついたぐらいで何で私があんたに八つ当たりしなきゃならないのよ。」
カヲル「ほっ」
アスカ「・・・・・・・でもなんかむかつくわね。」
カヲル「ぎくっ」
アスカ「・・・・・・・・・・・・・キッーーーー、やっぱし、むかつく。出てこい作者!!」
カヲル「そんなこと言ってもとっくの昔に逃亡してるよ。」
アスカ「・・・・・・それじゃ、同罪の人間を裁かなきゃね。」
カヲル「ど、どういうことで?」
アスカ「決まってるでしょ(にっこり)」
カヲル「うぎゃああああああーーーーー」

−−−−−ここからは放送倫理規定に引っかかるため放送できませんご了承ください−−−−

作者「うきうき、今回もかわいいお客様が来てくれてるんだよなあ。すちゃらかエヴァンゲリオンの雪風ナギサちゃんです(パチパチパチ)」
雪風ナギサ嬢(以下ナギサ)「皆様、初めまして雪風ナギサと申します。すちゃエヴァではお馴染みかもしれませんけれども・・よろしくお願い致します」
作者「どうも済みませんね同じ住宅地といえどもこんな所に来てもらって本当に感謝してますよ。お父さまの山村ヒカルさんこと踊りマンボウさんにもにもよろしくお伝えください。」
ナギサ「はい、帰ったらマンボウさんにお伝え致します」
作者「さて今回の役どころはちょっと原作(すちゃエヴァ)より年齢が上の20歳ぐらいを想定して出演していただきましたがどうでしたか?」
ナギサ「ええっと、そうですわね。・・この話の中ではわたくしは特別な【力】を持っていない役どころですけれども・・」
作者「そうすねえ、でもナギサちゃんはマナちゃんの『お姉さん』とか『お母さん』みたいな役どころなんですよ、ナギサちゃんはいつものようにやさしく振る舞ってくれればいいんですよ。」
ナギサ「ほよ?そうなのですか?・・けれど、残念ですわ。せっかくお呼び頂いたというのにこれだけしか出られなくて・・申し訳ないです」
作者「うーん、もしかしたらまたご登場願うかも知れませんねえ。なにせこの話の中のマナちゃんはお母さんを早くに亡くしているから優しい頼れる『大人の女性』として出番があるかもしれませんね。」
ナギサ「はい、その節はまたお邪魔させていただきますわ。」
作者「いえいえ、こちらこそよろしくお願いします。」
ナギサ「それでは、この辺で失礼させていただきますわ。皆様ご機嫌よろしゅう・・」(ナギサ嬢、退場)
作者「・・・・・・いい子だなあ。でも、今回は『あの』霧島マナ嬢が一度も現れてないぞ?・・・・・うん?変な声が聞こえるぞ。」
マナ「うふふふふ、今回は悲劇のヒロインだけどシンジ君しっかり抱きしめてくれるしい(にやにや)それに次回は急接近のチャンスのあるパーティ−・・・・ぐふふふふふ、マナここでシンジ君をモノにしてしまうのよ・・・・・・一気に既成事実さえつくっちゃえば・・・・・・・くくく、あの赤毛ザルにもアルビノにも大きくリードよ。このままいけば・・・・・・きゃっ、いやんシンジくうん(はあと)」
作者「み、見なかった。何も見なかったし聞かなかったぞ(冷や汗)」

ps、オリキャラの「雪風ナギサ」嬢の出演を快く了承してくださった踊りマンボウさんにさんに心から感謝します。
ちなみに雪風ナギサに関する版権は踊りマンボウさんが所有しており無断で使用することは出来ませんのであしからず。
                 雪風ナギサ(c)踊りマンボウ
PS2、雪風ナギサ嬢の台詞について本家本元の踊りマンボウさんに監修をして頂きました。
さすがは本家本元の台詞回しです。

『うちのオリキャラを出してもいいよ』というあたたかいメール待ってます。
もちろん『あのオリキャラを出演させろ』といったリクエストもお待ちしております。
その際にはそのオリキャラについて詳しい情報も同時にお寄せいただけると助かります。
                  By 京極堂テイシュウ
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京極堂テイシュウさんへの感想はこ・ち・ら♪   



管理人(その他)のコメント

マナ 「シンジくぅ〜ん(はあと)」

シンジ「うああああ!! マ、マナちゃん!」

アスカ「こらこらこらこらこら! なにシンジに抱きついてんのよ! さっさと離れなさい!」

マナ 「えー、別にいいじゃないですか〜アスカさんとシンジくんは別になんでもないんでしょ〜」

シンジ「マ、マナちゃん! いきなり何を言い出すんだよ!」

アスカ「な、な、な」

マナ 「えーっもしかして、アスカさんってシンジくんのい・い・ひと?(にや)」

アスカ「だ、だ、誰がこんなやつ!」

マナ 「あーら、だったら私がしんちゃんに何しようとべつにいいんですよね〜(にやり)」

アスカ「べ、べ、別に勝手にすればいいでしょ!」

マナ 「らっき〜♪ じゃ、アスカさんはあっちでエヴァンゲリオンの整備でもしていてくださいね。私はしんちゃんと、らぶらぶたいむをすごすんですから〜」

アスカ「ら、ら、らぶらぶたいむ・・・・怒」

シンジ「ま、ま、マナちゃん・・・・」

マナ 「さあしんちゃん、私の家で、いちゃいちゃしましょうね〜はあと」

アスカ「・・・・・怒」

シゲル「あの〜お嬢様、わたしは・・・・」

マナ 「あんたはどっか行ってなさい。わたしとしんちゃんの愛の園を邪魔しないで!」

シゲル「うう・・・・涙」

アスカ「こ、こ、このやり場のない怒りをどこにむければいいのか・・・・・じろり」

シゲル「・・・・・ん?」

 どっかぁああああん!!

シゲル「ひょぇぇぇぇぇぇぇっ!!」

アスカ「むううううう、シゲル程度じゃまだ収まらないわ・・・・カヲル、カヲルはどこに行った!! あいつを殴って憂さを晴らすわ!」

シゲル「お、おれっていったい・・・・がくっ」



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