碇食堂は今日も繁盛!!
Phase 2 居候来襲
碇家の夕食は、営んでいる食堂が8時まで営業しているため、いつも9時近くになる。その時間になれば、シンジの父、ゲンドウも仕事から帰っている。
かちゃかちゃ・・・・。
箸と茶碗が触れ合う音がキッチンに響いている。
ふいに一人の箸の音がとまり、話し声に切り替わる。
「ねえ、母さん。さっきの人はどうしたの?」
「・・・あの娘、夏月ちゃん、っていうんだけど、まだ動ける状態じゃないみたいだから、上で寝てもらってるわ。」
「? ユイ、どうかしたのか?」
ゲンドウが顔を上げて、そんな事聞いてないぞ、といった感じでユイに尋ねる。
「今日の夕方、屋根裏部屋に女の子が荷物と一緒に降ってきたのよ。話している内容からすると、セカンドインパクト前の時代からタイムスリップしてきたみたいなの。」
「それを信じたのか、ユイ。」
「ええ、素直な良い娘でしたもの。」
二の句が継げないゲンドウ。
「あなた、それでお願いなんですけど・・・」
「な、何だ?」
ゲンドウは眼鏡を人差し指で押し上げながら次の言葉を待つ。
「家に置いて上げてもいいかしら?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・いいだろう。」
「!!ありがとう、あなた!!!」
ユイは、放っておくと飛びつきそうな雰囲気で嬉しそうに答えた。
コンコン。
「あ、あの、食事を持ってきたんですけど・・・。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はい」
がちゃ。
「すみません、ぼぅっとしていたもので。」
「い、いえ、そんなことは・・・」
その場に立って頭を掻きつつ少し赤くなるシンジ。
忘れていたかのように食事の載ったお盆を下に置き、自分自身も座った。
「あ、あの、その・・・」
シンジはちらちらと夏月の方を見ている。
それを察したのか、夏月が優しい口調で切り出した。
「何か聞きたいことでもあるんでしたら、遠慮なさらないで聞いてください。」
「い、いえ、何でもないです」
普通、そういう風に言われたら逆に聞けないのものである。しかもそう言い放つ夏月の顔には表情が無いのだ。いくら優しい口調で言われたとて、シンジには聞くことができるわけが無い。
「・・・ああ、私の顔が無表情だからといって、怒ってるわけじゃないですから。」
「・・い、いえ、そんな、こと、ぜんぜん」
少し狼狽えてしまうシンジ。
「で、聞きたいことはなんですか?」
シンジは少し考え込むようにしていたが、やがておずおずと質問を夏月に投げかけた。
「そ、それじゃあ、あの、その、・・・な、なんで屋根裏部屋にいたんですか?」
「それは私にもよくはわからない。・・・ユイさんは教えてくれませんでしたか?」
「え、いやその、母さんが言うと専門的な言葉使うからよくわかんなくて、で、その・・・」
「そう。・・・簡単に言うと、テレポーテーションしようとしたんだけど、時間も一緒に跳び越してしまったというところかな。別に超能力とかそういうものじゃないんだけどね。」
「てれぽーてーしょん・・・。・・・そういえば、そんなことを言ってたような・・・。」
シンジとて、そういうことに興味が無いわけではないが、やはりにわかには信じ難いものがある。
「・・・ところで、君がシンジ君なんだよね?」
「は、はい。」
「で、シンジ君、ちょっと体を起こすのを手伝ってくれない?」
夏月はそういうと、横を向き起きようとする。・・・が、そこで動きが止まる。
夏月の視線は、屋根裏部屋の片隅にぽつんとある棺桶に向けられていた。
背中のほうから手を伸ばしたシンジは、そんなことには全く気づかず体を起こそうとするが、本人が動こうとしていないため重く、ついうっかりそれを言葉に出してしまった。
「・・・お、重い・・・。」
「え?」ぴく。
「あ!い、いえ、なんでもナイですっ!!」
夏月はさすがに重いという言葉に一瞬反応したが、それよりも棺桶のほうが気になるようで、一応体を起こして貰ってからシンジに話かけた。
「・・・・・・・・・・・シンジ君、あの棺桶は?」
「え、い、いや、その、お、重くないです、本当です!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(そんなに重かったのか・・・)と、とりあえずそれはもういいから、あそこにある棺桶って、何のために置いてあるのかきいてもいいかな?」
「これって、夏月さんと一緒にきたやつですけど・・・。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・(こんなの蔵にあったかな?)」
「中になにか入っているんですか?」
「分からない。見たことが無いからね・・・。」
「・・・・(絶句)」
「ま、まぁ後で見るということにしませんか?シンジ君。」
「は、はあ。(な、なんかこの人って、表情が無いからわからないけど、わるいひとじゃないのかも・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・やわらかいし)」
夏月は辺りをきょろきょろと見回している。しかし、この屋根裏部屋には、夏月と一緒に降ってきたと思われる刀や鎧兜、つづらのようなものしか転がってはいない。無論、棺桶も在るが。見回すのが終わるのを見計らったように、シンジが話かけてきた。
「あ、あの、急にこっちにきたってことは、過去じゃ失踪したように見えるって事ですよね。」
「そうだね・・・。(ユイさんとの話のときも思ったけど、兄さんはどうしてるだろう・・・。)」
コンコン。ガチャリ。
「と、父さん」
ゲンドウは二人の元に近づいて来ると、色眼鏡を人差し指でクイっとあげ、話し出した。
「夏月くんといったかね。私はこの家の主である碇ゲンドウというものだ。ユイから君のお兄さんがいることを聞いたので、さっそく心当たりの人間にあたってみたのだが、どうやらそれらしき人が居た。今すぐにでも会いたいと言っていたのだが、さすがに夜遅いのでね、明日にして貰った。」
「あ、有難うございます。」
「今日はゆっくり休みなさい。」
ゲンドウは微笑みながら言うと、シンジの方を向きなおり、引き上げるぞ、といった感じで腕をクイっと上げた。
「シンジ、いくぞ。」
「あ、え、お、お邪魔しました。」
そして夜はふける・・・・・・。
続く
くろ猫「大変お待たせしました。Phase 2をお送りいたします。」
カヲル「ほんっっとーに!遅かったねぇ。」
くろ猫「す、すみませんです。ちょ、ちょっといろんなことがあったもんで・・・。」
カヲル「へえっ、そんなに会社の飲み会やら何やらが多かったのかい?」
くろ猫「な、なぜそれを・・・・・ま、まぁ、そ、それもあるけど・・・。」
カヲル「そういえば掲示板に、FFTが何やらとか書いてあったねぇ」
くろ猫「はぅ・・・。で、でも6月28日の時点でまだレベルが18迄しかいってないよぅ・・・・。そんなにやってないと思うけど・・・・。」
カヲル「言い訳がPhase 1のシンジ君並だねぇ。そんなのじゃあ言い訳にはならないよ?」
・・・・・・・
カヲル「ん?・・・・・・く、くろ猫め、逃げたな・・・!」
ひらん・・・。
カヲル「メモか?なになに・・・・探さないで、次のはすぐ作って投稿します?・・・探さないでっていっても、いくとこなんて少ないからすぐばれるのにねぇ。」
管理人(その他)のコメント
カヲル「探さないでください・・・か、今度逃げる時はその手を使おう」
どげしいっ!!
アスカ「何を今から逃げる算段をしている!!」
カヲル「(どくどくどく)い、いえ・・・・分譲住宅の更新が遅れているんで、かみそりメールでもこないうちに逃げようかと・・・・」
げしげしげし!!
アスカ「逃げる暇があったらきりきり更新!!」
カヲル「ううっ・・・しくしくしく・・・・」
アスカ「しっかしこの夏月って女の子、なんでこんなに無愛想なのかしら。まるでファーストみたいね」
カヲル「ファースト自身だったりして」
アスカ「はあ?何を馬鹿なことを」
カヲル「綾波レイの前世は夏月だった!! いまあかされる衝撃の真実!」
アスカ「勝手に真実を作るなぁ!!」
ごすっ!!
カヲル「うう、ちょっといってみただけだったのに・・・・」
アスカ「しかし、あの棺桶ってなんなんだろうね」
キール「アダムだ」
カヲル「うをっ!!」
キール「アダムだ」
アスカ「アダムってあの棺桶の中にアダムがいるの?」
キール「アダムだアダムだアダムだ!!」
カヲル「・・・・・汗」
アスカ「・・・・映画公開前になるとこういうおかしいのが出てくるのよね〜」
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