そしてそれから外伝




完結編上 禁忌


アキナ「ふふふ・・・・・・・」

『神の間』のとなりにある、幹部の部屋のいすに腰掛けながら、アキナは笑っていた。後少しすれば、妹は、
ユカリは『神』に生け贄として捧げられる事になる。暗い喜びがこみ上げてくるのを禁じ得なかった。
子供の頃からアキナはたいていのことはそつなくこなした。親もたいていのわがままは聞いてくれた。
周囲の大人たちもアキナをかわいがっていた。周りにいる子供たちもアキナをもてはやした。

しかし、両親がユカリを引き取ってから、事情は一変した。
突如現れた「妹」によって親は我が儘を聞いてくれなくなった。
「アキナはお姉ちゃんなんだから我慢してね。」そう、言われるようになった。
ユカリがちやほやされているのも気にいらなかった。
だから、10年前のある日、アキナはユカリをジオフロントに置き去りにしてきたのだ。深く考えての
ことではない。ただ、ちょっと怖い目に遭わせてやろうとしただけだった。それがいかなる結果をもたらすか
など知る由もなかった。
当時のジオフロントは開発途中で極めて危険なところであった。まして子供ならばなおさらだ。
幸い、発見が早かったので、大事には至らなかった。しかし、事実がばれてアキナは両親に酷く怒られたの
だった。

既にその事件全体の記憶はぼんやりとしている。だが、今でもはっきりと覚えている。父親にはたかれた
頬を押さえて呆然と立ち竦む自分を。そしてその目の前で母親に抱きしめられながらもなお泣き続ける
ユカリの姿を。

それ以来、アキナの思いはいっそう強いものになった。すなわち、パパもママも人気も羨望の眼差しも自分の
欲しいものは全てユカリに奪われてしまう、と。

そんな気持ちがずっと続いていた。表向きは仲良く振る舞うようにはなったが、内心の不満は消えることが
なかった。

そして数ヶ月前のある日のこと、アキナはこのエヴァ信教を知った。
くだらない、そう思った。しかし、『神』のもつ強い力にアキナは魅せられた。だから、入信してのし
上がっていった。思っていたよりずっと資金は潤沢だったし、幹部として信者たちを思いのままに命令する
のは、アキナを満足させた。
しかし、それが代替に過ぎないということは分かっていた。本当に欲しいものはこんなものではないという
ことを、それを手に入れるには、ユカリは邪魔だということを・・・
ユカリに対しては好意的だったカヲルが、自分に冷淡に振る舞ったとき、その感情は爆発した。
そして、『神』に生け贄を捧げているという話を聞いたとき、アキナは次の候補としてユカリの名前を挙げた
のだった。


俯いて含み笑いを続けていたアキナだったが、彼女の妄想を混乱と怒声がうち破る。

アキナ「何事なの。」

アキナが声を荒げる。苛立たしさを隠そうともしなかった。
報告は混乱していて要領を得なかったが、侵入者があったことは分かる。
さらに、ユカリがいなくなっていると聞いたとき、アキナは叫んだ。

アキナ「早く連れ戻してきなさい!」

アキナの、そして他の幹部たちの指示を受けて慌てて何人かが駆け出す。しかし、その全員がいきなり力を
失って床に倒れ込んだ。

カヲル「あいにく、その必要はないね。」

いつの間にかカヲルが入り口に立っていた。皮肉な笑みを浮かべている。

「外の連中は何をしていたんだ!」

幹部の一人が悲鳴にも似た叫びをあげる。だが、返ってきたのはシンジの冷たい声だった。

シンジ「全員倒したよ。」
アスカ「観念するのね。もう、ここにはあんたたちしかいないわ。」

カヲルに続いてシンジたち3人も到着した。だが、この期に及んでもアキナは動揺を見せていなかった。

アキナ「・・・さすがね。最後に聞くけど、仲間にならない?」
カヲル「答えは既に言ったよ。君たちは好意に値しないね。」
アキナ「そう・・・・・なら、死ぬのね。」

アキナの声と同時に発射音が響く。あらかじめ用意されていた軽機関銃による攻撃だろう。普通の人間ならば
避ける間もなく撃たれて死ぬだろうし、アキナもそう思っていた。だが、あいにくとシンジたち4人は普通
ではなかった。カヲルの展開した、肉眼でもはっきり見えるほど強力なATフィールドが全ての弾丸を阻む。

アキナ「な、何ですって!」

さすがにこれには驚いたのかアキナにも叫ぶことしかできなかった。既にこの場で平然としているのは
シンジたちだけだった。

レイ「何を考えているのかしら。あの攻撃法では倒れた味方も巻き込むというのに・・・」
シンジ「何も考えていないんじゃないのかな。」
「おまえらは一体何者なんだ!」

幹部の一人が絶叫する。それは事実を確かめようとする意志がそうさせたのではない。シンジたちの力に
恐れをなしたのだ。

カヲル「レチクル座ゼータ星からやってきた宇宙使徒の生き残りだよ。力の程は今見ただろう。」

カヲルの返答は完全に相手を馬鹿にしていた。だが、それに対して怒る気力を残しているものはいなかった。

「なぜ!?それだけの力を持っているのにどうしてそれを生かそうとしない。それだけの力があれば
世界を支配することも・・・」

絶叫する幹部をシンジたちは醒めた目で見ていた。ありふれた言葉の羅列からは4人とも全く感銘を受ける
ことはなかった。

カヲル「それで?今度は『渚カヲル信教』とでもする気かい?」
アスカ「なんでこの私がそんなくだらないことしなきゃならないのよ。」
レイ「力の使い方を、私の生き方をあなたに指図されるいわれはないわ。」

全ての幹部が圧倒的な力を前にして打ちひしがれていた。だが、アキナは突然走り出すと、奥の部屋へと
駆け込む。

シンジ「これは・・・・・止めないとまずいか。」

アキナは既に隣の部屋へ入っていた。逃げたわけではない。『力を持つもの』は隣の部屋にいるのだ。
走り寄って扉を開けようとしたが、既に鍵がかかっている。

カヲル「シンジくん、どいて。」

カヲルの声を聞いてシンジはカヲルの意図を察した。カヲルの手に光が宿る。それは光線と化し扉を完全に
破壊した。やがて爆炎が収まり隣の部屋がその姿を現す。

アスカ「これは・・・・・?」

その部屋の中央には巨大な水槽があった。そして、LCLと思しき液体で満たされたその中にあるのは紅く
巨大な球状の肉塊だった。そしてこの肉塊は紛れもなく『力』を持っている。シンジにはその正体に心当たり
があった。

シンジ「これはエヴァ!エヴァンゲリオン量産型の肉片か!!!」
アキナ「そうよ。1年前の事件で破壊されたエヴァの肉片をLCLで培養したのよ。」
カヲル「こんなものがご神体とはね。」

吐き捨てるカヲル。だが、憎しみで満ちたアキナの心を動かす言葉は既になかった。制止を無視して正確に
操作を繰り返していく。

「よせ!解放したら何が起こるか、我々にも分からないんだぞ。」
アキナ「・・・もう、遅いわ。」

水槽が開いていき、LCLが床を濡らす。今や、エヴァの肉片は完全に解放されていた。

アスカ「なによ。こんなもので私をどうにか出来るとでも・・・・」
シンジ「アスカッ!」

無造作に近づいたアスカだったが、シンジの鋭い叫びを聞き、とっさに跳びすさる。それとほぼ同時に強い
衝撃を感じた。いつの間にか肉塊のあちこちから触手が生えてきて、その一つがアスカを捉えたのだ。
壁に叩きつけられるアスカ。ATフィールドがなければ致命的だっただろう。

アスカ「くっ・・・よくもやってくれたわね。」

体勢を立て直しエヴァを睨み付けたアスカだが、激しい嫌悪感を感じた。肉の一部が半球状に盛り上がり、
切れ目から裂けていく。そこから現れた眼球がアスカを見たのだ。

アスカ「め・・・目玉ぁ!?」

今や眼球は肉塊のあちこちに現れ、4方を見つめていた。触手が再びアスカに攻撃を掛けてくる。アスカは
辛うじてこれをかわした。鈍重そうな外見とは裏腹に触手の動きはかなり速かった。複数の触手に同時に
攻撃を掛けられたら回避は不可能だろう。触手はシンジ、カヲル、レイにも襲いかかった。全員辛うじて
これを避けられたが、この狭い空間ではそう避け続けることは出来ない。

シンジ「速い!」
カヲル「しかも数も多い上、動きが変則的だ。これはまずいね。」
シンジ「アスカ、レイ、先に家に帰っていてよ。ここは僕たちで何とかするから。」

アスカは悔しそうだったが、確かにここで無理をしても足手まといになりかねない。触手の攻撃が厄介な上に
4人で戦うにはここは狭すぎた。

アスカ「悔しいけど、しょうがないわね。こんな気持ちの悪い奴と戦いたくないし。あいつを倒すのは譲って
あげるからしくじるんじゃないわよ。・・・・レイ、行くわよ。」
レイ「ええ。二人とも気をつけて。」

二人が待避したのを確認すると改めてシンジとカヲルはエヴァと対峙した。触手自体は確かに厄介だが、
本体の動きはさほどでもないはずだ。展開してくるATフィールドも普通の人間にとっては驚異だろうが、
シンジたちにとっては油断さえしなければさほど恐ろしいものではない。

アキナ「逃さないわよ。さあ、攻撃して。」

アキナの瞳は既に狂気に彩られていた。シンジとカヲルは身構えたが、触手の攻撃は意外なところに来た。
幹部たちの胸を、或いは胴を貫いたのだ。味方だと思っていたエヴァに攻撃されて幹部たちは慌てて逃げ
出そうとしたが、無数の触手から逃れる術はない。たちまち全員が捉えられた。ハルナも胴を貫かれて
もがいている。無事だったのはATフィールドを展開できた、シンジとカヲルだけだった。
ATフィールドで守ってやることは可能だったかもしれない。だが、シンジとカヲルは動けなかった。
知性のかけらも感じさせない動きではあるが、エヴァの肉塊は確かに意志を持っていたのだ。
死にたくない、生きていたい、と・・・・・・・その強烈な意志に、或いは本能にシンジたちは気圧されて
しまった。しかしそれも一瞬のことですぐに我に返る。

カヲル「くっ・・・・・」
シンジ「ちょっと待った!」

剣で攻撃を仕掛けようとしたカヲルをシンジが押しとどめる。

カヲル「なんだい、シンジくん。止めないでくれ。」
シンジ「奴をよく見て!」

シンジに云われて気が付いた。触手に貫かれた身体から全く血が出ていない。

カヲル「これは・・・・・同化能力か!」
シンジ「カヲルくん、気を付けて!こいつに直接触れられたら、僕たちでも喰われてしまう。」
カヲル「細胞の欠片だけでも生きていけるように自らを進化させたのか・・・・・・・・・いや、退化と
云うべきかな。」
シンジ「レイとアスカを逃がして正解だったよ。あの二人にこんな光景を見せるわけにはいかない。」

いかにエヴァの細胞が強いとはいえ、肉片のみでは生きていけるはずもない。しかし、LCLの中で十分に
栄養が与えられているならば話は別だ。あの事件から約1年。この環境に適応する時間は十分にあっただろう。

剣で攻撃して欠片でも残したら、仮にこいつが町中に逃げ出したとしたらそれこそ手に負えなくなる。
なんとしてもここで完全に消滅させる必要があった。

アキナ「うっ・・・・・・・・・・・・」

身構えるシンジたちの耳にアキナの苦しげなうめき声が聞こえた。幹部たちが次々に取り込まれていく中、
腹部を触手に貫かれてはいるもののまだ完全に取り込まれていないアキナには意識があった。引き剥がそうと
して触手を掴んだ手もまた同化していく。アキナは為す術もなく自分が徐々にエヴァの肉片と同化していく
様を虚ろな瞳で眺めていた。触手からさらに細い触手が出て自分の胎内をはいずり回る。おぞましい感覚に
既に叫ぶ気力は失われていた。

10人からの人間が同時にエヴァに喰われていく。まさに地獄だった。触手が胎内をはいずり回り、身体に
浮かび出る様がはっきりと見える。意識のあるものは叫び、助けを乞う。そしてそれも空しく取り込まれて
いく。

融合の苦痛と快楽の狭間でアキナは思いの丈をうち明けた。呟きと言うにはあまりにも弱々しかったが、
シンジとカヲルには妙にはっきり聞き取ることが出来た。

アキナ「どうして・・・・・・・・こんなことに・・・・・・・私はただ、ユカリがくる前に戻りたかった。
パパとママに私を見てもらいたかっただけなのに、どうして・・・・・・・・・・・・・・」

アキナの最後の述懐。それは彼女の思いの全てだった。

カヲル「・・・・・哀れだね。ユカリが来てからも両親は君のことを見続けていた。自らを真摯に思う人々の
言葉に耳を貸さず、君を偽り、欺く人間の言葉にのみ耳を傾けてきた。これはその報いなのか・・・・・・・」

カヲルの声も表情も悲しみに満ちていた。既にアキナを助ける術はない。

アキナ「そうだったの・・・・・・・パパ・・・ママ・・・それにユカリ・・・・。急に妹が出来て、
どう接したらいいのか分からなかったの。あの時も、ちょっとびっくりさせれば、きっとユカリが私を頼って
くれるって思って、姉として振る舞えるんじゃないかって思って・・・・・だから・・・・・・・・」

凄まじい感覚に翻弄され、アキナの声は掠れていた。だが、シンジとカヲルはその全てを聞いていた。
もう、それしかしてやれないのだから。

アキナ「本当は・・・・仲良くしたかったの。・・・・・・ごめんなさい。」

取り込まれて消える最後の瞬間、アキナは周りの人間の想いに気が付いた。そして、自分の本当の想いにも。
だが、それはあまりに遅すぎた。それはまた彼女の遺言にもなってしまったのだから・・・・・

シンジ「エヴァに取り憑かれた人間の悲劇か・・・・・」

シンジの呟きは悲しみに満ちていた。すれ違うきっかけは些細なものだった。そしてそれを直すことも
初めの頃ならば簡単だったのだろう。だが、生じた歪みは時と共に大きくなり、いつしか二人の道を完全に
分かつ。そして今、二人が分かり合う機会は永遠に絶たれてしまった・・・・・

しかし、悲しんでばかりはいられない。今は戦いの最中で、敵は目前に迫っているのだ。

カヲル「シンジくん、どうしよう。ビルごと始末しようか?」

さすがのカヲルも手を出しかねていた。室内では相手を残さずに消し去る様な強力な能力を仕掛けられない。
二人とも戦闘経験は豊富だったが、室内での戦いはあまりしたことがなかった。まして、相手に力があるなら
なおさらだ。繰り出される触手の攻撃をATフィールドで防ぎつつシンジはどうするか考えていた。

カヲル「くぅっ。」

触手が数本、カヲルのATフィールドに弾かれる。相手もATフィールドが扱えるとは云え、この程度では
カヲルのATフィールドはびくともしない。しかし、攻撃を受ける一方というのは気持ちのいいものでは
なかった。

カヲル「く・・・こうなったら焼き尽くすか。」

十分に離れるとカヲルは攻撃を掛けるべく身構えた。それを見てシンジがカヲルを止める。

シンジ「カヲルくん、それはまずいよ。奴を焼き尽くすだけの火炎を使ったらここもただじゃ済まない。
周りに建物がないから延焼する恐れはないけど、警察には介入されたくない。」

今までの相手は軍や非合法組織だったので相手の方が事態を隠蔽していた。しかし、今回は違う。実態は
どうあれ、表向きは宗教団体であり警察に介入されると厄介なことになる。外にいた下っ端はろくに事情を
知らないようなので問題ないが、ここにはエヴァ関係の資料もあるはずなのだから。全て残らず消し去れば
問題ないだろうが、ビルごと消し去るような強力な能力を使った際周囲にいかなる影響が出るかは定かでは
なかった。

カヲル「じゃあ、どうしようか?」

カヲルが再び問いかける。無論シンジにはエヴァの資料を残しておく気などない。だが、それは戦いに勝って
からのことであり、今優先すべきはいかにして奴を倒すかだった。とにかく奴らを逃すわけには行かない。
だが、エヴァは触手で本体を引きずって逃走にかかっていた。無数の触手を移動に使っているため、本体の
移動速度もかなり速い。あまり時間は残されていなかった。もし、ビルの外に出れば、同化する有機物は
豊富にある。最悪の場合街ごと攻撃することになってしまうかもしれなかった。

カヲル「逃げる気か!?」
シンジ「あまり気は進まないけど・・・やるしかないか。溶かしてしまうから、カヲルくん、援護頼むね。」
カヲル「分かった。」

その台詞だけでカヲルはシンジの意図することが分かった。触手の攻撃をかいくぐって一気に間合いを詰める
と、球状に展開したATフィールドの中にエヴァを捕らえる。触手が空しくカヲルのATフィールドを
叩いた。この状態ではシンジたちも通常の攻撃をかけられないがエヴァも何もできない。無駄に足掻くだけだ。

カヲル「シンジくん、捕らえたよ。」
シンジ「うん。」

シンジの右手に黄金色の輝きが宿る。それは液体となり、シンジの制御するままに動いた。カヲルが
ATフィールドの一部に小さな穴を開けると、そこから中へと入り込む。そして、その液体が肉塊に
触れると煙を上げて肉を溶かしていく。

カヲル「溶解液・・・・完成していたのか。」
シンジ「うん。実戦で使うのはこれが初めてだけどね。」

激しく音を立てて溶けていく肉塊の表面に無数の人間の顔や腕が突き出てくる。全ての顔が苦痛の叫びを
あげていた。腕は何かを求めるように空を掴む。しかし、溶解液に抗うべくもなくたちまち溶けていく。
人の形が溶けていく様、それはこの世のものとは思えないほど凄惨な光景だった。
阿鼻叫喚の様を目の当たりにしつつもシンジは自らの力がもたらした現実から目を背けることはせず、
溶けていくエヴァを直視していた。

シンジ「・・・ごめん。こんな事で救われるなんて思いたくないけど、僕にはもう、こうすることしか
できない・・・・・・」

やがてエヴァの肉塊が完全に溶けた。二人とも能力を解除する。
エヴァの肉片も、信者たちも全てが消え、後にはただやるせない思いが、そして辛い現実のみが残された。

カヲル「シンジくん、とりあえず家に帰ろうか・・・・・・・・」
シンジ「うん・・・・・・・・・」

調べ終えた資料を残らず消し去ると、うなだれるシンジを抱えるようにしてカヲルはその場を去った。
レイとアスカの待つ自宅に・・・




続く


後書き・・・解説の続き

K「というわけで今回も能力の解説です。」
シンジ「まず、アルミサエルの能力。」
K「これは同化・吸収能力です。相手と同化してその知識、経験、技能などを自分のものにすることが
出来ます。体力その他を吸い取ることもできます。」
カヲル「この能力もかなり危険なものだね。」
シンジ「そうだね。相手の能力の取り込みには接触しなくちゃならないけど、吸収だけなら離れていても
効くからね。」
K「10話でシンジが戦自を昏睡状態にしたのはこの能力で相手の力を吸い取ったからですしね。」
カヲル「ちなみにどんな技能や経験でも吸収できるわけじゃない。吸収できる限界は存在するよ。」
シンジ「次はサハクィエルの能力。」
K「ジャミングなども可能ですが、メインは爆発物です。」
カヲル「どんな能力だい?」
K「自分自身の身体を爆弾に変える能力です。」
シンジ「それって自爆っていわない?」
K「そうですね。」
カヲル「使えない能力だね。」
K「そうでもないです。確かにこの能力は単体では使えません。しかし、使い方によっては十分役に立ち
ますよ。」
カヲル「どんな?」
K「前述した、同化の能力で他人の肉体を自分のものにしておいて爆弾に変えて切り離す。こうすれば、
自分は無事です。」
シンジ「ずいぶんと極悪な使い方だね。・・・暗黒時代の遺物か。」
K「ぎくぅ。ま、まあ、こんなの使うことはないでしょう。設定のみです。シンジたちの能力は組み合わせて
使うことで極めて強力になるものがありますからね。他にもマトリエルの溶解液の能力は単に溶解液を発生
させるだけであり、単体では使いものになりませんが、液体操作の能力と組み合わせれば非常に使えます。
火炎や光線などと違って効果範囲を非常に限定できますから、限られた空間で戦う場合においては特に
有用です。」
カヲル「後は、ラミエルの能力だね。」
シンジ「この能力は遠距離の敵に対して正確に攻撃を命中させるってものなんだけど、当然目標との間に
遮蔽物があったら当たらないからね。」
K「この能力を空間操作の能力と感知能力と組み合わせると、相手がどこにいても確実に攻撃を命中させる
ことが出来ます。」
カヲル「ナデシコのボソン砲みたいなものだね。」
K「あはははは・・・・(乾いた笑い)他にも多数能力があります。これらはそのうちに出てくるでしょう。」
シンジ「本当に?」
K「・・・たぶん。」
シンジ「はぁ・・・」





Kさんへの感想はこ・ち・ら♪   



管理人(その他)のコメント

カヲル「EVAにとりつかれた人の悲劇・・・か」

アスカ「なにしんみりした表情で話をしているのよ」

カヲル「いやね、彼らはEVAにとりつかれて悲劇的な最後を迎えた」

アスカ「アキナのこと?」

カヲル「そう。僕たちは幸いにしてそういうことはなく、うまくやっている。でも、まかり間違えば同じ立場に立たされていたのかもしれないんだよ。しんみりもするさ」

レイ 「でも、私たちには碇君が居る」

アスカ「そう、シンジが居るから、大丈夫」

カヲル「じゃあ、シンジ君が誰かのものになったら、君たちはどうするんだい?」

アスカ「それは・・・・」

レイ 「・・・・

カヲル「シンジ君だっていつかは誰かのものになる。そのときは・・・」

アスカ「・・・・ちょっといい?」

カヲル「ん?」

アスカ「その口調、シンジが「誰」のものになるか、明らかに確定したよう話し方に聞こえるんだけど・・・・」

カヲル「おや、だってそりゃ、シンジ君はのものになることに決まって居るんだから」

アスカ「だれが、いつ、どこで決めたのよ」

カヲル「僕が、前から、ここで、決めたんだよ」

レイ 「・・・・まじめな顔して答えないで」

アスカ「それしかアンタの頭の中にはないの? この腐れ外道!」

カヲル「ああ、シンジ君〜はあと



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