そしてそれから外伝
完結編下 真実の痛み
アキナは、エヴァ信教はエヴァと共に消えた。その数日後。カヲルはユカリを誘って喫茶店に来ていた。
ユカリ「結局姉さんはいなくなっちゃって・・・警察には捜索願を届けたんですけど、ここのところ失踪する
人が多いので見つかるかどうかは分からないそうなんです。」
ユカリの顔は疲労と悲しみに彩られていた。姉の失踪がショックだったのだろう。
だが、カヲルは知っていた。最近第三新東京市で起きた失踪事件がアキナたちの手によって行われたもので
あることを。あの時、エヴァに浮かびあがった人々は失踪事件の被害者だった。生け贄としてエヴァに喰われ
たのだ。そして、ユカリもその内の一人になるはずだったのだ。
カヲル「アキナのことが大切なんだね。」
ユカリ「はい。本当の姉妹ではありませんが・・・・・・それでも姉妹ですから。」
ユカリは微笑んだ。アキナのことを信頼しているのだろう。カヲルはユカリの純粋な想いを壊したくなかった。
だが、それ以上にユカリを偽ることは出来なかった。何よりも、アキナの言葉を伝えなければならない。
それをユカリに伝えられるのは自分だけなのだから・・・・・
カヲルはユカリをつれて喫茶店を出た。暫く街を歩き、二人は公園に着いた。二人でベンチに腰掛ける。
カヲルと共にいることが嬉しいのだろう、ユカリは幸せそうに微笑んでいた。そのユカリの微笑みを見て、
カヲルは自分の決意が揺らぐのを感じた。しかし、辛いことだが事実を告げなければならない。カヲルは
シンジが「逃げちゃだめだ。」といっている気持ちが分かる気がした。
カヲル「ユカリ、僕は君に話さなければならないことがあるんだ。」
ユカリ「え・・・?」
カヲル「君の姉は・・・アキナは・・・・・」
ユカリ「姉さんがどこにいるのか知ってるんですか?」
カヲル「アキナは死んだ。」
ユカリ「・・・え?」
カヲル「殺された。」
ユカリ「うそ・・・・・・・・・」
カヲルの言葉は簡潔で誤解のしようがなかった。いきなり突きつけられた事実が理解できないのだろう、
ユカリは呆然としていた。
ユカリ「どうして・・・・?どうしてそんなことに・・・・・私の代わりに、姉さんを助けてくれれば
よかったのに・・・・・・・私が死ねばよかったのに・・・・・・」
事態が分かり始めたのか、ユカリは涙を流しながら弱々しく呟く。
カヲル「アキナは君の身代わりになったわけじゃない。それに僕はユカリを助けられたわけでもないんだ。
現に今、泣いているユカリに何もしてやれないんだから・・・。」
ユカリ「カヲルさん・・・・どうして姉さんの死を伝えたんですか。知らずにいれば幸せだったのに・・・
いつか姉さんが帰ってくるって信じて待っていられたのに。微笑んでいられたのに。」
カヲルの返事は、淡々としたものだった。いつものように相手を嘲弄する冷酷さも皮肉な微笑みもなかった。
カヲル「・・・僕はアキナを助けられなかった。彼女の死についてあれこれ言える立場じゃない。
ただ、アキナは最後に君に謝っていたよ。今まで済まなかったと・・・・・これだけはどうしても伝えて
おきたかった。彼女の遺言だから。そして、彼女の想いの全てのはずだから。」
ユカリ「・・・・・・薄々気づいてはいました。姉さんが私のことを快く思っていないって。それでも、
姉さんを信じていたかったです。いつか分かり合えるって・・・死ぬ直前に周りの人の想いに気が付いて、
姉さんは幸せだったのでしょうか。」
カヲル「幸せがなんなのか、か・・・たとえ死の間際でも周りの人間の想いを理解できた彼女は幸せだった
のか、想いに気づくことなく生きていた方が幸せだったのか・・・だけど、彼女の幸せは彼女が決めること
だよ。僕らが決める事じゃない。他の誰がなんと言おうと、彼女が自分は幸せだったと感じているなら彼女は
幸せだったんだ。」
ユカリ「でも、もう姉さんはいないんですね・・・」
カヲル「ああ。だから、アキナが幸せだったのかどうかはもう分からないよ。ただ、どんなに幸せな人間でも、
常に幸せな訳じゃない。幸せなときもあれば不幸なときもある。それでも幸せだと思えるんだから、きっと
彼女もそうだったと思いたい・・・・・」
そう思ったところで今となってはただの気休めにしかならないけどね、と言葉にせずに続ける。
ユカリ「私もそう、思いたいです。そうじゃないと、あんまりですから・・・・・・」
ユカリがカヲルの胸に飛び込んできた。一瞬驚いたカヲルだったが、ユカリの体が震えているのを感じて
優しく声を掛ける。
カヲル「ユカリ・・・・・」
ユカリ「少しだけ・・・・・後少しだけこうさせてください。カヲルさんの強さを少しでも分けてもらえる
ように・・・・・」
ユカリはカヲルにしがみついてくる。カヲルもそっとユカリを抱きしめた。そして、心の中で呟く。
僕も・・・そんなに強くない。けど、いつか・・・・・
カヲルは事実を全て告げなかった。アキナがユカリを生け贄にすべく画策していたことや、第三新東京市での
失踪事件に関わっていたことは・・・
アキナの最後の台詞が心からの願いだったことは間違いない。だが、彼女がユカリを憎み続けていたことも
また事実なのだ。仮にアキナが死なずに済んだとしても姉妹仲がうまくいったとは思えない。却ってアキナの
憎しみが深くなったかもしれない。逆に、死の淵に立たされたからこそ隠してきた、或いは自分でも気づく
ことのなかった想いに気づき、打ち明けられたとさえ言えるのかもしれない。もしそうだとしたら、それは
とても悲しいことだと思う。まさに人の希望は、分かり合えるかもしれないという希望さえ悲しみに綴られて
いるのだから・・・・・・・
戦いの後、残されていた書類を調べて分かったことだが、エヴァ信教は元々技術屋の集団だったらしい。
エヴァの肉片を入手した経緯は分からない。だが、エヴァについての情報がかなり漏洩していたため、
その正体はすぐに彼らの知るところとなった。何人かは本気で人を救えると信じていたのだろう。その
生命力を解明し、応用すればあらゆる病気も怪我も治癒できると・・・だが、さらに何人かは全く別のことを
考えていた。即ちエヴァの兵器転用を。そんな様々な事情が合わさって宗教団体になったらしい。
だが、全ては終わったことだ。それをユカリに告げたところで何になろうか。
アキナが死んだと云うだけでユカリは大きく傷ついた。この上さらに彼女を苦しめるようなことはしたく
なかった。
もしこの事実を告げねばならないと云うのならば、いつか、ユカリが真実の痛みに耐えられる日が来た時に
・・・そして、その時にユカリが真実を知ることを望んだなら、きっと・・・・・
シンジは一人、中学校の屋上で佇んでいた。鳥が何羽もシンジの周りに留まっている。
差し出されたシンジの手の上で囀っている鳥もいた。まるでシンジを慰めているかのように・・・
夕日に照らされながら鳥と戯れるシンジの姿は、まるで絵画のようだった。
アスカ「シンジ。」
レイ「碇くん。」
二人の声に驚いたのか、鳥たちが一斉に飛び立つ。シンジが振り返るとアスカとレイが心配そうにシンジを
見つめていた。
シンジ「アスカ・・・・レイ・・・・」
アスカ「どうしたのよ、シンジ。この前からずっと落ち込んじゃって・・・・」
レイ「碇くん・・・・・・何か辛いことがあったのね。」
シンジ「うん・・・」
シンジは一言しか云わなかった。しかし、それだけにシンジの苦悩の深さがよく分かる。
アスカ「あたしたちには、言えないことなの?」
アスカの声は悲しげだった。その様を見てシンジはアスカとレイに全てをうち明けたい衝動に駆られた。
多くの人間があの肉塊に取り込まれて死んだ。それは決して人ごとではない。自分たちの力もそれと同類で
あり、事実シンジやカヲルはあのエヴァが見せたのと同様の同化・吸収能力を持っているのだ。
使徒の、エヴァの力とは何なのか改めて考えさせられた。
この事実を告げるべきなのだろうか。
アスカは苦しんでいた。人ならざる力を持ったが故に。
レイも苦しんでいた。自分が補完計画のために生み出された人形であるという事実に。
彼女たちに事実を告げても、苦しませるだけではないのか。
レイ「碇くん・・・・・」
シンジは初めて力に目覚めた日のことを思い出していた。
悩む自分の元にカヲルが来てくれたときのことを・・・・・・・
カヲル「シンジくん、まだ悩んでいるのかい。」
シンジを抹殺に来た特殊部隊を返り討ちにして以来、シンジは自室に籠もりきりだった。部屋に入ってきた
カヲルを見ようともせずに俯いてベッドの上に腰掛けている。俯いたままぼそぼそ呟いた。
シンジ「カヲルくん・・・・・だって、僕は人を・・・僕の力は・・・・」
カヲル「本当に彼らを殺したことを悩んでいるのかい。自分の力で他人に嫌われることが怖いんじゃ
ないかい。」
きっぱりと言い切るカヲル。だが、それはシンジを責める口調ではなく、優しさと労りがこめられたもの
だった。
シンジ「はっきり言うね、カヲルくんは・・・・・。そう・・・だと思う。僕は・・・最低だ。人を殺した
ことよりも、この力のせいで人に嫌われるのが、一人になるのがいやなんだ。」
カヲル「当然の悩みかもしれないけど、意味がないね。だって、僕はシンジくんの側にずっといるん
だからね。」
シンジ「カヲルくん・・・・・僕には・・・こんな僕には人に好かれる資格なんかないんだ!僕を好きだって
いってくれる人なんかいるはずがないんだ!」
次第に感情が高ぶってきて、絶叫するシンジ。だが、カヲルはきっぱりと断言した。
カヲル「そんなことはない。僕がいるじゃないか。それに、シンジくんが嫌だっていっても側にいるさ。
だから、シンジくんがひとりぼっちになることは絶対にないよ。」
シンジ「カヲルくん・・・・ありがとう。いつも迷惑を掛けて済まないね。」
カヲル「それは云わない約束だろ。」
シンジ「迷惑ついでにもう一つつき合ってくれないかな。僕は自分の力の訓練をしたいんだ。」
カヲル「訓練?どうしてそんなことを?シンジくんは力がない方がいいと思っているんじゃないのかい。」
シンジ「それはそうだけど、僕がそう思ったって現実は変わらないんだ。だから、逃げちゃだめなんだ。
現実から逃げずに、自分の力の可能性を追求したい。この力が忌まわしいものでないと思えるように、現実を
受け入れられるように・・・・・」
シンジは手を強く握りしめて断言する。その瞳に強い意志が宿っているのを見てカヲルは微笑んだ。
カヲル「シンジくん・・・強くなったね。」
シンジ「みんなが側にいてくれるから・・・・一人じゃなくなったからかな。」
それ以来、シンジはカヲルと共に自分の力の可能性を追求してきた。今の自分がカヲルと同じだと思うと
受け入れられた。アスカが自分の力で苦しんでいたときも慰められた。
だが、今回の事件はそれを壊してしまった。
なぜならば、エヴァのあの姿は間違いなく自分の可能性の一つだったのだから・・・・・・
シンジ「量産機の欠片・・・・・・・それを殺したんだ。」
ぽつりとシンジが言う。これ以上アスカとレイに事実を告げずにいれば却って彼女たちは傷つくだろうから。
アスカ「それでどうして悩むのよ。やっつけたんでしょ?」
シンジ「奴には知性のかけらも残っていなかったけど、生きようという強い意志があった。なのに・・・」
アスカ「だって生かしておいたら、みんな殺されちゃうんでしょ。しかも、手に負えなくなる。なら、
しょうがないじゃない。」
シンジ「違うよ!生かしておいたら危険だからという理由でエヴァを殺した僕は、同じ理由で僕らを殺しに
くる奴らと何ら変わることがないじゃないか!だとしたら、僕は・・・・・」
レイ「じゃあ、エヴァを放置しておけばよかったと思っているの。」
シンジ「そうは思えない。分からないんだ。どうすればよかったのか。」
レイ「碇くんは優しすぎるのね。何も考えなければ、或いは生きるためと割り切って考えればそんなに苦しむ
ことはないのに・・・・」
戦う理由に変わりはなかった。エヴァも、そしてシンジも生き延びるために戦ったのだ。そしてシンジは生き
残り、エヴァは死んだ。なぜなのかは簡単だ。シンジは強いから生き残ったのだ。だが、シンジは弱肉強食
の理論など認めたくなかった。
シンジ「それじゃだめなんだ。納得できないんだ。僕がしたことは生き延びるために必死だったエヴァを
自分の都合で圧倒的な力で虐殺しただけなんだ。それじゃ・・・」
アスカ「馬鹿シンジ!」
鋭い音と共にアスカの平手がシンジを叩く。驚いてアスカを見るシンジ。アスカの目には涙が溢れていた。
アスカ「馬鹿・・・・・アンタがそんなんじゃ、私たちまで耐えられなくなっちゃうじゃない・・・・・」
シンジ「アスカ・・・僕には分からないんだ。どうすべきだったのか、これからどうすべきなのかが・・・・
誰か僕に教えてよ!どうしたらいいのか教えてよ!」
生き延びるための戦いは正しいと信じているときは迷うことはなかった。しかし、一度でもそれに疑問を
持てばその疑問は膨れ上がり続ける。シンジは戦う目的を失い彷徨っていた。
アスカ「他に方法なんてなかったわよ。生きるためには戦うしかないし、シンジくらい強ければ誰と
戦ったって一方的なものになるじゃない。それともアンタは何もしないで自分が死ねばよかったとでも
いうわけ?」
シンジ「どのみち、僕には殺すことしかできない。僕の意志に関わらず、その道しか残されていないんだ。
・・・僕は取り込まれていく人に何もしてあげられなかった。ただ、見ていることしかできなかった。
遺言を聞くことだけしかできなかった。一つだけしてあげられることがあるとすれば、それは殺すことなんだ。
だとしたら、僕は・・・・僕の力は・・・・・・・」
レイ「現実が辛いのね。」
シンジ「・・・・そうかもしれない。」
アスカ「自分の未来に不安を感じているのね。」
シンジ「・・・・そうかもしれない。」
アスカ「ただね、シンジ。そう考えられるのはあなたが生き残ったからなのよ。」
シンジ「アスカ・・・・・」
レイ「碇くん・・・私たちはやっぱり他人なのよ。どう足掻いても私は碇くんそのものになることは出来ない
わ。私たちは4人とも力を持っている。でも、力を持つようになった理由もその意味も4人とも異なっている
のよ。だから、あなたの疑問に答えられるのはあなただけなのよ。自分で考えて、そして自分で答えを
見つけるしかないのよ。」
シンジ「レイ・・・・・・」
レイ「私は碇くんの側にいるわ。今の私に出来るのはそれだけだから・・・それしか、してあげられない
から・・・」
アスカ「もちろん私もね。」
アスカは涙を拭うと元気よく立ち上がった。軽快な足取りで屋上の出口に向かって駆け出すと、くるりと
振り返ってシンジに声を掛ける。
アスカ「じゃ、帰るわよ。私たちの家に!今日は特別に私が晩御飯を作ってあげるわ。」
レイ「帰りにスーパーで材料を買っていきましょう。」
アスカ「そうね。ほら、シンジ。何時までも落ち込んでいないで早く来なさいよ。」
シンジ「アスカ・・・レイ・・・・・ありがとう。」
アスカ「納得できる答えが見つかったの?」
シンジ「ううん。でも、考えるよ。そして悩み続けて、答えを探し続ける。」
不器用なやり方かもしれない。しかし、今はこれしか思いつかなかった。
自分が前に進まなければ、みんなが不安になるから。
それと、力を持つものとの戦い方ももっと考えねばならないだろう。今まではあり得ないと思ってきたが、
それが今回のような結末になった一因でもあるのだから・・・・・
レイ「碇くん・・・お疲れさま。今はゆっくり休んで。」
アスカ「ほら、早く来なさいよ。置いて行っちゃうわよ。」
シンジはアスカとレイの励ましが嬉しかった。今回の事件はアスカもレイも深く傷つけていた。それなのに
それを見せずにシンジを励ましている。本当ならシンジがアスカやレイを励ますべきなのに・・・・
シンジ「アスカやレイのためになら・・・・・仲間を、家族を守るためになら相手が誰であってもきっと
戦える。」
そっと呟く。いかなる理由を付けても戦いに悩むことに代わりはない。だが、アスカとレイの微笑みを、
今の幸せを、家族を守ることが出来るなら苦しみ続けてもいいと思えた。シンジにとって、家族は失っては
ならない大切なものだと思えたから。守るべき価値があるものだと思えたから。
たとえ戦闘がいかなる苦痛をもたらしても、自分の力が忌むべきものであったとしても、アスカが、レイが、
そしてカヲルがいてくれるならきっと耐えられる。そう思えた。だからシンジは心の闇を、一抹の疑問を振り
払うかのように微笑んでアスカとレイのところに駆けていった。
そして、この約1年半後。シンジたちは世界から提示される新たなる現実を直視することに、そして
自分の中に構築される新たなる真実と対峙することとなる。
だが、今のシンジたちにそのことを知る由もない。
ただ、今はレイとアスカの優しさが心地よかった。
続く。
後書き
K「長かった・・・」
げしっ
アスカ「アンタ馬鹿ぁ?そもそも、予定では全3話だった外伝がなんで6話にも増えるのよ。」
カヲル「丸山さんが多忙だと知っているのに思い切り迷惑をかけているね。」
レイ「しかも何度も書き直しているし。」
K「それはですね。」
シンジ「人に見せられないような事ばかり書いていたからだよね。」
K「・・・はい。」
シンジ「しかも、それを・・・」
K「ああ〜。それは言わないでください〜。」
アスカ「全く、しょうがないわね。」
K「では深く反省したところで、今回からは次回予告を。」
カヲル「とうとう後書きに書くことがなくなってきたのか・・・」
K「しくしく・・・・・」
次回予告
長かった一年も終わりを迎えようとしている。シンジたちはクリスマスパーティを楽しんでいた。
一方、大人たちはシンジたちに対抗すべく力を求め続ける。
それが最悪の贈り物をもたらすとも知らずに・・・
次回 そしてそれから11話
「クリスマスプレゼント」
管理人(その他)のコメント
ゲンドウ「こらシンジ」
シンジ 「と、父さん・・・・」
ゲンドウ「それでもおまえは男か」
シンジ 「は?」
ゲンドウ「男ならつべこべ悩むな。目の前の現実を見据えて、夕日に向かって走れ!」
シンジ 「・・・・なにを言っているのかわからないよ!」
ゲンドウ「問題ない。私もわかっていない」
シンジ 「・・・・汗」
カヲル 「まあ、うじうじ悩んでもしょうがないんだ。自分の力と現実を見据えて、その折り合いがとれるところでくらしていけばいいのさ」
ゲンドウ「うむ、よくいった」
シンジ 「僕はそこまで強くないからね」
ゲンドウ「ならば帰れ」
シンジ 「・・・・どこに?」
ゲンドウ「う゛・・・」
シンジ 「この世界以外のどこにかえれっていうのさ」
ゲンドウ「・・・・シンジ」
シンジ 「なんだよ、父さん」
ゲンドウ「強くなったな」
シンジ 「父さん・・・・さっきから言っていることが支離滅裂だよ・・・・」
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