そしてそれから

第8話 女の戦い



翌日、教室に入ったシンジたちを出迎えたのはマナの笑顔だった。

マナ「おはよう、碇くん。」
シンジ「おはよう。」

さらに何か話そうとするシンジだったが、アスカとレイの強烈な視線を感じて黙ってしまう。

マナ「碇くん、昨日はどうもありがとう。」
シンジ「いいんだよ。あのくらい気にしなくても。」

今やシンジたちの会話はクラス中の注目の的だった。昨日転校してきたばかりのマナがシンジと親しげに
話しているのだから当然とも言えるが。そしてこういうとき必ずちょっかいをかけるものがいるのだ。

トウジ「なんや、シンジ。もう転校生に手えだしとるんか。」

それは悪意のない、ただのからかい文句に過ぎなかったがレイとアスカの過剰な反応を引き起こした。

アスカ「何くだらないこと言ってるのよ、あんたは!」
レイ「そうよ。なぜ碇くんが手を出さなければならないと言うの。」

アスカが怒るのはともかくレイがこのような反応を示すのはきわめて珍しい。教室中の視線がレイに集中し、
レイはばつが悪そうに下を向いた。

アスカ「と、に、か、く!いい加減にしなさいよ、あんたたち。」

アスカに睨まれて流石のトウジも何も言えない。みんな席に着いたがマナはシンジの隣の席なので
シンジに楽しそうに話しかけていた。シンジも満更でもなさそうだ。

トウジ「おー惣流の奴えらい怒っとるのー。」
ケンスケ「トウジ、止めとけよ。」

アスカだけでなくレイも後ろからシンジとマナのことを見ている。その視線にただならぬものを感じ、
トウジは友人の忠告をありがたく聞くことにした。

トウジ「そうやな。なんかただで済みそうにない気がするわ。」





お昼の時間が来た。いつものメンバーが屋上に集まったころシンジはマナが階段を上ってくるのに
気が付いた。


シンジ「あれ、霧島さん。どうしたの?」
マナ「私も碇くんと一緒にお昼を食べようと思って。」

可愛らしいお弁当箱を片手にマナは微笑み、シンジの隣に座った。

マナ「碇くん。私のお弁当、食べてみて。」
シンジ「えっ?」
マナ「昨日お昼をごちそうになったお礼よ。」
シンジ「じゃあありがたくいただくよ。」

マナのお弁当はサンドウィッチに鳥の唐揚げ、卵焼き、それにプチトマトなどといった典型的なものだが
どれも丁寧に作ってあるのがシンジにはよく分かった。

マナ「どう?」
シンジ「おいしいや。霧島さんってお料理上手なんだね。」
マナ「本当?嬉しい。よかったらもっと食べて。」

アスカとレイの放つ険悪な雰囲気をものともしない二人。流石のトウジも何も言えない状況だ。

シンジ「ありがとう。他人が作ったお弁当って食べたことないから凄く嬉しいよ。」
マナ「えっ、そうなの?だってアスカさんたちと一緒に住んでるんでしょ。」
シンジ「お弁当はたいてい僕が作ってるんだ。」

別に家事全般をシンジが一人でしているわけではない。一応当番制だし掃除や洗濯に至っては今ではシンジは
ほとんどしていない。ただ、料理に関してはシンジが一番上手なためたいていシンジがすることになっていた。

マナ「そうなんだ。」
アスカ「ちょっと、それじゃまるで家事を全部シンジ一人に押しつけてるみたいじゃない。」
マナ「違うの?」
アスカ「違うわよ!シンジがやってるのは料理だけよ。」
マナ「ふーん・・・ねえ碇くん。よかったら私がお弁当作ってあげようか。」
シンジ「え、いいの?」
マナ「うん。」
シンジ「それじゃ、お願いしようかな。」

レイとアスカは今にも切れそうだ。ヒカリたちは気圧されて何も話すことができない。
そしてカヲルはといえば呑気にマナとシンジの会話を聞いていた。少なくとも今はシンジたちにちょっかいを
かける様子はない。むしろ状況を楽しんでいるように見える。アスカとレイがどうするべきか考えあぐねて
いるうちに食事も終わり、お茶を飲んでいるシンジにマナが唐突な質問をした。

マナ「ねえ、碇くんってどんな女の子が好きなの?」
シンジ「なっ・・・いきなり何を。」
マナ「お願い。教えて。」

マナの質問に耳をそばだてるアスカとレイ。これは彼女たちにとって非常に聞きたい、そして今まで
聞くことができなかった質問だった。

シンジ「うーん・・・家庭的な子かなあ。」
マナ「よかった。私、結構家事には自信あるんだ。」

マナの返答が意味するところは容易に理解できる。顔を赤らめるシンジ。

アスカ「(霧島マナ恐るべし。まさかあの鈍いシンジを・・・・うかうかしていられないわ)」
レイ「(家庭的・・・・お母さんみたいって事・・・・?だったら私・・・・・・・)」



それから一週間ほど経ち、今ではマナもすっかりクラスにとけ込んでいる。
あれからマナは毎日シンジのお弁当を作っていた。


今日の五時間目は男子は体育でサッカー、女子は家庭科でクッキー作りだった。
四人一組という事でアスカ、レイ、ヒカリ、マナが組になっている。
シンジの事が気になるのだろう、アスカもレイもマナも時々外を見る。ヒカリもトウジのことが気になって
外を見ているので注意しない。試合の方は例によってシンジとトウジが活躍していた。

マナ「碇くんって運動神経がいいのね。」
アスカ「・・・・まあね。」
マナ「かっこいいなあ。」

ぶすっとしながらも応じるアスカ。確かにアスカから見てもシンジの運動神経の良さは際だっていた。
それでいて決して個人プレーに走らない。適度にパスを繰り返しつつ全体をフォローしている。
その動きに一瞬魅入ってしまったアスカだがかぶりをふって意識をクッキーの方に向ける。

ヒカリとマナは手際よく作っている。

ヒカリ「霧島さんって上手ね。」
マナ「こういうの、好きなんです。」

一方レイは黙々とクッキーを作っている。
そしてこういうのに慣れていないアスカは悪戦苦闘していた。

ヒカリ「アスカ、手伝おうか?」
アスカ「別に手伝ってくれなくても大丈夫よ。」

本当は手伝って欲しいのだがマナが見ている手前、そんなことはできない。
結果、できたのはいびつなクッキーだった。他の三人のはうまくできている。


マナ「碇くーん。クッキー焼いたの。食べてみて。」
レイ「碇くん。私のも食べて。」
ヒカリ「あ・・・あの、鈴原。一人で食べるにはちょっと多いし、よかったら食べるの手伝って
くれないかな。」
トウジ「ほんまか、いいんちょ。それならいただくわ。」

シンジはマナとレイのを、トウジはヒカリの焼いたクッキーを美味しそうに食べている。その様子を羨まし
そうに見ているケンスケ。こういうときはもてないのが辛い。

トウジ「ケンスケー。いいんちょの焼いたクッキーうまいで。一緒に食わんか。」
ケンスケ「いいよ。折角もらったんだからトウジが食べろよ。」
シンジ「ねえ、霧島さん、レイ。ケンスケにあげてもいいかな。ちょっと多めだし。」
レイ「碇くんがそうしたいのなら・・・・・」
マナ「ちょっと残念だけどいいわよ。相田君、一緒に食べましょ。」
ケンスケ「本当かい?いやー嬉しいなあ。」

クラスのあちこちでそんな悲喜こもごもの風景が見られる。ヒカリのクッキーで満腹して幸せに浸るトウジ。
ヒカリも嬉しそうだ。カヲル目当ての何人かは二年生の教室へと向かっている。食べ終わってのんびり教室を
見渡していたトウジはアスカの姿が見えないことに気づいた。

トウジ「そういえば惣流はどないしたんや。」
ヒカリ「その・・・ちょっとね。」
トウジ「どうせ作るのに失敗したんやろ。惣流らしいわ、ははは。」

トウジの笑い声はそこで止まってしまった。アスカが背後に立っていたからだ。そのただならぬ雰囲気に
硬直してしまう。

アスカ「シンジ、あたし先に帰る。」
シンジ「ア、アスカ。どうしたの。」

シンジの台詞に振り向きもせず、アスカは自分の鞄をとって行ってしまった。
その口からつぶやきがこぼれる。

アスカ「馬鹿シンジ・・・・」

そして、レイもマナからシンジを取り返すべく行動を開始した。

レイ「碇くん、ちょっと買いたいものがあるの。つきあって。」
シンジ「う、うん。じゃ、また明日ね。」
マナ「うん。じゃあね。」

マナはちょっと残念そうだった。



そのころ、カヲルはさっき焼いたクッキーを持ってくる女の子たちに囲まれていた。

女の子「渚先輩、これ食べてください。」
カヲル「ありがとう。いただくよ。」

にっこり微笑むとクッキーを受け取って食べ出す。人数が多いのでかなりの量だがカヲルは全て平らげて
しまった。

女の子「渚先輩って甘いもの好きなんですか?」
カヲル「いや、別に好きって訳じゃないけど真心のこもった贈り物を残しちゃ悪いからね。」

ときめいている女の子たちだったが幸せなときは長く続かなかった。
アスカが早足で歩いてくると、いきなりカヲルの手をつかむ。

アスカ「カヲル、ちょっとつきあって。」
カヲル「なんだい、アスカ?兄に悩み事の相談って言うならもうちょっと待ってくれないかな。」
アスカ「黙って付いてきて!」
カヲル「な・・・・アスカ、いきなり何を・・・」

有無を言わさずカヲルを引っ張って連れていくアスカ。 女の子たちは残念そうだったが手出しができる
雰囲気ではなかった。


アスカはそのままカヲルを連れていく。着いたのはヒカリの家だった。

カヲル「ここは洞木さんの家じゃないか。」
アスカ「そうよ。ヒカリー、入るわよー。」
ヒカリ「はーい。」

家に入るとわき目もふらずに台所へと向かう。

ヒカリ「アスカ、ほんとにやるの?」
アスカ「もちろんよ。このままマナにシンジをとられてたまるもんですか。」
カヲル「ちょ、ちょっと何をするって言うんだい?」
アスカ「無論料理の特訓をするのよ。」
カヲル「じゃあ僕を連れてきたのはもしかして・・・・・・」
アスカ「そう。あんたに試食してもらうわ。あんたならいくらでも食べられるでしょうしね。」

アスカは料理がうまい。ただしそれは料理学校で習えるものであり、高級レストランの美味さだった。
悲惨な過去のためにアスカは母親から料理を習うことなど無かった。
そのためアスカの料理はいわゆる「お袋の味」とは全く無縁だった。お菓子づくりなども授業でしか
したことがない。結果、あの有様だ。
このままではプロのシェフにはなれても決して一家の台所を預かることはできないだろう。
それに対し、ヒカリやシンジ、そしてマナの料理はいわゆる家庭料理だった。
毎日食べ続けても決して飽きることのない、どこかほっとする味だ。特にシンジの料理は絶品だった。
とはいえまさかシンジやマナに料理を教えてもらうわけにもいかない。アスカがヒカリに教えてもらおうと
したのは当然のことだろう。


アスカ「マナ、見てらっしゃい。あんたなんかに負けないわよ。」



そのころ、レイもまたシンジの恋人になるべく作戦を練っていた。

レイ「碇くんの好きなのは家庭的な人・・・・家庭的・・・・」

レイが家事が下手か、というと決してそんなことはない。料理もかなり上手だ。ただ、レイは肉がだめなため
どうしても精進料理ということになる。それをアスカがいやがるので普段は料理をしないだけだ。
そんな事情をシンジはよく知っていた。だから料理の腕前をアピールするよりむしろ今までにない自分を
見せるほうがいいだろう。そう考えたレイが買ってきたのは女性向けファッション雑誌の数々だった。
普段なら見向きもしないそれらの雑誌を読みふけるレイ。

レイ「見てなさい、霧島マナ。碇くんは渡さないわ。」

そこに、部屋の外からシンジが声をかける。

シンジ「レイー。僕、スーパーに晩御飯の買い物に行ってくるね。一時間くらいで戻るから、後はよろしく。」
レイ「ちょっと待って。私も外出するから途中まで一緒に行きましょ。」

シンジと連れ添って歩くレイ。ふと気が付いてシンジの手を握る。シンジはちょっとびっくりしたようだが、
嫌がらなかった。お互い何も話さないがこの沈黙は決して不快ではない。レイは僅かではあるがシンジと二人
きりの時を過ごせて、ちょっと得したように感じた。
やがて商店街にたどり着いた。二人きりの時間が終わるのは名残惜しかったがそうもいっていられない。
シンジと別れると目的のものを購入すべく移動を開始した。



太陽が沈み、町が人工の明かりに包まれたころ、アスカとカヲルは繁華街を歩いていた。

カヲル「やれやれ、酷い目にあったよ。」
アスカ「なによ、おいしい料理が食べられたんだからいいじゃない。それにたまには妹のささやかな願いを
聞いてくれても罰は当たらないわよ。」
カヲル「ささやかな願いねえ・・・・アスカの料理はむしろ美味しすぎてすぐに飽きるんだよ。たまになら
ともかく、一度に10人前くらい食べさせられちゃあね。」
アスカ「ヒカリがびっくりしてたもんね。」

カヲルは背こそかなり高いが全体的にほっそりしており華奢な感じさえする。そのカヲルがアスカが作った
約10人前の料理を平らげたのだ。驚くのも当然だろう。

アスカ「だいたいあんたは・・・」
カヲル「しっ!」

鋭くアスカを制すると目を凝らす。アスカも慌ててそれに倣うと前方のファーストフードでマナと見知らぬ
男性が話しているのが見えた。

アスカ「マナ?一体何を・・・」
カヲル「黙って。」

アスカにはマナが誰か知らない男と話しているということしか分からないし、流石のカヲルもこの距離では
会話が聞き取れるはずもない。しかし、カヲルには表情や唇の動きからだいたいの様子が見て取れた。

アスカ「なんて言ってるの?」
カヲル「断片的にしか分からない。」
アスカ「それでもいいわよ。」
カヲル「そんなに知りたいのかい?」
アスカ「あんたねー。早く教えなさいよ。」
カヲル「それならもっと近づこうか。」

そう言うなりカヲルはアスカの手を取ってマナのいるファーストフードに入った。

アスカ「ちょっ・・・・何考えてるのよ。」
カヲル「大丈夫。ここは僕に任せて、アスカはジュースでも買ってきて。」
アスカ「・・・・・分かったわ。」

素直にレジに向かうアスカ。一方カヲルは話し込んでいるマナたちのところに向かった。

カヲル「隣、いいですか。」
マナ「はい、どうぞ。」

そこまで言ってマナは硬直してしまった。こんな場面をカヲルに見られたのだ。当然だろう。

アスカ「カヲルー。ジュース買ってきたわよ。」

アスカもまた硬直してしまった。よりによってマナたちの隣とは。もう重要な話をするなと言っている
ようなものではないか。カヲルを怒鳴りつけたいのを何とかこらえ、席に座る。
今や、平然としているのはカヲルだけだった。

カヲル「今日はその子とデートかい?マナ。」

カヲルの一言でさらにその場が凍り付く。

マナ「彼はそんなんじゃないわ。ムサシって言って、以前からの友達なの。今日はたまたまあったから
つい話し込んじゃってね。」

何とか答えるマナ。動揺しているのは目に見えており、見え見えの嘘だと分かった。

マナ「カヲルさんはアスカさんとデートなんですか?」
アスカ「なっ・・・・何でそうなるのよ。」
マナ「だって凄く仲が良さそうだから。」
カヲル「残念ながらそうじゃないよ。僕とアスカは兄妹だしね。実はシンジくんとここで待ち合わせして
いるんだ。」

今度こそ完全にその場が凍り付いてしまった。

ムサシ「なんか俺、邪魔みたいだから今日はもう帰るよ。それじゃ。」
マナ「あ、ムサシ・・・行っちゃった。」
カヲル「邪魔しちゃったかな。」
マナ「いいんです。そんな大した話をしていたわけでもなかったし。私もそろそろ帰りますね。
じゃ、また明日学校で。」

マナが完全にでていったのを確認してからアスカがカヲルに詰め寄る。

アスカ「あんた、一体どういうつもりよ。」
カヲル「思いきり動揺させれば何かぼろを出すかと思ったんだけど、どうもね・・・・」
アスカ「あのね・・・・それじゃ、あの二人が何のために会っていたかは分かる?」
カヲル「いや。ただ、外から窺った感じでは喧嘩しているようだった。」
アスカ「喧嘩?あの二人が?」
カヲル「会話の内容は分からなかったが言い争いをしていたのは間違いない。」
アスカ「痴話喧嘩だと思う?」
カヲル「たぶんそれはないよ。」

カヲルはなにやら考え込んでいるようだった。

カヲル「いずれにせよ一騒動ありそうだ。マナのことをちょっと調べてみるよ。」
アスカ「手遅れにならないように頼むわよ。」



シンジ「ただいまー。」
レイ「お帰りなさい、碇くん。」

スーパーから帰ってきたシンジを出迎えたレイはピンクのフリフリ付きブラウスに大きな赤いリボンという
格好だった。思わず買い物袋を落としてしまうシンジ。

カヲル「ただいま。」
アスカ「ただいまー。」

そこに丁度アスカとカヲルも帰ってくる。
3人ともどう反応していいのか分からないのだろう、呆然と突っ立っている。

アスカ「あ・・・・あの、レイ。その格好はいったい何なの?」
レイ「似合う?」

いつもの冷静な声で尋ねるレイ。

シンジ「う、うん。よく似合うと思うよ。」

シンジは顔を赤らめつつ答えた。確かにお世辞ではなくレイによく似合っている。あまり服に興味の無かった
レイはたいていアスカが選んだ飾り気のない服を着ていた。そのため、こんな服が似合うとは思いも
しなかったのだが。レイの意外な一面を見た気がしてどぎまぎする。

レイ「食事にしましょ。」
シンジ「それじゃすぐ作るから、ちょっと待ってて。」
レイ「碇くん、今日は私が作るわ。」
アスカ「あ・・・私も作るわ。レイ、着替えなさいよ。せっかくの服が汚れちゃうでしょ。」
レイ「ええ。」

さっそく特訓の成果を見せるときが来て、張り切るアスカ。そのときレイが自室から現れた。それを見て
再び3人の目が点になる。レイはフリフリ付きのハート型エプロンを着ていた。さらに自分で付けたと
おぼしきひよこのアップリケが「私を見て」と自己主張しているように思われた。

カヲル「あ・・・あの、レイ。その格好はいったい何なんだい?」

期せずしてさっきのアスカと同じ台詞を言うカヲル。

レイ「何ってエプロンよ。ちょっと待ってて。すぐに食事の用意をするから。」
シンジ「なんだか凄くお母さんって感じだ・・・・・」

シンジの呟きを聞いてレイは顔を赤らめた。その様を見てアスカはレイに後れをとったのを感じた。
我に返ると慌てて台所に向かう。アスカの料理の腕前は確かに上達していたが、レイの服のショックが
大きかったのだろう。シンジは全く気が付かない様子だった。

アスカ「(くっ。なかなかやるわね、レイ。まさかこんな手でくるとは・・・・)」

アスカは一瞬自分もあんな服を着たらどうかと考えてしまった。あまりに自分のキャラクターにそぐわない
その姿を想像し、立ち眩みさえ覚える。

アスカ「見てらっしゃい。絶対負けないんだから。」

夜空のお星さまに誓うアスカを見て苦笑するカヲルだった。




続く



後書き

マナ「今回も私とシンジはらぶらぶね。」
アスカ「なんなのこれは?私の努力が全然報われてないじゃない。」
カヲル「無駄な努力だったね(ぼそっ)」
レイ「どう、碇くん。この割烹着は。」
シンジ「これもすごくお母さんって感じだ・・・・・」
アスカ「なにやってるのよ!あんたらは。」
K「アスカには悪いんですが、次はマナとシンジのデートが、ぐはぁっ。」
アスカ「書き直しなさい。」
カヲル「いつになく厳しいつっこみだね。暫く復活できそうにないよ。」
マナ「やったぁ。次はシンジとデートだわ。嬉しい。」



Kさんへの感想はこ・ち・ら♪   



管理人(その他)のコメント
アスカ「くくくく・・・・ふっふっふっふっふ・・・・」
カヲル「・・・・・・汗」
アスカ「うふふ・・・・」
カヲル「(・・・・怖いな・・・・今の彼女に声をかければ、とばっちりをうけるのは明白・・・・ならば今回は逃げるのが得策か・・・・」
マナ 「あら、カヲルさん。なにを抜き足差し足で逃げようとなさっているんですか?」
カヲル「なにをいうんだい! 僕が逃げる訳なんて・・・あ、しまった」
アスカ「ん・・・・カヲル・・・・そこにいたのね・・・・にやり」
カヲル「ぞ、ぞぉおおおおおっ・・・汗」
マナ 「今回はお近づきの印に、アスカさんにプレゼントをもってきたんです」
アスカ「アタシに?」
マナ 「はい、ぜひ使って欲しいな、と思って」
カヲル「(絶対に何かある・・・・何かあるぞ・・・・・)こそこそ・・・・」
アスカ「どれどれ・・・・ごそごそ・・・・う゛・・・・
マナ 「どうです? ひよこ柄のエプロンは?」
アスカ「い・・・・いや・・・・・その・・・・・これは・・・・・汗」
マナ 「気にいっていただけました?(にや)」
アスカ「あ、あははは・・・・ありがと(乾いた笑い)」
マナ 「いえいえ、どういたしまして♪(にや)」
アスカ「ちょっと失礼・・・・・カヲル、どこへ逃げたあああっ!!
マナ 「うふふ・・・・まずは精神的だめーじからね・・・・くすくす・・・・」




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