アルスが急に振り向き言う。 「できたぞ、乗れ。」 「えっ?」 カゲルはとまどった。当たり前である、どこに乗ればいいのか普通わからな い。その機械は普通の人が見たら鉄の固まりにしか思わなかったろう。 「まあ装甲とかしていないからな・・とりあえず俺が対圧、対衝撃の魔法かけ たら大丈夫だ。ほらここに乗るんだよ。」 といいちょうど腰あたりまである穴みたいなところに入った。 「・・・本当に大丈夫なんですか?」 とカゲルが不安げに聞く。まあ普通こんなものが飛ぶとは思わない。 「大丈夫大丈夫。で、あとは燃料を探すだけだな。さしあたってs2機関がほ しいな。まあないだろうから電気でもいいがな。」 カゲルがどのくらいかと思い聞くと、 「何、ほんの十テラボルトだ。すぐ集まるだろ(メガの千倍のギガのさらに千 倍の単位。メガはどんな単位か忘れた)。」 カゲルは思いっきりずっこける。 「そんなの無茶に決まってるじゃないですか!!」 「なに、なら簡単だ。魔法で動かすか。」 カゲルはまたもずっこけた。 「ならはじめからそうすればいいじゃないですか!」 アルスが言う。 「俺は疲れるのがいやなんだがな・・まあ金のためだ、やるか。」
一路飛ぶ飛ぶNERV帝国。しかし・・・・ 「なあ。」 アルスがカゲルに尋ねる。 「なんですか?」 「NERV帝国ってどっちの方向だ?」 この後、散々迷ったあげく三日目に帝国についたそうな・・ * 「たのむっ!!おれは前から軍師になりたかったんだ!」 ケンスケがトウジに迫る。その異様な迫力におされしかたなく承諾する。 「せやけどワシが戻ってもまだ将軍のままかわからへんで、それでもええか?」 とトウジが言うと、ケンスケはもうぶんぶん首を縦に振る。そしてその殺風 景な部屋から出て何かを思いっきり絶叫していた。 「・・・・なんかワシとんでもないことしたかもしれへんな。」 とにかくトウジは毛布を横に払いのけ、元気よく立ち上がった。 「よっしゃ!!ワシは戻ったるでぇーっ!!まっててくれやヒカリ!!」 トウジはそう叫ぶとそとのケンスケのところへ行った。 「ところでここは今どこなんや?」 それに対し早くも出発準備を始めようとしていたケンスケは答えた。 「ああ、ここはNERV帝国の北のはずれだよ。確かあんたは護紅帝国の将軍 だったよな、ならちょっと変装して護紅帝国行きのやつに乗ればすぐだ。」 護紅帝国とはそもそもNERV帝国との戦いには神聖帝国への義理程度にしか 参加していない。一応神聖帝国と同盟を結んではいるのだがもうひとつの王 国、ゼーレ国との結びつきの方が大きいからだ。護紅帝国皇帝は非常に才気溢 れた皇帝で、年齢はそんなに気にしていないからこそトウジも将軍にまでなれ たのだ。そんなわけでそんなにトウジについて名も知られてはいないし、行方 不明の扱いになっているので一応敵対しているこの国でも警備網をくぐり抜け て外に抜け出れるのだ。 「せやな、ほな早くいこか。」 トウジが左手首の腕輪のスイッチをおすと、あっと言う間に黒いぴっちりと した丈夫なウエットスーツが全身を覆う。そしてそのうえから銀のラインの 入った黒のジャケットと黒のジーンズをはき、紅い龍の絵が入ったベルトを締 めた。 「なんやあつらえたみたいな服やなー。ワシのセンスにばっちり合うで。」 とトウジが言うとケンスケは当然のように頷いてから言う。 「そりゃあサイズとか計って特注であつらえた服だから。随分気に召してくれ たみたいでよかったよ。」 それを聞いたトウジは (普通そこまでやるかいなーっ!!) と心の中で叫んでいた。ただ似合っていたのは確かだった・・・・ * 「とりあえずここにカヲルがいるんだからシンジもいるはずよ、早く探すわ よっ!!」 アスカは次々と巡回する兵士達を魔法で眠らせながら地下通路を突っ走って いた。それを後ろからレイが少し遅れてついていっている。 「そんなに急いだらまたさっきみたいに罠に引っかかるわよ。」 つい数分前にアスカは急ぎすぎて単純なブービーとラップに引っかかってし まったのだ。それをさっきからちくりちくりとレイにやられているものだから すっかり怒って片っ端から眠らせてしまっているのだ(本当は居場所とか聞くのに)。 「あんたさっきっからそればっかりね!無駄口たたいてる暇があったらあの 狂ったホモ野郎を捜していなさい、振り向きざまに火の玉とばすわよっ!!」 といいつつもアスカは思いっきりしたに向けて火の玉をとばしていた。 ドゴォォォォッ!! 派手な音がしたかと思うとアスカは真下にあいた穴へ飛び込んでいった。近 道をするのだ。 「やれやれ、そんなにいそいじゃって・・」 などとブツブツ言いつつもあとをおうレイ。飛び降りた先にはブービーと ラップがまたもあるのだが・・・・ * 「うっ・・・」 シンジはあたりを見回す。 そこはいつも見慣れた城の中ではなく、戦闘機の 中でもなかった。 「ここは?」 「ここは僕の仲間のところさ。君はここに出たとき衝撃で気を失っていたんだ よ。シンジ君。」 カヲルがシンジの問に答える。 「何でカヲル君は僕をここへさらってきたの?」 「簡単なことだよ、僕が君を必要としているからさ。深く言ってしまえば全て の人類の犯した過ちを僕等が浄化し、救うために君が必要なんだ。協力してく れるよね、シンジ君。」 カヲルはそこまで言うとこのなかなか豪華な部屋へ、アボリオンを呼び出し た。その見慣れぬ人物に怪訝そうな表情をするシンジに、カヲルはアボリオン を紹介した。 「紹介するよ、彼は僕の仲間達のリーダー格の人、アボリオンと言うんだ。人 類の犯した過ちと、失ってしまったものを補完するために活動しているんだ。 もっとも、別のこともしているけれどもね。」 その紹介を聞いて疑問に思ったシンジは聞いた。 「人類の犯した過ちって?それに失ってしまった物って一体なんなんだよ、カ ヲル君。」 その質問を受け、しばらく困ったような顔をしてからカヲルは答えた。 「それはね、人が神につくられた物なのに神を越えようとしているからだよ。 神を越えようとした人類は、神を今まさに越えようとしているその力によって 堕落し、心の中の何かを失ってしまったのさ。」 それを聞いたシンジはさらに不思議そうな顔をする。 「神を越えようとしているって?」 「それには答えられない。たとえ、いや君だからこそなおさらにね。」 カヲルは妖しく微笑むと急に真剣な顔になり、部屋を出ていった。 「シンジ君、その部屋の中でなら君は自由に動いていいよ。望む物も自由だ、 そこからでてきさえしなければね。」 カヲルは最後にそう言い放って去っていった。あとに残ったアボリオンは、 シンジの方を向くと 「人間の犯した過ち、それは大きいモノだ。私たちが失敗したら人類、いやこ の世界そのものの消滅も有り得る。そのためにもあなたには生きていてもらわ ねばならない。ではこれで失礼・・」 といいカヲルの後をおった。 「人類の犯した大きな過ち・・・・僕がそれになにをできると?」 残されたシンジは様々な謎を一人で解いていた・・ * それらは、蠢いていた・・・・ 静かに、しかし確かにその呪縛をゆるめていた・・・・ その者達はただ一つの意識のみを持っていた・・ しかし、その意志すらも今は呪縛されていた・・ 徐々に、徐々に・・・・ その封印の解けるときは近づいていた・・・・ 黒い・・・・ 黒い意志・・・・ やがてその中の一つがゆるんだ呪縛の網をかいくぐっていった・・ 後に残された者達も、ただただ解放の時を待っていた・・・・
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管理人(その他)のコメント
カヲル「せっせ、せっせ」
アスカ「・・・・あんた、スコップもって何やってるの?」
カヲル「あいや、なにもきにしなくていいよ、あすかくん」
アスカ「・・・・アンタが台詞を棒読みするときは、何か絶対に裏があるのよね・・・・」
カヲル「いやいや、そんなことはないって。ああ、しんじくんがきみをよんでいたよ。はやくいったほうがいいとおもうけど」
アスカ「・・・・なんかあやしいわね・・・・」
シンジ「おーい、アスカ〜!!」
アスカ「あ、シンジ!!」
カヲル「いけない、シンジ君!!」
シンジ「え???」
ぽちっとな
どっかあああああん!!
シンジ「うああああああああああぁぁぁぁぁ!!」
カヲル「しまった、アスカ君用に仕掛けておいたブービートラップにシンジ君が・・・・いやいや、むぐぐぐっ」
アスカ「やぁっぱりぃ〜そういうことだったのねあんた!!」
カヲル「いや、きみならどんな簡単なトラップでも引っかかってくれると思ってね」
アスカ「それでシンジをひっかけてどうするのよ!、このバカ!!」
どかばきぐしゃぁ!!
カヲル「うくっ・・・・任務失敗・・・・ばたっ」