昭和75年
平成12年
セカンドインパクトが発生したこの年、シンジ皇子はゲンドウ一世とユイの間に生まれた。父親が皇帝(変態)であることを除けば幸せな家庭のはずだった。しかしそれから四年後、ユイが謎の死を遂げる。その死をきっかけにゲンドウ一世は国勢の一切を宰相の冬月公コウゾウにまかせ、遺伝子研究、プリンセスメーカー、美少女集めに没頭した。シンジはゲンドウ一世にかまってもらえず近所の女の子とよく遊んでいた。その女の子がブラウンシュバイク公アスカである。しかしシンジは二人で遊んでいた記憶は少なかった。もう一人女の子がいて、三人でよく遊んでいた。時には二人の女の子がシンジを取り合ったりもした。もう一人の女の子は綾波伯レイである。レイがいつ頃二人の前に現れたか覚えていなかった。またどこの子だったのかも・・・
昭和89年
平成26年
富士山要塞
シンジ皇子は竹ぼうきを持って惣流ラングレーの部屋を掃除していた。はあっとため息をついた。
「最近の若い人は、掃除もできないんですかね〜、ラングレーさん」
シンジは一人姑ごっこをした。掃除を無理やりやらされていため、皮肉の一言も言いたいのであった。と、そのとき箪笥とベットの間に白くてまわるい物が目に入った。
(あ、あれは・・・もしかして・・惣流の・・・・)
ごくん
なまつばを飲んだ。きょろきょろとまわりを見渡し、そっと手に・・・
がらっ
扉が開いた。
「どう掃除は終わった」
惣流ラングレーが入ってきた。
「うわっ、あの、その・・・もうすこしだよ」
シンジはそれを遠くにほっぽり投げうまくごまかした。
「ったく、とろいわね〜。お腹減っちゃったから早くご飯作ってよ」
「・・・・・」
さすがに、カチンときた。シンジは死ぬ覚悟を決めた。
「あのさー、いつもいつもいつもいつも僕が家事やってるけど、そんなことじゃもらい手がいなくなっちゃうよ」
「う、うるさいわね!! あたしだってやろうと思えばできるわよ。それに・・・あんたがもらってくれればいいじゃん」
惣流ラングレーは顔を真っ赤にしてどなった。『それに』以降はか細い声になり、シンジには聞き取れなかった。珍しく手が飛んでこなかったのでシンジは調子に乗って言い続けた。
「え〜、どうしてやったこともないのに、そんなことが言えるのさ。きっと僕がやらなかったら、ここはゴミだらけになって食事はカップメンになっちゃうよ」
つまりミサトの部屋だ。
「できるっていってるじゃないのよ!!」
「できない!!」
「できる!!」
「う〜」×2
二人はおでこをぶつけ合い、にらみ合って、どなり合った。そこに闖入者が現れた。
「提督、第二新東京市から・・・って、あれ?」
フレデリカ・グリーンヒカリ大尉だった。
「す、すみません。お楽しみのところでしたね」
「ちがう(わ)よ」
見事なユニゾンが完成した。
富士山要塞指令室
一同、気を取り直して指令室に入った。
「で、なんだって〜の。第二新東京市のお偉さんは」
惣流ラングレーは不機嫌そうに聞いた。
「はい、命令書を読み上げますね。『碇シンジ二等兵を一等兵に昇進のうえ、大阪駐在弁務官事務局づき武官に任命する。一月以内に現地に着任せよ』です」
惣流ラングレーとシンジ皇子はポカーンと口を開けてほうけてしまった。先に正気に戻ったのは惣流ラングレーだった。
「ぬわによこれー、なんでシンジだけ大阪にいかなくっちゃなんないのよ!!」
「そ、そうだよ。大阪なんて見たことも聞いたこともないよ!!」
(えっ? 見たことなくても、聞いたことぐらいあるんじゃないの)
口には出さずグリーンヒカリは突っ込みを入れる。
「と、とりあえず、正式な命令なんで『知らないからやだっ』ていうわけにはいきませんよ」
惣流ラングレーは、パシンと手のひらに拳をたたきつけた。
「くっそー、査問会の仕返しのつもりね。なんとしてもあたしにダメージを与えたいのか・・・」
「えっ? なんでこれがダメージなの・・・」
シンジはあいかわらずの鈍感ぶりだった。それを聞いて、にやーっと笑ったグリーンヒカリは肘でシンジのわき腹をつんつんして、こう言った。
「決まってるじゃないですか、提督が碇君に・・・」
グリーンヒカリは最後まで言うことができなかった。惣流ラングレーが地獄の魔王もはだしで逃げだすような視線を送っていた。
「惣流が・・・僕に? 何?」
「・・・・ほら、家事をみなんまかせちゃてるじゃないですか、ははは」
なんとか、適当な言い訳を思いついた。しかし、これこそが致命的な発言だった。
「ふーん、やっぱりそうなんだ。うんうん僕がいなきゃ、家事はどうしょうもないもんね」
もう後戻りはできなかった。惣流ラングレーは叫んだ。
「さっきから、言ってるじゃないの!! そんなこと私にとっちゃ、簡単なのよ!!
もういいわ、あんたさっさとここから出ていきなさいよ!!!」
「あーあー、そうするよ。惣流はゴミに埋もれてから後悔するといいよ」
そう言うと、シンジは足早に出ていった。一人状況がわからずグリーンヒカリはおろおろとしていた。惣流ラングレーは下を向き、こぶしを強く握りしめていた。
「・・・ヒ〜カ〜リ〜・・・いつも副官任務大変ね〜、今日はお礼をしてあげるわ」
「・・ははは、ちょっと、遠慮したいかなーって思ってるんですけど・・・」
その後、グリーンヒカリは医務室に運ばれた。医者の話だといつもより傷が多かったという。
大阪商工会ビル
「次の番組改変における全てのアニメにすべてサブリミナル効果をしかけました。24コマに一回
『アニメを
見
る
な』
と極太明朝で表示させています」
「ああ」
「次に番組宣伝用のポスターには見えないほどの小さな文字で『アニメを見るな』と埋め尽くしました」
「ああ」
「また、関連商品には目に見えないインクでやはり『アニメを見るな』と印字しました」
「ああ、ごくろうやったな」
会長室でジャージをまとったアドリアン・トウジとその部下ルパート・ケンスケの報告を聞いていた。報告が終わった後、ややためらいながらケンスケが質問をした。
「・・あの、会長。サブリミナル効果とは本当に役にたつのですか?」
「はあ、立つわけないやろ。見えんものをどうやって認識するんや。あないなもの信じとるのはMMRか、王蟲か、馬鹿マスコミだけや」
「では、何故このようなことが、再優先事項なのでしょうか?」
「三鷹のカント・・・いや、グランドビショッブがうるさいんや。あのおっちゃんもよく細いコマ利用してたやないけ。信じとるんやろ」
「そんなことだけで、オタクを『せんめつ』できると思っているのですか、三鷹は」
「いや、もっと過激なのもあるで。アイドル崇拝があかんとか言って同盟と帝国のNo.1アイドルを殺せとか言っとるんや」
「No.1?」
「わからんか」
「同盟の惣流ラングレー、帝国の綾波伯レイ・・ですか」
「そうや」
「・・・それで、お受けるになったのですか」
「あほか、すぐ断ったわ。どっちも軍のトップクラスやないけ。商人にできるわけないわ。そう言ったら自分達でやるようなこと言ってたで」
「彼らにできるのですか」
「大人になったらアニメ見るな教はいろんな層におるらしいで、軍人もたくさん含んどる。それが三鷹の自信なんやろな・・・・まあ三鷹の事はこれくらいにして、大阪の話しまひょか。冗談電器の件はどうなった?」
「警告を無視したので、ごろつき雇ってけしかけました。しかしすぐその後ごろつきは道頓堀に浮かびました」
アドリアン・トウジと道頓堀というのを聞いたとき、ぶるっと身震いをした。
「その件、もっとしっかりやってもらわんと、あかんな」
「はっ、申し訳ありません。最善を尽くします」
富士山要塞
要塞ではシンジ皇子のために送別会が開かれていた。グリーンヒカリが記念品を渡した。
「はい、碇君。これみんなで書いた色紙」
「あ、ありがとう」
そこにはシンジのために、みんなで一言づつコメントを書いた物だった。
(鍋敷きにちょうどいいや)
それを見たシンジは罰当たりなことを考えていた。シンジはきょろきょろとパーティー会場を見回した。
「惣流がいないよだけど・・・まだ怒ってるのかな」
「まあ、提督いじっぱりですからね」
「うーん、しょうがないな。グリーンヒカリ大尉、これを惣流に渡してくれないかな」
「いいですよ」
シンジからグリーンヒカリは『若奥様必携・精のつく料理』という本を受け取った。
その本を惣流ラングレーに渡したグリーンヒカリが殴られたのはいうまでもない。
「そういえば、カヲル君もいないな」
大阪
シンジ皇子は弁務官事務局にあいさつした後、日本橋に出かけた。これから生活する寮には、まだなにも無かったのだ。とりあえず生活に必要な新世紀エンジェルスとまああれば便利かなという電化製品を買おうと思い、事務局にいる人にどこで安く買えるか聞いたのだった。
(すごい、活気だね、ここは)
シンジは田舎者のようにきょろきょろと町を見回していた。電信柱とか、捨て看板に目が行った。お約束通りの広告がいっぱい貼ってあった。
(第三新東京市と比べると、すっごく安いな)
妙に値段とかに詳しいシンジだった。とぼとぼと歩いていると、シンジの目に大勢の人だかりが見えた。どうやら、一軒の電気屋に大勢の人が集まってるようだった。
(あっ、あれだけ人がいるってことは、ここでも特別安い店なんだろうな。よし、行ってみよう)
ようやく、本来の目的を思い出したシンジはそこに行ってみた。
「安いよ、安いよ、冗談みたいに安いよ。冗談電器は他の店に比べて、半額だ!! さあ、もってけどろぼう!!!」
髭面、ぼさぼさ頭、サングラスのあやしい男の威勢のいいかけ声が聞こえてきた。
「半額?! うそだよ。他の店だって安いんだよ」
シンジは思わず声を上げてしまった。
「いやいや、そこのお坊っちゃん。他の店はねすべて商工会に加入していて、闇カルテル結んでるから高いんだよ。うちの店は、独立してるから安くできるだ。さあ、何か買っていってよ」
「だからって、半額は安すぎるよな・・・」
安いのはいいことだが、安すぎる物は質が悪いのではないかと、シンジの主夫の感がささやいていた。そのとき、冗談電器の前に一台の高級車が止まった。扉が開き中からアタッシュケースを持った少女が現れた。
「どう、アンノバッハ。もうけのぐあいは?」
「こ、これは宮村社長、わざわざ店にまで出向いていただいて。ご覧の通りの盛況でございます」
シンジはその少女を目で追った。その少女もシンジと目が合った。
「あー」×2
「シンジー」
「アスカー」
お互い指をさしあって叫んでいた。
冗談電器社長室
「で、大阪に来たんだよ」
ようやく落ち着きを取り戻し、シンジが近況を語った。
「まったく、あんた同盟に亡命してたとわね〜。道理で見つからないはずだわ」
ふうっと、アスカは大きくため息をついた。
「あっ、探してくれてたんだ。まあ、同盟にいるときも身分隠してたからわからないと思うけどね。それにしても、アスカ、なんで大阪で商売してるの。さっき宮村とか言ってたけど」
「偽名よ、偽名。なにせあたしは反乱を起こした謀反人だからね。たとえ大阪でも、ブラウンシュバイクの名は使えないわよ。今は、冗談電器の宮村社長。アタッシュケースの中にいつも札束いれて持ちあるている、チョー有名人よ」
「・・・それってネタが古いじゃ・・・」
「いいのよ、まだみんなわかるでしょう。それで、金もうけしている理由は・・・・」
その時、ジーッとアスカはシンジを見つめた。
「そうよ!! あんたよ、あんた!!」
「へっ、僕・・・僕が、どうしたの」
「くっくっくっ、いよいよあたしたちの悲願が叶う時が来たのよ。レイより先にシンジを手に入れたわ。これで正当な帝位はこっちのもんね」
「なに、それ」
「あんたバカァ?! NERV帝国の唯一の皇室ってことは、つまり皇帝じゃないの」
「皇帝? だって、父さんがいるじゃないか」
今まで、興奮していたアスカは、急に覚めてしまった。
「・・・・あんた、同盟にいる言ってたわよね、だから知らなかったんだ・・・皇帝陛下、つまりゲンドウ一世は死んだわよ」
「死んだ・・・父さんが・・」
「あたしもそのころ大阪にいたから、詳しい死因はわからないんだけどね。今、帝国で実質的な権力を握っているのが、あの青髪の小娘なのよ」
シンジはもはやそのアスカの話を聞いていなかった。帝国を出る前にゲンドウ一世と会ったのは会ったのは『結婚しろ』、『そんなのやだ』といいあって喧嘩したのが最後だった。そのゲンドウ一世が元気だった記憶がまだ鮮明だったため、いきなり死んだと言われても、全然信じられなかった。
「・・・うそだよ、そんなの・・」
第三新東京市NERV帝国宮殿ターミナルドグマ
綾波伯レイはこの暗い部屋にたたずんでいた。すでにゲンドウ一世の死体も水槽の中の少女達も片づけられていた。ゲンドウ一世を恨む者はそれこそ星の数ほどいたが、ここまで侵入できかつ水槽の中の少女達も一緒に殺す者の正体をレイはほとんど把握していた。
「・・・カヲルね・・・」
そのとき、レイの背後からパチパチと音が聞こえた。あわてて振り返る。
「ご名答。さすが、綾波伯、いやレイ様とお呼びしたほうがいいかな」
レイは今まで人がいた気配を感じることができなかった。しかしそこにはカヲルがいた。レイは厳しい顔でにらみつけた。
「おや、何を怒っているのかな。お父さまを殺したこと、それともシンジ君を連れていったこと」
カヲルはにやにやと笑いながら話していた。
「なぜ、お父さまを殺したの」
「シンジ君のためさ」
「碇君の?」
「そう。お父さまはシンジ君のことを道具かなにかと思っていた。むろん僕らもね。自分の父親に道具扱いされていることにシンジ君が気がついたら、きっと耐えられないよ。彼は繊細だからね」
「だから、殺したの。碇君がそのことに気づく前に」
「それもある。だけど、他にもある。それはお父さまが君を選んだことだよ」
「わたしを・・・」
「そう、本当は僕がシンジ君と一つになりたかった・・・。だけどお父さまはそれを許さなかった。君とシンジ君との結婚を決めてしまったんだ」
カヲルはだんだんと興奮していった。
「そんな僕の気持ちを踏みにじったお父さまが憎かった。そして、選ばれた君もね」
そのときレイの視界からカヲルが消えた。そしていきなりレイの目の前に現れた。いや現れたように見えたのだった。
ドゴッ
「きゃあ!」
レイはカヲルの強烈なタックルで壁まで飛ばされ叩きつけられた。
「ぐっ・・・」
壁からずり落ち、床にへたりこんだ。口からは血が流れていた。
「せっかく、内乱を煽ってどさくさにまぎれてシンジ君と二人で逃げていたのに。ちょっかいを出してきた君が悪いんだよ。お父さまの意思でもつごうと思ったのかい」
「違うわ・・・わたしも碇君と・・・」
レイはしゃべるのも辛そうだった。
「そう、シンジ君の周りにはたくさんの邪魔者がいるね。だいじょうぶ、みんな排除するから。そうしたら、シンジ君は僕のものだ」
カヲルは恍惚な表情で語っていた。
「・・・カヲル・・あなたこそ碇君を・・ものとして扱っている・・・碇君はお父さまのものでも、カヲルのものでもない・・・」
カヲルの表情が凍りついた。
「私も碇君と一つになりたい・・・でも、碇君は碇君だから・・・」
カヲルは自嘲ぎみに笑った。
「ふふ、なるほど、僕もお父さまと同じか・・・。だから君を選んだのかもね。でももう後には引けないな。さよなら、レイ、お父さまによろしく」
ドオンッ
冗談電器
ドカーン
「うわっ」
「きゃあ!! なんなのよもー」
爆発音と共に、冗談電器の建物が揺れた。慌てたアンノバッハが社長室に入ってきた。
「宮村社長!! 大変です。商工会の連中が実力行使にでました。現在、巡洋艦から攻撃を受けています」
それを聞いたシンジ皇子はびっくりした。
「そ、そんな馬鹿な。商工会の店より安く売ったからって、巡洋艦で攻撃してくるなんて・・・」
「それだけじゃないわ。商工会の問屋をやくざでおどして、三分の一で仕入れてたのが頭にきたみたいね」
「・・・・なるほど、安いわけだ」
「ちっ、うざい奴等ね。このアスカ様に逆らうとどうなるか思い知らしてやるわ」
そう言うと、ブラウンシュバイク公アスカはアタッシュケースを開きその中から大きな鍵を取り出した。それをデスクのかぎ穴に差し込んで回した。するとデスクの表面からガラスで覆われたスイッチが現れた。
「さあて、いよいよNERV帝国正統政府の誕生よ」
「NERV帝国正統政府?」
「そうよ、不当な簒奪者綾波伯レイのものでない、本物の帝国なのよ」
アスカは両手を組んで高く上げた。
「ちゅえーんじぃ、えう゛ぁ、とれいん、ちうぃーちおーん」
そう言うとアスカは机のガラスを叩き割り、ボタンを押した。
冗談電器前巡洋艦
「うん? ミサイルがあたってもビルが倒壊しないとは・・・」
ルパート・ケンスケは首をかしげた。
「もう一発、うちまひょか」
「ミサイル一発いくらかかると思ってるんだ。これだから軍人は度し難い・・・衝角でビルを打ち抜け」
「はいな」
ゆっくりと巡洋艦が移動し始めた。そのときモニターに信じられないものが写った。冗談電器のビルが変形し始めたのだ。
「なあ?! なんだあれは」
ゴゴゴゴゴゴ
地響きを立てながら、ゆっくり上昇した。その姿は戦艦になっていた。ブラウンシュバイク公アスカ旗艦、戦艦ベルリンだった。戦艦主砲が発射された。この間合いで避けるのは不可能だった。
戦艦ベルリン
「ふっ、愚か者の末路ね」
ブラウンシュバイク公アスカは不敵に笑った。シンジ皇子は慌てまくった。
「こ、こんなことしてどうするんだよ!!」
「大丈夫大丈夫。私たちは今日の日のために、努力してたんだから」
そう言うと、アスカは電話を取った。
「あーもしもし、リツコ男爵〜。予備が届いたわ。司令コード『双子山に登れ』、繰り返すわ『双子山に登れ』」
シンジはまた何かに巻き込まれた事をはっきり認識した。
富士山要塞
「て、提督、テレビテレビ」
フレデリカ・グリーンヒルが慌てて指令室に入ってきた。
「はあ? テレビがどうしたのよ。ずるずる」
惣流ラングレーは司令席でカップメンを食っていた。ひょいとテレビのスイッチを入れた。いきなりアナウンサーがしゃべりまくっていた。
「打倒綾波伯を目的に、JA自由同盟とNERV帝国正統政府の間に条約が結ばれました。両者の力が一体なれば、かなうものはありません」
「ふーん、帝国の旧体制と同盟が手を結んだってわけね。まあ、つまらない話じゃないわね」
惣流ラングレーはつまらなそうに言った。
「こんなのは、前座です。本命はこの後ですよ」
「本命〜?」
また、テレビに注目してみた。
「では、NERV帝国正統政府代表と皇帝陛下のご登場です」
モニターに二人の若い男女が映った。惣流ラングレーは食べていたカップメンを下に落とした。それはブラウンシュバイク公アスカとシンジ皇子だった。
・・・・第三新東京市の歴史が、また一ページ・・・・
作者コメント
どうも、The遅筆キングの青柳康平です。最近風邪気味のせいか、ギャグってことが、なんなのかすっかり忘れてます(いいわけ)。そんな私に何かメールください。よろしくお願いします。
なんか、最近この洋館についてよくない噂が立ち上っているようですね。入ると帰ってこれないとか、満月の夜には紫色にぬらぬら光るとか・・・。いけませんね〜、ナギサちゃんが怖がっちゃうじゃないですか。なぎさちゃ〜ん、ぜひ洋館に遊びに来てね(はーと)
青柳さんへの感想はこ・ち・ら♪
管理人(その他)のコメント
カヲル「最近、青柳さんはナギサちゃんにご執心のようだね」
アスカ「ナギサはにくったらしいけど、青柳に狙われるとなると少しかわいそうよね〜なにしろあいつは外基地だし」
カヲル「なんでも、夜な夜な青柳さんらしき人影が「メゾン・ド・マンボウ」の周りを徘徊しているとか・・・・」
アスカ「すとーかーってやつね。いや、一歩間違うとヤクザのちんぴらか・・・」
カヲル「そう言えば君も、結構ヤクザに知り合いが多いみたいだね。商工会の問屋をおどすなんてことするんだし」
アスカ「そそそそそれはあたしの力じゃないわよ」
カヲル「じゃ、誰の力だって言うんだい?」
アスカ「それは、それは・・・・そうそう、死んだゲンドウおじさまのの威光よ!」
カヲル「じゃ、きみは虎の威を借る狐、というわけだ」
アスカ「・・・・ほお、本人を前にしてよくぞ言ったモノね」
カヲル「あ・・・・」
アスカ「今日も一発、元気にやるわよ!」
ばっこーーーーん!!
カヲル「・・・・うくっ・・・・殺人パンチ・・・・」
アスカ「ふー、すっきりした」