第三新東京市英雄伝説 第四話


   

昭和89年
平成26年

   

 JA自由同盟最高評議会議長ヨブ・時田。JA自由同盟建国の父であり、同盟最高権力者でもある。彼はガンダムで育った世代であり、その世代ありがちの妄想「俺、理系の大学行ってガンダム作るんだ」にはまり、数年後核反応炉搭載ロボ、ジェットアローンを完成させソ連のチェルノブイリで実験し失敗した。失敗後の記者会見で彼は「やっぱ、ヤマトは最高だよねー」と意味不明の言葉をほざき、宇宙戦艦制作にくら替えする。そして完成した試作機が、現在惣流ラングレー提督の旗艦ジェットアローンである。

   

第二新東京市最高評議会ビル

 今、最高評議会ビルの閣議室で定例閣議が行われていた。出席者は評議会議長のヨブ・時田、そして各委員会の長たちであった。

「どうかね、アルテミスの首飾りの性能は」

「それはもう最高ですよ。さすが時田様の発明です」

 ヨブ・時田は最高評議会議長になってもくだらない発明を続けていた。同盟の巨額の使途不明金は彼の研究に費やされているといわれている。

「これさえあれば、同盟のすべての都市が敵に奪われても、第二新東京市だけは絶対安全ですな」

 国防委員長ネクラゲンドウは一生懸命よいしょする。

「ふふ、そろそろ今日の議題に入ろうか。惣流ラングレー提督のことだ」

 ネクラゲンドウは先ほどの、太鼓もちの顔から鬼の顔に一変した。

「くそ、予定通り負けたにもかかわらず、あいかわらずの人気だ。愚民どもめ、多少へっぽこのほうがかわいいとでもいうのか」

「まったくだ。この人気のまま政治家にでもなったときは・・・」

 ここにいる者全員の心配がそれだった。

「いや、政治家になるのが問題ではない。私の配下になるかどうかが問題だ」

 ヨブ・時田は言い放った。それに対し財務委員長のレイベロが答えた。

「それはありえないと思います。これを見てください」

   

 ワタシにふさわしい席はただ一つ! それは皇帝よ!!

   

 おおっっ

「これは、惣流ラングレーとおぼしき人物の発言です。惣流ラングレーはすぐにでも軍から退かせるべきです」

「いや、それでその後、政治家にでもなられたなら・・・」

「それに、軍事的才能もおしすぎる」

 各委員長はざわめきだす。ヨブ・時田はごほんと咳払いをした。

「なあに、しょせん小娘よ。ゆうことがきけないなら、きけるようにしてやればいいんだ」

「そ、それではあの・・・あの会を開くのですか。14才の少女にあの会は・・・」

「だからこそ、意味があるんだ。なあネクラゲンドウ君」

 ニヤリ

「おまかせください」

   

富士山要塞

「さもんかいー? なにそれ」

 富士山要塞司令官惣流ラングレーは副官のフレデリカ・グリーンヒカリに聞いた。

「第二新東京市からFTLで国防委員長の名で要請がありました。提督に査問会に出席しろとのことです。たぶん、敗戦の責を・・・・きゃん」

 ぐしゃ

 惣流ラングレーのチョップがヒカリの顔面に入った。

「敗戦、敗戦ってうるさいわね。たまには負けてやんないと帝国がかわいそうじゃないのよ」

 FTLとは超光速通信と呼ばれるものであり、どんなに遠い距離でもタイムラグなく話すことができるものだ。しかし日本国内じゃ意味がない

(よかった、元気な惣流に戻ったみたいだ)

 シンジ皇子は和やかな表情で副官とのやり取りを見ていた。

「んぁ、ばかシンジなに、にこにこしてんのよ。そうねあんた小姓としてあたしと一緒に第二新東京市にきなさい」

「こ、こしょう? ひどいよ惣流・・・わっ」

 シンジの後ろからカヲルが腕を廻してきた。カヲルは阿武隈川会戦が終わった後、富士山要塞に帰っていた。

「旅行はいいねー、シンジ君。心も体も解放してくれる。僕たちの仲もより親密になれる。早速準備をしよう」

 惣流ラングレーはカヲルに冷たい視線をおくっていた。

「あんたは、居残りよ、カヲル。あたしとシンジだけでいくのよ」

「そ、そんなひどいよ、惣流君。なんでそんな仕打ちをするのさ」

 カヲルは目をうるうるさせている。

(そう、阿武隈川会戦以来、惣流が変わったのはカヲル君に対する態度だ。僕とカヲル君が一緒にいると、いつも怒ってる。前はそんなこと無かったんだけどな、なんでかな?)

 そっとヒカリがシンジに耳打ちする。 

「それはね、提督が碇君のことを・・・あう」

 がんっ

 ぐうで殴られた。

あんた妖怪?! なんで心の声がわかるのよ!! とにかに命令よ、碇シンジ二等兵はあたしと第二新東京市にいくの。ぅわかったー!!」

   

第三新東京市綾波元帥府

「シンジ皇子の行方がわかりました。現在、富士山要塞におられます」

 オベールカジは綾波伯レイの表情が変わるのを期待したが、あまり変化がなかった。皇帝崩御からあまり時間がたっていないため、レイはまだ完全には立ち直れていないようだった。

「そう・・・それでは、すぐに行くわけにはいかないわね」

 ジャンプ力があり、上昇の天才といわれるレイにとっても富士山要塞攻略はなまやさしいものではなかった。

「それについては、策がないわけではありませんが・・・」

 オーベルカジはめずらしく歯切れが悪かった。

「なに」

「リャツコ技術大将が自分には富士山要塞を落とす策があると豪語しておりまして」

「リャツコ技術大将・・・いいわ、彼女を呼び出して」

「わかりました。あと、冬月公コウゾウの件ですが」

「じいさんに用はないわ」

 きっぱりと言い放つ。

(ひ、ひどいな)

   

宰相府

「冬月公コウゾウ、あなたを国家反逆罪で逮捕します」

「なんだと、何を証拠に・・・」

「その格好はなんですか」

 冬月は泣いているようなお面をかぶり、とがった帽子をかぶっていた。

「しまった、ガーゴイルスーツを来たままであったか」

 しかも、宰相府の半旗はNERVの旗ではなくネオアトランティスの旗であった。

「くそー、青髪の小娘めー、バベルの塔を忘れるな」

「・・・番組が違うよ」

 冬月はとっとと捕まった。

   

綾波元帥府

 呼び出しに応じ、リャツコ技術大将が元帥府にやってきた。彼女の策とは富士山要塞と同等の力をもつ要塞を前面に展開することであった。

「先の内乱で使用された双子山要塞を移動させるのです」

「そう、それでどうやって移動させるの?」

「ディラックの海を利用するのです。双子山の真下にディラックの海を発生させ同時に富士にも発生させます。後は虚数空間を通って双子山要塞は移動できます。」

(帝国技術府もたいしたもんだな。そんなことまで可能になったのか)

 オーベルカジは素直に感心した。

「そう、それでどうやってディラックの海を発生させるの?」

「我が一族に伝わる祈祷によって・・・」

 とがしゃーん

 オーベルカジは、はでにこけた。

(・・・前言撤回・・・)

「それ、ナイス」

 ぽん、と綾波伯レイは手をたたいた。オーベルカジは気を失った。

   

双子山要塞前

「いやー、下ろしてくださーい」

 要塞の前には護摩壇ができていた。護摩壇の中央に柱が立っていて、そこにミス第三新東京市に選ばれたヒルデガルド・フォン・マヤがくくりつけられていた。オーベルカジがにやにや笑いながら言った。

「ミス第三新東京市に選ばれた人はその年一年、国の行事に参加するのがきまりなんだよ。知っているだろ」

邪神へのいけにえが、国の行事なんですかー、うそですー」

「まあ、偉大なるシュブ・ニグラス様を邪神呼ばわりするとは、とんでもないばちあたりね」

 リャツコ技術大将は全身を覆うしろい布を被っていた。目の部分だけ穴が空いていた。

「ケンプケ、ミュサト、シンジ皇子をよろしく頼むわね」

「はっ」

 綾波伯レイはその二人に言った。今回の作戦にはレイ自身は参加せず、ケンプケを総司令官、ミュサトを副司令官とした。

(結局、ナイスとか言っておきながら、自分も怖かったんだな)

 オーベルカジは、そう分析していた。もちろん彼自身も参加する気はなかった。ケンプケはあまり出番がないのでなんでもよかったし、ミュサトも内戦投降者としての負い目があったのだろう、彼らは強くこの作戦参加を希望した。

「それでは、始めるわよ」

 リャツコはそう宣言し、呪文を唱えはじめた。

「(危険なので呪文は省略)」

 おおっ

 双子山の真下に黒い影が発生した。そして双子山はゆっくりと沈んで行った。

「・・・ほんとに、うまくいくとはね」

 オーベルカジはため息まじりにつぶやいた。その時、突然、悲鳴が聞こえた。

「な、なんで、わたしなの? いやああああぁぁぁぁ・・・・」

 なんと、リャツコの下にもディラックの海が発生していた。そして悲鳴とともに彼女は沈んで行った。

「しょせん、一話キャラ・・・」

レイはぼそっとつぶやいた。とりあえずマヤは自分が無事だったのでほっとした。

   

第二新東京市最高評議会ビル

「さあ、査問会でもなんでも、はじめてもらおうじゃないの」

 惣流ラングレーは腰に手をあて、中央にいるネクラゲンドウにガンをつけいていた。その部屋は、ちょうど裁判所のような形式だった。裁判官のいる位置にネクラゲンドウ、被告席にいるのが惣流ラングレーとシンジ皇子だった。

「・・惣流、そんな風にいったら心象が悪くなっちゃうよ」

 小声でシンジは耳打ちする。

「ばかね、こういうときはびびったほうが負けなのよ」

 目はネクラゲンドウを反らさず、小声で答えた。そのとき、前方から忍び笑いが聞こえてきた。

「くっくっくっ、査問会? 提督はなにか勘違いをしているようだ。これが何かわかるかね」

 ネクラゲンドウはそう言うと、机の下から魚をとりだした。

「魚・・・シャケかな?」

 さすがシンジ、主夫が板についているだけにすぐわかった。惣流ラングレーは頭をひねった。

「しゃけえー、それがどうしたっていうのよ。査問会とどういう関係があるわけ?・・・さもんかい、サモン会、サー・・・いやあああぁぁぁぁぁー」

 突然、叫び声をあげだした。

「さすが、提督、もうおわかりいただけましたな。そう、これは査問会にあらず、さあ、何の会だか言ってみてくださいよ、提督」

「いや、いやよ、そんなこと言えるわけがないじゃない・・・そんなおやじギャグを・・」

 惣流ラングレーはその場にうずくまった。シンジはわけがかわらず、おろおろしていた。

「なっ、何言ってるんだ二人とも。わけがわかんないよ」

「ふふふ、まだはじまったばかりですよ、次はこれだ!!」

 そこには大きなたらいに、たくさんのイクラが入っていた。

「これは食用のイクラではありませんよ。そう放流用でしてね。これから受精させなければならないんですよ」

 さっきのシャケを使って、受精を始めた。

「やめてー、そんな恥ずかしいこと・・・。テレビとかでよく放映してるけど、なんでみんな平気な顔し見てられるのよー」

「そっかなー、別に平気だけど・・」

 シンジはのんびりと口に出してみた。

「さらに、これをうけてみろぉぉぉぉ」

 ネクラゲンドウはのってきたようだ。惣流ラングレーとシンジの前にどんぶりが用意された。

「あ、お腹すいてたんだよね。ちょうどいいや、いただきまーす。あっまたシャケだ、それにイクラも」

 どこまでもマイペースなシンジはそれを食べ出した。惣流ラングレーもこれの意味がわからずきょとんと見ていた。

「そう、それが北海道名産(ホントか?)シャケはらこ飯だー。シャケとイクラ、すなわちシャケの親子丼だ」

いやぁぁぁー、親子丼、いやーーーー」

 ついに泣き出してしまった。シンジはやっぱり意味がわからなかったが、泣いている彼女を見てさすがに頭にきた。

 つかつかとネクラゲンドウに近寄り、ぶん殴った。

「いいかげんにしろよ!! なんだか知らないけど惣流がいやがってるじゃないか」

「こ、こ、こいつ、私のことを殴ったな親にも殴られたことないのに・・・警備兵こいつをつまみだせ」

 警備兵は持っていた警棒でシンジを殴りつけた。シンジは地面に倒れ込み、動かなくなった。

「ひっ、シンジ・・・・・・・あんたたちよくも、あたしのシンジにケガをさせてくれたわね」

 ゆっくりと惣流ラングレーは立ち上がった。彼女の後ろがゆらゆらとゆらいで見えた。そして警備兵が身構えようかと思った瞬間には懐に入られていた。

「なっ・・ぐあ」

 どがっ

 惣流ラングレーは全体重とスピードをかけて肘撃ちをくらわした。警備兵は倒れた。

「そっ、そんな馬鹿な。そいつは特殊部隊、憂国騎士団のやつなんだぞ・・それが一撃で」

 だから警備兵は一人しかいなかったのだ。彼女は振り返り、ネクラゲンドウを睨み付けた。

「憂国だかなんだか知らないけど、地下プロレスではそんなとろい奴は一人もいなかったわ。さあ、念仏を唱える時間は終ったわ」

   

第二新東京市病院

「んっ、あれ知らない天井だ」

 シンジ皇子はやっと気がついた。あの後、病院にかつぎ込まれ一日中寝ていた。惣流ラングレーはシンジのいるベットの横の椅子に座って、ベットにおおいかぶさるようにして眠っていた。

「ずっと看病してくれたのかな?」

 シンジは惣流ラングレーの髪をゆっくりなでた。

「あっ、あたし・・・シンジ! 気がついたのね、よかった」

「うん・・・惣流、僕を病院につれてきてくれたんだね。それにずっといてくれたんだ。ありがとう」

「だって、あたしのために、シンジ、けがしたんだもん・・・ごめんね」

「惣流・・・」

「シンジ・・・」

 二人の距離がだんだん縮まって言った。

 どんどんどん

 扉が叩かれた。ふたりともびっくりして、飛び上がった。そして一人の軍人が入ってきた。

「失礼します。惣流ラングレー提督、大変です。富士山要塞が敵の攻撃を受けています。ただちに統合作戦本部においでください」

「ふう、しょうがないわね。いくわよ、ばかシンジ私たちの家に帰るわよ」

「まったく、ばかは余計だよ」

・・・・第三新東京市の歴史が、また1ページ・・・・   

   


   
作者コメント

   
 どうも、分譲住宅の巨悪・青柳です。なんなんですかね、今回の話は。全然、銀英伝じゃないですね。こまったもんだ。迷える作者に是非、感想メールをよろしくお願いします。

 さてと、あれ洋館の前になんかおいてあるな。こっこれは、アスカ様から私へのプレゼントではないか、なんだなんだ開けてみよう。がさごそ、あれ、なんだこれN2って書いてあるけど・・・

  ちゅどーん

 その日確かに洋館は消滅した。しかし次の日なにごとも無かったように、洋館はもとのままだった。


青柳さんへの感想はこ・ち・ら♪   

青柳さんの人気連載「インターネット講座」はこ・ち・ら♪   

そんでもって使徒圏はここです〜♪


管理人(その他)のコメント

アスカ「・・・・やっぱりあそこは魔窟ね。N2爆雷ですっきり吹っ飛ばしたはずなのに、翌日には何事もないように立ってるし・・・・」

シンジ「ねえアスカ、なんでシャケの話があんなに恥ずかしかったの?」

アスカ「う、う、うるさいわね!! そんなことはどうでもいいのよ!!」

カヲル「しってるかい君たち? 青柳さんはこれを逃げた作者に渡すとき、「18禁」って言っていたらしいよ。作者はそれを真に受けてドキドキしながら読んでいたそうだし」

アスカ「・・・・これで18禁? はん、お笑いね」

カヲル「その割には恥ずかしそうだったね。いろんなページで君がシンジ君にしている破廉恥な行為に比べればどうということはないのに」

アスカ「は、は、破廉恥ですってぇ!!」

カヲル「そうじゃないか。公衆の面前で抱き合ったりキスしたり、あげくの果てにはシンジ君に迫ったり・・・・」

アスカ「いや、いや、いやあああああああ!!」

シンジ「カヲル君・・・・・」

カヲル「だからアスカ、僕も君にならうことにするよ、だきだき」

シンジ「あわわわっ、か、カヲル君、なにを!!」

 ごしゃあああ!!

アスカ「アンタは却下よ!! あれはアタシだから許されるの!!」

カヲル「ふっ・・・・やはり・・・・不許可1号君・・・・ぐふっ・・・・」


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