原作 丸山御大先生
外道 踊りマンボウ
僕達は傷ついていた。
シンジは傷ついていた。
僕はアスカを傷つけていた。
暴力という、最低の行為を持って。
それは、僕自身を殴る勇気の無い情けない僕の選んだ行為。
彼女達のしたことが、正しい選択だと何処かで解っていたのかもしれない。
それでも、僕は悔しかった。
だから、殴った。
アスカは傷ついていた。
レイは、あの娘は・・傷ついていた。
自分自身の命の短さに、恐怖を感じながら、精一杯生きて・・。
でも、その自身の運命に、甘えていたと、彼女は言った。
もうすぐ尽きる命だから・・って甘える理由にはならないって彼女は思っていた。
でも、アタシやシンジから、離れたくなかった・・。
確かに、アタシは、苦しんだ。
けれど、それよりも・・貴方を今、失うことの方が、苦しい。
伝えたい言葉がある。
伝えたい想いがある。
たとえ、貴方が記憶を失っても・・、またアタシの親友として、仲良くして欲しい。
淋しいんじゃない。
家族。
そう、親友じゃない。
家族。
妹って、アタシが勝手に思ってるだけ、だけど・・本当なの・・。
大切な妹。
レイは、静かに考えていた。
周りの人達は、とても優しかった。
碇君のこと・・好き・・。
アスカのこと・・好き・・。
ケンスケ君・・大切な友達。
葛城さん、碇司令、赤城博士・・様々な人達。
ワタシと関わり、ワタシに優しくしてくれた人達。
すべてに感謝したい。
できれば、またこの優しい世界に帰りたい。
けれど、それは叶わない願い。
だって、アスカを苦しめたくないから・・。
たった一つの奇跡。
それが起きれば、きっと笑顔が浮かぶ。
だから、僕達は祈る。
一人の少女の帰還を願って・・。
僕達は、傷ついている。
それは、何処か欠けているから・・。
居るべき存在が、居ないから。
傷ついている。
作者後書き
イメージと言葉の羅列。
それだけです。
書きたいことは色々あるけれど、ぱっと頭に浮かんだことだけ書いてみました。
いよいよ・・次で、最後です。
けれど・・、まだ考えていることがあります。
今は、秘密ですが・・。
踊りマンボウさんへの感想はこ・ち・ら♪
管理人(出張)その他のコメント
カヲル「言葉のつむぎだす力というものは非常に強いね。字数にして見ればこの「詩」は他の作品に比べて遥かに少ない。しかし、しかしそれにも関わらずこの中からは非常に強いインパクトを受けるよ」
作者 「・・・今回、このコメントを付けるのをやめようと本気で考えたんです。この話にコメントを付けることで、作品のイメージを損なう結果になってしまうのが怖かったですから」
カヲル「でも、全ての作品の付けてる以上ここだけ付けないわけには・・・・行かないのでね。で、今回のコメントはついていても非常に短いものにするんだ」
作者 「というわけで、踊りマンボウさんの「遥かなる世界〜」も終局が迫っている。さあ、どうなるんだろうか。楽しみだね」