遥かなる空の向こうに・・勝手に外伝(公認?)


  

*注意 このお話は第十話までを参考に、勝手に私の想像力に任せて書いたものです。

第X+1話:鏡 弐−アスカ−Plus

原作 丸山御大先生  

外道 踊りマンボウ  

 

『うん・・何でかしら・・碇くんの顔・・まともに、みれないの・・』

 レイが少しづつ自分の気持ちを意識し始めている。

『碇くんの顔を見ようとすると・・何か・・こう、胸がドキドキして・・今朝までは、そんなことなかったのに・・』

 そう言って、頬を染めるレイ。

 少しずつ花が咲くように、自分の心の奥の気持ちを開き、美しくなっていく彼女。

『あ、うん、大したことじゃないから・・』

『そう・・よかった・・』

 あれは、シンジが珍しくドジっちゃって、指先を包丁で少し切った時だった。

 レイに絆創膏を取りに行ってもらって、彼女、自分が絆創膏をシンジにつけるって言い出したんで、そのまま任せたんだけど・・。

 不慣れな感じで、シンジの指に絆創膏を巻いてた、一生懸命に・・。

 その時・・とても、いい顔をしていた。シンジが大丈夫といった時、心から安心していた。

 そして、あの・・優しい笑顔。誰もが惹かれるであろう輝いている笑顔。

「・・負けないわよ、レイ・・でも・・」

 アタシは鏡の中のアタシと向かい合っていた。

「アスカ・・アンタはあんないい笑顔・・見せられる?」

 鏡の中のアタシは、お世辞にもいい顔とは言えなかった。

 近頃、向かい合うアタシの顔は、いつもこんな感じだ。気難しく額に皺を寄せて、キッと目の前を睨んでいる。

 美少女は、どんなときも美少女だけど・・でもこんな顔じゃ・・レイに負けてしまう。

 笑顔・・。

 心からの笑顔・・。しばらく・・忘れている顔・・。

「ほら、もっと笑いなさいよっ!」

 でも、アタシの顔は、笑ってくれなかった。

 アタシはアタシを睨んだままだった。

「アスカ?ご飯出来たけど・・?」

 思わず、独り怒鳴ったアタシに、シンジは少し不安そうに声を掛けてきた。

 いつの間に洗面所の戸の前に来ていたのだろうか。

 おそらく、洗面所からなかなか出てこないアタシを心配して呼びに来たのだろう。

「・・今行くわよっ!」

 けれど、口から出たのは怒鳴り声だった。

 言った後、しまったと思う・・が、もう遅かった。

「うん・・解った・・」

 怒鳴ったアタシに小さくそういってシンジは洗面所の前を離れていった。

「あ、シンジ・・」

『ごめんなさい・・』

 心の中だけ言葉が呟かれる。

 ・・どうしてこんなに、いらいらしているんだろう・・。

 アタシはアタシの気持ちが、解らなかった。

「・・もう・・何なのよ」

 ちらりと鏡を見てから居間の方に移動する。

「今日に限って・・」

 イライラを隠せないまま、アタシは歩いていった。

『教えてあげるよ・・くすくす』

 その時、アタシは気付かなかったが、誰も居なくなった洗面所で、少女が笑っていた。

 映るはずのない鏡の中に幼い少女が一人・・幼いころの惣流・アスカ・ラングレー、そうアタシだ。

 彼女は人を嘲笑う・・嫌な笑みを浮かべていた。

『アンタの心の叫び・・楽しみね・・くすくす・・』

 

「それで、アスカ・・何をしてたの?洗面所で・・」

 シンジは、アタシが怒鳴ったにも関わらず今朝のことを食卓の話題に引っ張り出してきた。

 様子の変だったアタシを心配してのことかもしれないが、今は聞いて欲しくなかった。

『シンジの優しさが、今は嬉しくないの・・』

「・・別に・・いいじゃない・・」

 アタシは、当然ながら言葉を濁した。

 シンジとアタシ、そしてレイのことを考えていたなんていえるはず・・無い。

「・・ならいいけど・・」

「ちょっと、遅かっただけよ・・。別に何でもないから・・」

 あっさりと引いたシンジに少しだけフォローするように言葉を付け加える。

 深く追求してくれないのはいいのだけれど、あまりにあっさりしすぎていたから。

「うん・・」

 シンジは、アタシの言葉に頷いた。

『ちょっと拗ねた感じがするのは気のせいかな?』

 本当に、洗面所ではイライラしていたから・・。

「アスカ・・顔色、良くない・・」

 ふとレイと視線が合う。

 合うなり、彼女は相変わらずな静かな口調で言ってきた。

「?・・そう、別に何とも無いわよ・・」

 確かに、そろそろアレが始まるころではあるが・・。

 多少のイライラは出てくるが、別にたいした事はない。今日のイライラとそれは、多分無関係だと思う。

「それより、レイ。アンタの方がよっぽど心配よ。・・ホントに・・」

「・・ワタシは・・大丈夫・・今の所は・・」

「?・・綾波、何かあるの・・?」

 思わずぽろっと口にしたアタシの発言に、レイが生真面目に答えた。

 そこまでは別に良いのだが、食卓にはシンジも居る。

 時々・・特に最近、調子の思わしくないレイの話題とあって、シンジがすかさず疑問を口にする。

『ま、まずい・・。シンジにあの事を知られたら・・』

 アタシは、自分の思慮の至らなさを感じずにはいられなかった。

「えっ・・ううん・・その」

 シンジがレイを正面から見ている。

 が、レイの方はそんな真っ直ぐなシンジの視線に目を逸らして顔を赤くしている。

 どうやら、シンジに真剣な目で見られて、恥ずかしがっているようだ。

「・・」

『本当にレイ・・変化している・・なんて考えている場合じゃないわね・・』

「アンタ馬鹿ぁ!・・ホントシンジって鈍いんだから・・アレよ、アレ!」

 こんな恥ずかしいこと言うのも嫌なんだけれど、アタシの失言が原因で不味いことになりそうなんだか仕方が無いのよね。

 ちょうど、レイの反応もアタシの話題転換に不自然な素振りじゃないし・・。

「え?アスカ・・アレって?」

「・・もう、鈍いわね・・女の口からアンタ言わせるつもり・・」

「・・あっ・・」

 しばらく、アタシの顔をしげしげと見詰めていたかと思うと、思い付いたのかシンジは声を上げた。

 そして、すぐに完熟トマトのように真っ赤になった。

「ご、ごめん・・」

 慌てて謝るシンジ。

「?」

 レイはシンジの様子に首をかしげていたが、アタシの合図に取りあえず何事も無かったように食事を再開した。

 シンジは、恥ずかしさのあまり、食事中、俯いていてアタシ達と視線を合わせないでいた。

『ホント・・鈍いんだから・・いろんな意味で・・』

 

「・・暇ね・・」

 今日は日曜、学校は休みということで、シンジやレイを誘って何処かに出かけようと思ったのだが、シンジはちょっと用事ということでアタシは家でゴロゴロと転がっていた。

 レイは、近頃体の調子が思わしくないということで、リツコ博士の所に行っている。

 痛み止めの薬の効き目が薄くなっているみたいで、それに関して少々の検査もするといっていた。

『もう時間が無いのね・・レイは・・』

 ぼーっと天井を眺めながらアタシはレイのことを考えていた。

『ようやく・・自分の気持ちに気付いてきたのに・・言えるようになってきたのに・・』

「アタシは・・こんなに無意味な時間を過ごしている・・」

 今のアタシにはそんな時間を過ごすことが罪なように思える。

 それは側にレイという存在があるから、なのだが・・。

「・・」

 コチコチと古めかしい時計の音が、アタシの耳に入ってくる。

『笑顔・・か・・』

 ふと今朝の洗面所で考えていたことを思い起こす。

 笑顔・・心からの笑顔・・。

 レイが、見せてくれる純粋な喜び、それに笑顔、初々しさ。

 とても、輝いている。

 ライバルでもあり・・妹でもあるような彼女。

「妹・・ねえ・・。アタシ・・何考えてるんだろう・・」

 そう呟いて、アタシはふと忘れていた大切なことを思い出した。

 妹・・。

 兄弟・・。

 家族・・。

 アタシに無かったもの、失われていたもの。

「・・家族・・人との繋がり・・」

 シンジ、レイ、ミサト・・加持さん・・。

 ここには、アタシの心を癒す暖かさがある。

 失った時間を、取り戻せるチャンスをアタシは与えられた。

『そう・・幸せを・・』

 淋しくなんか無い。

 独りで、ちゃんとやっていける・・。

 そう思っていたのは、何時の事だろうか。

 今じゃ、シンジにべったりなアタシ・・。

「レイ・・」

 シンジとの繋がりを大切に思うもう一人の少女・・。

『時間』

 人はいつか死んでしまう。人の死は多く見てきた・・けれど・・。

 アタシの心に深い傷として刻まれた母さんの死・・いや・・自殺。

 それでも、アタシは泣かなかった、泣けなかった。

『でも、今、レイの事を考えると、胸が苦しい・・』

 涙こそ出ないが、悲しい。

 彼女に与えられた時間は・・あまりに短い・・短すぎる。

 ようやく、彼女も想いを・・人としての生活の時間が流れ始めたのに・・どうして・・。

「・・アンタ、バカ?・・」

『・・なんて、らしくないこと考えても仕方ないよね・・。まだ、目、覚めてないのかな・・顔を洗い直そう・・』

 天井を見るのを止めてアタシは洗面所に、また顔を洗いに行った。

 

「・・ホント・・笑顔がさえないわね。ほら、もっと笑顔・・」

 また、アタシは鏡と睨み合っていた。

「何で、笑わないのよ!」

『笑顔・・』

 レイの笑顔・・。

 心から嬉しいということを表わしているあの笑顔。

『そう・・嬉しいのね、レイ』

 最初会った時、人形のように感情も無く、何かと「司令の命令」と言っていたあの娘。

 人としての時間が流れ始めて、その魅力に輝きが伴ってきた。

 素地はいいことは、アタシも認めている。

 けれど、近頃のレイの笑顔を見ていてふと、不安に捕らわれるようになってきた。

「こんな顔じゃ・・レイに負けちゃうわよ・・」

 レイの残された時間が短くなるにつれ、アタシの顔から笑顔が消えてきた。

 あんなに幸せそうな顔・・。

『幸せ』

 そう、幸せなのに・・どうして・・なの・・。

 シンジ以上に、レイの側にいて彼女の変貌を見ていた自分にとって、レイの過酷な運命は、耐えられない・・。

「レイ・・」

『・・くすくす・・大丈夫だよ。だって彼女、もう残りの命僅かだもん・・』

「えっ!だ、誰?」

 突然、誰も居ないはずの洗面所で、アタシに似ている誰かの声がした。

「・・」

 鋭く辺りを、見回すけれど誰の気配も感じられない。

「何処に居るの!」

 気味が悪くなり、怒鳴ってみる。

『・・くすくす・・ここだよ・・アタシは・・』

「!」

 声のする方向を見たアタシは絶句した。

 声のする方向、洗面所の鏡に映っていたのは、幼い頃のアタシだった。

 口をキッと結んで、周りに誰を寄せ付けない勝ち気な目をして、必死に自分を強く見せることで、自分を保っていたアタシ・・。

「きゃ、きゃあっ!」

 悲鳴を上げるアタシ。

『・・ふうん・・アンタは普通の反応ね。・・レイ・・あの娘は平然としていたけれど・・きゃはっ!』

 鏡の中の何者かがアタシの声でアタシに話し掛けてきた。

 録音した自分の声を聞いた時、違和感を感じることがあるように、アタシはその声を、アタシの声とは認めたくなかった。

 何より、いやらしい笑みを浮かべて喋っているのが気にくわない。

 人を嘲笑っている笑み・・。こんな顔のアタシなんて認めたくない。

「レイ・・?もしかしてこの間、レイの様子が変だったのは・・アンタの所為だったの!」

『くすくす・・そうよ。だって、あの娘・・可哀相じゃない。自分の気持ちが言えないなんて・・だから、代わりに言ってあげたの・・』

「・・何て事を・・」

 この間・・といっても、レイに与えられた時間からすれば、随分昔になってしまうだろう・・。

 レイの様子が、尋常ではない時があった。

 彼女はまるで録音テープを再生するように淡々と感情の篭っていない音の固まりを呟いていた。目は中空を見ており、催眠術に掛かったかのように空ろだった。

 正直言って、その時のレイは、今思い出してもぞっとするくらい異様な感じだった。

 ・・それは、今、目の前に居る幼いアタシの姿をしている何者かがしでかしたことなのだ。

『でも・・あの娘・・結局、自分で言っちゃったけどね・・相手の男の子は・・聞いてなかったけどね・・くすくす・・可哀相・・』

「・・」

 確かにアタシは、レイの呟きにも似た告白を聞いている。

 彼女が割った、鏡の片付けをしている時だった。

 その時の呟きは、直前の録音テープのような不気味さはなく、感情の篭っていた言葉だった。

 本当にドキリとした。

 ・・その動揺が、指先に反映してアタシは指を切った。

『感情・・想い』

 レイの告白に、レイの変化が感じ取れたあの日・・。

「アナタ・・」

『そう・・可哀相・・だって命・・もう無いんだもの・・きゃははっ!』

「!」

 鏡の中のアタシはやや右に体の向きを変えて、それで顔だけこちらに向けて目を細めた。

 いわゆるアタシを見下しているようである。

 その態度は非常に気にくわなかったが、何より彼女の言った言葉がアタシに衝撃を与えた。

『この娘・・レイの秘密・・知ってるの・・』

「アナタ・・何者・・」

 冷や汗が、流れ落ちるのをアタシは感じていた。

『何者?・・くすくす・・いいじゃない・・アタシのことなんて・・。それよりも、よかったわね・・』

「な、何がいいのよ・・」

『・・何って・・もうすぐだものね・・アンタのライバルが居なくなるの・・くすくす・・嬉しいよね・・きゃはっ・・』

「!」

 鏡の中のアタシは、触れて欲しくないことをいきなり口にした。

 そう・・アタシのイライラは・・もしかするとここからきていたのかもしれない。

「な、何を言い出すのよ!」

『アスカ・・否定はしてないね・・くすくす』

「!」

 彼女の言葉に、アタシは自分の心の暗い部分を明確に意識せざるを得なかった。

 レイに対する、もう一つの感情・・嫉妬。

 姉・・というか、レイの成長を横で見ている者としてレイを応援するアタシと、レイの花開いていく魅力に恐れを抱いているアタシ。

 今のアタシは、レイに対して二人のアタシを持っている・・。

 アタシの中で二人のアタシが攻めぎあう。

「・・アタシは・・」

『やっぱり、レイが邪魔なのよね。・・ライバルって言いながら・・実は彼女の死を待っている・・ふふっ・・』

「ち、違うわ!」

 否定するアタシの声は動揺していた。

 二人のアタシの片割れが思っていた事・・でも、それもアタシなんだ・・。

 彼女の言葉に、そのもう一人のアタシが・・頷いている。

『じゃあ・・もし奇跡が起きて・・レイが普通の寿命を授かったとして・・その時、アンタはそれでも、彼女に今と同じように優しく出来る?・・あくまで・・もし、の話だけど・・くすっ』

「な、何よそれ・・」

 それは決して想像しなかった事では無い。

 一日一日、噛み締めるように生きているレイを見ていて、もし奇跡が起こってこの娘にアタシと同じような命が与えられたらと、何度も思った。

 それは、実現しないことだから・・?

 まだ生きる期間を多く与えられた者の奢り?

『・・だったらいいのにねぇ・・』

 嘲りを含んだ口調。レイの魅力に嫉妬しているもう一人のアタシが皮肉げに笑う。

『でも・・そうなったら・・アスカ?シンジをあの女に取られちゃうかもね・・』

 笑えなくなったアタシ・・。笑えない理由は、レイのはかなげな運命に心を痛めているだけ?

「・・で、出来るわよ・・」

 そんな内心の動揺は隠せるはずも無く、アタシは弱々しく反論した。

『ふうん・・ま、そういう風にしとこうかしら・・くす・・』

 口ではそう言いつつも、彼女はアタシの言葉なんて信じてはいない。

 冷徹な目がアタシに向けられていることからも解る。

「な、何よ。出来るわよ。奇跡が起こってレイが普通の寿命を授かったとしても・・今まで通り・・」

『嘘ね。・・アンタはもしそうなったら・・レイに冷たく当たるようになるわ・・ふふっ・・』

 アタシの心まで見透かしているような冷たい目がアタシに向けられる。

『認めたくない』

 ・・けれど、彼女は知っていて・・敢えて口にしているのかもしれない。

 アタシを苦しめるために・・。

 アタシの・・醜い心の内を・・アタシに・・認めさせるために・・。

「あ、アンタに何が解るって言うのよ!・・」

 怒鳴りながら、それがまったく相手に効果が無いことをアタシは知っていた。

 それでも怒鳴ったのは、そうしなければアタシはきっとアタシが二度と信じられなくなると思ったから・・。

 認めたくないの・・、あの娘の死を何処かで望んでいるなんて・・。

 たとえシンジを取られるという大きな理由があったとしても・・。

『くすくす・・何でも解るわ。・・気付いているんでしょ。ある意味アタシは、アンタ自身ということを・・』

「・・そ、そんなこと・・」

『そうね・・信じる信じないはアンタの勝手ね・・』

「・・」

 余裕ある態度。

 そう、鏡に中の何者かにとっては・・遊びみたいなものなのだ。

 人の弱みに付け込んで人の心をずたずたに引き裂いて・・それで楽しんでいる。

 そういう人間の・・笑みだ。

 姿は、あくまでアタシの小さい時の姿だけれど・・。

「アンタなんか・・」

 拳を握る。

 キッと相手を睨み付ける。

『ふうん、アンタもあの娘のように・・鏡を壊すの?・・くすくす・・無駄なのに・・』

「あの娘・・レイが鏡を割った理由って・・アンタだったのね!」

 腕を怪我していた、レイ。

『ごめんなさい・・どうしても・・割らなければいけなかったの・・本当に・・ごめんなさい・・』

 確かにレイはそう言っていた。

『・・そうよ。もう一度、彼女に、代わりに告白してあげるっていったのに「ワタシは・・アナタの力なんて借りない!」とか言って鏡を割ったのよ・・無駄なのにね・・くすくす』

「・・」

『それに、アンタもいい思いしたんだから別に構わないでしょう?・・好きな男に、指を舐められて・・』

「うるさい!」

『あら、さっきから怒鳴ってばっかりね、アスカ。・・くすくす』

 鏡の中のアタシは不敵な笑みをそのままに、おどけて見せた。

 無論、挑発であるのは解っているし、さらに怒ったところで、相手の思惑通りでしかないが、それでもアタシの中にふつふつと怒りが込み上げてくる。

「・・いいかげんにしないと」

『鏡を割るの?・・いったでしょう、無駄だって・・ふふ』

「・・」

 必死に何か無いかとアタシは考えた。だが、相手が鏡の中に居る以上、割る以外のことを思い付かない。

 鏡相手に何をしたところで、どうということもあるまい。

 しかも、割るという行為は前にレイが行っており、その同じ何者かが自分の前に現れたということは、それもさほど効果はないということなのだろう。

 とすれば・・何が出来るのだろう。

「・・アンタの目的は何?何故アタシの前に現れたの?」

 アタシに出来ることは、とにかく話すこと。

 結論はそれだった。

 鏡を割るという選択を捨てた訳ではないが、それで相手にダメージを与えられないなら意味が無い。

『・・ふうん。急に方針を変えたのかしら・・くすくす・・アタシの話に乗ってくるっていうのね』

 アタシの質問に、相手は僅かに眉を動かして驚いたようだ。

『まあ、いいわ。もともとそのつもりだったし・・うふ・・』

「・・」

『アタシの目的は・・アンタを苦しめること・・そう、優しい振りをして偽善者を気取るアンタをね・・ふふ・・』

「・・ぎぜんしゃ・・、ですって・・」

そう、・・アンタの優しさは、残りの命僅かなあの娘・・レイへの哀れみ。・・それって、生き残る者の優位に立った自己満足的な行為ね・・』

「・・そんなことは無いわ!」

(そう、アタシはレイを哀れんでいたの)

 もう一人のアタシが呟く。レイを邪魔と思うもう一人のアタシ・・。

『どうせ、死んじゃうんだから・・少々いい思いさせてもいいかとか考えてるんでしょう・・』

「違う!そんなことは無い!」

(そう、どうせシンジはアタシが貰うんだから、少しくらいいいと思っていた)

『無理しなくてもいいんだよ。・・それよりいっそのこと、あの男・・シンジとかいったけ?あの子は渡さないって突き放しちゃえば・・。もう抜け駆けもしてるんだし・・くすくす』

「!」

 鏡の中のアタシの指摘にアタシは・・咄嗟に言葉を失った。

 何でも知っているというのは、偽りではないということだろう。

『・・どうしたの?黙っちゃって。・・くすくす』

「・・確かに、抜け駆けはした、それは認めるわ。・・でも、それとレイを突き放すこととは関係無いじゃない!」

(違うわ・・。渡したくなかった・・だから先に行こうと思ったの・・)

『・・ふふ、そう?・・だといいんだけどね・・違うでしょう・・くす・・』

 アタシを見ているアタシは、そういって鼻を鳴らした。

『そう・・その時のアンタの気持ち・・解るでしょう・・』

「・・」

 アタシは言葉に詰まった。

 あの時の、気持ち・・。

『・・レイ・・』

 もうひとりのシンジを慕う少女の姿が、アスカの脳裏に浮かんだ。

『ゴメンね・・アタシ・・抜け駆けみたいなことして・・』

 その姿を無理やり脳裏から追い払い・・。

「アタシは・・自分がずるいことをしていると知りつつ・・キスを・・望んだ・・シンジとのキスを」

(・・ずるい?当然の事じゃないの?・・無理しなくていいのに・・)

『だから・・キス・・して・・シンジが・・アタシを大切に思ってくれるなら・・』

 シンジの優しさにつけこんで強制しているような気がして、チクリと胸が痛む。

 それでも・・アタシは瞳を閉じて待った。

 二人の唇がゆっくりと重なった。

『レイには・・渡さない・・』

(ううん、最初から、渡すつもりなんて無かった)

 心の何処かでそう思っていた。

(心の何処か・・それが・・アタシ・・)

『・・そう・・そうね、ずるね・・。だから・・罪滅ぼしに優しくしたの?』

 目を細めて笑う、鏡の中のアタシ・・。

「・・」

 胸の奥がチクチクと痛む。

『アタシ一人のわがままで、あの娘を、悲しませたく・・悲しませたく、ないわ』

 そう思って、優しくしていたけれど・・でも・・。

(それは、偽善だったのね・・罪悪感から来た・・だから今、焦ってる、イライラしている・・)

『・・でも、近頃彼女・・綺麗になったわね・・。本当に・・綺麗・・今のアンタよりずっと・・もう死ぬのにね』

「・・言わないで!・・」

 アタシは、耳を塞いだ。

『・・だから、いずれ消える存在と思いつつも、シンジの心が少しでも揺らいでほしくない・・生き残るものの優位すらかなぐり捨てて、独占に走りたい・・そう考えるようになった・・きゃはっ!』

 耳を塞いでも、声は心に直接語り掛けてくるように聞こえてくる。

『今日・・秘密を知られそうになった時、咄嗟に嘘を言ったのも、真実を知られて・・たとえ一時でも、偽りの想いのシンジがレイの側につくのが耐えられないと思ったから・・』

「違う!」

 アタシは耳を塞ぐのを止めて叫んだ。

(違わない・・アタシは確かに、シンジに知られるのを恐れているの・・)

「違う!」

『・・認めてしまえば・・楽なのにね・・。自分の醜さを・・』

「・・」

(そうそう、認めるも認めないも・・アタシはアンタ自身なんだから・・)

「・・醜い・・アタシ・・?」

『そう、嫉妬に狂った女・・きゃはきゃはっ!お似合いね!』

 ひときわ高く声を上げ、鏡の中のアタシは笑った。

 だが、アタシは鏡の中のアタシの言葉に捕らわれていた。

『醜い・・自分の醜さ・・』

 レイと共にあった日々・・、アタシは・・醜かったの?

「醜い・・」

(アタシは・・そうは思わない。アタシはアタシであるがまま、想い、行動したもの)

『・・あらあら・・考え込んじゃった・・くすくす・・つまらないわね』

「・・それを認める?・・」

 アタシは、何か違うことを感じていた・・。

『違う・・醜いとか・・認めるとか・・そんなことじゃない・・鏡の中の・・アタシが言おうとしていることは・・』

 アタシは、この時、まったく別の事を考え始めた。

 そして、その考えに完全にアタシは没頭してしまった。

『追いつめられて、浮かんだ逃げ道なんかじゃない・・』

 レイの笑顔が、頭に浮かぶ。

「・・そう・・そうよね・・」

(・・)

 その時、もう一人の心の中のアタシは居なくなっていた・・。

『あら・・どうやら彼女がお帰りのようね・・。じゃあ、そろそろお暇しようかしら。・・どんな顔をして彼女に会うのか・・楽しみだわ・・くすくす・・』

 だが、鏡の中のアタシの言葉なんて聞こえていなかった。

「・・」

 気がつくと鏡の中のアタシは消えていた。

 洗面所の鏡には、アタシの顔がそのまま映し出されている。

「・・」

『・・解っていたこと・・そして・・今のアタシ・・』

「レイ・・そう・・そうなの・・」

「・・アスカ?・・どうしたの・・?」

 レイが洗面所に入って来た。

「・・」

 聞き覚えのある声に、アタシはレイがすぐ近くに居ることに気付いた。

「レイ・・」

 静かな足音に顔を上げるアタシ。

「?・・アスカ?」

「・・」

 レイの紅い瞳を見ていると涙が溢れてきた。

「・・レイ!・・ごめんね・・ごめんね・・」

 アタシは、レイに抱きついて泣いた。

 レイは突然泣きながら抱きついてきたアタシに戸惑いつつも、アタシが落ち着くまでずっと抱きしめてくれていた。

「・・レイ・・アナタに話したいことがあるの・・」

 やがて、涙を拭いつつも、アタシはさっき鏡の中のアタシの話していたことをすべてレイに話した。

『すべて話そう・・レイに・・』

 鏡の中のアタシに責められて見えた光。

『そして・・』

 アタシは、今思っている事も交えて、レイに細かく話した。

 躊躇いは無かった。

 レイは、その間、優しく微笑んで何も言わなかった。

「ごめん・・レイ・・アタシ・・」

「ありがとう・・アスカ・・」

 話を終えて謝るアタシにレイは『ありがとう』と言った。

「・・レイ・・」

「もういいの・・アスカ。もう・・」

 レイの瞳が悲しみで曇る。

「レイ?・・どういうこと・・」

 アタシはレイに訊きつつも、それに対する答えを知っていた。

「もう・・時間が無いの・・。精密検査の結果・・いつ異常が起こるか解らない・・ってリツコ博士が言っていた・・」

「・・」

「だから・・今のうちに言っておきたいの・・。アスカ・・ありがとう・・」

「レイ・・」

 レイの表情は、穏やかだった。

 とてもいい顔をしている。

 すべてを許す、・・母親のような笑みを浮かべている。

「・・それに・・薄々は感じていたの・・ワタシが邪魔ってことも・・」

「・・」

「ワタシも・・碇クンと仲良くするアスカが・・羨ましくも・・憎らしかったから・・」

「・・レイ・・」

「・・いいの・・。アスカの話じゃないけど・・ワタシも・・もう短い命っていうのに甘えて・・アスカに迷惑かけてたし・・」

 レイは笑ってみせた。

「本当に・・ごめんなさい・・アスカ」

「レイ、それは違うわ・・謝らなければいけないのはアタシ・・アタシなの・・」

「・・ううん・・。アスカ違う・・、謝らなくちゃいけないのも・・感謝しなければいけないのも・・ワタシの方・・。アスカが・・ワタシのために苦しんでいたのも、うすうす解っていた。・・解っていて・・それでも碇クンの側にいたくて・・ワタシはずっとアスカのことを考えないでいたの・・。もうすぐ尽きる命だから・・少しくらいって思っていたの・・」

「・・」

 謝るレイに、アタシは言葉を失った。と同時に、さっき決意した思いを強くした。

 涙で、はっきりと彼女の表情を見ることすら出来なかった。

「でも安心してアスカ・・もうすぐ・・そう・・二、三日の内にここから出て行くから・・」

「!えっ・・それはどういう事?」

「病院に戻るの・・」

「ちょ、ちょっと待って・・それって・・」

「MAGIによる再計算をしてもらって得た結果・・魂の移し替えの成功の可能性があるとの結果が出たの・・数値としては限りなく零・・だけど・・」

「・・」

 アタシは、レイがここに住むようになった時のミサトの言葉を思い出した。

『レイは・・クローン、なのよ・・』

 詳しくは覚えていないが、レイの言うことが実現すれば・・奇跡が起きれば・・彼女はより長く生きられるのだろう。

「だけど・・ゼロじゃない・・。だから、それに掛けてみようと思うの・・今度こそ・・本当にアスカのライバルとして張り合っていけるように・・」

「レイ・・」

「でも・・そうなったとしても・・また記憶を失ってしまうと思うし・・だから・・アスカ、言わせて・・。今まで本当にありがとう・・」

「・・」

 アタシは、何も言えずレイに抱きついて、また延々と泣いた。

 レイは、その間、やはり優しく微笑んでいた。

「レイ!・・レイ!」

 涙ではっきりと見えないレイの顔は、けれどきっと天使のように微笑んでいるとアタシには解った。

『アタシは・・たとえ偽善者と言われても・・今までと同じように・・レイに接する!・・でも隠し事はしない・・』

 レイは優しくアタシの頭を撫でてくれた・・。

『許される事を期待して・・レイの優しさに甘えて・・すべてを話しているのかもしれない・・それでも、もう・・逃げない』

「レイ・・」

「アスカ・・ありがとう・・」

「うん・・」

 決意を胸に、アタシは涙を拭った。

「ただいまー、綾波ぃ、アスカぁー、居るの?」

 その時、バカシンジが帰ってきた。

「・・レイ・・今のアタシの顔シンジに見られたくないの・・」

「うん・・解ったアスカ・・」

「シャワー浴びるまでのちょっとした時間でいいから、シンジを引き止めといて」

「・・」

 アタシの言葉に、レイは頷いた。

 そして、洗面所を出ていった。

 アタシはシャワーを浴びるためお風呂に移動して、急いで服を脱いだ。

 そして、シャワーの栓をひねる。

「きゃ、きゃあ!」

 そういえば・・温度設定していなかった。

 冷たい水を、上から浴びてしまうアタシ。

 あまりにびっくりしたので悲鳴まで上げてしまった。

「アスカ?・・どうしたの!・・あっ・・」

 悲鳴を聞いてシンジが入ってきた。

「きゃあぁぁぁぁ!バカ、エッチ、変態!シンジ、何、覗きに来てるのよ!」

 アタシは水で驚いた時以上に、大きい悲鳴を上げた。

「あ、アスカ・・その・・」

「何じろじろ見てんのよ!」

 一瞬、驚きで固まったシンジにアタシは、その辺にあったものを手当たり次第に投げつけた。

「早く出て行きなさいよ!バカ!」

「・・ご、ゴメン、アスカ・・」

 シャンプーやアタシの怒声に、ようやくシンジが出ていった。

「・・アスカ・・」

 けれど、すぐにレイが変わって入って来た。

「・・ふふ・・レイ・・」

 アタシ達は、笑顔で見詰め合っていた。

「負けないわよ・・」

「・・アスカ・・ありがとう・・」

「何、言っているのよ。ほら・・」

 温度設定をしたシャワーをレイに向けた。

「きゃ、きゃあ・・アスカ・・」

「なんてね・・て」

 ぺろりと舌を出すアタシ。無論、冗談である。

「も、もうおどかさないで・・」

「ふふ・・って、あれ?」

 お湯を出すつもりじゃなかったけれど、何故か突然お湯が出た。

「きゃあ」

 悲鳴を上げるレイ。

「あ、れ、レイ・・か、体・・」

「だ、大丈夫・・でも、服がびしょびしょに・・」

 レイはそういって服を摘んだ。

 今は平気かもしれないけれど、このままだと風邪を引いちゃうかもしれない・・。

 特にさっき話してくれたようにレイの体は弱ってきているのだから。

 その時、頭に豆電球が点った。

「ねっ、レイ。・・一緒にお風呂に入ろうか?」

「え・・?」

「うん、そうしよう、そうしよう!」

 アタシはそういって強引にレイの服を剥ぎ取った。

「あ、アスカ・・」

「ほら、下着も脱ぐの!」

「もう・・」

 しぶしぶ、アタシの言葉に従うレイ。おずおずと下着を脱ぎ始めた。

「・・」

 露になったレイの白い肌に、内心アタシは溜め息を漏らした。

 本当に綺麗な肌・・。

「いいなぁ・・レイのお肌・・すべすべ・・」

「アスカ・・きゃ・・やめて・・くすぐったい」

「ほらほら・・」

 アタシ達は仲良く二人で、お風呂に入った。

 

 夜・・。

 暗い部屋で一人天井を見つめるアタシ。

「ちょっと不自然なまでにはしゃいじゃったけど・・これでいいのよね・・」

 決めたのだ、アタシは。

 もしかすると、シンジにこの事で嫌われてしまうかもしれないけれど・・。

 今までと同じように、レイに接する。

「アタシは望んで・・嘘をつくの・・」

 強い決意を一層強くするため、アタシはそっと呟いた・・。

「・・いいたかったことは、これよね・・。鏡の中のもう一人のアタシ・・」

 部屋の中にある鏡のある方向を向いてアタシは言った。

『・・アスカ・・強いね。・・アタシの言葉は心を閉ざせば聞こえなくなるけど・・アンタが向かい合っているのは・・そう・・現実なんだから・・』

 鏡の中のアスカは、そういって微笑んだ。

『約束の日は・・もうそこまで来ているんだから・・しっかり・・ね・・』

 鏡の中のアスカは消えた。

『・・今のアスカ、輝いている・・綺麗だよ・・』

 満足げな言葉とともに・・。

「ありがとう・・もう一人のアタシ・・」

 

遥かなる空の向こうに・・勝手に外伝(公認?)

 

第X+1話:鏡 弐−アスカ−Plus

原作 丸山御大先生

外道 踊りマンボウ

−終わり−

 

☆作者☆言い訳の後書き

 

 この作品をお読みになられて、ご不快になられた方もいらっしゃると思いますので、少々補足的言い訳を書かさせていただきます。

 この作品で、アスカの心、優しさについて、さんざん言いたい放題、彼女を非難していますがこれは、アスカの優しさを否定するということではありません。

 ただ、今回「鏡 弐−アスカ−」を執筆するにあたって、これは避けられないテーマだと思ったので、それをメインに据えました。

 それを私なりに書いてみたのですが・・いかがでしたでしょうか?

 

 それと、このような邪道な作品を載せていただけるとは、正直、思っておりませんでした。

 この場を借りて丸山氏に深く感謝いたします。

 もちろん、この邪道な作品を読んでいただきました貴方にも感謝いたします。

 合わせまして、本当にありがとうございます。

 


 

すちゃらか裏話出張版

 

作者 「どうも!作者の踊りマンボウで・・ぐはっ!」

アスカ「この腐れ作者!成敗、成敗、成敗ぃぃぃぃ!」

作者 「ぐえ、ぐは、げほ、・・ぱた」

ナギサ「あらあら、これはいけませんわ」

 ナギサ、作者の治療を始める。

アスカ「・・ふん!」

作者 「あ、ありがとう・・ナギサちゃん」

ナギサ「いえ、いえ・・あっ、挨拶が遅れました・・。皆様、ご機嫌いかがでございますか、雪風ナギサです」

作者 「・・挨拶もさせてくれないなんて、アスカ、今日もしかしてアノ日?」

アスカ「きーっ!よくもそんなことを・・もう許さないわよ!ただでさえ、アンタとんでもないことしでかしてるんだから!」

作者 「とんでもないこと?って何?」

アスカ「・・ほほう、どうやら死にたいようね。チェストチェストチェストォォォ!」

作者 「あう、あう、ぐえ・・くるくる・・ぱた」

アスカ「はあ、はあ・・こいつは殺しても飽き足らないわ・・」

ナギサ「あの・・アスカさん。アノ日って何のことですか?」

アスカ「・・は?もしかしてアンタじゃなかったナギサ知らないの?」

ナギサ「はい・・いけませんでしたか?」

アスカ「・・別にいいけどね」

 アスカ、ナギサにそっと耳打ちする。

 ナギサの顔がみるみるうちに赤くなる。

ナギサ「マンボウさんたら・・いやですわ。えっち、えっち!」

 ☆ぽか、ぽか☆

作者 「あう、あう・・ナギサちゃん・・治療・・」

アスカ「ホント、腐れ外道ね」

碇司令「・・呼んだかね」

アスカ「人様の小説の先を予測して書くなんて人間のやることじゃないわ、外道よ、外道!」

碇司令「だから、呼んだかね?」

アスカ「しかも・・これは実現しないから・・いいか・・。こんな外道は抹殺されるし・・」

碇司令「呼んだかと聞いておるのだぁぁぁ!」

アスカ「きゃあ・・。あ、おじさま・・こんにちわ」

碇司令「お、おじさま・・。まあいい、こほん・・」

アスカ「ところで、こんな所にどうしておじさまがいらっしゃるのです?・・確か、まだネルフの仕事があるとかおっしゃっていましたわよね?」

碇司令「・・呼ばれたから、来たのだが・・」

アスカ「?まあいいですけど・・」

作者 「・・こそこそ・・」

 作者、ナギサの治療により再復活して逃亡を図る。

アスカ「・・ふ、甘いわね」

作者 「じゃっ!」

 ☆ちゅどーん☆

 逃げる作者、何かを踏んで吹き飛ばされる。

作者 「うきょー・・」

アスカ「ゴキブリ駆除用の地雷を仕掛けておいて正解だったわね・・。これでここも平和になるわ」

作者 「あうー、バイバイキーン・・」

ナギサ「あ、マンボウさん、待って下さいまし・・」

 作者、爆風でいずこへと飛ばされる。

 ナギサ、それを追いかけていく。

アスカ「ちっ・・仕留め損ねたわね・・」

碇司令「・・何だか良く解らんが、帰るとしよう・・」

 ☆ちゅどーん☆

碇司令「ぐお、な、何でこんなところに地雷が!うわーっ!」

アスカ「あ、おじさま」

碇司令「よくわからんが、・・おぼえてらっしゃーい!」

アスカ「・・おじさま、ネタが良く解らない・・」

 



踊りマンボウさんへの感想はこ・ち・ら♪   



管理人(出張)その他のコメント

作者 「うきょきょきょきょ〜〜〜〜」

カヲル「今回も壊れてるね・・・・脳味噌が崩壊してないかい?」

作者 「もしかしたら壊れてるかもね。何しろ最近本編の更新はおざなりだし」

アスカ「なに元々腐ってる脳味噌を更新しないいいわけにしてるのよ!!」

 べきべきべき!!

作者 「ぐはぐはぐはっ」

カヲル「ほらほらほら。溶けかかってる脳味噌がショックで崩れてしまうよ。そのくらいにしておかないと」

アスカ「ちっ、じゃあこのへんにしておくわ」

作者 「しかし、踊りマンボウさんの文章表現にはほんとうに頭が下がるよ。私の腐った脳味噌しか書かないと思っていた「遥かなる〜」をここまでの作品にしてしまうとは」

カヲル「アスカ君の苦悩か・・・・どうも君もこのテーマについては頭を悩ませているんだってね。それを踊りマンボウさんがここまで書いてしまったし・・・・これは、本当に「遥かなる〜」のラスト、すり替えた方がいいかもね」

作者 「うんうん、そのとおり」

アスカ「このばっかもーーーーーーーーん!! アンタはアンタできっちり書きなさいよ! なにすっとぼけてるのよ! 自分で始めた小説くらい、きっちり自分でカタ付けなさい!」

作者 「じゃあ、アスカちゃんがぴーしてぴーーーするラストでもいいの?」

アスカ「こ、こ、この大馬鹿もの!! ラストは決まっているんでしょ! アンタの場合、そこにいたるまでの真ん中がすっからかんなんじゃない!」

作者 「ぐさっ!」

アスカ「言っておくけど・・・・」

作者 「は?」

アスカ「この『鏡』シリーズのラストをパクったら、ただじゃおかないわよ!!」

作者 「ぎくぎくぎくっ!」

アスカ「なにびくついてるのよ!! このあほたれ!!」

 どかばきぐしゃああああ!!

作者 「ぴくぴくぴく・・・・・」

カヲル「いやしかし、踊りマンボウさんには感謝の言葉もないね。ほんとうに、ありがとう。続きを、非常に楽しみにしているよ」 


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