本屋で平積みになっていた新刊の中でちょっと目にとまったので読んでみた知らずに他人を傷つける人たち(香山リカ KKベストセラーズ)。うなずくところもあれば、「?」と思うところもあり。ハラスメントというものはセクハラにしろパワハラにしろ、与える側と受ける側がいるわけで、同じ発言であっても受ける側がどう受け取るかによって、冗談で終わることもあればハラスメントになることもある。知らずに他人を傷つけるという行為は誰にとっても「与える側」になりうる行為であって、それを「受け取る側」がどう思うかというのは、何もその一言に限った話しではなく、その行為を行う人が普段どのように受け止められているかというものが顕在化するものでもある。それは小さな物事の積み重ねでもあるわけで、本を読んだあと「あー改めなきゃ」という気持ちだけで住む話しでもない。コミニュケーション力というものも必要ではあるが、それを長期にわたって持続させることが必要。あーそれって結局コミニュケーションか。で、この本にも書かれている「受け取る側」の意識。これは難しいところではあるけれども、一人で抱え込むのではなく、言うべきことは言わなければいけないという意味では、これもまたコミニュケーションではなかろうか。ってことはつきつめていくならば、結局相手のことと自分のことを考えたコミニュケーション能力を、ということか?
戦闘は火力。火砲は大口径。船は巨大。そんなあなたにおすすめなのは第一次世界大戦の海戦。大艦巨砲の戦艦が正面切って殴り合った最大にして最後の戦いです。そんな時代でありながら、和書では第一次大戦の海戦を取り扱ったものはそれほど多くないですな。そんなわけで買ってみました。死闘の海―第一次世界大戦海戦史(三野正洋/古清水政夫 光人社NF文庫)。第一次大戦の個々の艦艇やら海戦にまつわる話しを多く収めているのでなかなか面白いです。ただ、文庫300ページに入る内容はやはり限界があるわけで、項目のいくつかは数ページで終わってしまっている。残念といえば残念。
読もう読もうと思って置いておいた天涯の砦(小川一水 早川書房)読了。朝電車で最初の一ページ目を開いて、家に帰ってきて夜寝る前に読み終わる。読んでいての盛り上がりはいつもながら引きずり込まれる、というもの。冒頭の崩壊への課程と直後から始まる一連の流れは読んでいてぞくりとさせられるところが一杯。最後の一連がネタバレなしで言うと、あの人がそんなことを! という盛り上がりがちょっと、ちょっとだけご都合主義にも見えてしまい少しもったいないかなぁ、という気もしたけれど、読み終わった感覚はそれを忘れさせるもの。毎度毎度ながら楽しませてもらえる作品です。
今日はチョコレートの日でしたね。それが何か?