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 「親爺ののれん」営業記録 

■ 1997年12月 

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■ 親爺 (12月13日)■

思ったとうりお便り来ません。やっぱこういう試みは期待するだけ無駄だな。原八つぁんの言うとうり反応が無いものとしてやっていくのが正解だな。

■ 親爺 (12月20日)■ ある日のメール

こんちは、ちありさん。ごとう@ふんでぃんぐすばなです。現在製作中2、見ました。1/20、いい響きだ^_^;このスケールにしては驚くほど、右手なんか、きれいですねー#右手首の解釈は悩ましいけど一点、気になったのは臍から股に掛けての間延びした感じなんですけど、最近流行の系統ではもう一寸短くまとめるのが標準ですよね?

むかしから、アニメにおける身体の部分比率と実際の人間の身体比率といずれを優先するかについては、悩むものがあったのだけど、身体上のランドマーク(たとえば内くるぶしと外くるぶしとか)の「相対的」な位置(順序、というべきですか?)については実際の身体に基づいて、その間の比率については、アニメでの設定に基づいて、というように処理してきたつもりなんですが、これだと結構整合性に齟齬をきたすこと多いからなぁ.... 比率取りでなにか工夫している点があれば、教授願えませんかね? (<虫のいいお願い^_^;)#ところで、これ、なんのキャラ?^_^; 最近の動向にはうとくてー^_^;;;

後藤 謙治,http://cgi.din.or.jp/~galzar/

 

ちわっす。結構長くなっちゃいました。今回のはポーズもパーツ分割も先方からの指定有りなのであまり深く考えることはしなかったっす。絵にそって形だけ追求しました。でも普段からこのぐらいの彫刻は盛り込んでいるので得に苦ではありません。

『臍から股に掛けての間延びした感じ』については、まあ、私のデフォルト体型に近いっちゃ近いんですけど、私のスタンスとして元絵にはなるべく近ずけている訳なので、元絵もこんな感じです。元絵見て下さい。これは某シミュレーションゲームでロボットのパイロットが全員女って言うやつです。で、そのロボキットのおまけなんです。キャラはスレンダー系でシャープな線で、肉の流れとかちょっとリアル系にふった感じなんで最近流行の絵柄(それを標準と呼ぶのはどうかな、と思いますが)ではないですね。

腰回りに関してはでかいケツは美しくならないので苦手(というか
不許可)ってのもありますが(腰を四角で考えると縦線を短くすると横幅が広くなる=でかいケツに見える)今回のようなハイレグなデザインの場合、腰骨(腸骨稜っていうんですが)の位置を下げるとハイレグがハイレグにならないので調整しています。例えばラムちゃんのようなウエストから腰、太ももにかけて短い距離で極端に膨らむデザインの場合、腸骨稜に引っ掛けるハイレグをはかせても角度がとれないのであまりハイレグ効果が出ないっていう事です。そのうえむずかしい。

アニメとリアルの融合に関してはそのキャラによってアニメ系にリアルな部分を取り入れるのとリアルなキャラにアニメ的デフォルメを入れていくのと大雑把に言えばこの二つの方向に別れると思います。たいていは前者ですか。前者のばあい、基本はアニメ体型なので関節の位置やパーツの長さ、大きさ、ボリュームなんかはアニメ体型のまま、アウトライン、シルエットのみを追いますね。この辺が荒削りでのいわゆるラフ出し。ここが重要。で、コレをやっときゃリアルっぽく見えるポイント、ってのが有る訳で、鎖骨回りとか、わきの下に肉は付かないとか、ひじの内側とか手首のくるぶし?とか、ひじから手首への肉の流れとか、ひざ下の骨、肉の流れとかひざ裏の感じやふくらはぎの内側と外側の肉の付き方の違いとか。そこら辺をシルエットを崩さない程度に盛り込んでいく訳です。こんな感じでやってますがどーすか。

この辺は一度でも筋肉質のキャラを正確に造って理解すれば、次からの作品がぐっと変わってくるはずなんですがあまりやりたがりませんよね。実際造ろうとすれば資料も買わなくちゃいけないし半年掛かりになるでしょう。でも長い年月造りつづける気が有るのならその年数のうちの6ヶ月ぐらいは勉強に当ててもいいんじゃ無いかと思いますけど。(まあそれが役に経つ程造り続ける人はあまりいないですかね。)

、間違ったリアルの取り入れ方ってのも有る訳で、◯◯◯◯の・・・(以下略)

赤のれんの親爺,cyclone@big.or.jp


あまりにもねたが無いんでこのコーナー当てではなかったのですが、載っけちゃいました(許可済み)。ただし、友人だからこういうメールのやり取り(多少加工済み)をするのであって、見ず知らずの人に対してメールでこんな事は書きません。このコーナー内では別ですが。それにこのコーナーでは技術的な事柄はあまり扱いませんので・・・。

■ おいちゃん (12月24日)■

さて・・・「10大ニュース」は『近所に模型屋ができたこと』です。そこの店はミニ四駆とガンダムが主体の品揃えでガレージキットもほとんどなく、個人的にはあまり用のない店ですが、小学生が模型を買って店先で遊んでる姿を久しぶりに見て少しほっとしました。ここ数年スケールモデル業界(←長い)は、ミニ四駆に頭の上がらない状態ではないでしょうか。少しここのペエジのジャンルから離れているかも知れませんが、模型はやはり今でも子どもの物であるべきだと私は思います。模型店に子どもやビギナーのお客が来てこそこの業界は成り立っていると思います。この模型店には定期的に顔を出し、商品を買うようにしています。せっかく出来たお店ですからなくなってほしくはないです。ただ、『プラモ作って次はガレージキットにステップアップ』という図式は崩壊して久しいのかも知れません。フィギュアは益々「アニメグッズ」的な位置づけになるはずですが、私はガレージキットは「プラモとは格の違うハイクラスな模型」としてぜひ今後も残していってほしいと願っています。

 このフィギュアブームのなかでガレキがおかしな方向に進んでいかないようにお客としてできることをしていきたいです。

 非常に固い言い回しになってしまいましたが今月のモデルグラフィックス(フィギュア特集)を読む前に一言考えてみました。

■ 親爺 (12月25日)■

そうですね。もうプラモもガレージキットもガシャポンもアクショントイもソフビ完成品も着せ替えドールもキャッチャー物も同一線上に並べられた、並べられてしまった状況では完成品サンプルと同じものを得る為には相当のテクが必要なGKはどんどん立場が無くなるんじゃないですかね。 それでもGKにこだわる理由は大量消費されるグッズではないからです。作り手側の気持ちをダイレクトに伝えるにはGKが一番のはず。気持ちの入ってない工業製品ではないんですよGKは。どんなかたちであれ愛が入ってないGKはダメだ。と言う訳で私はもうダメダメです。

■ 伊藤 宏之 (12月30日)■

モデルグラフィックス'98/2 特集『美少女フィギュアシンドローム』を読んで。

 私自身は自分は『美少女フィギュア原型師』ではないと思ってるので、当事者ではないですが多少かすってるのでちょっと感想と、横やりを入れてみたい(ただの原型屋が文章屋に横やり入れても言いまかされるのは目に見えているのだが)。

ランキングなど記事として載せるべきではなかった。

 前書きとして『ここ一年間の活動を元にし権威も何もない』と書かれている。たしかにそう言う割り切り方をすればこのランキングに対して特に異存はない(多少順位に関して違いはあるものの)。が、そこまでちゃんと読み、その意味を読み取ってくれる読者が何人いるのか(そこまで細かく読んでる人間は仕事で関わってる人間ぐらいしかいないと思うよ)。モデルグラフィックスという、美少女フィギュアを写真の紹介だけで済まさずきちんと取り上げてくれる、数少ない模型雑誌でこういう記事を掲載すれば、権威はなくともそれなりの影響力があるって事は分かっているはずだ。その影響力を見越した上で「こちらの意図と違う捉え方をしたのは読者の勝手」と逃げ道を作っておいての確信犯的なやり方がいやらしい。

 いままでこういう取りあげ方をしなかったのはタブーとかではなくする必要がなかったからだ。これからもそんな必要はない。
あえて挑戦しなくてもいいってば。ランキングというものはユーザー側が決める事であって、メディア側から与えるものではないはずだ。確かにメディア側から見たランキングという物も存在するかもしれん、しかし今回のものは特集担当スタッフたった二人によって決められたランキングだ。個人的なコラム中で書く分にはよしとするが、ここまで大きく取り上げていいものではないだろう。自分がつけたランキングに絶対的な自信があってもこりゃまずいっすよ。同人誌やホームページじゃないんだからさ。

 この記事でモデルグラフィックス誌は多くの美少女フィギュア原型師を敵にまわしたのではないか、「どうせおいらはベストテンに入れない三流原型師ですぅ〜、ワタシになんか仕事を振らないでベストテンの先生方に作ってもらえばいいじゃないですかぁ〜」という事にもなりかねない(まあ十人いれば間に合うんでたとえそうなったとしても困る事はないわな)。たとえ署名入り記事であっても、こうして掲載した以上、モデルグラフィックス誌の総意であると取られても仕方がないのではないか。

 たとえ元編集長だと言っても今は外注ライター。いいのかここまでやって。もっと別のやり方ができると思うんだがなあ。あの人は。十数年の付き合いがあるが変わらんなあ。変わったのは痩せたことぐらいか・・・(←まだ言ってる)。


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