July 29,1998


vol.6









Flowerpot Men / Let's Go To
San Francisco




Sweetest Syrup Of All Platinum
vol.1 Soul Je T'aime
(ちなみにデザインは、大嶽好徳)




Dr. York/New

他にも、
ゾンビーズ、ニルヴァーナ、
モンキーズ、ファースト・クラス、
クロディーヌ・ロンジェ、
クリス・レインボーなどを
リリースした。

センチュリーからの、あやしげな追伸
P.S. I Love You


 演歌を専門とするセンチュリー・レコードは、八代亜紀という大黒柱を失ってから精彩を欠いてしまった。 しかし、洋楽部門では、1988 年前後から数年間、Gコレクションを始めとするジャズ・アルバムのオリジナル仕様の復刻シリーズが、 ジャズ・ファンに高い評価を得て、センチュリーの別の一面が注目された。

Barney Kessel / On Fire
ジャズばかりではなく、大手レコード会社が契約していないポップスやソウル系のマイナー・レーベルの ワンショット契約を積極的に行ない、ソフトロック・ブームの先駆けとなるようなCDもリリースしている。 ただ、オールディーズのオムニバスCDの中には、あやしげと思われても仕方のないような権利関係の曲も いくつか発見できたが、センチュリー・レコードが不正を行なったというわけではなく、音楽ビジネスの 複雑さの現れと思われる。
 そのセンチュリーからリリースされた「P.S. I Love You」も少々あやしげと云わざるを得ないCDの1枚 であった。ビートルズに、同名の曲があるが、「P.S.」は、文字通りの「追伸」と、フィル・スペクター のイニシャルのふたつの意味を掛けたものだという。しかも、アルファ・ムーンのスペクター・ボックス の発売予定日の数カ月前にリリースするという、したたかさ。幸か不幸か、ボックスは発売中止となり、 この「P.S. I Love You」で我慢したという人もいるかもしれない。
 さて内容だが、20曲中14曲がスペクター・ファミリーで、残りの6曲はデキシー・カップスとかジーン・ ピットニーなどのこじつけ的な曲で埋められている。20曲すべてスペクター・ファミリーの曲で埋めたかったものの、ライセンスを受けているS.J. Musicのカタログには 全部揃っていなかった、ということらしい。
 それはいいとして、問題なのは、ボビー・ソックス&ザ・ブルー・ジーンズの「ジップ・ア・ディー・ドゥー ・ダー」、クリスタルズの「ダ・ドゥ・ロン・ロン」の2曲が、70年代後半に再録音された音源が使用され、それが どこにも明記されていないことだ。付け加えると、デキシー・カップスの「愛のチャペル」も再録音である。 これらは、おそらくアメリカの”グッド・サウンド・ファクトリー”という原盤会社が75年から81年にかけて 行なったオリジナル・アーティストによる再録音と思われる。今となれば、これはこれで貴重なものである。
 また、解説に一カ所、中学生レベルの誤りを発見できる。”アネット・クラインバードも「アリビ」という シングルをアネット・バードの名で リリースしたりもしているが、話題になることもなかった。”という部分。 「アリビ」ではなく、 「アリバイ/Alibi」だ。
 そして、とどめは曲名の表記。「リヴァー・ディープ・マウンテン・ハイ」が「ディープ・リヴァー・ マウンテン・ハイ」となってしまっている。デザインも手抜きといえるが、こういう基本的な注意を怠ると、 バッタCDと勘違いされかねない。
 珍品には違いないが、コレクター・アイテムとなりうるか、というとやっぱりあやしい。



このページは、Peggyさんのご意見をもとに構成しました。




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