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June 08,1998 |
vol.2 |
(1981,Mastian Records) |
伝説のスタジオでカヴァーした ニュー・ウェイヴ・バンド、ウィッグス ニュー・ウェイヴ・バンド、ウィッグスは、スペクターの名曲「To Know Him, Is to Love Him(会ったとたんに一目ぼれ)」(The Teddy Bears,1958年)を1981年にカヴァーしたが、そのレコー ディングに選んだ場所は、なんとハリウッドのゴールドスター・スタジオだった。しかも、エンジニアは、 テディー・ベアーズの録音に携わったスタン・ロスである。23年の時の流れは、サウンドをまったく変えてし まったが、素朴さという意味では共通しているかもしれない。 まもなくして、ウォール・オブ・サウンド発祥の地であるゴールドスター・スタジオは閉鎖 され、追い討ちをかけるように84年3月にスタジオの在った建物は火事のため消失してしまった。 ウィッグスをプロデュースしたの は、ダンとデイヴィットのケッセル兄弟で、彼らは、名ジャズ・ギタリストであるバーニー・ケッセルの息子たちだ。バーニー・ケッセルは、スペクターのセッションではレギュラー・ミューシャンのひとりであるばかりか、スペクターがギターを覚えはじめた10代の時に、師と仰いだ人物でもあった。そして、スペクターは、ケッセル自身のレーベル「エメラルド・レコード」の設立にも一肌脱いだ。 ダンとデイヴィットは、一時期スペクターの従者兼ボディガードとなり、ともに行動していたこともあった。スペクターとの直接係わりのなかったものは、ウィッグスだけということになる。もっとも、レコードにはその ような過去の経緯は何も刻まれていない。 |