ネット上に流れた、押収されたマスター・テープの写真。

April 01, 2003

スペクター事件、押収品の中に未発表作品が!

 AF通信は1日、米カリフォルニア州・アルハンブラの地元警察が、スペクター邸からの押収品の中に未発表作品と思われる何本かのマスター・テープがあったことを非公式に認めたと伝えた。これを受けて、カリフォルニア州連邦裁判所のサルヴァトーレ・ボーノ判事は、マスター・テープを直ちに公開するようにスペクターに進言した。判事は、40年来のスペクター・ファンを自認しているため、スペクターの音源を管理しているアラン・クラインは、公私混同も甚だしいと不快感を示したが、「時が時だけに、従わざるを得ないだろう」とコメントした、ということである。








Suzanne Doucet
Sei Mein Baby
(Interphon IN-7704)








Reference Library

April 05, 2003

ドイツの壁は鳴り響く!

 上の記事はエイプリル・フールで、ちょっといたずらしてみようと試みましたが、いかがでしょう?いかんせん、英国BBCとは比べ物にならない稚拙なホラ話でしたので、信じたかたはいなかったと思います。ま、クスッとでもされたのであれば、一応成功とさせていただきたいのですが(^_^ゞ。

 さて、先の3月21日に 東京・新宿LOFTプラスワンで行われました「★ナイアガラまつり・番外編!★フィル・スペクターNIGHT〜タイホしちゃうぞ!〜」に、わたくしもスペクター系家頁の主でもあることですので、重い腰を上げ、しかと覗いて参りました。いやはや、すんごい盛況でございまして、入場できないかたもいたという話も、後から漏れ聞いております。午前中から並びはじめ、整理券が配られたというほどで、さすがスペクター・スキャンダル効果!と思っておりましたところ、どうやら参勤交代よろしく大瀧ナイアガラ幕府の忠誠心の現れのようです。こりゃまた失礼いたすところでござった。

 というわけで、その「ナイアガラまつり・番外編!」の中で、スペクター作品の英語以外のカヴァー曲が2、3紹介されました。ほんの冒頭10秒ほどだけでしたが、「Be My Baby」のドイツ語ヴァージョンもかけられましたのでございます。これは、ウォール・オブ・サウンド・イミテーションとしてなかなか面白いデキなのではありますが、サビの直前で針をあげられてしまい、欲求不満になったかたもおいでかと思います。そこで、まるまるお聴かせしましょう、と考えた次第であります。けっして、エイプリル・フールの続きではございません。
 歌っているスザンヌ・ドセットは、日本では当時も今も、ほとんど知られることの無いシンガーですが、お国ドイツではシンガー・ソングライターとして注目を集め、17才で、すでにポップ・スターの座にいたといいます。また、いくつかの米国のカヴァー・ソングを歌いヒットさせてもいるようで、この「Be My Baby」は、ナンバーワンの大ヒットを記録したとのことであるそうな。その後、作曲家、プロデューサーとして活躍し、1983年になると米国に移住して、今はOnly New Age Music, Inc. およびThe International New Age Music Networkの創設者で社長を務め、音楽マーケティング・コンサルタントとしても忙しい日々を過ごしているそうです。

 ほなわけで、サウンドにご興味のお有りのかたはReference Libraryのトビラへ(^o^)。






Ike & Tina Turner
River Deep-Mountain High
(London HAU-8298)

本邦初公開?の裏ジャケ!!スタジオで居眠りしているミュージシャンはだーれだ?

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なぜか本人のヴァージョンは75年にレコーディング。

April 24, 2003

毎日泣かなきゃならぬとは、な〜んでか?

 巷で人気の 『テツandトモ』の「なんでだろう」ではなく、ここはやはり、『堺すすむ』流に「な〜んでか」であります。な〜んでか?オチが出来へんさかい、先へすすむわ(≧∇≦)ノ彡

 さて、アイク&ティナのシングル「リヴァー・ディープ・マウンテン・ハイ」のチャート・アクションの低迷で、フィレス・レコードは彼らのアルバム発売を見送ったわけですが、これは米国でのお話でして、海を渡った英国ではシングルがトップテンに入る快進撃を示し、晴れてアルバムも発売されたのでした。ジャケット・デザインはA&Mの再発とロゴマークを除いて同じですが、収録曲が再発では1曲差し替えになっています。差し替えは些細なことでしかありませんが、問題はステレオでのみの再発ということなのであります。ステレオというと、わけもなく得した気持ちになるのは、わたくしもご同様でございます。しかし、フィレス時代のステレオは、「福引きで2等ママチャリ大当たり!」みたいに、嬉しいけどありがた迷惑かもね、という複雑な思いを引きずるサウンドであるのも事実なのであります。で、Back To Monoのセットには収められなかったアイク&ティナの曲がいくつかあります。そのひとつに、わたくしの好きな「Every Day I Have To Cry」があるではあ〜りませんか。これをモノで聴けぬとは


スティーヴ・アレイモの瞳は
ブルーではないみたいだが

泣ける思いよ、とのファンの声も何処ともなく聞こえて参りました。聴かせてあげよう、ホトトギス。スクラッチ・ノイズに愛をこめてでございますm(_ _)m。

 「Every Day I Have To Cry」はブルー・アイド・ソウル・シンガーのスティーヴ・アレイモにより1963年に大ヒット、スタンダード・ナンバーの仲間入りを果たし、オールディーズ・ファンのマスト・アイテムのひとつとなっております。彼は、一連のヒット曲を出したのち、単なるシンガーにはとどまらず、音楽出版社の経営、エージェント、マネージャー、映画スター、TVタレント、ソングライター、プロデューサー、レコーディング・スタジオおよびレコード会社のオーナーとフィル・スペクターもびっくりの肩書きでございます。

 作詞作曲は、R&Bシンガー、アーサー・アレグザンダーであります。R&Bといっても、アーサーは、ややポップよりの歌手でカントリー・ソウル・クルーナーとも呼ばれているようです。自作のデビュー曲「You Better Move On」は、彼の代表曲と知られるばかりか、マスル・ショウルズ・スタジオからのヒット・アーティスト第1号としてもその名を残しています。また、彼のヒット曲「Anna」はビートルズもカヴァーしていて、おなじみでございましょう。アーサー・アレグザンダーは、惜しくも1993年6月9日、53歳で他界してしまいましたが、今もわたくしのフェバリット・アーティストのひとりでございます。
 ほなわけで、サウンドにご興味のお有りのかたはReference Libraryのトビラへ(^o^)。



April 29, 2003

Hold On Baby!!

おまたせしました。アイク&ティナの「Hold On Baby」のMONOヴァージョンをアップしました。お楽しみください。現在は、削除されています。

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Everything Under The Sun


Associated Recording Studios


Bell Sound Studios

音源を提供してくださったDavid Young氏とSpectropop極東調査員Ms.Kにお礼を申し上げます。
レーベルの画像は、Spectropopより無断借用m(_ _)m。

May 27, 2003

There is nothing new under the sun.

 旧約聖書『コヘレトの言葉』に「かつてあったことは、これからもあるだろう。先になされたことは、またなされるだろう。この世に新しいものは何もない(There is nothing new under the sun.)。」てぇなことが書かれておられるようでございますが、わたくしの教典は「スペクター様がなされたことは、またなされるだろう。この世に新しいものは何もない。」と申しております。教典のくだりはもちろんジョークですけれど、大滝詠一の新譜「恋するふたり」が、フランキー・アヴァロンの「Togetherness」の一節を思わせるところがあったりで、懐かしいメロディとサウンド、さらに、てれを誘う新味のない歌詞もともなって、和みの佳曲であることを考えると、まんざらでもなさそうです。
 それにしても、豊饒なストリングスのナイアガラ・サウンドは、スペクターというよりもマントヴァーニですなぁ。マントヴァーニといえば、ご存知カスケーディング・ストリングス、つまり、“滝”つながりでございました(≧∇≦)ノ彡

 さて、本題である当掲示板に書き込まれたリクエスト「Everything Under The Sunが聴きたいぞ、アイク&ティナ・ターナーのやつ」にお応えしたいと存じます。枕が長いのは、Spectropopに寄稿されているDavid Young氏による「Everything Under The Sun - Tina Turner」に詳しい話が書かれているからであります。わたくしのつまらぬ受け売りは必要ございません。とはいえ、何も触れないのもナニですので、ちょこっと引用を。

 Associated Recording Studios 版とBell Sound Studios 版との違いは、ほとんどないといってもよいのですが、唯一、1分30秒あたりに大きな違いが見られます。間奏に続いてコーラスがはいるのですが、Associated Recording Studios 版では、このブレイクにTinaの "You're my"というフレーズが聴けるのですね。取り忘れたといっても良いかもしれぬ、やや不自然な感じであります。ここんところを聴き分けていただければ幸いでございます。
 
 ところで、この「Everything Under The Sun」のオリジナル・アーティストは誰かと問われれば、ロネッツといいたいのでありますけれど、残念ながら1976年になるまで日の目を見なかった録音でございました。ということで、一般的にはウォーカー・ブラザーズとなっているようです。邦題は、「二人の太陽」といいまして、本来の意味としては何か変な感じもしますが、ムード的にはLOVEを感じますし、GOODといってよろしいんじゃないでしょうか。67年夏に我が国でヒットしたということです。
 ジャッキー・デシャンノンも取上げておりますが、こちらはフォーク・ロック調と申しますか、いまでいうソフトロックな仕上がりで、一聴の価値ありと付け加えておきましょう。

May 30, 2003

空に太陽がある限り

 ジャッキー・デシャンノンの「Everything Under The Sun」を収録したCDをアマゾン、タワーレコードなどのネットショップを検索してみましたが、残念ながら見当たりませんでした。これは誠に遺憾なことです。というわけで、ジャッキー・デシャンノン版もライブラリーに収めました。
 また、CD化されているという情報のお持ちのかたは、ご面倒でもお知らせいただければ幸いです。CDにこの曲がない限り、ライブラリーに所蔵しておきます。

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ザ・スウィング・ウエスト
(Union US-579-J)









Sue Raney


All By My Self
(東芝EMI TOCJ-5417)

CDではなく、やっぱりLPサイズで眺めたいお風呂のレイニー





Alive And In Love
(Imperial LP-12323)

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June 27, 2003

雨が降り出す前にジャズでも聴こう

 そろそろ、梅雨明けも近いというのに雨の話題で恐縮です。雨にまつわる曲は数々ございますが、わたくしのお気に入りの1枚はGSのザ・スウィング・ウエストによる「雨のバラード」であります。10万枚も売れたというのにもかかわらず、グループのリード・ボーカルだった湯原昌幸が後年ソロに転じての再録音盤がオリコン1位の記録の陰にオリジナル盤のすばらしさが隠れてしまった感があり、誠に遺憾に存じます。シングル盤のジャケットを見ると、この曲はB面扱いでありますが。
 付け加えておきますと、彼らは「Be My Baby」をカヴァーしてたんですねぇ、こりゃ驚きです。

 では、僭越ながらわたくしのお薦めのジャズ・アルバムといえばスー・レイニーの「雨の日のジャズ」でありましょう。雷と雨音で始まり雷で終わるという、雨をイメージした曲を集め、と同時に彼女の名前を引っかけたコンセプチュアルなアルバムで、ジャズ・ボーカル・ファンには人気の一枚であります。ジャケット・デザインも素敵です。正直に申し上げますと、その昔、わたくしはスー・レイニーのことはまったく存ぜぬまま、ジャケ買いで、この東芝の再発アルバムを手にしたのでございました(^_^ゞ。
 スー・レイニー(1940年6月生まれ)は1957年、「When Your Lover Has Gone」でアルバム・デビューしましたが、ヘレン・メリル、ジューン・クリスティに通ずるハスキー系の歌声はとても17歳とは思えない落ち着いた雰囲気があります。「雨の日のジャズ」は彼女のセカンド・


スー・レイニー
雨の日のジャズ
Songs For A Raney Day

アルバムにあたり、1959年にキャピトルよりリリースされました。

 雨に打たれて冷えた身体をあたためましょう、ということなのでしょうか、(少々間を置いた1963年のリリースですが)サード・アルバムのジャケットは泡ブクのお風呂に入ってます。俗に「お風呂のレイニー」と呼ばれ、これまたマニアの間で人気があるようです。
 で、ここまでは正当なジャズ・アルバムでしたが、1966年インペリアルに移籍後にリリースされたレイニーの通算5枚目のアルバム「Alive And In Love」は、ジャズとは申せないポップなボーカル・アルバムとなってしまいました。時代的にジャズが売れなくなったことを考えれば、いたしかたない方向転換ですが、逆に今改めて聴き直しますとソフト・ロック的な視点で再評価されてもおかしくないアルバムに仕上がっているので、これはこれで正解なのでしょう。

 これだけなら、あえて取り上げるアルバムではないかもしれませんが、なんとプロデュースがフィル"殺人容疑"スペクターの高校の学友でもある元テディ・ベアーズのメンバー、マーシャル・リーブなのであります。こういう仕事もしてたんだぁ、でございました。そのリーブですが、2002年3月15日にカリフォルニア州ノースリッジでのFlames Cruise Nightに参加中、心臓発作のため天国に召されてしまいました。ハル・ブレインのホットロッド・アルバムをプロデュースしただけあって、車好きだったみたいですね。いや、テディ・ベアーズの三人とも車好きだよね。アネットは、MGかっ飛ばして崖から転落して大怪我をしているし、スペクターも数年前、コレクションのコブラを管理人の母親が勝手に売り飛ばしてショックを受けたというゴシップ記事が出てましたしね。

 てなわけで、雨にちなんだ曲ということで、このアルバムに収められたオリジナル曲「Before The Rain」を楽しんでいただきましょう。アレンジは「お風呂のレイニー」を担当しましたラルフ・カーマイケル。作者はレイニー自身と彼女のマネージャーであり旦那さんでもあるエド・イエリン、そしてラルフ・カーマイケルの御三方。ポップで高揚感のある佳曲でありますが、惜しむらくば曲の展開にもうひとひねりあったらよかったのにねぇ。
 ジャケットにミュージシャンの表記はありませんが、レッキング・クルーのメンツが参加していたとしてもおかしくはないでしょう。アレンジャーにはラルフ・カーマイケルの他にジーン・ペイジ、エディー・カラムの名前がクレジットされています。

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THE WALL OF HOUND
このサイト名の由来は、もちろんフィル・スペクターが創造したWALL OF SOUNDの語呂合わせです。 HOUNDには、マニアという意味もあるようですが、特に深い意図はありません。また、ぼくは吠えたりもしません。このサイトでは、そのフィル・スペクターの再認識と知名度の向上を第2の目的としたものです。(文責: 大嶽好徳)
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Links2/27/2001 更新
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