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・本艦は、防衛省立案による新防衛大綱に基づく第二次自衛隊再編計画の下統合幕僚本部第二部(海上自衛隊担当)によって計画されたものである。計画名称は「広域制圧型汎用超大型護衛艦」であり、秘匿名称は「第一号艦」であった。主任設計官は海上自衛隊技術本部本部長付補佐官、大山博士である。 | ・本艦の建造目的は、その計画名称にあるように「強力かつ広範囲の攻撃能力と強靱な防御能力を備え、かつ護衛艦隊旗艦の任に足る優れた指揮通信設備を持ち、緊急時には単艦にてあらゆる事態に対処し得る」艦を得る事にあった。セカンドインパクト後の人口減と海自そのものの縮小に伴って従来の艦隊単位での戦力運用が困難となっていた情勢から、このような艦が求められた事はある程度の必然性を持っている。ただし、一部で言われている海自上層部及び技術部のアナクロニズムの影響もまた否定できない(注1)。 ・本艦の計画当初、想定されていたのは基準排水量2万9千トン、満載排水量3万7千トン程度の蒸気タービン艦であった。しかし要求性能が具体化するにつれて慢性的に大型化し、更に「技術部門の一種の暴走」(当時の海上幕僚長付高級副官による)が決定的要因となって最終的には基準排水量3万7千トン、満載排水量4万6千トンというラインにまで膨れ上がる結果となった。蒸気タービンを主機とした場合更に大型化するのは確実だったが、石川島播磨重工と英国ロールスロイス社が共同開発した新型ガスタービン機関が予想以上の好成績を示した為、これを主機として艦のサイズを抑え込んだという。これにより、艦の加速性能や巡航性能、速力そのものも当初見積よりかなり高性能化し、これほどの大型艦にも関わらずその操艦が「感覚がモーターボート並に軽い」(「やまと」初代航海長、天龍二佐による)ものになっている。 ・本艦の主兵装は、艦の前後にそれぞれ背負式に配置された連装砲塔に収められた口径305ミリの15式電磁砲8門である。防衛技研でR砲と呼ばれていたものを拡大改良したもので、いわゆるリニアカノンやレールカノン等とは電磁誘導で弾体を加速して射出する、という基本原理において同じである。本砲の場合、九州大学工学部超伝導工学研究室が開発した新型の超伝導コイルの採用により従来の同形式砲と比べて格段に電磁誘導効率が向上しており、実戦配備された同種兵器としては史上初であり15式電磁砲を除けば現在も唯一のものであるドイツのラインメタル=ボルジヒ社製のゲレード10”ドーラ”の約8割の有効誘導砲身長でありながら射出初速で2倍以上の性能を得ている。有効射程はレーダーを使用した直接射撃で300キロ、間接射撃の場合は未確認だが「四ケタに乗るかも知れない」(防衛技研のR砲担当技術課長による)という。弾種は現在の所通常弾頭は徹甲弾のみだが、着弾速度と衝撃波による破壊力は小型の戦術核に匹敵する為問題は無いとされる。特殊砲弾としてはN2反応弾を弾頭にしたN2砲弾(15式特殊広域制圧弾)、同じくN2反応弾を利用した ・本艦は単独での幅広い分野の作戦行動を要求されており、その他にも様々な兵装を搭載している。対空装備としては艦首及び艦尾に各種誘導弾VLS(垂直発射筒)、艦橋両脇と煙突後部にゴールキーパー30ミリCIWSを備える。VLSからはスタンダードSAM、14式航空爆雷、及び対潜用兵装としてアスロックの射出が可能である。14式航空爆雷とは短時間の滞空能力を持たせた主雷体とその内部に格納された副雷体から構成されている親子兵器であり、主雷体に内蔵されたレーダーが動目標を検知すると副雷体を射出、遅延信管によって起爆するというものである。一発当たり半径500メートルの範囲をカバーでき、また副雷体にチャフやレーザ反射体を封入する事も可能である。また、艦橋後部両脇に2基ずつ13式対空荷電粒子砲が設置されており、連動射撃によって命中率ほぼ100パーセントの対空射撃を可能としているが、未だ冷却及び電力消費の問題を解決できていない為、最大速射時の射撃継続時間は120秒が限度とされている。 その他に、副砲として100ミリ連装速射砲を中央部両舷と二番主砲塔後部、三番主砲塔前部に計4門装備し、後甲板にはヘリコプター2機を運用できるヘリ甲板と格納庫を持つ。 ・本艦は防御装備として様々な新機軸を有する。最も画期的なものは世界でも初の実用化となる空間防御幕展張装置である。これはいわゆる電磁バリアーと称されるもので、艦の周囲半径300メートルに強大な電磁誘導場を発生させる。これにより、質量を持つ物質は強制的に帯電されられ進路をねじ曲げられる為、理論上エネルギー兵器を含むあらゆる攻撃を阻止する事が可能とされている。実用上問題となったのは防御幕の持続時間の短さだが、瞬間起動待機機構(ホットスタート機構)の導入により待機モード中は起動指示後約0.3秒で防御幕の展開が可能となった事で解決された。艦の形状は十分にステルス性を考慮したものであり、また主要部の防御には新開発の鏡面特殊複合装甲を採用しており、空間防御幕が作用していない状況における至近距離での核爆発(10キロトン程度)後も戦力維持が可能とされている(注3)。 ・本艦のセントラルコンピュータには、科学技術省・防衛技研の合同チームが開発したSHCC−015Sが採用されている。これは一部に有機体回路を組み込んだ大規模超集積型光コンピュータである。当初は人工知能の搭載も考慮されたが、信頼性重視の方針と部内での不要論(特に艦長経験者や海幕に近い筋からのものだったという)から防衛技研システム開発部がまとめ上げた戦術エキスパートシステムの改良タイプを運用する従来型のスーパーコンピュータとされている。「やまと」のセントラルコンピュータはこれを三基リンクさせたものであり、それぞれに違った要素が導入され常に対話演算を行うようになっている。セントラルコンピュータは艦の各センサー部とリンクしており、富士通と防衛技研の共同開発による戦闘支援システム「水鏡」によってアメリカ海軍の「イージス3」システムを遙かに凌駕する能力を発揮する。(注4) ・打撃護衛艦「やまと」BB-01 主要目 全長:247メートル 全幅:30.5メートル 基準排水量:37420トン 満載排水量:46280トン 主機:IHI/RR TFGT−073aガスタービン機関 最大出力:355000馬力(注5) 最大速力:35.5ノット(注6) 主砲:15式305ミリ電磁砲 連装4基8門 副砲:100ミリ速射砲 連装4基8門 その他武装:各種誘導弾垂直発射筒(2区画、各88セル) ゴールキーパーCIWS(口径30ミリ、4基) 13式対空荷電粒子砲(単装4基4門) ヘリコプター(2機。有事にはVTOL機の運用も可能) 乗員:490名 (注1):以上の記述は、「第三東京市戦役」以前に入手可能であった資料に基づいている。「統一戦争」後、本艦建造の目的は国連(SEELEと称される組織の実質的支配下にあったと言われる)軍及び第三東京市(SEELE隷下の特務機関NERVの支配下にあり、地下にはその本部があった)との戦闘にあった事が明らかになっている。「第三新東京市戦役」から「統一戦争」に至る経緯を述べるのは本稿の主旨ではないので省略するが、本艦の設計及び建造に日本をはじめアジア各国及び中東の技術者が多大な貢献を果たした事は確かである。 (注2):通常弾及びN2反応弾を利用した特殊砲弾は制式弾となっているが、更にこの他に「T弾」と呼ばれる特殊砲弾が存在したという説がある。本艦の公試運転中に病没した主任設計者大山博士が遺したノートにはこう記されている。 「新しい槍にT弾というコードを付けた。ラディヴが言うには、Tと言うのは「トリプラールダナ」、アスラの城塞都市三つを一瞬で貫いたというシヴァ神の光の矢の名、頭文字だという。いいセンスだと思う。確かに、これには全てを貫く必殺の矢の名がふさわしい」 この文書が一つの根拠となっているが、海上自衛隊はその存在を現在も否定している。ちなみにラディヴとは、本艦の武装関連の設計に多大な貢献のあったインドの科学者ラーマクリシュナ博士のファーストネームである。 (注3)本艦は船体構造の外板を兼ねている通常形式の装甲の他に、主要区画には更にその上に特殊装甲のプレートを貼り付けていた。これは完全鏡面加工された(その上に吹き付け塗装が為されている)ハイマンガンタングステン・超高分子無格子バナジウム・スーパーファインセラミック及びコンクリート焼結材によるコンポジット装甲であり、考え得るあらゆる打撃に対して非常に優れた防御力を示したと言われている。なお、この素材は現在製法が失われており、再現する事は不可能である。 (注4)以上は「やまと」用セントラルコンピュータの試作型(開発コード:Reinhard)に関する記述であり、実際に搭載されもの(開発コード:Wenli)に関してはほとんどその情報が外部に漏れていない為詳細は不明である。一説によると、「Wenli」の戦術演算能力は一部でNERVの「MAGI」システムを凌駕したという。 (注5)公称出力。公試運転時、過負荷全力で397000馬力を記録している。 (注6)公称速力。上記の過負荷全力時に40.9ノットを記録している。
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| 解説 ケンスケ「ふっ。す、すばらしい・・・・」 アスカ 「なにがよ」 ケンスケ「上の解説文は、この「やまと」にかんしておよそ話kっている全てを網羅してくれている。ここまでの解説文は、ほかのどのページにも載っていないだろう」 アスカ 「あったり前じゃない。この作品はここだけのものなんだから」 ケンスケ「それはいいっこなし。とにかく、この解説文を送ってくれた龍牙さんには感謝の言葉もないくらいさ」 (# 管理人注釈:この文書館の全ての艦船の解説は、龍牙さんにいただいています) アスカ 「? いまなにか聞こえたわね」 ケンスケ「きにすることはないさ。どうせ僕たちは、ここの世界の住人なんだから」 アスカ 「世は全てなべてこともなし、か。アンタには珍しい台詞ね」 ケンスケ「人は常に変わっていくものさ」 アスカ 「だったらいい加減艦船おたくは卒業したら?」 ケンスケ「いーや、これだけはゆずらん!」
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| ゆうなみ級「あやなみ」 基準排水量:4900トン 機関:ガスタービン 速力:32ノット 武装:127ミリ単装速射砲1基 ゴールキーパー30ミリCIWS2基 シースパロー短SAM&ASROCVLS(16セル2基) ハープーンSSM発射筒4連装2基、短魚雷3連装発射管2基 対潜ヘリ1機 同型艦:「ゆうなみ」「はやなみ」「しまなみ」「きしなみ」「たかなみ」「あやなみ」「いそなみ」「おきなみ」「すずなみ」「たつなみ」(後期建造艦6隻は「あやなみ」級とも称される) セカンドインパクト後に建造された初の汎用護衛艦。6番艦「あやなみ」からは船体が5m延長されて航海性能の向上が図られると同時に、形状の改正によってステルス性能の向上も行われており、改「ゆうなみ」級もしくは「あやなみ」級と称される事もある。10隻が建造され(うち5隻が「あやなみ」級)、第一・第二護衛隊群の中核となっている。 「はつゆき」級から続くガスタービン汎用護衛艦の直系にあたり、基本的には「むらさめ」級の拡大改良型だが、一層のステルス性能向上と省力化が図られており、大型化しているのも関わらず乗員は130名に抑えられている。直線と鋭い平面で構成されたスタイルと艦橋後部の大型ラティスマスト、2本の煙突といったアウトラインも「むらさめ」級を継承している(ラティスマストに関してはステルス性能の低下を招くとの批判があったが、海自技術本部によればその影響はほとんど無いという)。 事実上の海自の主力艦であり、護衛艦隊のワークホースとして十分な能力を持つ有力艦として内外の評価は高い。
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| 基準排水量:5300トン 機関:ガスタービン 速力:30ノット 武装:多目的VLS(合計180セル) ゴールキーパー30ミリCIWS2基 同型艦:「あまつかぜ」「たちかぜ」「しまかぜ」 「かぜ」級DDGの代艦として建造された防空護衛艦。合衆国海軍が一時期提唱していた「アーセナルシップ」構想を元に、徹底したステルス化、省力化と単機能化が図られている。乗員はわずか40名で、その外観は低い乾舷と平面的な船体、小さな構造物とあまりに特異であり、浮上状態の潜水艦を思わせるものとなっている。 本艦の任務は艦隊防空であり、兵装は甲板上至る所に配置された多目的VLSと2基のCIWSだけである。VLSはスタンダードSAM、シースパロー短SAM、ハープーンSSM、ASROCの運用が可能となっているが、そのほとんどのセルにはスタンダードが格納されている。単艦運用は考えられておらず、「こんごう」級イージスDDGや「しらね」級DDCなどとのデータリンクと管制によってはじめて戦闘が可能になるという割り切った設計になっており、よって常に「こんごう」級とペアを組んで行動することになっている。単艦ではほとんど物の役に立たないといわれるが、反面適当な運用下では恐るべき防空能力を発揮する特異な艦である。
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基準排水量:17800トン | 機関:ガスタービン 速力:31ノット 武装:ゴールキーパー30ミリCIWS4基 シースパロー短SAMVLS3基(各12セル) ハープーンSSM発射筒4連装2基、航空機約20機 同型艦:「ずいかく」「しょうかく」 海自初の空母。「おおすみ」級輸送艦の運用実績を元に建造された艦で、ヘリコプター及びV/STOL機の運用を目的としたいわゆる軽空母である。揚陸艦としての運用も考えられているが、浮きドック設備などを持つ訳ではなく、あくまで航空支援が任務となっている。 「おおすみ」級の面影を残した艦影は合衆国海軍の「ワスプ」級強襲揚陸艦やイタリア海軍の「ジュゼッペ=ガリバルディ」級軽空母に近い。比較的高い乾舷と大型のアイランド、全通型飛行甲板とサイドエレベーターを持ち、甲板前部は傾斜15度のスキージャンプ形式となっている。アウトラインはこの時期の海自艦艇の例に漏れずステルス性を意識したものである。武装はSSMを含んだ比較的強力なものであり、艦載機は通常V/STOL戦闘攻撃機12機、同早期警戒機3機、多目的ヘリ5機を搭載する(「ひりゅう」級航空護衛艦の就役により、編成の変更が行われる可能性もある)。
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基準排水量:48300トン | 機関:ガスタービン 速力:34ノット 武装:ゴールキーパー30ミリCIWS4基 シースパロー短SAMVLS4基(各12セル) 航空機約50機 同型艦:「ひりゅう」(二番艦「そうりゅう」は最終艤装中) 「ずいかく」級に続く第二世代の航空護衛艦で、太平洋戦争後日本が保有した初の正規空母でもある。従来の対潜掃討戦を主眼とした海自が真のオーシャンネイヴィとして総合的な戦力を持つべく計画された艦で、「ずいかく」級の就役直後、高麗海軍が「イ=スンシン」級軽空母(1970年代に合衆国が提唱した制海艦構想をベースに建造された。スペイン海軍の「プリンシベ=デ=アストリアス」級を拡大改良した艦と言える)二隻を就役させ、更にロシア海軍がモスボール状態にあった空母「アドミラル=クズネツォフ」を改装し「ウラジヴォストク」として再就役させ極東に配備したことに対抗する意味あいも強い。 設計は海自独自のもので、フルガスタービン機関、電磁カタパルト、徹底したステルス性能の追求など特徴が多い。アイランドは比較的大型で、強力な指揮通信設備及びフェイズドアレイレーダーを主軸とした新型防空指揮システム「水鏡(みかがみ)」を装備しており、その統制能力は「しらね」級DDCと同等といわれる。艦載機は約50機で、通常は戦闘攻撃機39機、早期警戒機3機、多目的ヘリ8機を搭載する。本級の計画にあわせて設計された三菱/スホーイVF−1Aはその就役が間に合わず、当面はマクダネルダグラス/三菱F−4EJ改2を搭載する。
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| 基準排水量:5600トン(「ひえい」は5400トン) 機関:蒸気タービン 速力:30ノット 武装:127ミリ単装速射砲1基、ゴールキーパー30ミリCIWS4基、シースパロー短SAM発射機8連装2基、ヘリコプター2機 同型艦:「しらね」「くらま」「ひえい」 かつて海自の中核だったDDH「しらね」「くらま」「ひえい」(「はるな」はセカンドインパクト時に大破、放棄された)を改装した艦。その名の通り艦隊指揮専門艦であり、個艦戦闘力はほとんど考慮されていない。同種の艦としては合衆国海軍の揚陸指揮艦「ブルー=リッジ」級がある。 徹底的に行われた改装により艦容は一変し、多数のアンテナと更に角張った構造物が目立つようになった。主要装備はフェイズドアレイレーダー、OTHレーダーをはじめとする多種多様なレーダーと強力なECM装備、通信設備、そして高性能の戦闘支援コンピュータである。一個護衛隊群規模の艦隊ならば楽にコントロールする事ができ、他の艦の戦術指揮をデータリンクによって代行する事もできる。各護衛隊群に一隻ずつが配備され、その旗艦任務にあたっている。
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| 基準排水量:5200トン 機関:ディーゼル/電動機 速力:水中28ノット 武装:588ミリ魚雷発射管8基 同型艦:「うずしお」(二番艦と三番艦が建造中、二番艦の予定艦名は「くろしお」) 海自がセカンドインパクト後に建造した初の潜水艦。先代「うずしお」級が全艦退役した為、その艦名を継承している。いわゆる葉巻型潜水艦としては「おやしお」級に続いて二世代目。 歴代の海自潜水艦としては最大の艦であり、生存性と活動持久性に重点を置いた設計になっている。最大の特色はバッテリーに水素燃料電池を採用した事で、これにより供給電力の強化及飛躍的な大容量化が実現され、速力も通常動力潜水艦としては画期的な28ノットを達成した。静粛性も海自が世界一と自慢するほどのレベルに達しており、更に艦の外壁には防磁コーティングされた遮音タイルが張られている為MADにも掛かりにくく、隠密行動中の本級を捕捉する事は極めて困難とされる。 問題とされたのは建造費の高騰であり、そのせいもあって通常動力艦としては世界最高といわれる性能を誇りながら本級はいまだ三隻しか予算化できておらず、就役しているのは「うずしお」のみである。 |