速攻!?エヴァンゲリオン






 LOAD:DATA.00「発端」 
 AD.2015 MAY.08 AM.08:05 TOKYO-3 蓮葉中学通学指定路....脇の裏通り





「やめて、やめてよ」

右、下、右下+パンチ(以下P)

グゥッ、メキ、グシャ、

3HIT COMBO 

「ああ........僕はやめてって頼んだのに」

強烈なアッパ−により天高く打ち上げられ星になった男子生徒を眺めながらシンジは朱に染まった拳をグ−パ−させる。ついでに言うとシンジの周りには数十人の男子生徒の屍が屍々累々としている。

「くっ、なんでわしがこないなガキに.....................」

その群がる屍の一体、黒いジャ−ジを着た男が息と言葉を切らしながら立ち上がる。額を汗と混じった赤い血が伝う。

「わ、わしは蓮中風紀委員長、関トウジや。こないな、こないな優男には負けるわけにはいかんのじゃあ」

「なっ、僕が一体何をしたって言うのさ?」

「ええい、だまれだまれ。お前がうちの中学に転校してから何回暴力事件が起きたか数えてみい。それにどれもこれもお前が絡んどる。わしは風紀いいんちょ−としてこれ以上見過ごすわけにはいかんのじゃあ。覚悟せいや、転校生」

下、右下、右×2+PPP同時押し

「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ、わしの右手が光って唸って悶え狂う。うっ、もう限界や。喰らえ、しゃぁいにんぐぅ、ふぅぃんがあ〜」

やたらと大きい声で叫ぶトウジ。その右手は彼の言葉通りに薄緑色に発光している。

「うわあぁぁぁ」

右、右下、下、左下、左+キック(以下K)

情けない悲鳴をあげるシンジ。だがシンジは頭を狙ってきたトウジの右手を的確な動作で左腕で受け流し、右手でトウジのジャ−ジの襟をつかみ背負い投げで地面へ叩き付けると同時にそのままみぞおちに肘を落す。

「ハァ、またやっちゃった」

さらなる返り血を浴びて立ち尽くすシンジ。





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 AD.2015 MAY.08 AM.10:25 TOKYO-3 蓮葉中学内、校長室


「緒方シンジ、十四歳、本校二年赤組生徒、委員会及びクラブ活動は本校転入二日目現在未だ無所属、成績中の上、体格きゃしゃ、性格温厚かつ内向的、特技家事、浴槽に入るときは右足から、趣味「格ゲ−」、尊敬する人「クワトロ・バジ−ナ」、好きなモビルス−ツ「ギャプラン」以上です」

おさげ髪の少女が三、四枚のル−ズリ−フに乙女ちっくな丸文字でつづられた報告結果を至って事務的に告げる。例えどんなにくだらないことであっても...............

「隅にでも「流派 碇流古武術、そして無敗」と付け加えておけ......................................」

男は机に肘で杖をつきながら妙に威厳のある声を少女に投げかける。その表情は顔の前で組まれた掌と趣味の悪いサングラスのためにうかがうことはできない。

「はい.......ですが校長先生、納得できません。この少年が最近続出する「男子中学生集団大虐殺」の張本人だと言うんですか?この男の子にそれほどの「力」があるとは.........見たところショタ受けする普通の子供にしか見られませんが。それにギャプランなんてマイナ−過ぎます。今時誰もわかりません。せめて百式、バウ、メッサ−ラ、ヤクト・ド−ガのようにメジャ−なものに.........」

目の前で異論を唱えるおさげ髪少女、生徒会副会長、岩尾ヒカリの言葉に男、校長はニヤリと笑いながら答える。

「いずれわかる。そうだろう生徒会保安諜報部長、レイ....................」

バタンッ

校長が言葉を言い終わる間もなく短めの蒼い髪をした少女が校長室へ飛び込んでくる。

「...........叔父さま、その変な役職名で呼ぶのやめてもらえませんか?とにかく、私が御体自ら調べた結果「男子中学生集団大虐殺」、その因子はこの緒方シンジに間違いないわ。普段は人畜無害どころか被虐的な顔してるくせにいざ「対戦」となると相手の攻撃を誘って無敵対空か当て身技ですべて無効化してそのままコンボに雪崩れ込む........とんだ策士ね。顔はカワイイのに.......」

「は、林原さん.............................(聞き耳立ててたのね。ついでに言わせてもらえばあなた喋り過ぎよ。レイというよりまるでリナ=インバ−スだわ。気をつけて)」

「とにかくここ最近の「男子中学生集団大虐殺」の原因は緒方シンジよ。一応は皆「正当防衛」に当てはまるけどね.......................つまり不良やらなんやらがこの緒方君にちょっかい出して自滅というかやられちゃったわけよ。ついでに今朝、自称私達生徒会のライバル、風紀の方も事態の鎮静化に乗り出したようだけどあっさりとやられたそうよ。ま、肝心の緒方君の方はふりかかる火の粉を払う、くらいにしか思ってないでしょうけど」

「そんな、この学校で生徒会に次ぐ戦闘機関の風紀委員会が?関は?関は?」

レイの言葉にヒカリは驚愕の声をあげるが校長は当然とばかりに口元をニヤつかせる。ちなみに生徒会と自称ライバル、風紀委員会とは犬猿の仲。といっても風紀委員会ごときはレイをはじめとする生徒会の最上級幹部の手ににかかれば「どん兵衛」にお湯を入れて待つ間に惨殺できるがそ−ゆ−ことはミもフタもないのでしょ−がなく生徒会最上級幹部の内でも「非力」な生徒会の副会長であるヒカリが下っぱを率いて毎朝毎晩、風紀委員会の長、関トウジと小競り合いを繰り広げているのだ。

「そんなに騒がないでよ。関なら蓮中通学路.B-21で保健委員会に無事保護されたって言ってたわよ。発見当時は虫の息だったみたいだけど..................ひょっとしてヒカリ、関のこと..............」

「え?い、いや、そんなんじゃないわよ。はは、私はただ......................」

レイの場にそぐわぬらぶ米な指摘に思わず顔を赤くするヒカリ。

「ただ、何?」

「ただ......................」

ますます顔を赤くするヒカリ。

「...........フ−ン、わかったもういいわ。あなたも色々大変ね。私情と公務の板挟みで」

「ちょっ、何勘違いしてるのよ林原さん!?」

思いきりうろたえるヒカリをよそにレイは忘れ去られた校長の方へ向き直す。

「フッ、わかったて言ってるでしょ、もう私は口出ししないわ。それにしてもあの風紀をたった一人で殲滅させるとは、彼が私達生徒会役員に匹敵する力を持つのは確かね。さすが叔父様の、いえユイ従姉さまの息子ね。」

「ええ−」

一人、ヒカリは衝撃的(?)な事実に声を高くする。校長、立木ゲンドウはそれを見てただニヤりと笑いレイはゲンドウの邪悪な笑みに嫌悪を憶える。

例え義理とは言え、こんなのと肉親だなんて........................................

そう考えたら自分なんかよりゲンドウの実子であるシンジが数段悲惨であるがそれは御愁傷様。レイはシンジを憐れむとともに今は亡き従姉の忘れ形見であるシンジとの対面に心を奔らせた。





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 AD.2015 MAY.08 PM.01:12 TOKYO-3 蓮葉中学、屋上 


柵にもたれ掛かり空を見つめるシンジ。表情が妙に艶っぽい。

父さんの学校、か..................まさかあの父さんがこんな学校で働いてたなんて........................昔はよく、「時が見える」とか「これが人の革新なのか」とか「世界征服?違うな、私が世界を求めているのではない、世界が私を求めているのだ。ちなみに世界制服だぞ」なんて真顔で言ってたもんなぁ。やっぱり人間って進歩する生き物なんだ。

「ハ〜イ、シンジ君。説明的なモノロ−グありがとう。どう、この学校にも慣れた?」

シンジが振り返るとそこには缶ビ−ルを片手に持った同居人の姿があった。三石ミサト、シンジの四年前からの保護者兼飼い主兼お姉様、現在はこのシンジの通う蓮葉中学の新任教師である。

「まだ.............ですけどミサトさんは慣れました?」

「ん?あたし?あたしはま〜ね〜、こっちには友達もいたし。それよりシンジ君もそんな顔してないで元気出しなさいよ。こっちまで暗くなっちゃうじゃない」

ミサトは魅力的な笑顔を浮かべながらシンジの背中を叩く。

「で、でも僕まだこの学校に入ってまだ二日目ってゆうのにもう三桁くらいの人数病院送りにしちゃったし..........................」

「..............シンジ君はなるべく怪我させないようにできるだけ努力したんでしょ?病院のお医者さんが言ってたわよ。「一見致命傷に見えるものでもすべて急所を外していた」ってね。それにそんくらいで済んだらイイ方よ。十五年前のことなんだけどあたしの知り合いでね、ちょっとした理科の実験の最中にポカミスやらかしちゃって世界の人口半分に減らしたくせに今ものうのうと生きてる女だっていんのよ」

「.....ミサトさん、それってまさかセカンドインパクト?」

「ええ、よくわかったわね−、さっすがシンちゃん。でもそれと比べたらシンジ君の起こしたものなんてち−さいもんでしょ?気にすることないわよ。あっ、ついでに今の国家の最高機密事項だから誰にも言わないでね」

ビ−ルを飲み干しながらミサトはシンジの肩に手を掛ける。

「ミサトさん............................(ミサトさん職務中にビ−ル飲んでいいのかな?)」

なんかイイ雰囲気で見つめ合う二人。

「..........................(それにしても、十五年前におこったってと言われてる大破局、セカンドインパクト、その原因が理科の実験の失敗事故だったなんて...........誰にも言えないや...........................)」

「................................(やった今日こそシンジ君を落せるわ、今までは後一歩という所であまんじていたけれど優しく迫ればイチコロだなんてやっぱ子供ね)」

その子供を四年間落せなかったミサトがシンジの唇に自分の唇を重ねようとした時、

HERE COMES A NEW CHALLENGER!!

「神聖なる学舎の屋上で不純異性こ−ゆ−とは捨て置けないわね。しかもそれが生徒×教師だなんて言語道断、問答無用、天涯絶壁、四面楚歌。たとえ天が許してもこの生徒会会長補佐、宮村=アスカ=ラングレ−が地の果てまでも追いかけて百の罰を与えたげるわ」

やたらと高いテンションで声を張り上げながら現れたのは炎のような赤い髪をした少女だった。右手をシンジ達に向けびしっと指差し左手を腰に当て端正な顔には勝ち気な笑みを浮かべている。

ごちっ

いきなりの乱入者の出現によってム−ドをぶち壊されて鈍い音を立ててぶつかるシンジとミサトの頭。

「っあいたたたたっ。ぬぅあにすんのよせっかくいいム−ドだったのに、あたしの四年来の悲願達成の邪魔をした罪は重いわよっ」

拳を握りそのはちきれんばかりの胸で威圧するミサト。だが赤毛の少女、アスカは動じることはない。

「フッ、それは..................」

下、右下、右+P

「アタシを倒してから言うのね!」

アスカの繰り出した稲妻のようなフックがミサトの胸をかすめた瞬間、

ビリビリビリッ、

ハレンチ学園よろしく引き裂かれるミサトの服。

「キャッ」

「!?」

慌てて胸を押さえながら地面に座り込むミサト。前かがみになったシンジの中を驚愕とともに熱いリビド−が走り抜ける。

「フッ、これぞ.....アスカスパイラル(惣流式百弐活、螺旋禍)」

アスカは右手にまとわりついたボロボロの布(元ミサトの服)を手を振って払い落とし、いぜん前かがみで硬直したままのシンジに視線を向ける。

「次ぎは、アンタの番よっ!このっ、すけべい男っ!」





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 AD.2015 MAY.08 PM.01:13 TOKYO-3 蓮葉中学内、生徒会室


「林原さん........あの噂、本当だったの?」

「あの噂?何のこと?ヒカリ」

言いにくそうに尋ねるヒカリにいぶかしげな目を向けるレイ。

「あ、あの、校長先生とその肉親だってこと..............」

「ああ......それね。別に隠してたわけじゃないのよ。ただ特別扱いされたくなかったから..........それにあの男の親類だなんて思われたくなかったし。そもそもなんであんなのが校長なんかになれたのかしら?いっつも冬月教頭と遊んでて仕事なんかしてるとこ見たことないし、学校に来てるのも女子の体育のブルマ−姿見に来てるようなもんだし..............だいたい何なのよあの「ニヤリ」は?」

「......................................」

あまりなレイの言葉に返答に困るヒカリ。

いいの?林原さん?いくら嫌ってるとは言え教師の悪口はいけないと思ふ.........

ばたむっ

ヒカリが何とかレイに声を掛けようとした時、勢いよく生徒会の男子生徒(下っぱ)が部屋に駆け込んできた。

「保安諜報部長、大変で.......」

どぉぐしぃ

男子生徒の顔にレイの蹴りとともに上履きがめり込む。

「だからやめなさいってその変な言い方はっ」

「..........あ、ハイ。すいませんそれがその.........緊急事態なもので..........」

「緊急事態!?」

がたっと椅子から立ち上がり問うヒカリ。男子生徒は顔についた赤い痣を気にしながらも言葉を続ける。

「ええ、それがその屋上にて現生徒会会長補佐の宮村先輩と例の「男子中学生集団大虐殺」の首謀者と思われる緒方シンジとが接触を行っています。現場には三石先生もいましたが現在は戦闘不能状態と思われます」

「林原さん!」

レイのほうへ視線を向けるヒカリ。

「ええ、いくわよヒカリ」

無言でうなずくヒカリ。次の瞬間、二人は生徒会専用校内直通移動用階段「ア・ロ−カ」へ向け駆け出していた。





 SAVE:DATA.00「Prologue」
 AD.2015 MAY.08 PM.01:13 TOKYO-3 蓮葉中学内、生徒会室





次回予告

「幸か不幸か蓮中生徒会「ネルフ」に目をつけられたシンジ。彼は(自称)生徒会最強のストリ−トファイタ−、宮村=アスカ=ラングレ−に勝負を申し込まれてしまう。その一方で日頃の冷戦下の対立が表層化するレイとアスカ。それはいずれ起こるであろうシンジ争奪戦への前フリなのか?」

次回「拳を極めし者」    つづく、のか? 」

   


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管理人(その他)のコメント

トウジ「しゃあああいにんぐ、ふぃんがああああ!!」

カヲル「・・・・なんだい、それは」

トウジ「なんや、しらんのか? こいつはセカンドインパクト前に日本で放映され、世界に一大ブームを巻き起こした「Gがんだむ」いうあにめの中で主人公がつかっとった必殺わざや。アニメでは飽きたらずに実際に流派が生まれたという伝説の・・・」

 ごしゃっ!

アスカ「大ウソをつくんじゃない! 何が世界に大ブーム? 流派が生まれた? あんなのは「がんだむ」じゃないわよ、「がんだむ」じゃ!!」

トウジ「・・・・うう、おれのこの手が光ってうなる・・・・・ばたっ」

アスカ「跳び蹴り一発で倒されるなんて、しけた流派よね」

カヲル「じゃあ、クワトロ・バジーナとか、百式とか、メッサーラとか、いったいなんだね、これは」

アスカ「ええい、無知って罪ね。クワトロ・バジーナは「初代がんだむ」で「赤い彗星」の呼称を持っていたしゃあ・あずなぶるが「ぜーたがんだむ」で名乗っていた偽名、百式はそのくわとろが乗っていたMS、メッサーラとかも同じMSよ」

カヲル「MS・・・・?」

アスカ「あああああああ、アンタそんなことも知らないの? モビルスーツよモビルスーツ! 人の格好した二足歩行型の戦闘兵器のことよ!」

カヲル「・・・・それはエヴァじゃないのかい?」

アスカ「そう思っている人もいるみたいだけどね。エヴァは人造人間。MSは完全な機械よ。外部電源なエヴァと違って核融合炉を持ってるし、暴走もしないしATフィールドも張らないし。いわば戦車や飛行機の延長版ね」

カヲル「ふうん・・・・物知りなのはいいけど・・・・どうしてそう、知識がかたよっているんだい? 君くらいの年齢なら、料理とかそう言うことを知っている方が当然なのに・・・・」

アスカ「うくっ・・・・(汗)」

カヲル「まさか君、オタ・・・・・ぐああっ!!」

 げしげしげし!!

アスカ「この事件は抹消! 誰も聞いていなかったのよ! いいわね!!」


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