新機動世紀 EVANGELION W

第1話:燃え尽きぬ流星

人々が造りだした大地スペースコロニー。 そこに人々が住みだしてから2015年が経過していた。 アフターコロニー1999年国際連合の手によってそれまで自由を得ていた各コロニー は国連の武力の前に支配される事となった。 しかし、一部のコロニー居住者が国連の陰に潜む「ゼーレ」と呼ばれる組織の存在に気 がついていた。 作戦名「スターダスト」そう名付けられた一部の科学者達が立てた対ゼーレ計画。 しかし、その計画はゼーレ実戦部隊「NERV」の知るところとなっていた。 AC2015、時代は新世紀を迎えようとしていた。 「お父さま、せっかくコロニーへ行ったのに何処も見て廻れないなんてつまらない。」 「すまんな、どうしても届けなければならない書類があるんだ。観光はまた今度にして  くれ。」 地球への降下軌道を取る一機のシャトルの中で一人の少女とその父親であろう男の会話 はなされていた。 「いつも仕事仕事、たまにはゆくりしてくださいお父さま。」 「すまんな。」 そういって少女は窓の外に目をやった。 同時刻 別のシャトルで 「きますかね。」 「奴らならやるわ。」 「しかし、うまく捕捉できますかね?」 「まあ、何とかなるんじゃない。」 「しかし葛城特佐の持ってこられたサキエルでは高速移動する目標を捕らえられないの では有りませんか?」 「問題ないわ。私のサキエルは十分早いから。それより日向特尉、えびちゅないの?」 「・・・・機内は禁酒です。」 「あっそ。」 国連特殊部隊「NERV]、実際はゼーレの配下にある実戦モビルスーツ部隊。 オペレーションスターダストに気がついたゼーレが派遣した軍事用シャトルでなされて いた会話の主は葛城ミサト特佐とその部下日向マコト特尉の物だった。 「しっかし、おっそいわねー。時間に正確じゃないとは女性に嫌われるタイプね。」 「特佐、レーダーに反応出ました。全部で5つです。」 「来たわねー、しかし5つすべての迎撃は無理ね。いちばん近いのは?」 「日本付近への降下コースのがいちばん近いですね。」 「そいつに狙いを付けるわ、いそいで。」 「目的地まであとすこし・・・!!、前方に障害物確認、排除する。」 葛城特佐のターゲットになったシャトルの中で一人のパイロットが呟いていた。 そして、その小型シャトルの前方がスライドして銃身を見せた。 同時に民間シャトルに乗る少女は窓の外に光を見つけた。 「シャトルなの?」 「まさかオペレーションスターダストか?」 そのころNERVの戦闘用シャトルは二機の先行するシャトルの後ろにいた。 「葛城特佐、民間シャトルがいます戦闘は避けないと。」 「そんなこと言ってられないわ。攻撃よ。」 ピー、ピー、 小型シャトルの中では警報が鳴り響いていた。 「後方よりNERV所属のシャトルの接近を確認。振り切れるか?」 誰に聞かせるでもなくパイロットは呟いていた。 「特佐、敵機加速しました。このままだと大気圏で燃えつきます。」 「自爆?いや違うわね。」 その時、小型シャトルと思われていた物はバラバラになった。 そして中から一機の戦闘機が出てきた。 「敵が投入してきた新兵器は戦闘機か・・・全砲門攻撃開始、敵は兵器の輸送が目的で はないわ。戦闘用パイロットも一緒よ、威嚇なんてしなくていいわ。」 しかし、その機体は軽々とNERVのシャトルの攻撃をかわした。 「やるわね。私のサキエルを出せる?日向君」 「無理ですね。あと少しで大気圏突入が終了しますその後ならいけますが陸戦用のサキ  エルよりも飛行タイプのシャムシエルの方が良いのでは?」 「私の腕なら大丈夫よ。」 「わかりました。あとでパラシュートユニットを取り付けさせますから。あと1分で出 れます。」 一方民間シャトルの中では 「ちっ、NERVめ、こんなところで始めたか。」 「お父さま?」 「いいんだお前は気にするな。幸い離れて行くようだからな。」 「あれは戦闘用シャトルですわ。なぜこんな所で・・・」 「気にするな!!」 「はい・・・・」 「すまん、少し気が高ぶったようだ。」 陸戦用MSサキエルにドーバーライフルを持たせてミサトは出撃した。 「ターゲット確認、ロックオン、ファイヤー!!」 三発発射したうち一発が先行する機体を捕らえた。 左の主翼に被弾したようだった。 「左舷推進システム被弾、やるな。」 そのまま、機体は急速に落下して行った。 「葛城特佐、後は我々飛行タイプのシャムシエルに任せてください。」 「じゃあ、相田軍曹よろしくねー(はあと)」 「はい、この相田にお任せを、行くぞ付いてこい。」 2機のシャムシエルは落下する機体を追った。 先行する機体を目で捕らえたときその機体に変化がある事に気がついた。 「相田軍曹どの。」 「どうした?」 「目標が、目標が・・・・変形しています。」 「なに!?」 「モードチェンジ、MS形態へ移行。」 折り畳まれていた手足を伸ばして変形した姿は背中にウイングをもつモビルスーツ だった。 「えーい、変形したからどうなるののではないわ。葛城特佐の前でうろたえるな。  攻撃開始だ。」 「了解」 二機のシャムシエルの持つパレットガンからの弾が正体不明のMSに吸い込まれていき 爆発した。 「これで終わっただろう・・・うっ!」 次の瞬間二機のシャムシエル型MSは塵となっていた。 「葛城特佐、見ましたか。」 「ええ、パレットガンによる攻撃をことごとくはじき返し、一発のポジトロンライフル で二機のシャムシエル型MSを撃墜したわ。日向君、こうなったらこのサキエルをぶ つけるわ。」 ミサトはパラシュートユニットを切り捨てさせるとビームサーベルを構えて突撃した。 「敵MS排除確認、・・・なに!?」 その時ミサトの乗るサキエルがビームサーベルで切りかかった。 正体不明のMSはかろうじてかわすがそのまま組み付かれてしまう。 ミサトはサキエルの自爆モードを作動させパラシュートで脱出した。 そのまま、二機のMSは海中へもつれて落ちた。 そのあと海中で爆発が起きた。 「日向君、回収してくれる。目標は海中に沈んだわ。後で探索するから座標確認お願  いね。」 「了解しました。」 そのころ、あの騒ぎに巻き込まれた少女を乗せたシャトルは宇宙港に着陸していた。 「すまんが私はこのまますぐ国連へ向かうお前は車でも捕まえてくれ。」 「大丈夫です。今日は天気もいいし歩いて帰りますから。」 少女は海岸沿いをゆっくり歩いていた。 「しかし、お父さまは仕事ばかりたまには・・・あら?」 少女は海岸で倒れている少年を見つけた。 14、5歳の線の細い少年だった。 「あなた大丈夫?」 少女はその少年を助け起こした。 「うっ・・・」 「気がついたの、しっかりしてどうしたの?」 その声を聞くなり少年は顔をかくして慌てて立ち上がって聞いた。 「み、見たのか?」 そのまま顔を隠したまま後ずさる少年に少女は声を掛けようとしたが先に少年が声を 掛けた。 「今日の事は忘れて、でないと君を・・・・・殺す。」 はっきりとした口調でそれだけ告げると背を向けて走りだした。 そして、近くで女の子をナンパしていたロンゲの男にいきなり肘うち、膝げりを決めて そのロンゲの乗ってきていた車を奪って走り去った。 その有り様を呆然と見ていた少女だったが走り去った後ろ姿に向かって話し掛けるよう に呟いた。

「私は霧島マナ。あなたは?」

翌日、マナは学校へ出た。 昨日の事を思い出していると、担任が教室へ入ってきた。 「今日は転校生を紹介します。」 そこに現れた少年はマナが昨日見た少年だった。 「碇シンジです。よろしく」 マナはその姿を呆然と見るだけだった。 「ねえねえ、マナ今日来た転校生結構いいと思わない?あんたの誕生日がもうすぐじゃ ない、さそっちゃえば?あんたも彼の事、気になるみたいだし。」 「そうね、彼の事知りたいし。彼を放課後屋上に呼んでくれない?」 「いいわよ」 放課後屋上 「なに、霧島さんだったっけ、用って?」 「明後日、私の誕生日なの。来てくれるわよね。昨日の事も聞きたいし。」 そういって差し出す招待状を受取ながらシンジはマナにしか聞こえないように話しかけた。 「これ以上関わる気なら、君を殺す。」 そう言うなり招待状を引き裂いた。 呆然とするマナを横目にそのままシンジは立ち去った。 「いかりくん・・・・・・ワイルドです・て・き。」 霧島マナ、純粋培養のお嬢様。 彼女に一般常識は通用しないのか? 同時刻、広島・呉 「隊長、敵襲です。黒いMS・・・・・・・ぐあぁー」 「どうした、なにが・・・黒いMSだとレーダーには何も・・・」 次の瞬間その隊長はMSごと切り裂かれた。 黒いMSのパイロットは黒いジャージで怪しい関西弁で呟いた。 「死ぬでー、わしを見た奴は。」 同時刻、北米大陸NERV補給基地 「くっ、強すぎる。」 「あんたバカあー、弱いくせに戦うんじゃないわよ!」 パイロットの青い瞳の少女の乗る赤いMSはサキエル型MSをけちらしていた。 「私はNo.1なのよ!!」 同時刻、中東 「この辺りにカプセルが落ちたんだな。」 「はいこの辺りに・・・・ぐあぁー」 「どうした。応答しろ。なんだあのMSの大群は・・・」 そのときスピーカーから声が響いた。 「これ以上は無駄な抵抗だよ降伏したまえ。」 しかし、隊長機としての誇りからか先頭に立っている白いMSに反撃をした。 「不必要なプライドは好意に値しないよ。」 その言葉とともに繰り出されたショーテルがNERVの隊長機を切り裂いていた。 「だから降伏すれば良かったのに・・・・」 パイロットの銀髪で赤い目の少年は一人呟いていた。 同時刻、ヨーロッパ、NERV用MS生産工場 「隊長、すさまじい弾幕で近ずけません」 「くそ、包囲して一気につぶすぞ。」 その動きを見ていた左手にビームガドリング砲を持ったMSのパイロットは呟いた。 「それは戦術的には正しいわ。しかし、あいての実力をはかれなかったのが敗因ね。」 そしてよりいっそう攻撃を激しくした。 10分後動けるNERV側のMSは無かった。 「戦術上障害物の排除完了。これより戦略上障害物の排除にかかる。」 赤い瞳を持つ少女はきわめて機械的に状況を確認していた。 2時間後、NERV本部 「司令、現時刻までに確認されたところでは敵は5機のMSだと思われます。  性能からみてもおそらくエヴァンゲリオニウム製ではないかと・・・・」 「・・・そうか、問題ない。下がりたまえ赤城上級特佐。」 腕を組んだポーズのままそれだけを告げると男は副官を下がらせた。 「ユイ・・・あくまで私に逆らうのか・・・・」 その独り言は誰にも聞かれる事はなかった。 「どういう事、日向君。」 「はい、海底を探索した結果、サキエルの物とおぼしきパーツは発見できましたがもう  一機のMSの物は発見できません。」 「つまり、至近距離でのMSの自爆にも耐えて逃げきったという事?」 「恐らくは。」 「そんなMS存在するわけないじゃない!!」 「いえ、可能性としてはエヴァではないかと。」 「エヴァ?」 「エヴァンゲリオニウム製MSなら可能性としてはあります。」 「でも、エヴァンゲリオニウムは15年前に失踪した碇ユイ博士しか作れなかったん  じゃないの?」 「そうですが、可能性としてはそれがいちばん高いかと・・・」 「しかし、NERVでも基本となるエヴァンゲリオニウム−αすら試作段階なのに」 「αは基本でしか有りませんからね。エヴァンゲリオニウムの特性は精神感応という 非常に特殊な特質を持つβ以降が本命みたいな物ですから。」 「シンクロシステムね。」 「そうです、パイロットとのシンクロによって通常のMSとは比べ物にならない反応速度 を生み出すシステム。しかし、碇ユイ博士の失踪によってその計画はほとんど実現して いません。」 「誰が造ったにせよAC195のガンダムの再来と言った所ね。」 「まったくです。しかし、名前が必要ですね。」 「そうね、敵と言えども名前が無いとやりにくいわね・・・・。」 「それならもう決まったわ。」 「リツコ!!いつ来たの?」 「ついさっきね、敵は今後あなたが戦った可変タイプをエヴァンゲリオン01、エヴァ  初号機と呼称します。」 「その言い方だと、他にもいるみたいね。」 「さすがねミサト。北米大陸に現れたエヴァをエヴァンゲリオン02、弐号機、広島呉  軍港に現れたエヴァをエヴァンゲリオン03、参号機、中東に現れたエヴァを04、  四号機、ヨーロッパに現れたエヴァを05としているわ。」 「全部で5機か・・・・ますますAC195の再現ね。」 「その通りよ、敵はAC195のオペレーション、メテオを参考にしているわ。」 「やっかいな事になったわね。それで、私の所まできたんだからそれだけって事は無い  わよね。」 「その通りよ、今ロールアウトしたばかりの新型をあなたへ補充するそうよ。」 「新型って?」 「エヴァンゲィオニウム−α製MS、アダムよ。」 「完成したの?」 「ええ、一機だけ、かろうじてね。マヤに調整を任せて有るから。今後はマヤもあなた の指揮下に入るわ。」 「リツコは?」 「私は本部に戻るわ。」 「そう、残念ね。そいじゃ受取に行きますか。」 次回予告 新型を受取に向かうミサト。 自分のエヴァを処分するべく動くシンジ。 そんなシンジに興味を持つマナ。 そして、現れたジャージ男。 次回「関西人と呼ばれたE」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 作者:どうも作者の京極堂、言います。 ?:おい。 作者:おやそこにいるのは相田ケンスケ、青葉シゲルの御両人。 相田:おい、おれのあの扱いはなんだ。 作者:ちゃんと台詞もあったでしょ? 相田:いきなり死んでるぞ? 作者:ああそれね、どうしてもキャストが足りなかったからね。大丈夫、脇役が必要な    ときはいつも使ってあげるから。 青葉:相田君。まだおれより良いじゃないか。俺なんか台詞無しでいきなりシンジ君に 肘うち、膝げり食らって車を奪われる役だぞ。 作者:まあ、君達は脇役の使いまわしぐらいしか役どころがなくてね。 相田&青葉:いやだー、やり直しを要求するぞー!! 作者:気が済むまで言ってなさい。出番があるだけ良いんだよ。 と、いうわけで元ネタは「新機動戦記ガンダムW」です。 そのうち、用語集なんかも御希望があれば制作しようと思っています。 実はキャストが不足しています。 誰かウチのキャラを使ってもいいよといわれる方、待ってます。


京極堂テイシュウさんへの感想はこ・ち・ら♪   



管理人(その他)のコメント

カヲル「京極堂さん、いらっしゃい。この分譲住宅へようこそ。僕は待っていたよ」

アスカ「ガンダムか・・・・ふっ。懐かしいわね」

カヲル「懐かしいわね、って・・・・君、仮にも14歳(2015年)の中学生が、20世紀に放送されたガンダムを「懐かしい」なんて・・・・実は、碇ゲンドウと同じくらいの年齢?」

どかばきぐしゃっ!!

アスカ「人の言葉尻をとらえて、よりにもよってあんな髭オヤジと同年代なのかなんて!! いい加減にその口を閉じなさい!!」

カヲル「もう。閉じさせているくせに・・・・」

アスカ「それはともかく、この霧島マナ・・・・まだ登場していないのに、結構先走って出てくるわね。しかし、なんで彼女がリリーナ・どーりあんなのよ」

カヲル「だって、チルドレンは全員エヴァに乗っているからね。まさか、伊吹マヤや赤木リツコにあの役をやらせるわけには行かないでしょう。レディ・アン=リツコならまだ納得できるけど・・・・」

アスカ「・・・・じゃGenesisQとかConfessionとかすちゃエヴァから人を借りてくるとか・・・・」

カヲル「贅沢を言わない言わない。まだ碇ゲンドウ=リリーナよりはましだろうに」

アスカ「・・・・おぞけが走るわ・・・・それは言わないで・・・・・」



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