碇食堂は今日も繁盛!!

Phase 4 偽赤翡翠





その後、碇家の客間では、ゲンドウ、ユイ、睦月、夏月の4人でこれから先夏月をどうするかについて話し合いが行われていた。

「・・・一緒に住みたいとは思うのですが、今の家が手狭なもので引越しをするまでどうするかが問題なのですが・・・。夏月がいた頃の家はもうないですし。」

「うちで引き取っても構わないが・・・。」

「いえ、そこまでしていただくわけにはいかないです・・・う〜ん・・・どうしましょうかね」

沈黙が続く・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「・・・ちょっと、いいかしら?」

ユイが、まるでハイっと手を挙げるような感じで切り出す。

「そういうことなら、うちの店、人手が足りないのよねぇ・・・・・・・。それに、夏月ちゃんは学校行かないのよねぇ・・・。(にっこり)」

「・・・・・・(汗)^2」

ユイはくるっと夏月の方に向き直ると、こう言い放った。

「夏月ちゃん、家に住み込みで働かない?」

「・・・・・・・・・・・・・・」

下を向いてうつむいたまま答えない夏月に、ユイは覗き込むようにして声をかける。

「・・・夏月ちゃん?」

「・・・・・・ん」

どうやら居眠りをしていた様子の夏月はそこではっと気が付き、顔を上げる。

「すみません、寝てました・・・。で、何か・・・?」

「こら!夏月、お前がこれからどうするのかっていう話をしてたんだろう!」

「そういえば、そうでしたね。」

おおぼけをかます夏月に睦月が説明しようとしたが、それをユイが止めて自分で切り出した。

「うちは小さいながらも食堂をしてるんだけどね、今丁度人手が足りないのよ。それでね、夏月ちゃんにお手伝いをして欲しいなぁって思ってるんだけど。」

上目遣いで夏月を見るユイ。

「・・・・・・はい、いいですよ。今のところはやることもないですし。」

何気無しに答えたが、実はそのしぐさにうっ、ときてたりする。

 夏月の精神構造はどちらかというと、男のものに近い。女性のいない家庭で育った上に、祖父に優れた剣術家となるように育てられたことを考えると、しょうがないといえばしょうがないことではあるが。

「じゃあ、決まりね。」

ゲンドウ、睦月がなかばボーゼンとするなか、ユイは娘がまた1人増えたといって喜んでいた・・・・・・・・・・。



「ええっと、夏月ちゃんの部屋なんだけど、屋根裏部屋でどうかしら。あそこなら、10畳以上は軽くあるし、窓も雨戸付きのが2つあるし、屋根の三角の部分はロフトになってるからいろいろと使えるでしょうしね。」

「・・・ふむ。掃除をすれば、下手な部屋よりはずっといいだろう。」

「それでいい?夏月ちゃん。」

「はい。」

「それじゃ、まだ体の具合が本調子じゃ無いでしょうから、今日はゆっくり寝てなさいね。」

「あ、もう大丈夫で」

大丈夫ですと言いかけた夏月の目の前まで顔を近づけてユイは言い放った。

寝てなさい

「・・・はい。」

夏月はユイの迫力に顔の前で振っていた手をそろりと降ろし、肯いた。


「じゃ、そうと決まったらさっそく掃除しなきゃね。・・・あれ、そうすると・・・」

人差し指をくちびるにあて、考え込むようにしていたユイだったが、大きな声でシンジとレイを呼ぶと、シンジ達が返事をする前に、夏月に向きなおった。

「ごめんなさい、よく考えたら、掃除をしたりしなきゃならないから、ゆっくりねてられないのよねぇ・・・。何なら、うちのレイに案内させるから、とりあえず、町を散歩するついでに必要なものを買いに行ってみたらどう?」

夏月が返事をするよりも早くシンジ達はやってきた。

「なに?母さん。」

階段の脇の柱に手をかけたままシンジはユイに声をかけ、客間の方へ入って来た。

「シンジ、シンジの部屋の隣の部屋にある箪笥をお父さんと一緒に屋根裏部屋に動かしてちょうだい。」

ユイはシンジの返答を待たずに、シンジの後ろから入って来たレイに、夏月を案内して欲しい事を告げた。それに対するレイの答えは、少し頬を赤らめながら、コクンとうなずくことだった。夏月の事をレイはほぼ初対面ながらも気に入っているようである。




 駅の改札のにむかって、2人の少女が歩いていた。

夏月はきょろきょろとまわりを見、何かを探しているようだったが、レイはまっすぐ改札へと向かって歩いていく。

白の厚手のTシャツに、すっかり色の落ちた蒼のジーンズといった格好のレイは、ポケットからIDを取り出すと、右手の方にあるスロットに通した。その姿を見て、夏月は定期かなにかだと思い、レイにたずねた。

「・・・レイさん、切符ってどこに売ってるんですか?」

IDを手に持ったまま、えっ、といった感じでレイは振り向いた。

「・・・ID、もってないの?」

「・・・・・・え?。」

当然、夏月はこの前日に、1997年からタイムスリップしてきた訳なので、IDカードを持っている訳が無い。

「・・・ついてきてください。」

レイはそういって夏月の方を見ると、駅前のビルに向かって歩いていった。

「あ、後もう一つ!」

歩いていくレイを引き止めるようにして、レイの目の前に右手を差し出した。

「このお金使えるのかな?」

レイは差し出されたものをみ(もちろん、われわれには馴染み深い漱石さんと、諭吉さんである)、夏月の顔を見た。

「・・・・・・・・・・・・」

「やっぱりだめかな?」

「・・・これって、セカンドインパクト前のお金ですか?」

レイは漱石さんと諭吉さんを手にとって、じっと見ている。

夏月はそれを見て、頭をなでてあげたい衝動に駆られたが、外にはいつものごとくこれっぽっちもださずに、もう一度質問した。

「そうだけど・・・やっぱり使えない?」

「あっ、・・・使えないと思います。あの、一度戻ってIDカードをどうするかおじさまにきいたほうが・・・」

「そうしようか。・・・・・・別に怒ってるわけじゃないから、すまなそうにしないでね」

夏月は感情を表に出さないので、こういう時には怒っているように受け取られる場合もある。実際、レイは怒っていると思い込み、少ししゅんとしたようになってしまったのである。

「さぁ、もどろうよ。」

そういって夏月はレイの手を取って歩き出すが、レイは動こうとしない。

「どうしたの?」

「・・・方向が逆です。」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・そう、じゃ、いこっか」

そういった夏月の顔はきもち赤くなっているようにも見えた・・・。





くろ猫「・・・これまたずいぶん間があいてしまったような・・・」

どがっ! ごがっ!!しゅー・・・・

カヲル「今までいったいなにをしていたんだい?くろ猫・・・」

夏月「前に更新してから何ヶ月あいてると思う?・・・って」
つんつん。・・・・・・・・・・・・・びくっ、びくっ、

夏月「・・・あ、あれ?強くやりすぎたかな・・・」

カヲル「表情1つ変えないでそんな事言っても説得力がないよ?夏月さん?」

夏月「そんな事を言ってもしょうがないよ。だってそういう風に育てられたから。」

カヲル「そうなのかい?」

夏月「・・・最初の方読んでないの?」

カヲル「・・・・・・(汗)」

くろ猫「ぬぁ〜に〜〜〜(怒)」

カヲル「い、いや、その・・・・っていつのまに!」

ぎらり

くろ猫「はっ、背後に視線を感じる・・・ちらぎぃやぁー!!!

じたばたじたばた。

くろ猫「たぁーすぅーけぇーてぇーーーーー」

夏月「こらっ、動くな!」

くろ猫「ぬ、ぬかったわ〜、こ、こら、しっぽをふむなー!!」

夏月「さぁて、これからゆっくりわけをきかせてもらいましょうか・・・」




くろ猫さんへの感想はこ・ち・ら♪   


管理人(その他)のコメント
アスカ「しかしよく眠るわね〜夏月って」
シンジ「疲れているんだから仕方ないよ」
カヲル「逃げた作者といい勝負だね」
アスカ「あいつの睡眠欲は尋常じゃないわよ。12時間睡眠をとって元気いっぱいになった日の
朝から講義で居眠りするくらいだもの」
カヲル「まあ、彼のからだの構造は普通じゃないみたいだから」
シンジ「でも、ぼくも時々授業に眠くなるんだよね」
アスカ「あんたはそうだから成績が悪いのよ」
シンジ「うぐっ」
カヲル「シンジ君は悪くないのさ」
アスカ「じゃあ誰が悪いって言うのよ」
カヲル「それは、毎日毎日シンジ君に家事ばっかりさせて、自分はのうのうと
眠っている同居人がいるからに決まっているじゃないか」
アスカ「なんだ、悪いのはミサトかぁ」
カヲル「ふう、自覚症状がないって言うのは一番たちが悪いね」
アスカ「あたしだって言うわけ?」
カヲル「それ以外の何かに聞こえたかい?」
アスカ「人がわざと気づかないふりをしていたって言うのに、よくよくあんたはアタシの天誅を
食らいたいらしいわね!」
   めきょっ!!
カヲル「うがぁっ・・・・」
シンジ「ああ、カヲル君!」
アスカ「ふう、いい運動だったわ。これで心地よく眠れるわ〜」

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