そしてそれから




第15話 真実の欠片


どこまでも果てしなく続く紅い闇の中、シンジ、アスカ、カヲルの三人は向かい合って宙に浮いていた。
周りを見渡してみても、何一つ存在しない。優れた探知能力を駆使しても自分の位置さえ上手く掴めない。
自分自身の存在さえもが希薄になっていくような、不思議な空間だった。地面の代わりにどこまでも紅い
海が続いている。アスカとカヲルに意識を向けると、二人の心が流れ込んできた。アスカとカヲルも
どうやら同じ状態のようだ。まるで自分と他人との区別がなくなったような感覚。そして互いの疑問が
心に流れ込んでくる。不思議な感覚に誘われるままにシンジは、アスカは、カヲルは自分の心に眠る真実を
打ち明けた。



君は何者なの?

僕は・・・生まれた・・・・・エヴァ初号機と名付けられた、リリスの分身から。
かつて僕はリリスに取り込まれ、そして再生した。

再生?

あの時、ヒトの手によるサルベージは失敗していた。僕がヒトでなく、今の形になったのはリリスの意志。
生きようとする僕の意志と、リリスの意志があわさって今の僕を形作った。
リリスによって生み出された、いわば第19使徒。生まれるはずのなかったリリスの子供・・・

だから、僕はリリスにとっては、ただのアダムの代わりでしかない。
いくつかいる代わりの一人に過ぎない。
そのうちの一人が、エヴァ。ヒトの造ったアダムの分身。そしてもう一人が僕。

でも、僕は、使徒としての使命を知らない。
使徒なのに、ヒトの心も持っている。

だから、僕は使徒として生きることも、ヒトとして生きることもできない。
出来ないまま、使徒を、ヒトを殺し続けてきた。
僕は、一体何のために生まれてきたんだろう・・・



アスカはなぜ力を使えるの?

エントリープラグ、それは魂の座。
そこに座る私はエヴァの魂。エヴァという名のアダムの分身、魂を持たない肉体の持つ魂なのよ。
いってみれば、弐号機は私のもう一つの身体なのよ。
コアに眠る母親の魂、そして外部から与えられる私の魂がエヴァを動かす。
気づくはずのない真実の自分の形。ヒトの知ることの出来ないはずの自分の姿。

しかし、シトの精神干渉はそれを可能にした。

・・・皮肉なことよね。
だから私は今の私になった。自分の真実の形の一つ、エヴァンゲリオンに。



カヲル君はなぜ生きているの?
死を望んだはずなのに・・・

そう。僕はかつて僕は死を望んだ。使徒の使命からの解放、僕にとって唯一の絶対的自由を。
そして、それは叶った。叶ったはずだった。

でも、僕は生きている。それから、ずっと考えていた。なぜ自分はここにいるのか、と。
絶対的自由を捨ててまでなぜ自分は生きているのか、と。

答えは簡単だった。

僕はシンジくんと共に生きていきたかった。
レイやアスカと共に生きていきたかった。
そして、シンジくんと共にヒトの未来を見つめていきたかったんだ。

だから、生きている。

ヒトと共に生きるために、僕は種としての未来を捨てた。「タブリス」も生物である限り死がある。それを
逃れるためにはアダムに還り、未来を与えられるしかない。たとえヒトを滅ぼすことになっても・・・・・

未来を与えられる?

使徒は一つの個体が一つの種を構成している。つまり、個体数を増やすこともできないし、個体の
死はそのまま種の滅亡を意味する。しかし、かつての綾波レイのように、一つの身体がなくなっても
その魂が別の身体に移り、しかも『レイ』でいられたなら。この能力があれば、予備の身体がある限り
滅びを迎えることはない。

じゃあ、以前レイが再生したのは・・・・

そう。あれはレイの使徒としての能力の一つ。アダムやレイはその役割を果たすまで何度でも再生できる。
そして、おそらくシンジくんも。まあ、再生したとしても過去の記憶を全て思い出すとは限らないんだけどね。

・・・・・・・

僕の選択で「タブリス」は滅びの道を歩むことになった。
だが、それでもいい。シンジくんやアスカ、それにレイ。彼らと共に歩めるのならば滅びの道も悪くは
ないのだから・・・・・



そこまで問答を繰り返して、シンジははっとなった。自分の身体がぼやけていることに気が付いたからだ。
慌てて自分自身を強く意識すると、生じたATフィールドが3人の存在を分かちあう。自分のイメージが
強く浮かんできた代わりに、アスカとカヲルとの精神的な一体感が薄れていった。

カヲル「シンジくん、気を付けて。ここでは他人との境界が曖昧なんだ。下手をすれば自分の形を失い、
リリスに取り込まれてしまう。」
アスカ「ここはどこなの・・・?通常の空間じゃないわよね」

アスカにしては珍しく不安そうに辺りを見渡す。カヲルに指摘されて、改めてシンジも周りを見渡した。
現実世界にはありえるはずもない、どこまでも続く赤い海で閉ざされた空間を。

シンジ「まさか・・・」
カヲル「そう。ここは、LCLの海。使徒やヒトの故郷、そして、リリスの胎内・・・」

詠うように紡ぐカヲルの言葉に聞き入りながら、シンジはつい先程までの出来事を思い返していた・・・



レイとの戦いに一段落着き、シンジたちはネルフに戻ってきていた。
勝利の凱旋ではなく、レイを失ったという事実に打ちのめされたシンジたちの足取りは、とても
重いものだった。

アスカ「レイのばか・・・どういうつもりなのよ・・・」
シンジ「レイ・・・なんでだよ・・・」
カヲル「シンジくん、あまり気に病まない方がいい。」

項垂れるシンジを慰めるカヲルではあったが、そこにミサトたちがやってきた。

ミサト「悪いけど、そういうわけにはいかないのよね。」
リツコ「あなた達にはちゃんと事情を説明してもらうわ。そして、その対処もね。」

ミサトもリツコも、口調や態度こそいつも通りではあったが、その中に何かピリピリするものを感じ、
シンジたちはとっさに身構えた。

カヲル「ほっといてくれないか。これは僕たちだけの問題なんだからね。」
ミサト「あいにくそうじゃないのよ。」
カヲル「だったら何だって云うんだい。」
リツコ「もちろん、あなた達にレイを何とかしてもらうってことよ。」

その言葉で緊張が一気に高まった。何か言いたげなアスカを制してシンジが静かに口を開く。

シンジ「・・・それは僕たちにレイと戦えってことですか。」
ミサト「他に手がないなら、そういうことになるわね。」
アスカ「ふざけるんじゃないわよ!」

あくまで表面上は平然としたミサトたちの態度に、アスカが怒鳴り声を上げる。そのまま、肩を戦慄かせて
俯いた。こみ上げる激しい怒りと悔しさとを瞳に宿して。
アスカは激発しているので気づいていないようだが、シンジにはミサトたちの思いが何となく分かった気が
した。


憎んでいたはずの父親は自分を庇って死に、復讐のために入ったネルフにも裏切られた。

なぜなら、エヴァは人を救うためではなく、サードインパクトを起こすために造られたのだから。
自分のしてきたことはあの惨劇を繰り返す手助けに他ならなかった。

この理不尽さを、自分の運命を、誰のせいにして良いのか、誰を恨んだらいいのか分からないのは辛いから。

だから、シンジたちを憎む。

シンジたちも、自分と同じく運命に翻弄されて苦しんでいると知っているのに・・・・



知らされていたのはほんの一部。大切なことは何も知らされていなかった。自分はいなくてはならない
存在だと思っていたのに、いくらでも替えの効く存在に過ぎなかった。

その、存在の無意味さに耐えられないから。
替えの効かない存在が憎いから。
だから、レイがいなくなってしまえばいいと思う。
レイが、シンジに殺されてしまえばいいと思う。
すでに、復讐すべき相手である碇ゲンドウは存在していないのに・・・



それにしても、自分たちはその存在意義に、使徒であるという事実に苦しんでいるというのに、それに
縛られていないヒトが存在意義を求めて苦しむというのはなんとも皮肉なことだと思う。

だからといって、シンジには大人しく殺されることも、「みんなのため」などという言葉で自分を偽って
レイを殺すことも出来はしなかった。

アスカ「・・・・・一つだけ答えて。」

俯いていたアスカがリツコに話しかける。爆発しそうな感情を必死に押し殺して。

リツコ「なんなの。」
アスカ「初号機にはシンジのお母さんが、弐号機にはママがいたわ。・・・・・4号機には、誰がいたの?」

リツコはアスカの目を見ることが出来なかった。目をそらしたまま答えた。

リツコ「・・・・・・・・洞木さんの母親よ。」

そう言った瞬間、アスカがリツコの襟首を掴んで締め上げた。

アスカ「あんたたちは人間をなんだと思ってるのよ!!!」

アスカに締め上げられてみるみるうちにリツコの顔が青ざめていく。

ミサト「アスカ!リツコを殺す気!?」

アスカはミサトを一瞥すると、リツコを放り投げた。床にたたきつけられて荒く息をつくリツコ。それを見る
アスカの表情は、能面を思わせる無表情だった。噴出した殺意がいつもは表情豊かなアスカの顔を凍てつか
せたかの様に。

今にも攻撃を開始しそうなアスカとは対照的に、シンジは悩み続けていた。

シンジ「僕は・・・僕はどうすればいいんだろう・・・」

俯くシンジをミサトが怒鳴りつける。

ミサト「何甘いこといってんのよ!いい、シンジくん。あなたがやらなければ世界が滅んでしまうのよ。
あなたの判断には世界の命運がかかっているのよ。」
カヲル「そんなことは関係ないさ。それに、人生の半分を復讐に浪費してきたあなたにそんなことは云われ
たくないね。」
ミサト「なんですって!」
カヲル「現に、復讐の対象の使徒である僕を目前にしながら、何もできないじゃないか。復讐なんかに
費やした時間と労力は全て無駄だったって事だね。」

ミサトは険悪な表情でカヲルを睨み付けたが反論が出来なかった。カヲルが突きつけたのは全て事実だった。
ミサト自身気が付いていたのだ。カヲルが使徒であることを知りながら、この2年間というもの何一つ
手出しが出来なかったのだから。使徒を殲滅するために、その使徒のコピーを造り出した時点でこうなるのは
目に見えていたのかもしれない。

そして、復讐が無駄であることも気づいていた。自分は父親の呪縛に縛られているだけなのだから。使徒を
殲滅すれば、父親の呪縛を断ち切れると思いこんでいるだけなのだから。
使徒を殲滅しても、自分の業績が他人に評価されても、この思いは決して癒されることはなかった。ただ、
ぬか喜びと自己嫌悪を繰り返してきただけだった。

それでも、自分のしてきたこと全てが無駄だとは思わない。無意味に同じ事を繰り返してきたのではなく、
繰り返す度に前に進めたから。少なくとも、何もせずに後悔するよりもずっと良いと思う。

だが同時に、ミサトは復讐の中で多くのものを失った。自分の身代わりになって父親が死んだとき、ミサトは
自分が父親を憎んでいるだけでなく、同時に強く父親を求めていたということを認められなかった。父親が
好きであるということを受け入れられなかった。そして、自分を偽り続け、ついには加持も失った。
だからだろうか、もうミサトには他の生き方をすることは出来なかった。
或いは、ミサト自身、自分が本当は何を望んでいたのかを、自分の目的を見失ってしまったのかもしれない。

ミサト「シンジくん、あなたは人を救えるだけの力を持っているじゃないの。それなのに何もしないで良いと
思っているの。それを望んでも、出来ない人がたくさんいるのよ。あなたにしか、出来ないことなのよ。」
シンジ「僕自身が望んで手に入れた力じゃない。」
ミサト「自分が望んだかどうかなんて関係ないでしょ!力を持っているんだから、義務を果たしなさいよ。」

ミサトの口をついて出るのは偽りの言葉ばかりだった。シンジにレイと戦ってほしくない、兄妹同士で
殺し合いなんかして欲しくない。そう思っている事も確かなのに、それを受け入れられなかった。他人の
存在も、自分の想いもただ拒絶するしかないということは悲しいことだと知っているのに。
それでも、今のミサトはネルフの指揮者としての立場を優先させることしかできなかった。

シンジ「・・・だから、レイを殺せっていうのか・・・ヒトを救うために・・・・・」

シンジの言葉には、怒りがにじみ出ていた。シンジは、自分の力でヒトを救うことなど出来はしないことを
知っていた。ただ、殺すことしか、傷つけることしか自分には出来ない。なぜなら、シンジはヒトを滅ぼす
ために生み出された使徒なのだから。

シンジ「そもそも2年前。ろくに事情を説明せずに僕をエヴァのパイロットにしたのはミサトさんたちじゃ
ないか。自分たちに都合のいい理屈を付けて!あれから2年がたった今も僕たちは正式には事実を知らされて
いないんだ。それに今回のエヴァ量産型だって僕たちを殺すために作ったんだろ!」

シンジが怒鳴り返す。ミサトは何も答えなかった。代わりにリツコが冷たく言い放った。

リツコ「あなた達は危険な存在なのよ。それを放置しておくことは出来ないわ」
カヲル「やれやれ、ずいぶん甘く見られたものだね。僕一人でもネルフの人間を皆殺しにするくらい
容易いことだよ。試してみるかい。」

カヲルは既に戦闘態勢を整えていた。返答次第ではすぐにここが一方的な虐殺の場と化すだろう。
それでも、リツコは平然としたままだった。

リツコ「試すまでもないでしょうね。でも、ここに何かあったら、あなた達の友達の安全は保障できない
わよ。」
アスカ「なんですって。」
リツコ「現在、N2弾道弾の照準が第三新東京市に向けられているわ。さらに戦自の2個大隊が包囲を完了
している。ここに何かあったらすぐに攻撃を開始するわ。いかにあなた達でも、全員を守るのは不可能よ。」
アスカ「戦わせるだけ戦わせて邪魔になったら抹殺しようとする。状況次第では人質を取ってまで
戦わせようとする。これがアンタ達のやり方なの!?」
リツコ「すきなようにいってちょうだい。早くいうとおりにしなさい。」 
アスカ「くっ・・・・・・・・」

アスカは悔しそうな表情をしたが、リツコの台詞がはったりではないと云うことはよく分かる。少なくとも
相手は本気だ。激情に駆られてミサトたちを攻撃すれば、どうなるのかは容易に予想がつく。カヲルも
どうすればいいのか、さすがに決断しかねているようだ。シンジの方を振り返ってみると、シンジは俯いた
まま、胸を押さえていた。

シンジはミサトと話をする度に、シンジは自分の心に闇が満ちていくのを感じていた。
ヒトの理性で押さえられない、深く暗い負の感情が。

・・・憎い。
自分を再び戦いに巻き込み、自分からレイを奪ったエヴァが。
そして、それを生み出したヒトが・・・

シンジ「・・・・・もう、いやだ。」
カヲル「え?」
シンジ「僕はただ、ミサトさんと戦いたくなかっただけなんだ。ネルフの人達と・・・知り合いと
戦うのが嫌だっただけなんだ!手に入れたささやかな幸せを失いたくはなかったから。エヴァに乗って
人類のために戦ってきたはずなのに、どうしてヒトと戦わなくちゃならないんだよ!なんで、レイと
戦わなきゃならないんだよ!」
ミサト「使徒は、敵なのよ!」
シンジ「だったら僕だって使徒じゃないか!みんな、僕の敵だ。ミサトさんも、リツコさんも、僕の敵だ。
だから、みんな、死んでしまえばいいんだ!!!」

シンジが絶叫する。それとほぼ同時に、シンジは暴走する憎しみを押さえきれずに、半ば無意識に力を
解き放った。シンジの力は金色の柱となって吹き上げ、強烈なエネルギーがネルフの至る所を吹き抜ける。

ミサト「シンジくん!友達がどうなっても・・・」

ミサトの絶叫も、圧倒的な力に呑み込まれて消えていく。側にいたカヲルも、アスカも、そしてシンジ
自身さえも、光に包まれて消えていった・・・




そこまで思い出して、アスカが狼狽したような声を出した。

アスカ「ちょ、ちょっと待ってよ。それじゃ、もしかしてアタシ達、シンジの能力で分解されちゃったって
ことなの!?」
カヲル「そういう訳じゃなさそうだね。シンジくんが無意識に使ったアンチATフィールドで、一時的に
自分の心を形作るATフィールドが弱まっただけだと思う。心も体もLCLに還元されたなら、他人との
境界が曖昧になって自分の形さえ失っているはずだからね」

カヲルが身体の感触を確かめるように軽く手を動かしながら答えた。

カヲル「それに、シンジくんが本気で破滅を望んでいれば、あの程度じゃすまなかったはずだし」
アスカ「どっちにしろ大して変わらないわよ。それで、どうやったら元の世界に帰れるの?」
カヲル「それは・・・」 

ちらっとシンジの方を見る。それにあわせてアスカもシンジを見る。現実の問題に引き戻されたシンジは、
項垂れて頭を抱え込んだ。

シンジ「また、元の世界に戻って、ミサトさんやレイと戦わなくちゃならないのか・・・僕は・・・
僕はどうすればいいんだ・・・」
カヲル「シンジくん、君が知っていることは、真実の欠片に過ぎない。第二使徒としてのレイと、僕らの
家族として共に暮らしてきたレイの、どちらが真実のレイなのかは君が決めることだよ。君がレイと戦い
たくないなら、戦わなくてもいい。レイと共にヒトを滅ぼすのも、ヒトを守るためにレイと戦うのも。
そして、このままこのまま何もしないのも、全ての君の自由なんだよ。」
シンジ「だって、どうすればいいのか、わからないんだ!誰か僕に教えてよ!どうすればいいのか、
教えてよ!」
カヲル「シンジくん・・・僕は助言ならいくらでもできる。君のために戦うことも。でも、君が何を
するのか、決断できるのは君だけなんだよ。シンジ君は誰かの人形ではないのだから・・・」

それは分かっていた。決断できるのは自分しかいない。しかし、自分の判断で人が滅ぶかもしれない。
レイを殺さなければならなくなるかもしれない。それを思うと、カヲルの言葉はシンジにはとても
重いものだった。




続く



後書き
カヲル「いや〜暗黒化が止まらないねえ。この話から少しずつ明るくしていくはずだったのに。」
アスカ「おまけにかなり遅れちゃったし、話は進まないし。予定が狂いまくりね。」
シンジ「何度も書き直したりするからだよ。僕なんかどうすればいいのか悩んでばかりだったし・・・」
K「うう・・・言い訳のしようがないです。たぶん次も暗いでしょうし・・・」
レイ「それはいいの。それより、私の出番はどうなっているの?」
K「うっ・・それは・・」
レイ「しばらくないのね。ただでさえ扱いが酷いのに、出番までなくなるなんて・・・」
カヲル「まあ、レイが出てくるときには、たぶん扱いがよくなってるんじゃないかな」



戦いの果てにあると信じていた未来は絶望に満ち、ヒトの憎悪はシンジの心を苛み続ける。
それでもシンジは、現実世界に戻ることを決意した。

「再び、ヒトと傷つけあうことになってもかい?」
「それでも、僕はもう一度レイに逢いたい。逢いたいから・・・」

次回 そしてそれから16話

「もう一度、逢いたいから」





Kさんへの感想はこ・ち・ら♪   



管理人(その他)のコメント

冬月「シンジ君、君は君のやりたいようにやればいい」

加持「?」

冬月「たとえ第三新東京市が国連軍の攻撃で壊滅してしまっても、君がそれを罪悪感として感じることはないのだ。命令したのはネルフだし、実行したのは国連軍だ。確かに彼らが死んでしまうのは痛いことだろうが、それで自分の意志をまげてしまったら、一生後悔することになるぞ」

加持「・・・・もしもーし。副司令、熱? それともついにぼけたか?」

冬月「だれがぼけたじゃ!」

加持「いや、いつもはお茶のみながら縁側でひなたぼっこをしているあなたが、珍しくまともな台詞をしゃべっているから・・・こりゃーぼけたか熱でもあるか、どちらかと思ったんですけどね・・・」

冬月「ワシを碇と同等レベルに扱うんじゃない! これでもかつては京都大学教授を務めたこともあるんだぞ!」

加持「まあ、天才と何とかは紙一重っていうことだし・・・」

冬月「貴様に言われたくはないわ」

加持「まあ、それはいいとして、何でまためずらしくもまともな話をするので?」

冬月「たまには年長者らしいことを言わなければ、それこそ全く出番がなくなってしまうではないか。ただでさえワシらは影が薄いというのに」

加持「・・・・・(疑いのまなざし)」

冬月「な、なんだその目は・・・・」

加持「そもそも、なんで副司令、あなたが第二東京の私の隣にたっているのです?」

冬月「ぎっくぅ!」

加持「あなたがここにいれば、そりゃ第三新東京市が攻撃されてもかまわないんでしょうな〜」

冬月「ぎくぎくっ!

加持「・・・・もしかして・・・・」

冬月「ん?」

加持「シンジ君を暴発させて第三新東京市を攻撃させれば、碇司令が抹殺されるから・・・・とかいうんではないでしょうね」

冬月「なななななにをいうか!」

加持「本物がいなくなっても、例の「独居老人の愚痴相手ゲンドウ君・新発売」があればあなたは満足ですからね。ねえ、ゲンドウ君?」

ゲンドウ君「・・・・ああ」

冬月「ぎくぎくぎくっ!!」




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