そこは、紅だった。

紅しかなかった。


(殺してやる・・)


世界が紅いのか。紅しか見えないのか。


(殺してやる・・)


ただひたすらに続く呪詛。


(殺してやる・・)


これでもか、というくらいに。

痛い、痛い刻が流れる。




『作業終了。グラフを正常位置に戻して』




(殺してやる・・)


やがて、それは唐突に途切れた。




EVANGELION:REBIRTH/2 終わり無き、日常
第二話「進化形態・停滞精神(もしくは絆)」





「ごめんね、今日は体の調子崩してるのよ。ええ、伝えとくわ。じゃあね」

・・ふう。

ミサトはインターホンの受話器を置くと、深くため息をついた。
相手はトウジとケンスケだった。
シンジは昨日ミサトが帰ってきた時すでに部屋にこもっていた。
朝になっても一向に出てこない彼にしびれをきらしたミサトは
“保護者”強権を発動して彼を部屋から引きずりだそうとしたが、シンジは頑なにベッドから出ようとしない。

『嫌だ!もう嫌なんだよ!ほっといてよ!!』

その言葉が耳について離れなかった。
冷蔵庫を開け、気晴らしにヱビスでも飲もうかと思ったが、止めた。
そういう気分にはなれない。

(悪いのは私ね・・・)

せめて、非番の日くらい面倒を見てあげよう。
このままではいけない。
そう思った矢先、電話がなった。

「はい、もしもし・・・ああ、日向君?・・え?今日に?!まったくなんでこんな時に・・ああ、いや、こっちの話。じゃあね」

やや乱暴に受話器を置いたミサトは盛大にため息を吐き出すと、椅子に掛けていた赤いジャケットを羽織る。

「っつたく!なんでリツコはこういう時に作戦会議なんか入れてくるのよー」

電話が鳴った時から嫌な予感がしていたのだが、果たしてそれは正解だった。
慌てて支度を終えたミサトはシンジの部屋の前に立ち止まり、声を掛ける。

「シンジ君。あたし、急に作戦会議が入ったから出かけてくるわ。留守番よろしくね。なにあったのか知らないけど、いつまでもウジウジしてちゃだめよ」

言いたい事だけ言って彼女はどたばたと玄関を出ていった。

「何も分かってくれないくせに・・・」

玄関のドアが閉まってから、布団の中のシンジはそれだけ呟いた。

(分かってるんだけどね・・放ったらかしにしたのが悪いって事は・・・)

ミサトはルノーの車中でまたもため息をつく。
考えても今更どうしようもない事は百も承知だ。
それだけに、なおさら自分の行動が腹立たしくなってくる。
しかし、彼女はそれが過ちだとは思っていなかった。

(感情に任せた結果・・そうせざるを得なかったのよ。いや、そうしたかった。加持君の残した足跡を追いかけたかった・・・
でも・・だから、こうなったのね・・・)

やがて、ままならぬ苛立ちを込めて、アクセルを踏んだ。












何処とも知れぬ空間。
暗闇の中にモノリスが浮かび上がる。その数13。
今やネルフによって闇に葬り去られようとしている秘密結社ゼーレ。
その数ヶ月ぶりの会合だった。

『諸君。残念ながら我々は敗北した』

01と記されたモノリスがその言葉を発したとき、周囲のモノリス達はどよめいた。
彼―キール・ローレンツが、こうもあっさりと敗北宣言をするとは思っていなかったからだ。
すべての使徒を殲滅したにもかかわらず、人類補完計画はいまだ発動せず。
そればかりか各国においてゼーレの息のかかった政治家や要人が次々と失脚するに至り、彼らは焦りを感じていた。
そして、キールの発言によって漠然たる不安は恐るべき現実となった。
落胆する者、憤る者、戸惑う者、反応は様々だったが、彼らは一様に絶望を感じていた。

『静粛にしたまえ』

だが、キールは至って平静に彼らを制した。

『第二次整備計画におけるエヴァ伍号機から十二号機までのエヴァシリーズ、これらは全て我々の手の内にある。
今は耐える時だ。ネルフに、碇に泡沫の夢を楽しませておこうではないか』

『・・しかし、エヴァシリーズだかが我らの切り札というのは、あまりに心許ない状況ではないのかね?』

『元来エヴァは忌むべき存在。それに縋ろうなどとは、片腹痛い』

『もしエヴァシリーズがUNに差し押さえられれば、それでおしまいだ』

『あなたのシンパだった独国首相は更迭された筈だが』

03番のモノリスが自信ありげなキールに不満の声を上げると、その他のモノリス達も次々に批判を口にしだした。
それでも、キールに焦りの色は見えない。
空元気なのか。あるいは真実を知るが故の余裕か。

『人類補完計画は既に発動した、我々はその第一段階で後れをとったにすぎない』

モノリス達が色めきたつ。

『な・・今、何と?』

『そんな話は聞いていないぞ!?』

キールは彼らの反応をあらかじめ予見していたかのように、自信ありげに宣言する。

『我らは既に神の領域を侵した。だが、それだけで終わってはならない。
リリスとタブリスの残滓より生み出されし最後のエヴァンゲリオン、十三号機。これを以ってして真の人類の補完を成し遂げるのだ』

『で、では・・』

『全ては、これからだ・・』

自信に満ちたキールに嘆息するモノリス達。
彼らはもはや掌上の猿にすぎない。
だがキール自身も自分が猿である事に気づいていなかった。
では、彼らをも手玉に取った“神”は何者なのか。
それは誰も知り得ない。
その本人ですらも。












ベッドにうずくまっているシンジの耳に音が聞こえてくる。
うるさくはないが、せわしなく、苛立たせる音。
それが電話の音だと気づくのに数拍を要するほど、彼の思考は淀んでいた。
そうと気づいても、動こうとしない。
電話は鳴りつづけている。
シンジは部屋から出るどころか、さらにうずくまり布団を頭から被った。
やがて、電話が鳴り止むと、ふうと安心したようにため息をつく。
その目はただ虚ろだった。












モニターに日本刀状の物体の図面が映し出される。

「・・マゴロク・エクスターミネイト・ソード。通称マゴロックス。
もともと対使徒用に開発されていた武装ですが、高振動粒子発振器の出力が基準値を満たせなかった為、
実戦投入は見送っていました。しかし、このほど問題点が改良されたので正式に採用する事になりました」

午後3時半。
ネルフ本部、第5作戦会議室。
ここでリツコによる新たに導入された技術等の説明が作戦部のメンバーを相手に延々と続けられていた。
ミサトはたいして興味もない事を大仰に説明され辟易していた。
もちろんほとんど聞き流している。
結局ほとんど生身で戦っていたエヴァに今更武器など必要なのか。
それが彼女の正直な言い分だからだ。
そして、こんなタイミングで呼び出しをかけた友人に対する反抗心もその態度に拍車をかけていた。
ただでさえ生活習慣が崩壊しているミサトにとって午後は眠くて仕方ない時間である。
時々はばかる事なくあくびをする。
その度にリツコが説明をしながら怖い目で睨むのだが彼女は平気だ。

「・・以上です。何か質問は」

説明がようやく一段落すると、リツコが質問の有無を問う。

「は〜い」

間抜けな声で手を挙げるものがひとり。

「何でしょう?葛城三佐」

「ずいぶんご立派な新兵器が揃ってますけどぉ、どれくらい役に立つのかはなはだアヤシイんですがぁ」

自分でもやりすぎたかと思うくらい、嫌味ったらしい口調だった。
たちまちにして場が静まり返る。
マズった。

「・・ま、まあ、あたしが言いたいのは、本当に効果が保証されているのかってゆー事で・・・・・・」

しどろもどろに言い訳する。
すると、ようやくリツコが喋ってくれた。

「・・私が想定しているのは対エヴァ戦です。対使徒戦とは違い、相手のデータはほぼはっきりしています」

こういうケースでは自分から折れるのがミサトのやりかたである。
彼女はリツコも大学以来の付き合いなら、黙りこまずにそれくらい察してくれてもいいんじゃない、とも思ってみたりする。
が、そこまで考えて、彼女は肝心な事を思いあたった。

(余裕ないもんね、みんな・・・)

手元にあるファイルに視線を落とす。







―FOR YOUR EYES ONLY― 参考資料(極秘)
エヴァンゲリオン第二次生産型(5〜13号機)性能諸元








と、銘打たれた紙にはまるでトカゲかウナギかと見まごうようなユーモラスな頭をしたエヴァの写真とそのデータが載っていた。

(・・S2機関搭載型。標準武装は“槍”の複製・・・こんな情報、どこから手に入れたのかしら。
そんなに易々とすっぱ抜けるものじゃないわよ・・加持君でさえ調べられなかった事なのに・・・)

リツコはファイルを見て考え込んでいるミサトを意味ありげな視線で見た。
彼女が何を考えているのか、おおよそ見抜けてしまう自分がひどく馬鹿馬鹿しく思える。

(辛いわね・・・見えすぎるのも。知りすぎるのも)

そう思いながらも、彼女はもう一度ミサトを驚かせなければならなかった。

「3日後に装備のテストを兼ねた模擬戦を行います。使用するのは弐号機と参号機。パイロットはアスカとシンジ君に担当してもらいます。
場所、時間等の詳細は明日改めてお知らせします」

「ちょっと待ちなさいよ!!」

そして、予想通りミサトが椅子から血相を変えて立ち上がった。

「アスカはまだ・・」

「さっき退院したわ」

言いかけた言葉を遮って、リツコはあっさりと答えた。
ミサトを始め、作戦部の面々が驚いたのは言うまでもない。
そしてリツコの傍らにいたマヤの表情が曇った。
しかし、誰もそれには気付かない。

「なんですって!?」

「弐号機とのシンクロに関しても問題ないわ。既に確認済みよ」

「・・どういう事よ、それ?」

驚きの次に来たのは疑問だった。
あからさまに疑い深い視線がリツコに投げかけられる。

「セカンドチルドレンは再び有効な戦力になったという事ね」

「そういう言い方は感心しないわ。私が聞きたいのはアスカがあんな状態からどうやって回復した・・・・あるいは、“させられた”かという事よ」

「彼女が望んだからよ」

「どうかしら?私にはずいぶん白々しく思えるんだけど」

「アスカは回復した、その事実に変わりはないわ。・・質問はそれで終わりかしら?本日は以上です」

ミサトはさらに食い下がろうとしたが、止めた。
それ以上問いただしてもあのリツコが話すわけがない。





半時間後。第六ケージ。
さらなる疑問の種を抱え込んだミサトは、もはや家に戻るどころではなかった。
隙あらばマギにアクセスしてデータを洗い出さねば。
得られるデータは知れたものだろうが、そうでもしなければ気が収まらなかった。
既にシンジへのおせっかい心はきれいに吹き飛んでいる。

(いますぐ資料室に直行したいけど、さすがに怪しまれるよね・・・)

狭く息苦しい地下通路にいるとジレンマに殺されそうな気がしたのだが、休憩室でコーヒー飲んで一息という気分には程遠い。
だから開放感と緊張感がセットになっているケージにいるのだ。

目前に弐号機の横顔。その向こうに参号機が正面から見える。
二機の両脇には多数の肩部拘束具がずらりと吊り下げられていた。
当然紅と濃紺のそれが殆どだが、もはや用済みになってしまった青と黒のものまであった。
サイズもパイロンが長い大振りなものから横幅の薄いコンパクトなものまで様々だ。

(これだけ装備が充実しているのに肝心のパイロットは不安要素の塊、か・・・)

「・・葛城さん」

ミサトは考えに没頭するのと、メンテナンスの騒音のせいでその声に気づかなかった。
声の主自体が大きい声で話すタイプの人間でないのも確かだったが。

「葛城さん」

(リツコがだめなら・・伊吹二尉にでも当たってみようかしら)

「葛城さんっ!」

「!?・・ああ、マヤちゃん。急にどうしたの?」

いつのまにか、当のマヤが隣に居たのでミサトは少なからず驚いた。

「さっきから呼んでました」

「あっはは・・そう?ごめんごめん。ちょっと考え事してて、ね」

少し呆れたような顔をされ、苦笑してごまかす。

「で、なに?」

そして、肝心の用件を聞いた時ミサトはマヤの表情が曇ったのに気付いた。

「・・・少し・・・・・・よろしいですか?」












表札に[葛城]と書かれた扉の開閉ボタンを押し、少女は無遠慮に中に入っていく。
それは、数ヶ月ぶりの事だった。

「ちょっと、誰かいないの?・・なによこのゴミ?!ちゃんと掃除してんのかしら?」

行く手をふさぐゴミ袋を面倒くさそうに蹴飛ばす。

シンジの身体が震えた。
知ってる声だ。

(・・アスカ?)

ベッドから起き上がるとよろめくように部屋から出る。
確かに彼女はいた。
元気だった頃と変わらない姿で。

「・・・・・・アスカ・・・」

つやを取り戻した栗色の髪に、いつもの紅いヘッドセット。
クリーム色の私服はややおとなしめだが、病院に居た時の姿に比べれば比べものにならなかった。

「なによ、いたの?だったら早くそう言いなさいよ。わざわざ電話までかけてやったのに」

いきなりのそのそ出てきたシンジを見て、アスカの表情は余計に怪訝になった。
しかしシンジの方はそれに気づいていない。
いつも他人の顔色をうかがってばかりいるのに、不幸にもこういう時に限って夢中になって忘れていた。

「・・アスカ、戻ってきたんだ」

思わず泣きそうな顔になる。
あんな状態だったのにちゃんと元気になったのが、彼は正直に嬉しかったのだ。

「ちょっと、なによその顔?辛気くさいわね」

しかし、アスカはシンジに少しも嬉しそうな顔をしようとしなかった。

「・・・だって、アスカはあんなになってたのに・・」

「はっ、今更何言い出すんだか。あんたが人の心配だなんて、随分ご殊勝になったものねー、さっさと顔洗ってきたら?」

そう言い捨てると横を通り抜けてさっさと自分の部屋に行ってしまう。

「あ・・・・・うん・・・・・・・」

シンジは、傷ついた。
戻ってきて、嬉しかったはずなのに。
勝手に作り上げた幻想をつぶされたのにすぎないのだが、彼にそれが理解できるはずもない。













「LP2式補完手順?!」

採光ビルから取り込まれた夕陽の光がジオフロントをセピア色に染めている。
地底湖にかかった橋の上に二つの人影があった。
その傍らにはアルピーヌルノーA310。

「・・はい。あれは強制的な回復なんです。先輩は、嫌がるアスカを・・・」

「・・・そう・・そういう事だったの・・」

ミサトは声をかけてきたマヤを盗聴される恐れの少ないここに連れ出した。
様子からしてアスカについて何か重要な事を話してくれると思ったからだ。

「エヴァとのシンクロを強制的に回復させる事は、案外簡単にできるんです。エヴァのコアはチルドレンの母親から生み出されます。
操縦者に擬似的に自分の母親の愛情を植え付けてしまえば、シンクロ率は飛躍的に向上します」

「じゃあ、もしかしてレイのシンクロ率が低かったのは・・」

「そうです。あの子には、母親がいません」

「なるほどね・・つまりアスカは刷り込まれた訳ね」

「はい。でも、強制的な刷り込みはいつ破綻を来すか分かりません。そうなったら、アスカは・・」

マヤはそれ以上は言えなかった。
そして、止める権利が微塵もなかった自分の立場が恨めしい。
黙っていた方が安全なのは分かりきっているが、理性がそれに耐えられなかった。

(先輩を尊敬する気持ちは今も変わらないと思う・・でも・・・)

初めてダミープラグを見せられた時から、何かがおかしくなった気がする。

「・・・そう。よく言ってくれたわ。私がなんとかできるかなんて分からないけど、とりあえずやれるだけの事はやってみましょう。
あなたは今まで通りにしてなさい。下手に動いたらアブないわ」

「・・はい」

優しげに言ってくれたミサトにいくらか慰められた気がした。
がさつなところばかりが目に付くが、さすがに子供達を引き受けるだけあって人望がある。
彼女はそう感じて、少しだけ緩んだ表情で返した。

(さて、厄介な事になってきたわね・・・)

ミサトはそうは言ってみたものの、具体的にどうしようと考えた訳ではない。
答えの先にあったのは更なる疑問。
むしろ悩みの種を余計に抱え込んだにすぎない。
が、マヤの心中を察したのも確かだった。












アスカがリビングで横になってテレビを見ている。
久しぶりに見る光景だった。
タンクトップにショートパンツ。
どうしてもその無防備な格好に目線が行ってしまう。
邪まな気持ちを振り払ってシンジは声をかけた。

「ねぇ、アスカ。喉乾かない?」

「別に」

振り返りもせずにそっけなく答えるアスカ。
見ると、彼女はちゃっかり麦茶のペットボトルを置いていた。
間抜けな。
シンジはよく見ていなかった自分に閉口する。
それでも意固地にアスカの関心を引こうとしたのが、そもそもの過ちだった。

「お腹すいてない?・・何か作るよ?」

「いらない」

振り返りもせず、そっけなく返すアスカ。

「でも、何か食べたほうがいいよ」

「いらないっていったらいらないの。別にお腹なんか空いてないわよ」

とうに“違和感”は感じている。
そこで気づくべきだった。

「アスカは病み上がりなんだしさ、栄養くらい・・」

「うっさいわねえ!!」

ようやく振り向いたアスカは苛立ちもあらわに怒鳴った。
病み上がりという言葉が癇に障ったのだ。
無論シンジはそれに気付いていない。

「さっきから何よ、うざったいわね!そんなに誰かの世話が焼きたかったら、ファーストにご飯でも作ってやったらいいじゃない!!

「・・・ごめん」

彼女はまた背を向けてテレビを見出した。
しばらくその背中を見ていたが、やがてシンジはすごすごと部屋に戻った。
ようやくこれ以上何をしても無意味だと悟ったからだ。




ベッドに寝転がる。
誰も踏み込まない。踏み込もうとしない、自分だけの空間。
自分の好きにできるところ。

欲情。
壊れた幻想が、悪い欲求をけしかける。





『私のこと、好き?』





確かに大切なものだった。
いつか夢で見たアスカが。





でも。





『・・殺してやる』




本当の病室の彼女が口にした言葉はあまりに残酷で。





『さっさと顔洗ってきたら?』





戻ってきてからも。
現実の彼女は自分を裏切りつづける。





裏切られた?
違う。
そう思い込んでいるだけだ。
何のことはない。
夢を見過ぎた、君が悪い。






しかし、彼はその事実が理解できるほど汚れていなかった。
そして、汚れのない願望ほど負の方向に傾くと怖ろしいものもない。





アスカのムネ。

アスカのフトモモ。

アスカのフクラハギ。



妄想の中での陵辱。

































[気持ち、いいの?]



































(最低だ。俺って・・・)

後に残ったのは、寒々しさと自己嫌悪だけ。
彼は、その時の自分を“僕”などというよい子ぶった一人称では呼べなかった。












3日後。



澄み渡った青空を圧するふたつの漆黒の翼。
BoLAN B−4E ブラックフォートレス。
大手航空機メーカーのボーイング、ロッキード、アントノフの三社が共同開発した巨大爆撃機、B−4を
エヴァンゲリオン輸送用に設計を改めた機体である。
名称が長すぎるため、一般に番号だけで“B−4E”、または輸送目的から“巨人機”と呼ばれている。
二機はその機体下面にそれぞれ弐号機、参号機を搭載している。
悠々と空を征くその姿は、圧倒的な大きさをもって見るものにただならぬ威圧感を与えていた。

補修されたとはいえ、まだまだ戦闘の傷痕が残る自動車道を行軍する大型車両群。
電源車が18台、ケーブル用クレーン車が3台。パイロット搭乗用のリフト車が2台。
そして、部隊の指令塔となるベンツ製15式作戦指揮車。
訓練用の簡易編成とはいえ、大部隊である。

(平和ねぇ・・)

冷房がよく効いた作戦指揮車の車中にて、ミサトはこの圧倒的な光景に似つかわしくない感想を抱く。

(ゼーレがいつ動くか分からないというのに、出撃可能なエヴァが二機ともそろってお出かけだものね・・油断しすぎてるわよ・・・)

ふと隣にいるマヤを見る。
今回の訓練にリツコは参加していないため、二機のエヴァの面倒は彼女が見ることになっていた。

(それとも、ゼーレの動きがお見通しって事かしら?まさかね・・)

「まもなく、演習区域に到着します」

マコトの報告を受けて、ミサトは二機のプラグに通信を開いた。

「シンジ君、アスカ。今回はシンジ君は参号機に慣れるため、アスカは新しい武器を使いこなすための演習よ。リラックスしていきましょう」

『了解!』

『・・了解』

かつては、ふたつ揃って返ってきた返事は今ではばらばら。
ミサトはなにか空しいものを感じたが、あえて何も言わない。

「お疲れですか、葛城さん?・・あれからご自宅にも戻ってないんでしょう?」

マコトが少し心配そうに聞いてきた。
どうやら顔に出てしまったらしい。

「いえ、なんでもないわ。大丈夫」

彼女は結局笑みを向けてごまかしてしまう。
心の中ではお疲れすぎよと嘆きつつ。



弐号機専用のB−4E、コールサイン“エルトリウム”がロックボルトを開放した。
拘束具がしばしレールを滑った後、解き放たれる。
弐号機が青空に躍り出た。すさまじい空気抵抗の渦を巻き起こしつつ落下していく。
続いて参号機も同様にかつては初号機専用機だった“オネアミス”から降下した。

訓練に選ばれた場所は、かつて初号機が弐号機とともに第七使徒を迎え撃った所である。
国連軍がN2爆雷を使用したため一面の焼け野原となり、図体の大きいエヴァの模擬戦闘にうってつけの場所となったのだ。
既に対使徒戦の頃にも何度か訓練が行われていた。

派手な落下音と土砂を撒き散らしながら弐号機、次いで参号機がかがみこむように着地する。
三菱のトレーラーを改造したケーブル用クレーン車がそれぞれの横につきアンビリカルケーブルを背中にセットする。
ネルフのスタッフ達は訓練という事もあってやや落ち着きが感じられるが、迅速に準備を整えていった。
関節から人工筋肉が軋む独特の音をたてながら立ち上がる二機。












同時刻。
ネルフ本部内大深度地下施設、ターミナル・ドグマ。
そのごく一部の空間。
と言っても、通常の実験施設に比べてこの空間はあまりに広く、暗かった。



エヴァがいた。
放置された実験体――――無数の同胞の骸だ――――その中に佇む、“生きた”エヴァンゲリオン。
おぼろげに浮かぶ白銀の体躯。
間違いなく、それはこの世に存在しないはずの機体だった。
制式番号EVA−04、エヴァンゲリオン四号機。
数ヶ月前、ネルフ第二支部とともに消滅したはずのエヴァがそこにいた。
四号機は広大な空間の片隅の壁面に拘束具によって磔られている。
背後の管制室とおぼしき所から漏れる光が暗闇の中でわずかに機体を照らし出していた。
そこに居るのはゲンドウとリツコだ。

「よろしいのですか?碇司令」

リツコの問いかけはその“作業”の開始の是非を問うものだった。
が、彼女はそれが野暮な質問だと悟っている。答えは分かりきっているのだから。

「・・彼女が望んだ事だ。異存はない」

「随分、お優しくなられましたね」

多分に含みのある言い方。
いみじくも三日前のミサトと同じような事をやっていた。
改めて、感情はロジックで割り切れるものではないと痛感する。

「・・・・・・・」

彼は答えない。あるいは、答えられないのか。
リツコはあえて深く追求しようとはせず、手元のモニターに目を遣った。
ロジックで割り切れないと分かりきっているモノを、ロジックで以って“あの娘”に擬似的に植え付けようとしている。
まったく、馬鹿馬鹿しい。

(せめてもの、手向けという事かしら・・)

表面上は平静を装うリツコだが、内心ではそう思い込む事で自分をなだめすかしていた。





アンビリカルケーブルは繋がれていない。
が、四号機の両目には赤い光が宿った。
この機体はアンビリカルケーブルを必要としない。
S2機関があるからだ。
プラグの中にいたのは機体のそれと同じ色の瞳を持つ少女、レイだった。

『レイ、聞こえる?LP2式補完手順、開始します』

「・・了解。弐号機への侵食は順調です」












「さあ、始めるわよ!」

弐号機がパレットガンを構える。
廃虚と化した建物を隔てた向こう側にいる参号機も同様にパレットガンを持つ。
ただし、弐号機のそれに比べてずいぶん緩慢な動作だ。

「Gehen!!」

弐号機のパレットガンが火を吹いた。
参号機は姿勢を低くしてビルの陰に入り、それをやり過ごす。

「高いビルがあるわけでもないこんなところで、エヴァでかくれんぼしようなんてどだい無理なのよ!」

トリガーを引きながら笑い飛ばすアスカ。
頭隠して尻隠さず・・この場合、“肩隠さず”だった。肩から突き出ているパイロンに被弾してしまう参号機。

「あ・・しまった、肩が・・」

「ふふん、あんたバカあー?」

シンジはパイロンが隠れてない事に気付いていなかった。
パイロンに赤いペンキがべったりとこびりついている。
パレットガンに装填されているのは訓練用のペイント弾だ。

あっさり居場所を見つけられた参号機はビルの陰から身を躍らせる。
アスカは一瞬反撃してくるかと身構えたが、相手は牽制射撃をするだけで一向に前進してこない。
怪訝に思った彼女はプラグ内に目標との距離をメートル単位で表示するサブウィンドウをホップアップさせた。

500、510、517・・・

開いていく。
参号機は後退しているのだ。

「ちょっと、あんたやる気あるの!?」

アスカは呆れた。
もっと隠れるのに適した場所に逃げ込もうとしていたのだ。

「相変わらず逃げてばっかりじゃない、男らしくないわね!」

苛立ちを爆発させたアスカがインダクションレバーをへし折らんばかりに押し込むと、弐号機は一気に駆け出した。
みるみるうちに間合いが詰まってくる。
シンジから狙い撃ちされる事など少しも恐れてないのだ。
完全に逃げ腰になっているシンジはやや大きな崖に逃れてから弐号機を狙おうとした。
が、頭を出した途端その顔面に派手にペンキが炸裂する。

「わっ?!」

不意に視界を奪われ驚くシンジ。
逆に狙い撃ちを食ったのだ。
よろめく参号機。モニターがペイント弾のペンキにふさがってしまった。
焦ったシンジは闇雲にトリガーを引きパレットガンを乱射する。
相手に自分を位置を教えてしまう、完全な自殺行為だ。
モニターのモードを変えれば解決する事なのだが、どうやらそこまで頭が回らないらしい。
あらぬ方向に青いペンキが爆ぜた。

「せっかくのあたしのリターンマッチなんだから・・」

弐号機は真正面から参号機のいる方に突進する。
無謀なように見えるが相手はめくら撃ちなので何の苦もなく火線をかわしていく。

「少しはっ」

勢いに乗ったまま、跳躍。

「楽しませてちょうだい・・よっ!!」

空中で一回転した弐号機は、鮮やかに参号機に飛び蹴りを決めた。
背中から地面に叩き付けられる参号機。
シンジは見えない視界の中襲ってきた衝撃にあちこちへと揺さぶられ、うめいた。

(僕は・・初号機がないとなんにもできないのか・・・)

蹴り飛ばされた痛みよりも、参号機を思うように操れないもどかしさの方が辛かった。



「あーあ、圧倒的じゃない・・」

ミサトはため息を漏らした。
初号機がないとはいえ、ここまで派手に差が出るとは。

「アスカが好調なのはよく分かったけどねえー」

『なによ、あたしの実力が信用できないっていうの?!あたしは最初っから絶好調よっ!!』

無線が繋がったままだったらしい。アスカに噛み付かれた。
きんきんと通る声が徹夜明けの耳に堪えたのか、ヘッドホンをはずずと頭を抱える。

『ちょっと、答えなさいよ!』

「はいはい、分かったわよ、おっけーおっけー!じゃあ次の訓練行ってみようかあー!!」

それでも聞こえてくるどなり声にヘッドホンを取ると、頭に付けずマイクに向かって投げやりな叫びを上げる。
ミサトはさっさと弐号機の運用試験を終了させ、訓練を武装運用試験へと移行させた。

「・・これ以上やらせたらシンジ君が可哀相よ。ま、この調子じゃ何やってもおんなじでしょうけど」

「葛城さん、手際いいですね・・」

感心したように言うマコトに、ミサトは軽い溜息しか返さなかった。




「ったく、ミサトの奴・・・」

アスカはむくれながら、弐号機に方膝をつかせた。
足元にはマゴロックスが四本並べられていた。
それぞれ二本ずつ鞘の部分が、弐号機用に赤、参号機用に濃紺、とカラーリングされている。
当然、赤にペイントされたそれを手に取る弐号機。

『いい、アスカ。訓練なんだから間違っても高振動粒子を出さないでね』

マゴロックスは高振動粒子を発振しなければ使い物にならない。
よって“安全な”訓練のために剣道よろしく木刀状態で使用するというのだ。

「はいはい、どうせ今のシンジじゃこのままでせっかんしても、骨のひとつやふたつ折れそうだけどね」

マヤの指示に答えるアスカはふふん、と笑い飛ばしてみせる。

『そんな事本気でやっちゃだめよ!そのままでも危ないんだから』

「わかってるわよ?!冗談よ、冗談!それくらい言わなくても分かってるでしょう?」

『・・ならいいんだけど』

軽いジョークを真に受けたマヤの反応に辟易してしまう。

(それくらい言わなくたって分かってるでしょう・・これだから融通のきかない奴は・・)

それはこの状況では身勝手な考えだった。
が、自らが爆弾を抱え込んでる事を知らないアスカは、
自分を腫れ物のように扱うマヤにますます不機嫌になるだけだ。



「・・どう?」

ミサトが小声で聞いてくる。

「今のところ、異常はまったく見られません。安定してます」

モニターに表示されているのは弐号機の心理グラフ。
模擬戦開始時点からやや右肩上がりになっているが、許容範囲内だった。

「前みたいに上へ下へと大暴れしなければいいんだけどね」

周囲のスタッフには、アスカは回復直後だから念のためのチェックだと言っているが、
二人にとってはこれが何よりも気になるデータだ。
しかし、これだけ注目していながらも、彼女達は“進入者”の存在に気付かなかった。















「どうだ?」

「順調です。マヤに勘付かれるほど、落ちぶれていませんわ」












刀同士がつば迫り合う。
高振動粒子は発振していないので、ただ単純に刃だけがぎりぎりとこすれている。
シンジも、力押しならアスカに負けない自信はあった。
ただ、アスカはもともと力の強い方ではないし、本人は自覚していないが体力も退院直後なので多少衰えている。

「ふーん、力だけはあるのね。一応男の子なんだぁ」

今始めて知りました、と言わんばかりのアスカの口調。

「な、なんだよ・・口ばっかりで揺さぶりかけたって・・」

ここ数日アスカをひたすら避けていたシンジだが、さすがにむっとしたようだ。
が、そのとたんに足元がすくい上げられた。

「?!」

弐号機の足払いが見事に決まり、派手に転倒してしまう参号機。
本当に口に揺さぶられてしまった。

「押しても駄目なら引いてみろってね!」

「っ痛ったあ・・・・うわ?!」

痛みにうめきながら立とうとすると、下敷きにしたビルがさらに崩れてうまくいかない。
シンジは度々弐号機にやり込まれたせいで、体力的にも消耗してきていた。
慣れない機体に乗っているのも原因のひとつだ。
しかし、アスカは容赦しなかった。

「ふふん。無敵のサードチルドレン様の実力はそのくらいなの?それとも、ママと一緒じゃなきゃはいはいもできないのかしら?」












モニターがとあるドイツ語の単語で埋め尽くされていく。
そして、それは流れ込んできた。









「ママぁっ!私、選ばれたの!!」










(ママ・・?お母さん?・・知らないわ)

赤い瞳に動揺が走る。
違和感がみるみるうちにはらんでいった。
ふるえる手でインダクションレバーに触れる。
が、何度押しても接続は解除されない。

「・・っっ?!ううっ!」

その間にも、頭の中にどんどん“異物”が流れ込んでくる。
自らが望んだものを得ようとしているのに、それは言い表せないくらい異常なものだった。



知らない言葉。

知らない風景。

知らない記憶。



軋んだ綱と亡骸。
その顔が唐突に人形に変わって、笑う。




「ひっ!・・ああああああっ!!」




「・・・・・」

リツコは彼女が聞いたこともないようなうめき声を上げるのを聞き、眉をひそめた。
吸い込んでいるのは、感情。
言葉というオブラートに包まない、生のままの毒物なのだ。

(哀れね・・レイ。私なら、とっくに舌を噛みきっているでしょうに・・・)

コンソールに、プラグからの接続拒否サインが幾度となく表示されてくる。
だがリツコは無視し続ける。
ゲンドウも何も言わない。




レイはレバーを潰さんばかりに握り締め、それに耐えていた。

(これが、あの人の心・・・)

深く沈んだ心の奥底に。
刃のようなするどい拒絶の感情と。
相反する、甘えた依存心。









「ずっと・・ずっと、一緒だったのね!」










(・・・気持ち悪い)












道路を封鎖する「KEEP OUT」と書かれた柵が浜風に揺れている。
その向こうに道路沿いに停車した戦闘車両群と、浜辺を目一杯に占領したキャリアに寝かされた二体のエヴァがいた。

「あっちゃあ、また派手にやったわねえ・・」

気分転換に浜風を浴びていたミサトは回収された参号機の姿を見て呆れた声を上げた。
見る者に逞しさを感じさせるはずの濃紺色の巨体は全身に受けた真っ赤なペンキのせいで見る影もなく汚れていた。
その隣には少しも汚れていない弐号機。模擬戦の結果は推して知るべし。

「そんなに気を落とさないで。初めて動かした機体にしてはよくやってたわ」

「いいですよ。お世辞なんか。僕の実力なんて、こんなものですから」

ドリンクを持つ手は頼りなく、今にもそれを落としてしまいそうに。
シンジは拗ねたような笑みでマヤの言葉を受け流した。

「そんなことな・・」

「そうそう。よく分かってんじゃない!」

慰めようとしたマヤの声を遮ったのはプラグスーツ姿のアスカだった。

「自分の本当の実力が分からなきゃ、ヒトはいつまでたっても進歩できないものなのよ」

模擬戦を好調のうちに終えたので、機嫌がすこぶる良かった。
スポーツドリンクをいかにもおいしそうに飲んでいる。
その姿は着ている服がプラグスーツでなく水着だったら、CMのワンシーンにも見えるくらい様になっていた。

(分かってないのはあなたも同じでしょ・・)

マヤが複雑な視線で見つめるが、気づく事もなくシンジをからかおうとするアスカ。

「あらあ?落ち込んじゃったのかなあー、シンちゃん?」

だがシンジの視線は逃げていく。
ミサトの真似をされたのが癇にさわったのか、余計に顔を強張らせた。

(・・僕なんか、相手にする気もなかったんじゃないのかよ)

それでも、うつむいた視界に紅い足元と栗色の髪は踏み込んでくる。

「まあ無理もないわねー、でもこれがホントの実力の差ってやつなの」

「・・・」

道路に移動し終わった参号機は、整備班によって付着した塗料を洗い流されている。
水を高圧力で吹き付けているせいで機体から離れたところにいるアスカ達の周囲にも、もうもうと水煙が立ち込めてきた。
そして、シンジは黙ったままだ。








見せ付けてやったのに。
見せ付けてやろうと思ったのに。





























『私、選ばれたの!!』






























・・見てくれないの?



















「・・なによ、ファーストみたいにすましちゃってさ。なんとか言いなさいよ」

「・・・・・」

「ふ・・ん・・・無敵のサードチルドレン様は、私なんか相手にする価値もないっていうの?」

「・・?!」

シンジは驚いた。
その声は今までとは打って変わって、かすれた、弱いものだった。

(なんで、アスカが・・?)

今度は呆然として何も反応が返せなかったシンジの顔にいきなりドリンクが浴びせられた。

「・・っつ?!」

次に空になったボトルが投げつけられる。
が、シンジの胸のプロテクタに当たって、ぽこんと空しい音をたてるだけだ。

「なんとか言いなさいって言ってるでしょう!!あんた人の話聞いてんの?!」

アスカの怒鳴り声。
周囲のスタッフ達が何事かという顔をしている。
大勢の視線を浴びたシンジは妙に後ろめたい気分になった。

(そんなに怒鳴って、恥ずかしくないのかな・・)

「アスカ、落ち着いて。そっとしてあげなさい」

彼女の肩に手が掛けられる。
見かねたマヤが間に入ったのだ。

「ふんっ、知らないわよ!こんなバカ!!」

掛けられた手を乱暴に払いのけると二人の前を立ち去る。
シンジは濡れた顔を拭おうともせず、その後ろ姿を見ていた。
心の中で戸惑いが膨らんでいくばかりだった。

(なんなんだろう・・何が言いたかったんだよ、アスカ?・・分からない。分からないよ・・)




「・・・やっぱり精神的に不安定なのかしら?」

少し離れたところから様子をうかがっていたミサトだが、ふと嫌悪感に襲われた。
他人の事はなんて冷静に観察できてしまうのだろう?

(不安定なのは、みんな同じか・・)












「感情素子の2.1%が不鮮明。モニターできません。やはりまだ不安定です」

「そうか・・・レイ、上がっていいぞ」

『・・はい』

「気分はどうだ?」

『・・・・・・・問題ありません』

「・・そうか」











第三話に続く。




どぅーゆー・りめんばー・みー?(屍)

続きを出すのに何ヶ月かかってるんだか・・・
へぼを極めたhuzitaです。
これがどういう話であったか、憶えていくださっている神様のような方はいるのだらうか?(汗)
とりあえず、TV24話の続きですので。
それだけ憶えていてくださったら問題ありません(嘘爆)
ではでは。ダラダラ長文を読んでくださった方に感謝です。

追伸:今回エヴァのアクションを書くにあたって島津義家さんからアドバイスをいただきました。
謹んで御礼申し上げます。




huzitaさんへの感想は、こ・ち・ら♪   


管理人(その他)のコメント

アスカ「ええ、そりゃもうどぅーゆーりめんばーみーなんて聞く必要はないわ。当然リメンバー・パールハーバーにきまってんじゃない」

カヲル「・・・・なんだいそれは」

アスカ「アンタのことはこれっぽっちも忘れたことはないわ!、っていいたいの。これってそういう使い方なんでしょ?」

カヲル「・・・・はい。世界史の勉強やり直し〜

アスカ「な・・・・仮にも大学を優秀な成績で卒業したアタシに向かって、世界史の勉強やり直しですって!!」

カヲル「知識バカってのはどこの世界にもいるものだし」

ばきっ!!

アスカ「一言多い奴もどこの世の中にもいるのよね〜」

カヲル「ぐ・・・・し、しかし・・・・君はむちゃくちゃな復活をしちゃうし・・・」

アスカ「なに、終わりよければすべてよしよ!」

カヲル「悲惨になったときにはもう抗議なんかできないし・・・・(ぽそっ)」

アスカ「ぬ?(ぎろ)」

カヲル「・・・・いや、なんでもないです」

アスカ「今日はちょっと趣向を変えていい?」

カヲル「ん?」

べしゃぁっ!!

カヲル「わっぷ、な、なんだこれは!」

アスカ「模擬弾の塗料

カヲル「・・・・そんなもんどっから・・・・汗」



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