遥かなる空の向こうに・・勝手に外伝(公認?)


第X+X話:『今だから話そう鏡裏話』

原作者:丸山御大先生

鏡作者:踊りマンボウ

 

「御挨拶」

 

作者 「どうも!ようやく、勝手に外伝『鏡』を終わらせる事が出来ました作者の踊りマンボウです!さ、ナギサちゃんも読者の皆様に御挨拶を」

ナギサ「はい。・・皆様、お久し振りでございます。アシスタントの雪風ナギサです」

作者 「さて、今回は『今だから話そう鏡裏話』ということで、『鏡』を書く際に色々あった試行錯誤などをこの場にて公開しようと思っています」

アスカ「・・へっぽこ作家の言い訳コーナーはここよね」

ナギサ「あ、アスカさん、おはようございます。今日はおめかしをされていらしゃるのですね」

 ナギサ、アスカの姿を見つけて微笑む。

作者 「あれ、どうしたんだい、アスカ?普段と違って何だか・・その・・小林幸子みたいじゃないか」

 作者、アスカの服装を見て茶化す。

アスカ「・・」

 アスカ、作者の言葉に拳に力を入れる。

作者 「あれ?小柳ルミ子だっけ?」

ナギサ「あの・・マンボウさん。アスカさんの何だか・・その・・怒ってらっしゃるようですけど」

アスカ「この腐れ作者!」

 怒髪天のアスカ。

 瞬速のパンチが放たれる。

作者 「・・ふっ・・」

アスカ「何ですって!・・そんな・・」

 動きを止める二人。

ナギサ「・・あの、マンボウさん。その・・痛くないのでしょうか?その・・アスカさんのパンチを正面から受けたように見えましたのに」

作者 「ふっ・・痛い・・」

 不敵な笑みを浮かべた後、床をのた打ち回る作者。

作者 「な、ナギサちゃん・・お願いします・・」

ナギサ「もう・・マンボウさんたら・・仕方がないですわね。せっせっ・・と」

作者 「あ、ありがとうナギサちゃん・・」

ナギサ「ほら、動かないで下さいまし。痛みが取れないですわ」

作者 「あ・・うん」

 ナギサのにこやかな笑顔に言葉を失う作者。

アスカ「何だか、最初から調子を狂わされるわね・・」

作者 「ということで、復活!」

ナギサ「はいですの」

アスカ「あっ、やっぱりいつもの馬鹿な作者だ・・」

 

 

「鏡」

 

 

作者 「さて色々お話できる事はあるのですが、いっぺんに話すと私の方も混乱するので順を追って話を進めていこうと思います」

ナギサ「はい、まずはこの外伝の原点である『鏡(壱−レイ−)』ですわね」

作者 「そう、すべてはこの作品から始まったのです」

アスカ「・・何か、真面目ね・・」

作者 「次々とアップされる丸山氏が執筆する『遥かなる空の向こうに』を読んでいた私に、沸き上がる場面、想い、物語。それを、どうしても形にしたくて筆を執って書いたのがこの『鏡』でした」

アスカ「・・筆じゃなくてパソコン使ってるでしょう・・この馬鹿たれ・・」

作者 「当初の構想は、その静謐で何処か淋しげなこの世界観の下、レイちゃんの心情を詩を読み上げるように綴っていくというものでした」

ナギサ「タイトルは確か『詩』(うた)でしたでしょうか?」

作者 「ええ、『詩』とかいて『うた』と読みまして、これは良いものを思い付いたと当時は思っておりました」

アスカ「でも、作者がへっぽこだったからそれは実現しなかったのよねぇ」

作者 「ぐっ・・痛い所を・・。でも、確かにアスカの言う通り、当初の構想は実現できませんでした。そのなごりらしいのが最初の方ではあるのですが・・。ま、とにかく書こうとしてすぐに断念しました」

ナギサ「今となってはお懐かしい話しですけれども、残念でございますわ」

作者 「でも、それでへこたれる私ではなく、何とかしてそのわだかまりを形にしようと考えたのです」

アスカ「その結果、考え出したのがちょっと不思議な雰囲気を持っていてそれでいて身近なもの『鏡』。もともと、鏡の世界を題材に物語を考えた事もあったこともあってか、これはいい考えだとこの作者は思った・・」

作者 「アスカ・・今日は珍しく、協力的だね。・・さっきの茶化しは別として・・」

アスカ「アンタが真面目に進めてるからね・・。何か調子が狂うのよ。ナギサも何だか真面目でちょっと違うし・・」

ナギサ「?アスカさん・・何かわたくしにおかしな所がございますでしょうか?」

 ほよっとした顔でアスカを見つめるナギサ。

 どうやら自分の事が話題に上って驚いているようだ。

アスカ「・・うっ・・ま、まあ、とにかく話しを進めるわよ」

作者 「そうだね・・。何だか文字だらけだね」

アスカ「そう、いつも真っ白なアンタの原稿と違ってね」

作者 「・・」

アスカ「あ、怒ってる怒ってる」

作者 「・・題材が決まっていよいよ執筆。より丸山氏の世界を取り込む為に『遥かなる』から台詞を持ってきたり工夫して書いたのを覚えているよ・・」

ナギサ「あの、マンボウさん。少しよろしいでしょうか?」

作者 「はい、何だい、ナギサちゃん」

ナギサ「マンボウさんは、この時から、のちに続く『鏡』シリーズのことを考えていらっしゃったのですか?」

作者 「いい質問だね。もちろん、考えていたんだけど・・まさか実現するとは思ってなかったけどね」

アスカ「そう、人様の作品の最終回・・なんて大胆な事できるはずないって考えてたんだっけ・・ねえ、へっぽこ作者」

作者 「『鏡』を書き上げた時、次のアスカ編の構想がおぼろげに見えたのと、書くべきテーマも少しずつ思い付いてきた・・んだけど・・それは『遥かなる』の最後をも見据えた構想だった」

アスカ「このころは、最終回でレイは再生するっていう結末だったのよね」

作者 「そうだね・・。それに変化が出てきたのが次のアスカ編あたりからかな・・」

アスカ「その話は次に回した方がいいわね。・・それにしても、この最初の『鏡』に書いた事が最後の演出に影響するなんて思ってなかったわよね」

ナギサ「え?それは何ですの?マンボウさん」

作者 「最後の・・『それっきり、レイの前に少女は現れなかった』の所のことだね」

アスカ「これのせいで、LCLになったレイと、渚カヲルとの対面シーンが無くなったのよね」

作者 「そう、解釈を変えれば出せない事もないんだけど、『鏡』は二度とレイの前には現れなかったということで書いた下りなんで・・ちょっと躊躇ってしまったんだ」

アスカ「ホント、計画性が無いというか、行き当たりばったりというか・・」

作者 「それは、さっきいったように見果てぬ夢で終わると思っていたから・・考えてなかったんだ・・」

 

 

「第X+1話:鏡 弐−アスカ−Plus」

 

 

ナギサ「そういえば、何故第X話なんですの?」

作者 「え?・・あ、ああ、これね」

アスカ「サターンのエヴァのゲームも第X話だったわね」

作者 「・・しくしく」

アスカ「あーもう、そこのへっぽこ作者!隅っこの方に行って人差し指でのの字を書かないの!」

作者 「じゃあ・・気を取り直して行きます・・」

ナギサ「マンボウさん、ファイト!ですの」

作者 「ナギサちゃん・・ありがとう・・」

アスカ「ほら、続ける続ける!」

作者 「うん・・」

アスカ「この『鏡 弐−アスカ−』は次の『鏡 参−シンジ−』とセットで考えていたのよね」

作者 「・・そう。一作目と違って、アスカ編は、明確に最終回の前編として丸山氏に送ったんだ」

アスカ「しかも、恐れ多くも本編を食うつもりでアスカ編は構想を固めていたみたいよ」

ナギサ「え?マンボウさん・・。丸山さんをお食べになられるの・・ですの・・」

アスカ「はいはい、天然ボケ娘は引っ込んで」

ナギサ「・・くすん」

アスカ「・・」

ナギサ「くすん・・くすん・・」

アスカ「あー、もう鬱陶しい!。食うっていうのは、本物を押しのけて自分が最終回を勝手に作って、本物面するってこと!」

作者 「・・でも、すぐに思い上がりだって解ったけどね」

ナギサ「え?」

作者 「食うとか食わないとか以前に、最初に思ったことを上手く物語として記述できなかったからね」

アスカ「いくら自信のある物語でも、書けなかったら意味が無いわよねぇ」

作者 「でも、毎回それくらいの意気込みで、考えていたんだけどね。せっかく御厚意で最終回を書かせて頂くのだから、半端なモノでは丸山氏に失礼だから」

アスカ「ふうん・・もっともらしいけど、ただ単に口先だけのお調子者なだけでしょう?」

作者 「ぐっ・・」

アスカ「ほうら、図星ね。言い返せない」

作者 「・・しくしく」

アスカ「だから!鬱陶しいから隅っこでいじけないの!」

作者 「じゃ、じゃあ・・気を取り直して・・アスカ編の話・・するね」

ナギサ「マンボウさん、ファイト!ですの」

作者 「うん・・頑張るね」

アスカ「・・また何か別世界に入ろうとしているじゃない・・もう・・」

作者 「さて、この作品・・最初ご覧になった方は、どの辺りがPlusかなって思われたと思いますが、これこそ裏話でして・・」

アスカ「この前に、Plusの付かないヴァージョンがあったのよね」

作者 「・・そう、書き上げたばっかりでまだ見直す前の出来立ての原稿の段階のもので、暫定版だよって、丸山さんに送ったんだ」

アスカ「その時には、アタシのあの『違う・・醜いとか・・認めるとか・・そんなことじゃない・・鏡の中の・・アタシが言おうとしていることは・・』から続く一連の台詞が無くて、レイの優しさが際立ったものだったのよ」

ナギサ「ほよ。では『アスカ』とは付いてはいましたけれど、『鏡 弐』は『レイ』だったのですか?」

作者 「そ、そうだよ・・。良く解ったねナギサちゃん」

アスカ「しばらく黙っていたと思ったら、油断できないわね・・」

作者 「・・で、原稿を送った後・・というか送る前から、これはちょっと違うから直さなければって思っていて、暫定版って言っていたんだ」

アスカ「でも、修正しようとしてもなかなか思い付くはずも無い」

作者 「当初考えていたものと違うものになるのはいつもの事としても、この時はそんな言い訳では片付けられない違和感があって、何とかしたかったんだけど・・違うっていう気持ちだけが空回りしてたんだ」

アスカ「で・・例のお告げだか電波だか知らないけど・・突然来たのね」

ナギサ「え?・・来たって。・・いやですわ。マンボウさんのえっち☆えっち☆」

 ぽか☆ぽか☆

作者 「あうあう、ナギサちゃん、違うよ」

ナギサ「え?・・あ、そういえばマンボウさんは男の方でしたわ。わたくし、うっかりしておりました。・・申し訳ございませんマンボウさん」

作者 「いや、いいよナギサちゃん」

アスカ「良くある天然ボケだもんね」

作者 「・・で話を戻すけど、違う、違うって思って、アスカにふとその台詞を言わせてみたら・・すんなりと書き換わっちゃったんだ」

アスカ「その前は、本当に書きたかった事は欠片も入っていないって騒いでいたのが嘘に思えるくらいすんなりとね」

作者 「この時、アスカが降りてきたというか、何かくるものがあったんだ」

アスカ「でも、『鏡』ではこの一作だけみたいね。こんなこと・・」

作者 「しょっちゅうあったら、恐いって」

アスカ「で、晴れて完成。この加筆と作品の完成度アップに喜んでPlusを加えての掲載となったのね」

作者 「でも、これだけじゃなかったんだ。もともとはこれは約束の日の前日の話だったんだけど、この時に数日前に日付が変更されているんだ」

ナギサ「それは、どうしてですの?」

作者 「それはね、『鏡 参−シンジ−』の路線変更による『存在』という小説の構想が出てきたためなんだ」

アスカ「ころころと思いつきで書いているアンタらしいわね」

作者 「んで、路線変更の原因なんだけど・・すばり『ファイナルファンタジー7』と『魂のルフラン』なんだ」

ナギサ「ソニーのプレイステーションで話題のゲームソフトと劇場版新世紀エヴァンゲリオンの主題歌ですわね」

作者 「そう、FFはヒロインともいえるエアリスの物語が深く影響していて、魂のルフランは、あまりに素晴らしい出来なのと意味深な歌詞でもうどっぷりだったんだ」

アスカ「それで、急遽、構想も新たにシンジ編に取り掛かったのよね」

作者 「そうなんだけど・・それはシンジ編の所でのお話なんだよね」

 

 

「第Y話:存在」

 

 

作者 「さて、『存在』だけど・・いわゆる『約束の日』の前日のお話なんだよね」

アスカ「何だか後を見越しての、種まきが随分となされているようだけど?」

ナギサ「え?お花ですの?わたくし、ヒマワリがいいですの」

アスカ「・・その種じゃないって。仕掛けの事よ」

ナギサ「え?そうですの。わたくし勘違いしておりましたわ。申し訳ございません・・」

作者 「でも、ほとんど回収しなかったけどね・・」

アスカ「たとえば、このレイがアタシに託した事とか?」

作者 「そう、表題『そして、アスカへ・・』の所の話は、気になる所かもしれないけど、あんな結末だった以上、話すべきことでもないし秘密にしておいても問題ないと思うけど」

アスカ「ま、いいけど『裏話』なんだからこういう所を話すべきなんじゃないの?」

作者 「言われてみれば・・そうですね・・それでは、綾波レイさん・・お願いします」

ナギサ「あ、レイさん。どうしたのですか、このような所へ」

レイ 「・・あなた誰?」

ナギサ「ほよ?」

作者 「ナギサちゃん。そのレイちゃんは、君の知っているレイちゃんじゃないんだよ」

ナギサ「でも、マンボウさん。何処から見てもレイさんそっくりなんですけれども・・違うのですか?」

作者 「うん。ということで突然小説パートです」

 

 

 ゆっくりとエントリープラグのハッチが開く。

「あ・・」

 アスカは声を上げた。

 すらりとした白い足が、エントリープラグのハッチの影から伸びたのだ。

 二つ、しっかりと地面を探り当て体を支える。

「・・」

 意志の宿った紅い瞳。

 さらさらの透き通るような蒼い髪。

 白い肌。

 そこに立っているのは、間違いなく綾波レイだった。

「レイ!・・」

 その姿を見て、アスカは彼女に抱きついた。

「・・誰?・・あなた誰?」

「!」

『ああ・・そうか・・レイ。言ってた通り・・記憶・・無いんだね』

 そのために彼女の前の綾波レイから、自分に託されたのだ。

 彼女の願い。

 

『アスカ・・お願い。・・ワタシがこの世界に帰ってきた時、記憶を失っていたら・・。そのもう一人のワタシに伝えて』

『ええ解ったわ・・レイ・・何を伝えたらいいの?』

『・・ワタシが、碇クンを好きだって事を。それと、・・アスカと親友だって事も』

『レイ・・』

『アスカ・・。ワタシが・・もう一人のワタシになっても・・親友でいてね』

『うん・・解った・・レイ・・』

 

「アタシは、惣流・アスカ・ラングレー・・アナタの親友よ」

 そういって、アスカは微笑んだ。

「アスカ・・親友?」

「でも、ライバルでもあるのよ・・レイ」

「レイ?・・それが・・ワタシの名前なの?」

「ええ、そうよ・・綾波レイ・・アタシの親友であり、ライバルでもあるのよ」

『そして・・可愛い妹でも・・ある』

 アスカは心の中で呟いた。

 

 

作者 「彼女の願いは、気付かないかもしれない・・忘れていた想いや、大切な繋がりをもう一人の自分に伝えて欲しいってことだったんだ」

アスカ「・・」

作者 「ケンスケ君のビデオに残っている記録も、大体そんなものなんだけどね」

アスカ「それで・・、そのビデオは結局シンジに届けられたの?」

作者 「・・そうだね。計画の失敗で遺影になってしまったけど・・届けられたよ。ということで、またまた小説パート」

 

 

(これは『鏡』の後日談でもあります)

 

『いまさら・・』

 シンジはそう思いつつも、ケンスケから渡されたメディアをプレイヤーに入れた。

 そこには、元気なレイの姿が映っていた。

 

「あの・・ケンスケ君。映ってるの?」

 カメラを覗き込むレイ。

 がたがたと音がして、カメラが揺れる。

「え?あっ、もう映ってるはずだけど・・ちょっと待って」

 ケンスケの声がして、一瞬映像が途切れる。

「じゃ、もういいから終わったら言ってね・・」

「うん・・」

 がたごとと物音が遠ざかっていく。

 やがて、がちゃんという音がして、静かになる。

 レイは、カメラの前で緊張した面持ちだったが、口を開いた。

「碇クン・・このビデオをアナタが見ている時・・ワタシはどうなっているか、解らないけど・・聞いて欲しい事があるの・・」

 レイの紅い瞳が、真っ直ぐと自分に向けられている。

 ビデオの映像ながら、シンジにはそう思えてならなかった。

「・・碇クン・・あの・・上手く言えないけど・・ワタシは、碇クンやアスカや・・優しい皆に囲まれて幸せだと思う・・」

 何やら、気持ちがまとまらないまま言葉にしているようで、レイの言葉は滑らかさが欠けていた。

「その・・それで・・何を言ってるのか・・解らなくなりそう・・なんだけど・・その・・そう・・」

 シンジを強く意識し過ぎて、少し先走ってしまったようで、レイはしどろもどろになる。

「・・あの・・その・・ごめんなさい。・・」

 すうっと深呼吸。

『綾波・・』

 映像を見ながらシンジは思う。

 心。

 変化。

 人形のように感情の無かった彼女が、こんなにも豊かにくるくると表情を変える。

 ようやく、何かが掴めそうだったというのに・・。

「あ・・そうだ・・その・・。あの・・明日から、病院に入院するの・・その、シンジ君には言ってなかったみたいだけど・・ワタシの命・・もう残り少ないみたい・・」

「・・」

「あの・・ワタシ、碇クンのこと・・好き、だと思う。・・でもワタシは・・このままだと失われてしまう・・。アスカも・・碇クンのこと、好きなの・・。それで、アスカにはライバルって言われてるけど・・でも、こんなんじゃライバルなんて言えない・・。だから・・確率は低いけど・・賭けてみようと思うの・・赤木博士に・・」

 残念ながら、賭けは失敗に終わった。

 それだけに、シンジは辛かった。

 ちくちくの胸が痛む。

「それで、・・もしかすると・・ワタシ、記憶を失っているかもしれない・・。だから・・その・・碇クンは迷惑かもしれないけど・・そのもう一人のワタシと・・友達になって欲しいの・・」

 はにかみ、微笑み。

 笑顔、戸惑い、躊躇、ジレンマ。

 赤らめた顔。

 嫌になるほど、その映像は、生き生きとしたレイを捉えていた。

『綾波・・』

 シンジの瞳からはとめどなく涙が溢れていた。

 

 

作者 「という感じの下りになります」

ナギサ「でも、マンボウさん。この作品は途中で終わっていますけれども、続きはお書きになられないのでしょうか?」

作者 「・・この辺りの話は、シンジ編での話だけど・・ま、いいか。えっと、こういう後日談を含めて色々、まだ書く事は残っているんだけど、『鏡』は、レイの消失で物語は終わりなんです。ですからそれ以上の話は蛇足でしかないのです」

アスカ「で、後日談のタイトルが『蛇足』だったのね」

作者 「そう・・。最初?書く予定だった『鏡』のフォローの意味も含めた後日談・・『蛇足』。結局、構想を練るうちに物悲しい物語になって先が見えてしまったから書くのは中止されたんだけどね」

アスカ「ホント、アンタってそういうの多いわね」

作者 「でも仕方ないよ」

アスカ「才能が無いものねぇ」

作者 「ぐっ・・しくしく」

ナギサ「マンボウさん・・」

アスカ「・・で、『存在』の話に戻るけどあの最後、アンタらしいといえば、らしいわね」

作者 「あ、ああ、あの淡々とした最後だね。これはネタが浮かばなかったとかそんなんじゃなくて、シンジ君に真実を知られないまま、病院へと赴くレイを書きたかったのと、必ずしも劇的な事ばかり起こるんじゃなくて、本当に他愛なく過ぎて行く大切な時間を書きたくて、こういう演出になったんだ」

アスカ「日常ね・・。丸山さんの『遥かなる』でも、それは、重要視されてるわよね」

作者 「そう・・。だから、それを引き継いでいるともいえるね」

ナギサ「・・日常・・大切な時間ですか・・」

作者 「!・・ナギサちゃん・・」

ナギサ「わたくしも、何処かに大切な時間を、忘れてしまったのかもしれませんね・・」

作者 「・・」

アスカ「ねえ・・ナギサ・・どうしたの?」

ナギサ「あ・・いえ、何でもありませんの。・・ごめんなさいまし・・」

作者 「暗い話になっちゃったね」

アスカ「仕方ないわよ。終わり方があれだし、もともとそういう雰囲気、好きなんでしょう?」

作者 「・・そうだね・・」

 

 

「第X+2話:偽りの生活 副題:鏡 参−シンジ− Aパート」

 

 

作者 「路線変更のために変更を余儀なくされた『鏡』最終作、シンジ編のですけれど、これが三部作になったのは最初のこの仕掛けの為でした」

アスカ「偽りの生活っていう意味深なタイトルをつけたり、アンタも色々工夫しているのね」

作者 「そう、『存在』を書く以前は、一話で終わりだったんだけどね。エントリープラグの中へ入るレイを見送り、そして帰還まで書く。それで奇跡が起こるパターンと起こらないパターン両方を書いて、読者の方に好きな方を選んでもらおうと思ってたんだ」

アスカ「でも、それって主張の放棄ともいえるんじゃない?」

作者 「そうだね。だから、きちっとした最後を書かなければと、構想を改めたんだ」

アスカ「でも、そんな偉そうの言えるの?」

ナギサ「何かございますの?アスカさん」

アスカ「・・ふ、ふ、ふ。実はね、この腐れ作者、シンジ編はイヤイヤ書いていたのよ!」

作者 「・・そ、それは・・」

ナギサ「本当なんですの、マンボウさん」

作者 「うん・・本当だよ。ナギサちゃん」

ナギサ「・・どうしてですの。どうして・・そんな・・」

作者 「せっかく読んで下さってる方には申し訳ないだけど・・。作者の中では、もう書くべき事は、書いたといった感じだったんだ。まだ、このAパートは良かったんだけど、次のBパート、Cパートは、納得のいく作品とは言えないんだ」

アスカ「納得ねぇ。発表した以上泣き言は無しだと思うけど」

作者 「無論、手を抜いて書いた訳じゃないけど、振りかえるとシンジ編は、何処か誤魔化していた所があると思うんだ」

アスカ「書いている時は、これでいいって言ってたものね」

作者 「シンジ君という題材も、辛かったのかもしれない。その辺はBパートでの話になりますが・・」

アスカ「ま、そういう愚痴めいたのは、素晴らしい場所や、作品を提供して下さった丸山さんに失礼というものよ」

作者 「・・」

ナギサ「マンボウさん。その、わたくし・・上手く言えないのですが、そのもっと未来の事を見つめて下さいまし。何て言うか、今のマンボウさん、出来なかったっておっしゃるだけで、これからもっと素晴らしい作品を書くとか・・その・・」

アスカ「そうそう、ナギサの言う通り、せっかく色々な人に読んでもらっているんだから、今度はもっと凄い作品書きますよ、位言えばいいのよ」

作者 「うん・・そうだね。一度、世に送り出した作品だから、これが出来なかったとかいうだけでなくて、今度はもっと頑張りますっていう気概がないとね・・駄目だよね」

アスカ「ほら、しんみりしない」

ナギサ「マンボウさん、笑顔ですわ」

作者 「・・そう、未来への道標だね」

アスカ「・・カッコつけないの、腐れ作者!」

作者 「ということで、シンジ編Aパートですけど、こっそりアスカが殴られることが書かれているくらいで、ほかに話しはないんですよね」

アスカ「ま、このパートは仕掛けで読者を驚かせることだけが目的とも言えたのよね」

作者 「ええ、そうです。これも、思い付きでしたけどね」

アスカ「ただ単に、ひねくれ者なだけでしょう!」

作者 「あ・・そういえば、忘れてたことがある!」

アスカ「何?」

作者 「すちゃ裏がこれから無くなったんだっけ」

アスカ「そういえば、『存在』は別として、最初とアスカには付いてたわね」

ナギサ「はい、わたくし楽しみにしておりましたのになにがあったのですの?」

作者 「・・一言でいえば、どう見てもすちゃ裏が浮いていたからだよ」

アスカ「・・」

ナギサ「ぷかぷか・・」

作者 「だから、シンジ編からカットされたんだ・・ということで、幻のすちゃ裏を公開します」

 

 

すちゃらか裏話出張版(幻版)

 

ナギサ「あの・・アスカさん、本当によろしいのでしょうか?」

アスカ「何言ってんのよ、ナギサ。あの腐れ作者の言うことなんてきいてられるもんですか!ほら、始めるわよ」

ナギサ「は、はい・・。あの、皆様ご機嫌いかがでしょうか?アシスタントの雪風ナギサです」

アスカ「司会のアスカよ。文句は言わせないわ!」

ナギサ「・・あの、アスカさん、やっぱりよしませんか?・・わたくし達の生みの親であるマンボウさんの方針を無視するなんて、よろしくありませんわ・・」

アスカ「・・もういいわ、ナギサ。アンタ、そんなに嫌ならかってに帰れば。後はアタシ一人で進めるから」

ナギサ「・・はい。そういたします・・。申し訳ありません、皆様。またお会い出来るまでご機嫌よろしゅう・・」

 ナギサ、頭を下げて退場。

アスカ「ふう、正直言ってあの娘苦手なのよねぇ。ま、これでアタシの天下ってことで好き勝手できるわね。ホント、あの馬鹿作者、何が『鏡の最終作の雰囲気を壊すかもしれないからすちゃ裏は今回無しね』よ。ふざけてるわ」

ハルナ「あれ?昇竜さん?どうしたんです?」

アスカ「・・誰が昇竜よ。って、アンタ誰?」

ハルナ「はい・・アタシですか?・・アタシは天城ハルナ。花も恥じらう、ぴっちぴちの女子中学生ですけど」

アスカ「ぴっちぴちの女子中学生・・ねぇ。アタシも一応そうなんだけど」

影の声『同人誌でやってることはお・と・な、だけどね』

アスカ「?・・何か聞こえたけどまあいいわ」

ハルナ「はあ、それで昇竜・アスコ・ラングレーさんどうかしたんですか?」

アスカ「・・何か作者のあからさまな嫌がらせとしか思えないわね・・もういいわ今回はここまで、ネタばらししてさっさと帰るわ」

ハルナ「ねぇねぇ、昇竜さん」

アスカ「(無視)・・。今回のネタばらしは、・・なんだったけ?」

ハルナ「?・・どうしたんです?」

アスカ「・・作者・・何書くつもりだったか忘れてる・・」

ハルナ「・・」

アスカ「・・馬鹿ばっか・・もう知らないわ!帰るからね!」

ハルナ「・・あらまぁ・・」

 

 

アスカ「あのさあ・・天城ハルナって誰?」

ナギサ「ハルナさん・・て、もしかして・・」

作者 「そう、ナギサちゃんの知っているハルナちゃんなんだけど・・ちょっとまだキャラクターが固まってないまま書いてるんでちょっと変かもしれないけどね」

ナギサ「そうですの・・。くすん・・」

作者 「ごめんね。なかなか、すちゃエヴァ書けなくて・・」

アスカ「ホント、見捨てられるわよ」

作者 「うう・・」

 

 

「第X+3話:真実(ほんとう)の記憶 副題:鏡 参−シンジ− Bパート」

 

 

作者 「さて、後書きに書いたように、シンジ君の心理描写があっさりとしていて、おやっと思われたかもしれない」

アスカ「ただ単に、へっぽこさを露呈しただけでしょう?」

作者 「うっ・・ぐっ・・」

アスカ「だって、そうでしょう?丸山さんの『遥かなる』では日常を通してじっくりと、アタシ達の心情の移り変わりとかを書いているというのに、アンタは、『鏡』という存在を持ち出してその時間を縮めているんだから」

作者 「確かに・・その通りです。それ故に、ここでは鏡の仮初めの姿である渚カヲルにほとんどを語ってもらったんだ」

ナギサ「カヲルさんもいらっしゃるのですか?」

作者 「残念ながらナギサちゃんの知っているカヲル君ではないけどね」

ナギサ「え?そうですの・・」

アスカ「ほんと、本来の仕事は何処へ行ったのやら」

作者 「・・それに関しては何も申しません・・」

アスカ「ギャグが書けないとかほざいちゃって、シリアスな方に逃げるなんて、へっぽこ中のへっぽこよ」

ナギサ「まあ、マンボウさん、そうですの!それは凄いではありませんか」

アスカ「ナギサ・・。誉めてない、誉めてない」

ナギサ「ほよ?・・あらら、そうでしたの?わたくしはてっきりへっぽこの中のへっぽこというのが、素晴らしいものかと思っていたのですけれども・・違うのですか」

作者 「ううっ・・ナギサちゃん。笑顔でへっぽこ、へっぽこって言わないで・・」

ナギサ「あ、申し訳ございません・・マンボウさん・・。しゅん・・」

作者 「・・あ、あのナギサちゃん。そんな悲しい顔しないで。その方がもっと辛いから・・」

アスカ「・・あーあ、またなんか世界を作ってる・・仕方ないわね、ちょっと応援でも呼んでこようかしら」

作者 「あれ?アスカ、何処へ行くの?」

アスカ「応援、呼んでくるの」

作者 「え?・・何か嫌な予感するからいいよ」

アスカ「大丈夫よ、ちょっと碇夫妻を呼んでくるだけだから」

作者 「・・ややこしくなるから止めよう」

アスカ「そう?・・まあいいわ。あの親父の方はすぐに呼べるし・・」

作者 「?・・まあいいか、続けよう」

アスカ「といっても、この辺って作者が苦しんだ以外、あまり裏話らしい裏話ないわよね」

作者 「そうだね・・。アスカが殴られるところを、アスカの視点から書こうとした外伝以外はね」

アスカ「・・その外伝て・・まさかまたお蔵入り?」

作者 「またとは、失礼な。しっかりと上の方でその一部が公開されてるじゃないか」

アスカ「じゃあ、ここで、公開するの?」

作者 「うーん・・難しいなぁ」

ナギサ「どうしてですの?」

作者 「・・それは、まだ書けない事もないから・・いっそきちんとした形にして発表しようかと思っているから・・」

アスカ「でも、本編というか、『鏡』シリーズは完結してるんでしょう?ここで公開すれば?」

作者 「・・そうだね・・。何だか在庫一掃セールみたい」

ナギサ「お安いのですの?」

作者 「・・そうかも」

 

 

遥かなる空の向こうに・・勝手に外伝(公認?)

 

 

*注意 このお話は第十四話までを参考に、勝手に私の想像力に任せて書いたものです。

 

 

第Y+1話:苦しみ

   副題:鏡 参−シンジ− アスカ サイドストーリー

 

原作 丸山御大先生

 

外道 踊りマンボウ

 

 

『苦しい・・』

 涙がこぼれる。

『シンジ・・』

 左頬が痛む。

『誰か・・』

 心が痛む。

『助けて・・』

「アスカ!・・大丈夫?」

 ふと、ミサトの声がした。

「・・ミサ・・ト・・?」

 殴られたショックで、焦点が合わない。

 ぼんやりとミサトの顔が見える。

「ええ、そうよ・・」

「・・」

 その顔に安心したのか・・アタシは再び意識を失った。

 

 

『誰か・・助けて・・』

 闇、どこまでも続く闇。

『お願い・・』

 アタシは走り続ける、光を捜して。

『アタシを・・一人にしないで・・』

「・・アスカ・・」

『レイ!』

 ふと、闇に浮かび上がる少女の姿。

「・・お願い・・ね・・」

『待って!レイ!』

 だけど、アタシが止める間もなく、レイは闇へと霧散した。

『駄目なの・・これ以上・・耐えられない・・』

「・・アスカ・・」

『・・』

 そこには、もう一人のアタシがいた。

 鏡の中から、アタシを挑発した嫌な存在・・。

 だけど、アタシに決意を促してくれた大切な存在。

『何・・』

「別に・・すべてを投げ出してもいいのよ・・まあ、苦しむ道を選んだのはアンタだから・・その強さには感心するけど・・」

『まだ、アタシを苦しめたいの?』

「それでもいいわよ。アンタみたいなお人好しには、いい薬になるわ」

 あの時の笑いを浮かべる鏡。

『・・』

 アタシは何も言えずに黙り込む。

「・・奇跡・・起きるといいね。みんなに・・」

 そんなアタシに、急に別のことを鏡は言い出した。

『どういうこと・・』

「あの娘は消えた・・。帰る道標を見失ってしまった・・。だから、戻ってこない」

『・・レイは帰ってくる・・絶対に・・』

「信じてるの?・・帰ってくることを。でも、あの娘は・・還ったのよ・・始まりに・・無駄よ」

『・・そんなことない・・わ・・』

「奇跡を信じてるの?アンタ、馬鹿ぁ?・・あの娘・・解っているでしょ。・・死と向かい合い・・死に抵抗し・・でも死を覚悟した・・。だから、希望の糸は切れてしまったのよ」

『違う!あの娘は、レイは死ぬためにエントリープラグに入ったんじゃないわ!』

 アタシは闇が消し飛んでしまえとばかりに大声を上げて鏡の言葉を否定した。

『だって・・だって、レイには伝えなきゃいけないことが・・あるのよ・・』

「・・そうね・・帰ってくれば・・」

 

 

「・・」

 再び意識を取り戻した時、アタシは自分の頬を涙が伝っていることに気付いた。

「天井・・」

 ネルフの病院の天井。

 この天井をアタシは・・かつて見つめていた。

 意識の無い瞳で・・。

「嫌な・・感じがする・・」

 思い出した途端、吐き気がした。

 忌まわしき記憶・・だけど、それを含めて、今またベッドに横になっていることも何もかも・・アタシなんだ・・。

 記憶を積み重ね、辛いこと、悲しいこと、楽しいこと、怒ったこと、喜んだこと、すべてを踏まえて今の自分なのだから・・。

「・・シンジ・・」

 真実を知ったシンジ。

 嘘をついていたアタシを、殴りつけた。

「・・」

 頬が、腫れているようで、喋るたびに痛む。

 覚悟をしていたことだけど、それでも辛い。

『僕を騙していたんだな!』

 あの時のシンジ、レイのことより・・アタシ達がシンジを騙していたことを怒っていた。

 まさか、あんなに怒るなんて思わなかった。

『みんなで・・知らされていないのは僕だけ・・ちくしょうっ!』

 シンジの怒りの形相。押し倒され、脅えるアタシに振り上げられた拳。

 そして、ガツンという衝撃・・。

 恐かった・・。

 シンジ本人を、恐いと思ったのは・・初めて・・。

 今までは、エヴァとの関わりで・・シンジの能力を恐れていたけど・・。

「いかり・・」

 怒り・・の強さ。

 シンジに殴られた。

 

 

アスカ「何だ、結構書いてるじゃない3KB程だけど」

作者 「もちろん、これは本気で書くつもりだったけど・・物語の締めくくりをどうしようか悩んで書けなくなったんだ」

アスカ「素直に、記憶操作の生活を始めるところで終わりにすれば?」

作者 「!・・そうだね。そうすればよかった・・」

アスカ「変なオチとか考えるんじゃなくて素直になる事も必要よ。でも、根がひねくれてるから仕方ないか」

作者 「うう・・」

ナギサ「ほら、マンボウさん、泣いてはいけませんわ」

作者 「・・次へ続く・・しくしく」

 

 

「詩(うた):心の告白」

 

 

作者 「終わりを目前に、突如ひらめきというか、思い付きで書いた詩、『心の告白』」

アスカ「・・何だか神妙ね」

作者 「この時には、どこまで最後に盛り込めるか解っていたから・・少しでも伝えたい事を増やしたくて書いたんだ・・」

アスカ「最初の構想に近いといえば近いものね」

作者 「そう、『鏡』の前の構想の実現がなされたといっても過言ではないと思う」

アスカ「それにしても、色々考えているって後書きに書いているけどこれって?」

作者 「もちろん・・『蛇足』のことだよ」

アスカ「・・でも、それ手もつけないうちに頓挫したのよね」

作者 「・・次、行ってみよう!」

アスカ「誤魔化すなぁ!」

 

 

「第X+4話:未来への道標 副題:鏡 参−シンジ− Cパート

      :with「魂のルフラン」(新世紀エヴァンゲリオン劇場版:シト新生 主題歌)」

 

 

アスカ「何だか、タイトルが長いわね」

作者 「『鏡』の中でもっとも苦しんだ締めくくり・・だね」

アスカ「レイの死で閉じられる物語か・・」

作者 「少しシンジ君のフォローも入ったけど、実質的にはシンジ編はBパートで終わっていたから、ここは終焉のためだけの物語だった」

ナギサ「・・どうして、このような悲しい最後になったのですの・・。もともとは再生による回帰で物語は閉じられるはずだったとわたくしは聞いておりましたが・・」

作者 「それは、前にも書いたようにFF7と、ルフランの二つが原因なんだ」

アスカ「ほんとうに、アンタ、影響を受けやすいわね」

作者 「・・それは言わないで。そもそも、この『鏡』シリーズは、丸山さんの作品に影響というか取り込まれたというか・・とにかく、飛びついてしまったせいで出来た作品なんだから・・」

アスカ「・・そうね。自分の作品、ほっぽいてこっちに熱中してたし・・」

作者 「うう・・それは」

ナギサ「そうですわ、マンボウさん・・。わたくし・・ずっと待っておりますのに・・」

作者 「あ・・な、ナギサちゃん・・」

アスカ「あーあ、泣かしちゃった」

ナギサ「くすん、くすん」

作者 「あ、ナギサちゃん・・ほら、泣かないで」

ナギサ「だって・・だって・・マンボウさんたら・・」

作者 「・・困ったなぁ」

アスカ「腐れ作者、後はアタシに任せて、ナギサをなだめてくれば」

作者 「・・何か嫌な予感がするけど・・」

ナギサ「すん・・くすん・・」

作者 「・・あー、もう・・アスカ。後は頼んだ!」

 作者、泣いているナギサと共に退場。

アスカ「ふう・・ということで、一人で進めるのもなんだから・・碇ゲンドウ!カムヒァー!」

碇司令「呼んだかね?」

アスカ「・・何の面白味も無い、登場の仕方ね」

碇司令「ふ・・問題ない。総てシナリオ通りだ」

アスカ「・・。まあいいわ、続けましょう。さて、何から行きましょうか・・」

碇司令「裏話をするなら早くしろ。でなければ、帰・・うぐ」

アスカ「親父・・うるさいわね。アンタはお人形のようにアタシの言う事を聞いていればいいのよ、解った」

碇司令「ふっ・・ぱた・・」

アスカ「あ、そうだ。まずはこのCパートに詩が盛り込まれた訳だけど・・作者のイメージとしては、歌がバックに流れながら台詞無しで回帰の状況が次々と流れていくっていうものだったらしいわ」

碇司令「・・そうだ・・」

アスカ「もともと、そういう映像・・アニメ的な発想が先に浮かんだせいでこんなになってしまったみたいね。それに、次ではまた妙な事を考えていますってBパートで言った手前、変えれなかった面もあるみたい」

冬月 「碇・・いいのか、このようなシナリオ・・俺の計画にはないぞ」

碇司令「ふ・・問題ない。総て修正のきく範囲内での出来事だ」

アスカ「何だか、親父が増えてるわね・・。まあいいわ、それでそのイメージを伝えたくて歌詞を重ねたみたいなの」

冬月 「あれで、よかったのか?本当に・・」

碇司令「我々にはもう時間が無いのだ・・」

アスカ「後は、『奇跡は起こるよ、何度でも』っていうところと、奇跡は起きなかったっというところを重ねたかったみたいね。そのためにちょっと物語を間延びさせたとしてもやってるんだからよっぽどだったようね」

冬月 「計画の遅延・・委員会が黙っていないぞ」

碇司令「・・かまわんさ。いい薬になる」

冬月 「・・(誰に対してだ、碇)」

アスカ「それで、レイの消失で歌は途切れる。そして残された人々は・・。という悲しい結末。『帰る』ではなく『還る』という歌の示す通り・・レイは還っていった」

碇司令「人類補完計画・・」

アスカ「それじゃあ、あんまりだとへっぽこ作者が、考えたのが『蛇足』。・・ほら親父達邪魔よ!」

碇司令「ぬう・・」

冬月 「碇・・先に逝くぞ・・」

碇司令「ま、待て冬月」

アスカ「問答無用、天地驚愕、疾風怒濤・・閃光拳!」

碇司令「ぐわ・・たわば・・」

アスカ「ということで、浦波レイ・・おいで」

レイ 「はい、あの私、このような所にお邪魔してよろしいのですか?」

アスカ「いいのよ。作者がへっぽこなせいで、出そびれてるんだから」

レイ 「・・そうですか・・。ならいいのですが・・」

アスカ「ところで、例のキーホルダー持ってる?」

レイ 「はい」

 レイ、片翼の天使が一人いる三人の天使のキーホルダーを取り出す。

アスカ「そう・・これが、物語のポイントになるキーホルダー。悲しみに打ちひしがれつつも日常に戻っていたアタシ達の前に現れた少女浦波レイ・・。彼女が大事そうに持っていたキーホルダーはレイがアタシに託したキーホルダーと同じように、一人、片翼の天使がいた・・」

レイ 「片翼の天使は私。いつか巡り合う親友を捜して地上を歩く、飛べない天使・・」

アスカ「そんな、レイに私達は、綾波レイを思い重ねる。ただ一点、髪の毛がロングである事以外、何ら外見的に綾波レイと違いが無かったから」

レイ 「私の知らない私。・・周りの碇クンやアスカは・・その人に話し掛けている。私じゃないの?」

アスカ「そして、破局。アタシ達は、レイをレイとして見る事が出来ずに、綾波レイとして見ていた」

レイ 「碇クンは、いつも私の中に、誰か他の人を見ている・・。私を見ていないの・・」

アスカ「浦波レイの転校で物語は幕を閉じる・・」

レイ 「碇クン・・。もし・・私が綾波レイでなく・・浦波レイとしてアナタの前に現れたら・・アナタは私の事に気付いてくれたの?」

アスカ「残酷な少女の呟き・・」

レイ 「私・・。浦波レイです・・、綾波レイじゃ・・ありません・・」

アスカ「悲しいまま・・少年達は傷ついたまま、大人になる・・ていう感じの物語が『蛇足』」

レイ 「結局・・ここでの発表となりましたが・・」

アスカ「いいのよ・・本当に『蛇足』なんだから・・」

 

 

「総評」

 

 

作者 「ということで、作者復活!」

ナギサ「ナギサもおりますわ」

アスカ「あら、帰ってきたの?あのまま居なくなっても良かったのに・・」

作者 「・・ということで、長々とお伝えしてきました裏話ですが、お時間も押してきたところでそろそろ締めくくりに入ろうと思います」

アスカ「・・無視したわね」

作者 「結局、ここに書いてきた事は、ほとんどが作者の愚痴であり言い訳であり、作品に出来なかった未熟さでありました」

アスカ「へっぽこ作者・・」

作者 「次からは、なるべくこういう言い訳や、後悔が無いよう努力しますので、御容赦のほど宜しくお願い致します。それでは・・」

全員 「また、お会い致しましょう・・失礼致します・・(ぺこり)」

 

*追記:何だか、『鏡』シリーズ最長のアスカ編よりKB数が多くなってしまいました。申し訳ありませんでした・・。

 


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