交通事情も特に不安もなく天気も上々だったのですがまあいくつかネタにしておきたい出来事なりなんなりあったわけで。その辺は後日まとめて。今回は下記に書いていたようにザウルスの電源事情その他があったので、日記のネタになるメモはザウルスではなくメモ帳に書いてあるのです。ですので、書き起こさなきゃならんわけ。なにを面倒くさいことをとか思うでしょうけど、電源事情よりも先に一番多いのが、食事やなにやを取る場所でザウルスという電子機器を取り出すという行為です。
今回下記でも書いたとおり私が行ったのはNY。昨年のDCは首都であり、まあ官公庁外以外観光地くらいしかない(乱暴)なので、それほど危機感を感じるわけではなく、普通のレストランなどでもザウルスを取り出して書くことにさほど抵抗を覚えませんでした。荷物を置いてトイレに行ったら、ウェイトレスのおねえちゃんに「駄目だよそれじゃ」と注意してくれるくらいの民度です。
翻って今回のNYは、正直人前でそういった電子機器を取り出すことに抵抗感を覚えました。別に特定の場所に限ったことではありません。一人旅ですのでそれなりの格式のレストランなどに入るわけではなく普通のファーストフードだったりしました。そう言う場所でもです。そういったデバイスを使っていることであいつは金や貴重品を持っていると思われかねないのが困るからです。服装は相変わらずてきとーにぼろかったのでどうでもいいんですが。
今回私が泊まったのはミッドタウン周辺(マンハッタン島中央部)のホテルでした。クラス的には中級、どこに行くにも交通の便が良い、という場所でした。別段治安が悪いという話は聞きません。が、都合2日半その当たりを動き回っていて思ったのですが、街中を歩いていて気になったこと、昨年のDCと何が一番異なるところがありました。2つです。ガム屑とゴミ屑です。
まずガム。歩道に黒い転々とした染みが、洒落じゃなく一面に付いている地域があります。噛んでいたガムを吐き捨てたものが踏みつけられ固まったものです。おまえらガム屑で道を舗装するつもりかといわんほどに密集しています。一方、アップタウンの方にあがっていく(アップタウンの方はいわゆる高級住宅地の位置づけ)と、ガムの吐き捨ては影を潜めます。昨年のDCではそこまで気になりませんでしたので、ひどくなかったのでしょう。
そしてゴミです。NY滞在中にミッドタウンでブラジルフェスタかなにかでブラジル系のお祭りがあり非常にのりがよかったのですが、その踊り狂っている足下で散らばるのが食べかす、紙皿、紙コップ、そして焼き串、紙くずなどのゴミの山。飲み残したジュースが道に垂れ、食べかすの骨やケチャップなどが道ばたに折り重なっています。翌日同じ道を通りがかってみたところきれいに片づいていましたが、どうしてもそういうものが重なると道には変な染みが残りますし取れない匂いがつきます。そういった汚物が流れ込む下水、あるいは地下鉄に入るとすえた臭いがたちこめるため、気持ちが悪くなることもまれにあります。
ホテル周辺を思い当たって最終日に見てみると、側溝近辺に澱んだ汚水がたまっていて、ゴミは無造作に積み重なっています。片づけている掃除夫の人が一生懸命ゴミを袋に詰めている横で、さらに道ばたにゴミを捨てていきます。
誰かが片づけてくれるから捨ててもかまわないという民度は、正直自分が楽しんであとはだれかが嫌なことはやってくれるからという押しつけになっていて、感心しません。自分が楽しければそれでいいという意識にも近いものがあります。
恥ずかしながら、今回の旅行では最後にいわゆる観光客狙いの引っかけにあいました。街中を歩いていてわざとぶつかって、手に持っていた眼鏡のレンズが壊れたから弁償しろという、古典的なタイプです。初日は用心していたし二日目は荷物が軽かったのでそうでもなかったのですが、最終日、ホテルをチェックアウトしてから駅に向かう間のことで荷物が若干あって取り回しがあり、またその姿が観光客そのものにみえたのでしょう。油断していたところでした。場所は治安の悪いところでもなんでもなく、エンパイヤステートビルの真横です。あまりに古典的すぎなのですが、その眼鏡が本当に壊れていたのかどうかを証明する手段は古典的なだけにありません。もちろん払う義理はないですし、近くにいた警察官が立ち去ってから呼び止めたりするあたりがまんますぎて、あきれにもちかいものでした。が、5分以上一方的にしゃべる話を聞いていて、この人たちはこういうことをしてお金を取ることをまず一番楽に金を稼ぐ方法だと思っているのだろう、というある意味あきらめにも似た感情を正直抱きました。観光客ならばその場に居続けることもない。日本人は金を持っているし英語もあまりしゃべれないし、金で解決しようとするから払うだろうという意識でやっていると思います。正直、払ってしまったことで、彼らにやはり日本人は金を払う人間だという実績のカウントを一つあげてしまったと後悔はしています。払うべきでは無かったのだと思いますが、空港まで行く時間と、強行に拒否し続けた場合にどうなるか、という事を考えると、言葉は悪いですが10$ですむならはらってやるよと思ってしまったわけです。
NY滞在中の数日は親切にされたこともあるし親切にしてあげたこともあります。全ての人々がそうだとも断定しません。しかし自分が肌で感じた結果として、ガム屑とゴミ屑の多い地域でのみ不快な思いをしました。それ以外では感じたことはありません。
NYと言う街そのものは、上を見上げれば青い空ときれいなビルが見えます。視線を下に向けると噛み捨てたガムのカスとゴミが地面を舞っています。住んでいる人々の民度を表しているようで、楽しかった度の中でも悲しい一コマでした。それこそがNYだよと言われてしまうとそれまでかもしれませんが、だとするとこの街の繁栄は、そういう姿がないと成り立たないようなものでしかないのだねと言わざるを得ません。どの街にだって表と裏があるでしょうしそれが構造としてある以上消せるわけがないのも分かりますが、今までいろいろな国の街を一人歩きしてきた中で、他の国では感じなかった、この街でだけ感じた一幕でした。
あと、不快といえば、この街だけですね。相手が日本人と分かると見下したような態度を取る店員にあったのは。仮にも客として買い物をしている人間に対し、値段以外の言葉を言わずに同僚と雑談しているというのは店としてそもそもなっていません。日本人観光客、舐められすぎです。