えぇ!?

 朝のすがすがしい光の中、 つるん さんと共に外に出る。車に荷物を積み込みながら私は朝のコーヒーが飲みたくて仕方なかった。 決して朝から見てはいけない物を見てしまったからとかではない。
 車のエンジンをかけようとしたまさにそのとき、 寝起き姿のちえぞうさんと こうしゃく が出てきたのである。 普通は色っぽい物を想像するだろうが、この二人は心底眠そうだった。

「気を付けて行ってきて下さいね」

 ちえぞうさんがあくびをかみ殺しながらそう言ったシーンを私は一生忘れないだろう。 将来この人は可愛い奥さんになるだろう!他の寝てる人よりかは・・・(ぼそっ)

「コーヒーついでに買いに行きますけど、一緒行きます?」

 私はの誘いに乗ったのは こうしゃく だけであった。化粧落としを買いたいらしい。

 ちえぞうさんの見送る中、車は三木を離れて新神戸に行く・・・はずが道が判らなかった。
思わず以前来たときの感覚で高速に乗ってしまう。

「岡山方面と大阪方面、どっちですかね?」

 私の質問に つるん さんは堂々と答えてくれた。

「岡山方面!」

 が、これが失敗であることはすぐに発覚する。私が「間違ってませんか?」というと、 つるん さんは照れたように「うん、実は・・・」といいだした。テメェ・・・
 しかし怒ってもおれない。なぜなら「高速に乗るよりトンネル抜けた方が早いのよ」ということを 私自身も忘れていたからである。ま、ドローってことで。しかし こうしゃく はしっかり見ていた。

「これで ミラ さんたちのことを笑えないね」

 余計なお世話である(涙)
 車はきた道を戻り、一路新神戸にむけて進路を変える。おんぼろ車を最大限にぶっとばし、 一気に新神戸に向かったとき、 つるん さんはほっとしている様子だった。何かの会議にどうしても間に合いたかったらしい。
 私は つるん さんを見送りがてら、トイレに直行した。「朝の日課」である。

 私が日課を終えて車に戻ると こうしゃく がちんまりとイスに座っていた。

「飛騨っちぃ、ごめんなぁ〜」

 私は最初なんのことか判らなかったが、どうやら昨日飲んで眠くなってむずがり、 私があやしたことを覚えていたらしい。ついてきたのは洗顔フォームなんぞ建前で、 ちゃんとあやまりたかったようだ。むぅ、これが MICK さんのいう「逆に余計に気を使わせる」か・・・
 また一つ勉強になったところでコンビニに車を回す。

「気にするなよ、よくあることさ」

 振り向きざまに歯をきらりん!で こうしゃく をみると・・・ こうしゃく は再び目をつぶって寝ていた。
 こうしゃく ・・・君はきっといい子供になれるよ、来世でも(涙)

 その後コンビニついたのでコーヒーや歯ブラシを購入する。こっそりドリンク剤を飲んでいたのは内緒だ。 どうやらおっさん体質になりつつあるらしい。どうにも疲れがとれない。
 車に戻るとき、

こうしゃく でも一応化粧はするんだな」

 といって鳩尾にエルボー、そのまま流すように裏拳をくらったことは内緒である。

 車は再びトンネルを抜けて三木に戻ってくる。宿舎に戻ると・・・ まだ昨日の狂乱の後は片づいていなかった。
 戻った時間が9時すぎぐらいだったろうか。かろうじて ブロイ さんがおきてきたので、片づけを始める。なにやってんだよ、みんな・・・(涙)
 チェックアウトは10時なので、急ぎ片づけをしていると しお さんが復活し、更には MICK さんが復活してきた。
 しかし しお さんはお風呂に行ってしまうし、 MICK さんはそのおもりである。そこにようやく現れたヨウヘイさんは

「おい、ヨウヘイ。お前、手伝いたいやろ?手伝え。しっかり働け」

 つくなり強制就労が決定してしまう。何も食ってないのに・・・。

「駅から中学校まで歩いて、あとはタクシーで来ました」

 駅から中学校といえばかなりの距離があるらしい。なんで誰も迎えに行ってあげなかったのだろう・・・? そんな疑問をよそに、片づけはちゃくちゃくと進んでいった。
 しかし私は途中退場。 ミサイルマン さんから「迎えに来て下さい」CALLが入ったので再び車に乗る。
 ・・・車に戻ると、そこにはこうしゃくが寝ていた(汗)

「もしもーし、 こうしゃくーぅ 、今から人を迎えに行くぞ〜。だからおりて大人しくまとうな〜」

 私の優しい声に対する問いかけに、

「いいの、ねるの」

 がんとして助手席で眠ったままうごこうとしなかった。

「いい子だから・・・」

 言い終わる前に喉笛に地獄付きが刺さった時点で、私は説得を諦めて車を出した。
 駅につくと ミサイルマン 夫妻とらくらくと合流を果たす。
 ミサイルマン さんが車に乗り込んだ瞬間、助手席で眠っている たれぱんだ をみてぎょっ!としたのを私は忘れない。しかし奥さんの方は至って冷静であった。
 車は順調に三木に戻ってくる。途中、ヨウヘイさんの歩いた距離の長さをしのびながら。

 三木に戻るとみんなが丁度写真撮影とかをしていた。ぎりぎりセーフである。 なんとか写真撮影にはいりこむと、そのままあわただしくキャンプ場への移動となった。

 キャンプ場につくなり私は再び移動になった。なんと肉を食う前にかい出し命令が下りたのである。
氷やコップや入れ物をかってこいというのである。しかも例によって車での移動の最中にも電話で追加が来るのだ。
 必死になって記憶し、サティに車を走らせる。やっぱりお約束のように道に迷いながら。
 サティについて買い物をしようとするとにわかに こうしゃく がおきあがってきた。

「飛騨っち、アイスくいたい。くいたい、くいたい、アイスー、アイスーーー!」

 あ、アイス!?まぁサティにあると思うので、つれて降りる。・・・でかい子供が出来た気分だ。 ブロイ さんの苦労が忍ばれる。
 アイスを買い与えるとこうしゃくはゴキゲンになったので。私はその間に頼まれた氷などを買い込む。 ブロイ さんが居てくれた先日の買い出しと違い、なんせ全部自分で思いだしながらだから効率が悪い。
 それでもなんとか買い出しを終えて三木に戻る。既にキャンプ場ではみんなが美味しそうに肉を ほおばっている所であった。
 私も参戦する予定が・・・座る場所がなかった(涙)
 しばらくうろうろしていたが、ようやく MICK さんのチーム(なぜか しお さんチームとの2チームに別れていた)に居場所を発見する。
 私はその後、無我夢中で食べた。正直神戸牛とか以前の問題なほどくいたおした。 個人的にはシマチョウが美味しかったので、神戸牛なんかどうでも良かったのだけれど。
 しばらくして しお さんが戻る時間が来る。そしてまた赴く私。もう肉を食った後なので私は万全だった。 車を回し助手席に乗り込もうとした しお さんが一瞬驚・・・かなかった。うしろの こうしゃく をみても

「あれ、 こうしゃく 、まだ寝てたの?大丈夫?」

 物事に動じない人だと感心しながら車を出す。
 新神戸に しお さんを送るかたわら、ポリさんに速度違反で捕まりそうになったのは内緒です。

 三木にもどってくると、みんな談話している様子だったが、 一人でなべで何かしている人と、それを優しい瞳で見つめる女性の二人だけが 離れた位置にいた。どうもそれは えとっち さんとその彼女さん(奥様?)らしい。なんでもラーメンを作っているらしく、 小腹をすかせて戻ってきた私にはありがたい話であった。

「こんな風のつよいなかで、しかも土鍋でラーメンをつくれって・・・無茶ですよ」

 必死になって火をおこす えとっち さんは哀れなほどであった。
 しかし私は えとっち さんの苦労を味わう機会を失ってしまうことになる。 さんが

「私、もう飛行機の時間!」

 ブロイ さんが送って行くつもりだったのだが、まだ土鍋などが片づいていない。

「飛騨、すまん。最初から最後まで使いっ走りになってまうけど、勘弁してくれ」

 MICK さんがそう私の肩を叩きながらいった。まぁ私は会社に戻る用事があったので問題もなかった。
  さん、 ミサイルマン さん夫妻、そしてやはり飛行機の時間の こうしゃく を乗せて車を出す。車が三木のキャンプ場を出てしばらくのことだった。

「事故渋滞 12km」

  さんは真っ青になっていた。高速が使えないとなると間に合わない公算が大きい。 っていうか、残余時間1時間にみたない時間で、それも混みやすい夕方である。 間に合う方がおかしい。
 今にも泣き出しそうな さんをみると、すんなり諦めるわけにも行かなかった。

「すみません ミサイルマン さん。そこの地図で最短ルートを確認してもらえませんか?」

 私の知るルートで最短は三宮付近まで一気に南下して阪神高速3号神戸線で東に向かうルートだった。 しかしそれは帰り道にはなっても大阪国際空港へのアクセスに関してはどうかしらない。
 地図を検索する ミサイルマン さんは早かった。 下条 さんを上回る速度である。一気に最短ルートを調べ上げてナビをしてくれる。
 一般道を100〜120kmで爆走するワゴン車。私は既に神の領域に入っていた。 途中ちんたらと遅い車のせいで40キロまで速度が落ちたが、 さんがもの凄い勢いで一喝していた。やっぱ元・ヤンキーだよ、この娘(涙)
 高速にのれば140キロまでひっぱるも、すぐに車が混んで80〜100に落ち着く。全員言葉数が少ない。 正直同乗した ミサイルマン 夫妻、 こうしゃく には申し訳ないことをしたと思った。怖いだろうな、あんな運転。私だったら絶対に下車する。
 同乗者の安全を考えてぎりぎりの速度・走法であったが、決してすばらしい模範的な運転ではない。 しかしそれでも攻めの運転を続けて大阪国際空港にすべりこむ。タクシー乗り場のアタリに車を横付けし、 さんを送り出す。その後駐車スペースを強引にみつけて駐車する。

「飛騨さん、行きも帰りも送ってもらって申し訳ない」

 礼儀正しい ミサイルマン さんに頭を下げられてしまう。むしろこっちのほうが危険走行でご迷惑をおかけしたというのに。
 ミサイルマン 夫妻と別れを告げ、空港に向かう。残る こうしゃく のお見送り・・・だけのはずが、結局間に合わなかった さんの見送りもすることに。
 しょげ返る さんや、怖い思いをさせてしまった こうしゃく に、お土産を買って送り出す。長い旅だった。

 気付いたときには私は会社のイスに座っていた。どうやら座ったまま眠りこけていたようだった。 長い長い夢だったように感じたが、事実であった証拠が眼前にあった。

 仕事の山であった。かくて私はこのテンションを維持したまま、ゴールデン・ウィークに突入するのである。 仕事というおまけを背負って。




こうしゃくからの一言:

ごめんさない ごめんなさい!!
謝るから 許してくれよーーー!!!
前日はべろんべろんになって、2階のビールを勝手に飲みだしたり
そりゃあ 悪行三昧でしたさーーー!!
ついで 次の日も、寝倒したうえに、
アイスーー!!アイスーー!!って言ってみたり
米ーーーー!!米食わせーーーーーー!!って再び言ってみたり
食ったらまた寝るわで 最悪でしたさーーー!!
どうやら、パンツまで公開してたらしいさー!!
ああ もう どうにでもなれってんだーーー!!!!

どうせ、いいかげんこれを見てる人はいないだろう
とおもって バラしまくり(笑)

で、ロケットマンさんなの?ミサイルマンさんなの??

注釈:こうしゃくっちのコメントは一切手を入れませんでしたが、誤解の無いように ミサイルマンさんというハンドルの方が正しい、とだけここに付け加えます。

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