流れる季節(仮題)


 今回の作品はまだ曲がありません。曲が出来るまでに相当歌詞が変わるかもしれません。

 人の心と言葉って、面白いですね。見方、考え方、状態でころころかわる。 表と裏がくるくるひっくりがえる。一つボタンを掛け違えれば、良いところが憎く思えもし、 最悪な面すらも愛おしく見えてしまう。
 さっき言った言葉も、心が変われば途端に温度と内容を変えてしまう。 どんな綺麗事もそこには存在せず、人の心ほど信用できないものはない。 でも同時に人の心ほど信用したいものはないんじゃないでしょうか?
 辛い思いをすればするほど、信じすぎれば信じすぎるほど、心を裏切られた傷は深く、 同時にその傷は信用した、素敵な気持ちを抱いた過去でさえも否定して 受け容れられなくしてしまうのではないでしょうか?
 ふと空を見上げることがあります。月夜であったり、青空であったり、雨天であったり、 それは様々な表情を見せますが。
 私は空にいつも、色々なものを想い、感じています。それはその都度違うのですが。 でもいつも素直に、そして気持ちよくさせてくれます。

 色々な想いが胸を去来して、自分の中で結論というか、結果を導き出していくわけですが、 辛いことはなかなか受け容れがたく、自分の中での結論って出しにくいと思います。
 そんな時は空を見上げて、色々考えるんですよ。夜空であったり、晴天であったり、 その気持ちの良い空をぐっと見上げます。そして色々な問いかけや想いの整理をします。 空はなんにも応えてくれませんが、でも自分ですっきりと答えが出せるんですよ。 落ち着いて、自分自身で問答できるんです。

 空を見上げながら。落ち着いた気持ちで、言葉を投げかけて。 アナタが大好きでした。だから必ず幸せになって欲しい。 でも少し口惜しいから、これ以上可愛くなって欲しくないな、なんて。

 ようやく素直に“ありがとう”





title : 流れる季節(仮題)


春風が運んだ不思議な時間 僕は少し戸惑った
桜と日差しが心酔わす 何かが自分の中で溶けていき
つま弾くギター 歌う大切な曲 そして吐息
ダメだと解っているはずなのに 理性が引き留めるのに

 躊躇い言葉選んで 流れた台詞 “好きです”

  恋しくて 切なくて 逢いたくて でも逢えなくて
  仕事の手を休め いつの間にか君を想う時間
  辛くて 悲しくて 涙こぼれて でも言えなくて
  ただ愛しさのあまり 夢のままに 君の事を選んでいた

この夜空に光る月を 君も今 眺めているの?
思わず口ずさみそうになってやめる 君の好きな歌
君は他の人を選んだから 僕に出来るのは幸せを祈ることだけ
でも少し口惜しいから それ以上可愛くならないで

 流れ出す白い吐息 描く唇 “さよなら”

  恋しくて 切なくて 逢いたくて でも逢えなくて
  眺めたビルの光 壊れた夢と腕時計
  辛くて 悲しくて 涙こぼれて でも言えなくて
  引き裂いた楽譜 床に散らして 君の写真を破るよ


   同じ唇から漏れた言葉なのに どうしてこんなに温度が違う?
   写真をみると 別れたことも忘れてしまいそう
   恨むことができないから こんなに胸が辛いのかも
   過去に忘れることで きっと強くなっていくのだろう


 見上げる空白い雲 漏れた言葉 “ありがとう”

  恋しくて 切なくて 逢いたくて でも逢えなくて
  生きる場所は異なるけれど どうか幸せになって
  辛くて 悲しくて 涙こぼれて でも言えなくて
  帰らない季節 眩しすぎる空 夏はまたそこまで




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